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Linkexpress Transactional Replication option V5.0L60 説明書
FUJITSU Software

29.4.1 環境設定

クラスタシステムの環境設定の項目は、以下のとおりです。

環境設定の作業の流れは"図29.27 環境設定の手順"のとおりです。

図29.27 環境設定の手順

29.4.1.1 クラスタシステムの基本的な項目

クラスタシステムの基本的な項目について説明します。

クラスタシステムを構築するために必要な資源(共有記憶装置やIPアドレスなど)については、Windowsおよび各データベース製品のマニュアルを参照してください。

29.4.1.1.1 "サービスまたはアプリケーション"の決定

TJNLをクラスタシステムで動作させるためには、フェールオーバー クラスタリングに登録するTJNL用の"サービスまたはアプリケーション"を決定する必要があります。ジャーナル提供側のアプリケーションがInterstage Application Serverを使用して動作する場合は、Interstage Application Serverと同じ"サービスまたはアプリケーション"に所属させます。ジャーナル提供側のアプリケーションがInterstage Application Serverを使用しない場合は、専用の"サービスまたはアプリケーション"を新規に作成します。いずれの場合にも、データベースシステム(Symfoware/RDB、OracleまたはSQL Server)、TRM、JournalTransfer 、TJNL、アプリケーションを含めた業務の引継ぎ単位を考慮して"サービスまたはアプリケーション"を決定する必要があります。

Symfoware/RDBの場合

データベースシステムにSymfoware/RDBを使用する場合のTJNLの基本的な"サービスまたはアプリケーション"の構成を"図29.28 "サービスまたはアプリケーション"構成(Symfoware/RDB)"に示します。

図29.28 "サービスまたはアプリケーション"構成(Symfoware/RDB)

Oracleの場合

データベースシステムにOracleを使用する場合のTJNLの基本的な"サービスまたはアプリケーション"の構成を"図29.29 "サービスまたはアプリケーション"構成(Oracle)"に示します。

図29.29 "サービスまたはアプリケーション"構成(Oracle)

SQL Serverの場合

データベースシステムにSQL Serverを使用する場合のTJNLの基本的な"サービスまたはアプリケーション"の構成を"図29.30 "サービスまたはアプリケーション"構成(SQL Server)"に示します。

図29.30 "サービスまたはアプリケーション"構成(SQL Server)

29.4.1.1.2 共有記憶装置の割り当て

TJNLをクラスタシステムで動作させるためには、以下のすべてのファイルを共有記憶装置上に作成しなければなりません。

そのため、必要なファイル容量を見積った後に、その容量を格納できる共有記憶装置上の物理ディスクを用意します。この物理ディスクを、TJNLを所属させる"サービスまたはアプリケーション"にリソースとして登録します。以降、ここで登録したリソースを"TJNL用のディスクリソース"と呼びます。

Symfoware/RDBで作成するファイルについてはSymfowareのマニュアルを、Oracleデータベース作成時に作成するファイルについてはOracleのマニュアルを、SQL Serverで作成するファイルについてはSQL Serverのマニュアルを参照してください。

共有記憶装置に作成する資源を"図29.31 共有記憶装置上の物理ディスクの構成"に示します。

なお、物理ディスクは複数使用することも可能です。その場合、使用するすべての物理ディスクを、TJNLを所属させる"サービスまたはアプリケーション"にリソースとして登録しておきます。

図29.31 共有記憶装置上の物理ディスクの構成

29.4.1.1.3 IPアドレスの取得

クラスタシステムで共有して使用するIPアドレスを取得する必要があります。JournalTransferは、他のサーバからはこのIPアドレスで通信することになります。
また、データベースシステムがOracleの場合は、このIPアドレスはOracle Netのリスナーでも使用します。

29.4.1.2 データベースシステムの環境作成

各データベースシステムの環境作成手順を説明します。

Symfoware/RDBの環境作成

使用するデータベースシステムがSymfoware/RDBの場合の環境作成手順は、以下のとおりです。

図29.32 Symfoware/RDB環境の設定手順

  1. Symfoware/RDBの環境作成

    クラスタシステムでSymfoware/RDBを使用するためには、Symfoware/RDB環境がクラスタシステムに対応している必要があります。クラスタシステムに対応したSymfoware/RDB環境を作成する方法の詳細については、Symfowareのマニュアルを参照してください。

Oracleの環境作成

使用するデータベースシステムがOracleの場合の環境作成手順は、以下のとおりです。

図29.33 Oracle環境の設定手順

  1. Oracleの環境作成

    クラスタシステムでOracleデータベースを使用するためには、Oracle環境がクラスタシステムに対応している必要があります。Oracle Fail Safeを使用してクラスタシステムに対応したOracleの環境を作成します。Oracle環境を作成する方法の詳細については、Oracle Fail Safeのマニュアルを参照してください。

SQL Serverの環境作成

使用するデータベースシステムがSQL Serverの場合の環境作成手順は、以下のとおりです。

図29.34 SQL Server環境の設定手順

  1. SQL Serverの環境作成

    クラスタシステムでSQL Serverを使用するためには、SQL Server環境がクラスタシステムに対応している必要があります。クラスタシステムに対応したSQL Server環境を作成する方法の詳細については、SQL Serverのマニュアルを参照してください。

29.4.1.3 TRM環境の作成

クラスタシステムでTRMを使用するためには、TRMの環境がクラスタシステムに対応している必要があります。
TRM環境の作成手順は以下のとおりです。

図29.35 TRMの環境作成の流れ

TRM環境定義の作成

クラスタサービスを使用する場合、TRM環境定義にクラスタシステム用としてClusterセクションを追加します。また、環境定義に指定するすべてのファイルは、共有記憶装置上の物理ディスクを指定する必要があります。

クラスタサービスを使用する場合のTRM環境定義の記述形式は以下のとおりです。なお、Clusterセクション以外の指定内容については、"17.2 TRM環境定義の記述"を参照してください。

記述形式
[MQDConfiguration]
   QueueMax              = 作成メッセージキュー数の最大値
   MessageBufferMaxSize  = メッセージバッファの最大長
[Transaction]
   TransactionFile  = トランザクション管理ファイルの名前
[SystemFile]
   SystemFile1      = システム制御用ファイル1の名前
   SystemFile2      = システム制御用ファイル2の名前
   SystemFile2_Size = システム制御用ファイル2の容量
[QueueIndex]
   File             = メッセージキュー管理ファイルの名前
[DiskQueue]
   File             = ディスク型メッセージキューのメッセージ格納ファイルの名前
   Size             = ディスク型メッセージキューのメッセージ格納域の容量
[WatchQueueUsed]
   DiskQueue        = ディスク型メッセージキューのメッセージ格納域の安全値と警告値
[Cluster]
   SystemDirectory  = TRM用のクラスタサービスが使用するディレクトリの名前
Clusterセクション

TRMのクラスタ機能が使用するシステムファイルを格納するフォルダを指定します。記述内容を、"表29.7 Clusterセクションの記述内容"に示します。

表29.7 Clusterセクションの記述内容

キーワード

省略

記述方法

記述内容の説明

SystemDirectory

不可

絶対パスで指定します。
共有記憶装置上の物理ディスクにあるフォルダを指定します。

TRMのクラスタ機能が使用するシステムファイルを格納するフォルダを指定します。

以下に、Clusterセクションの記述例を示します。

[Cluster]
   SystemDirectory = x:\trmsysdir
共用ディスクの容量の見積もり

TRMをクラスタアプリケーションで使用する場合、共用ディスク上に"17.1.2.2 ファイル容量の見積り"に示すファイル容量が必要です。
必要なファイル容量を確保してから以降の操作を実行してください。

TJNL用のディスクリソースのオンライン

フェールオーバー クラスタ管理を使用して、TJNL用のディスクリソースをオンラインにします。

1つ目のノードでのTRM環境作成

TJNL用のディスクリソースの所有者となっているノードにTRM環境を作成します。環境の作成は、通常の環境作成と同様に、trmqdsetupコマンドコマンドを使用します。また、trmqdsetupコマンドを実行する際には-pを指定してください。

以下に、trmqdsetupコマンドの入力例を示します。

trmqdsetup -p -f d:\trmdev\trmqdsetup.def

2つ目のノードでのTRM環境作成

待機ノード上でTRM環境を作成します。このとき、切替えディスクにアクセスできるようにする必要はありません。TRM環境の作成は、trmqdsetupコマンドを使用します。運用ノード上に環境を作成したときと同一内容のTRM環境定義、および待機ノード上での環境作成を意味する-hオプションを指定します。
以下に、trmqdsetupコマンドの実行例を示します。

trmqdsetup -p -f d:\trmdev\trmqdsetup.def -h

TRMの起動

共有記憶装置上の物理ディスクにアクセス可能なノード上で、TRMを起動します。
TRMの起動については、"18.1.1 TRMの起動"を参照してください。

メッセージキューの作成

TJNLおよびJournalTransferが使用するメッセージキューを作成します。
メッセージキューの作成は、trmqdcrtqコマンドで行います。trmqdcrtqコマンドの詳細については、"20.2.5 trmqdcrtq (メッセージキューの作成)"を参照してください。また、オプションの指定方法については、"23.2.3.1 TRMのメッセージキュー環境"を参照してください。

29.4.1.4 JournalTransferの環境を作成する

クラスタシステムでJournalTransferを使用するためには、JournalTransferの環境がクラスタシステムに対応している必要があります。
JournalTransfer環境の作成手順は以下のとおりです。

図29.36 JournalTransferの環境作成の流れ

CKPTファイルの作成

JournalTransferが使用するCKPTファイルを作成します。
CKPTファイルの作成方法については、"23.2.3.1 TRMのメッセージキュー環境"を参照してください。

サービス定義の作成

JournalTransferサービスのサービス定義に、起動するJournalTransferシステムを定義します。
サービス定義の詳細については、"23.2.1 JournalTransferサービスのサービス定義"を参照してください。

起動パラメタの作成

JournalTransferが使用する起動パラメタを作成します。
起動パラメタは共有記憶装置上の物理ディスクに作成する必要があります。起動パラメタの詳細については、"23.2.2 JournalTransferシステムの起動パラメタ"を参照してください。

JournalTransferサービスの起動

JournalTransferを運用するためにJournalTransferサービスを起動します。
JournalTransferサービスの起動はtrjtsvcstartコマンドで行います。trjtsvcstartコマンドの詳細については、"26.2.1 trjtsvcstartコマンド"を参照してください。

JournalTransferサービスの停止

JournalTransferサービスを停止します。
JournalTransferサービスの停止は、trjtsvcstopコマンドで行います。trjtsvcstopコマンドの詳細については、"26.2.2 trjtsvcstopコマンド"を参照してください。

29.4.1.5 TJNLの環境を作成する

TJNLの作成手順は、使用するデータベースにより異なります。以下に使用するデータベースごとの環境作成手順を示します。

29.4.1.5.1 Symfowareの場合

TJNLの環境を作成する手順について説明します。

TJNLを使用するためには、"図29.37 TJNLの環境作成の流れ"の手順に従って、TJNLが動作するための環境を作成する必要があります。なお、TJNLの環境作成は、TJNL用のディスクリソースがオンラインになっているノードで行ってください。

図29.37 TJNLの環境作成の流れ

TJNL環境を作成する

TJNLの環境を作成します。作成方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じですが、ジャーナル取得ファイルの作成先を共用ディスク装置上としてください。TJNLの環境作成の詳細は"11.3 環境作成"を参照してください。作成には、tjnlsetupコマンドを使用します。このコマンドは、ノードで一度だけ実行します。以下にtjnlsetupコマンドの入力例を示します。

tjnlsetup -f TJNLenv.def

取得定義の作成

TJNLの取得定義を作成します。定義方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じです。取得定義の詳細は"11.4.4.1 取得定義の作成"を参照してください。

取得定義の登録

TJNLの取得定義を登録します。登録方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じです。取得定義の登録についての詳細は"11.4.4.2 取得定義の登録"を参照してください。登録には、tjnlfmtdefコマンドを使用します。このコマンドは、ノードで一度だけ実行します。以下にtjnlfmtdefコマンドの入力例を示します。

tjnlfmtdef -a -f FMT.def

配付定義の作成

TJNLの配付定義を作成します。定義方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じです。配付定義の詳細は"11.4.5.1 配付定義の作成"を参照してください。

配付定義の登録

TJNLの配付定義を登録します。登録方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じです。配付定義の登録についての詳細は"11.4.5.2 配付定義の登録"を参照してください。登録には、tjnldefコマンドを使用します。このコマンドは、ノードで一度だけ実行します。以下にtjnldefコマンドの入力例を示します。

tjnldef -a -f PUT.def

取得定義と配付定義を反映する

登録した取得定義および配付定義を反映するために、-nを指定して一度TJNLを起動します。定義反映についての詳細は"11.4.6 定義の反映"を参照してください。起動はtrmqdstrsvcコマンドを使用して行います。以下に、trmqdstrsvcコマンドの入力例を示します。

trmqdstrsvc -n TJNL

TRMの停止

TRMを停止します。
TRMの停止については、"18.1.6 TRMの停止"を参照してください。

Symfoware/RDBを停止する

環境作成のために起動したSymfoware/RDBを停止します。Symfoware/RDBの停止方法の詳細はSymfowareのマニュアルを参照してください。

29.4.1.5.2 Oracleの場合

TJNLの環境を作成する手順について説明します。

TJNLを使用するためには、"図29.38 TJNLの環境作成の流れ"の手順に従って、TJNLが動作するための環境を作成する必要があります。なお、TJNLの環境作成は、TJNL用のディスクリソースがオンラインになっているノードで行ってください。

図29.38 TJNLの環境作成の流れ

TJNLスーパバイザを登録する

TJNLスーパバイザを登録します。登録方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じです。TJNLスーパバイザの登録方法の詳細は"12.4 環境作成"を参照してください。

TJNL環境の作成

TJNLの環境を作成します。作成方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じですが、ジャーナル取得ファイルの作成先を共用ディスク装置上としてください。TJNLの環境作成の詳細は"12.4 環境作成"を参照してください。作成には、tjnlsetupコマンドを使用します。このコマンドは、ノードで一度だけ実行します。以下にtjnlsetupコマンドの入力例を示します。

tjnlsetup -f TJNLenv.def

取得定義の作成

TJNLの取得定義を作成します。定義方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じです。取得定義の詳細は"12.5.4.1 取得定義の作成"を参照してください。

取得定義の登録

TJNLの取得定義を登録します。登録方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じです。取得定義の登録についての詳細は"12.5.4.2 取得定義の登録"を参照してください。登録には、tjnlfmtdefコマンドを使用します。このコマンドは、ノードで一度だけ実行します。以下にtjnlfmtdefコマンドの入力例を示します。

tjnlfmtdef -a -f FMT.def

配付定義の作成

TJNLの配付定義を作成します。定義方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じです。配付定義の詳細は"12.5.5.1 配付定義の作成"を参照してください。

配付定義の登録

TJNLの配付定義を登録します。登録方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じです。配付定義の登録についての詳細は"12.5.5.2 配付定義の登録"を参照してください。登録には、tjnldefコマンドを使用します。このコマンドは、ノードで一度だけ実行します。以下にtjnldefコマンドの入力例を示します。

tjnldef -a -f PUT.def

取得定義と配付定義を反映する

登録した取得定義および配付定義を反映するために、-nを指定して一度TJNLを起動します。定義反映についての詳細は"12.5.6 定義の反映"を参照してください。起動はtrmqdstrsvcコマンドを使用して行います。以下に、trmqdstrsvcコマンドの入力例を示します。

trmqdstrsvc -n TJNL

TRMの停止

TRMを停止します。
TRMの停止については、"18.1.6 TRMの停止"を参照してください。

Oracleデータベースを停止する

環境作成のために起動したOracleデータベースを停止します。停止方法の詳細は、Oracleのマニュアルを参照してください。

29.4.1.5.3 SQL Serverの場合

TJNLの環境を作成する手順について説明します。

運用系

TJNLを使用するためには、"図29.39 TJNLの環境作成の流れ"の手順に従って、TJNLが動作するための環境を作成する必要があります。なお、TJNLの環境作成は、TJNL用のディスクリソースがオンラインになっているノードで行ってください。

図29.39 TJNLの環境作成の流れ

TJNLスーパバイザを登録する

TJNLスーパバイザを登録します。登録方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じです。TJNLスーパバイザの登録方法の詳細は"13.4 環境作成"を参照してください。

TJNL環境の作成

TJNLの環境を作成します。作成方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じですが、ジャーナル取得ファイルの作成先を共用ディスク装置上としてください。TJNLの環境作成の詳細は"13.4 環境作成"を参照してください。作成には、tjnlsetupコマンドを使用します。このコマンドは、ノードで一度だけ実行します。以下にtjnlsetupコマンドの入力例を示します。

tjnlsetup -f TJNLenv.def

取得定義の作成

TJNLの取得定義を作成します。定義方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じです。取得定義の詳細は"13.5.4.1 取得定義の作成"を参照してください。

取得定義の登録

TJNLの取得定義を登録します。登録方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じです。取得定義の登録についての詳細は"13.5.4.2 取得定義の登録"を参照してください。登録には、tjnlfmtdefコマンドを使用します。このコマンドは、ノードで一度だけ実行します。以下にtjnlfmtdefコマンドの入力例を示します。

tjnlfmtdef -a -f FMT.def

配付定義の作成

TJNLの配付定義を作成します。定義方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じです。配付定義の詳細は"13.5.5.1 配付定義の作成"を参照してください。

配付定義の登録

TJNLの配付定義を登録します。登録方法はクラスタシステムを使用しない場合と同じです。配付定義の登録についての詳細は"13.5.5.2 配付定義の登録"を参照してください。登録には、tjnldefコマンドを使用します。このコマンドは、ノードで一度だけ実行します。以下にtjnldefコマンドの入力例を示します。

tjnldef -a -f PUT.def

取得定義と配付定義を反映する

登録した取得定義および配付定義を反映するために、-nを指定して一度TJNLを起動します。定義反映についての詳細は"13.5.6 定義の反映"を参照してください。起動はtrmqdstrsvcコマンドを使用して行います。以下に、trmqdstrsvcコマンドの入力例を示します。

trmqdstrsvc -n TJNL

TRMの停止

TRMを停止します。
TRMの停止については、"18.1.6 TRMの停止"を参照してください。

SQL Serverデータベースを停止する

環境作成のために起動したSQL Serverデータベースを停止します。停止方法の詳細は、SQL Serverのマニュアルを参照してください。

待機系

待機系でODBC データ ソースを登録します。
以下のファイルを複写し、環境に合わせて修正したうえで使用してください。

インストールフォルダ\TJNL\sample\sqlserver\TJNLADDODBC.bat

29.4.1.6 クラスタシステムの環境作成

TJNLをフェールオーバー クラスタリングのクラスタシステムで動作させるための環境を作成する手順は以下のとおりです。

  1. "サービスまたはアプリケーション"のプロパティの設定

  2. リソースの登録

  3. リソースのプロパティの設定

29.4.1.6.1 "サービスまたはアプリケーション"のプロパティを設定する

MSCSの場合

TJNLの所属するリソースグループのプロパティを設定します。このグループに所属する他のリソースや業務運用を考慮して、システムとして適切な値を設定してください。特に問題がなければ、省略値のままで問題ありません。

フェールオーバー クラスタリングの場合

TJNLが所属する"サービスまたはアプリケーション"のプロパティを設定します。この"サービスまたはアプリケーション"に所属する他のリソースや業務運用を考慮して、システムとして適切な値を設定してください。

障害発生時にすぐにフェールオーバーするための、"サービスまたはアプリケーション"のプロパティの設定は、以下のとおりです。

期間(時間)

0

各リソースのプロパティは、"29.4.1.6.3 リソースのプロパティを設定する"に示す状態であることを前提とします。

29.4.1.6.2 リソースを登録する

MSCSの場合

TJNLをMSCSで動作させるために、関連するリソースをすべてTJNL用のリソースグループに登録します。登録は、クラスタアドミニストレータを使用して行います。"表29.8 TJNLのリソース一覧(MSCS)"に登録するリソースの一覧を示します。

表29.8 TJNLのリソース一覧(MSCS)

リソース資源(MSCS登録名)

リソースの種類

依存関係(依存先)

ドライブ名

物理ディスク

なし

IPアドレス

IPアドレス

ドライブ名

ネットワーク名

ネットワーク名

IPアドレス

DBMS(Symfoware/RDBまたはOracle)サービス

汎用サービス

ネットワーク名

TRMサービス[注1]

汎用サービス

DBMSサービス

TJNLの起動[注2]

汎用アプリケーション

TRMサービス

JournalTransferサービス
(JournalTransfer Service)

汎用サービス

TJNLの起動

[注1]TRMのシステム環境を作成したときに登録されたサービス名を登録します。詳細については、"17.1.5 TRMのシステム環境の作成"を参照してください。
[注2]TJNLを起動する汎用アプリケーションとして登録できるバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。任意のフォルダに複写し使用してください。

インストールフォルダ\TJNL\sample\tjnlstrsvc.bat

複数のTRMシステムを使用する場合は、バッチファイルをTRMシステムごとに用意する必要があります。環境に合わせて修正して使用してください。

以下に修正例を示します。

[TRMシステム名が"TRMABC"の場合]

rem set TRMSYSNAME=-s TRM001

set TRMSYSNAME=-s TRMABC

また、修正したバッチファイルを共用記憶装置以外に格納して使用する場合は、運用系および待機系それぞれに格納してください。

フェールオーバー クラスタリングの場合

TJNLをフェールオーバー クラスタリングで動作させるために、関連するリソースをすべてTJNL用の"サービスまたはアプリケーション"に登録します。登録は、フェールオーバー クラスタ管理を使用して行います。"表29.9 TJNLのリソース一覧(フェールオーバー クラスタリング)"に登録するリソースの一覧を示します。

表29.9 TJNLのリソース一覧(フェールオーバー クラスタリング)

リソース資源(リソース名)

リソースの種類

依存関係(依存先)

ドライブ名

物理ディスク

なし

クライアント アクセス ポイント

ネットワーク

ドライブ名

DBMS(Symfoware/RDB、OracleまたはSQL Server)サービス

汎用サービス

クライアント アクセス ポイント

TRMサービス[注1]

汎用サービス

DBMSサービス

TJNLの起動[注2]

汎用アプリケーション

TRMサービス

JournalTransferサービス
(JournalTransfer Service)

汎用サービス

TJNLの起動

TJNLの停止制御[注3]

汎用スクリプト

TJNLの起動

[注1]TRMのシステム環境を作成したときに登録されたサービス名を登録します。詳細については、"17.1.5 TRMのシステム環境の作成"を参照してください。
[注2]TJNLを起動する汎用アプリケーションとして登録できるバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。任意のフォルダに複写し使用してください。

インストールフォルダ\TJNL\sample\tjnlstrsvc.bat

複数のTRMシステムを使用する場合は、バッチファイルをTRMシステムごとに用意する必要があります。環境に合わせて修正して使用してください。

以下に修正例を示します。

[TRMシステム名が"TRMABC"の場合]

rem set TRMSYSNAME=-s TRM001

set TRMSYSNAME=-s TRMABC

また、修正したバッチファイルを共用記憶装置以外に格納して使用する場合は、運用系および待機系それぞれに格納してください。

[注3]SQL Serverを使用する場合のみ登録します。TJNLを停止するための汎用スクリプトおよびバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。ファイルを複写し、環境に合わせて修正したうえで使用してください。

インストールフォルダ\TJNL\sample\sqlserver\TJNLLOGGETSTOP.vbs

リソースに登録する汎用スクリプトのサンプルです。TJNLを停止するためのバッチファイルのパスを環境に合わせて修正します。

インストールフォルダ\TJNL\sample\sqlserver\TJNLLOGGETSTOP.bat

汎用スクリプトから呼ばれるバッチファイルのサンプルです。TJNLを停止するためのコマンドを記述します。

29.4.1.6.3 リソースのプロパティを設定する

登録したリソースのプロパティを設定します。設定値は、業務アプリケーションの異常時の動作(再起動するのかフェールオーバーするのか等)も考慮する必要があります。ここでは、ソフトウェアの障害などが発生した場合でも、グループ全体を別ノードに即座にフェールオーバーすることで、業務のダウン時間を極力短くする設定値で説明します。特に問題がなければ、この値に設定することをお勧めします。なお、ここで説明していない値については、リソース登録時の値をそのまま使用してください。

データベースの種類によっては、データベースに関連するリソースが自動的に作成されます。それらを含むすべてのリソースに対して、すぐにフェールオーバーするための値を設定してください。

MSCSの場合

全般

実行可能な所有者

両方のノードを設定します。

依存関係

依存関係

依存関係: "表29.8 TJNLのリソース一覧(MSCS)"の依存関係のとおりに設定します

詳細設定

再開する

チェックします。[注1]

グループに適応する

チェックします。

しきい値

0を設定します。

[注1]リソースグループにリソースとして登録した各機能の起動を確認したあと、この値に設定してください。リソースの登録時点では、再開しない設定にしておいてください。

フェールオーバー クラスタリングの場合

全般

TRMサービスについて(Windows 2008の場合)

リソース登録後、コマンドプロンプトから、TRMサービスのセットアップ パラメータを設定してください。TRMシステム名が"TRM001"の場合は、以下のとおりです。

cluster resource "Transactional Replication MessageQueueDirector TRM001" /priv StartupParameters=""

設定後にリソースのプロパティの[全般]タブを開き、セットアップ パラメータが、StartupParametersに指定した内容と一致することを確認してください。

依存関係

依存関係

依存関係: "表29.9 TJNLのリソース一覧(フェールオーバー クラスタリング)"の依存関係のとおりに設定します

ポリシー

リソースが失敗状態になった場合には、現在のノードで再起動を試みる

チェックします。[注1]

指定期間内での再起動の試行回数

0を設定します。

再起動に失敗した場合は、このサービスまたはアプリケーションのすべてのリソースをフェールオーバーする
(Windows 2008の場合)

再起動に失敗した場合は、この役割のすべてのリソースをフェールオーバーする
(Windows 2012の場合)

チェックします。

[注1] "サービスまたはアプリケーション"にリソースとして登録した各機能の起動を確認したあと、この値に設定してください。リソースの登録時点では、再開しない設定にしておいてください。

詳細なポリシー

実行可能な所有者

両方のノードを設定します。

29.4.1.7 動作確認

"サービスまたはアプリケーション"にリソースとして登録した各機能の動作確認を実施します。

各操作はフェールオーバー クラスタリングのフェールオーバー クラスタ管理を使用して行います。フェールオーバー クラスタ管理の詳細については、マイクロソフト社が提供しているマニュアルを参照してください。

また、障害が発生したノードでは、システムの再起動が必要です。

起動の確認

"サービスまたはアプリケーション"にリソースとして登録した各機能の起動を確認します。確認方法は以下のとおりです。

フェールオーバー クラスタ管理を使用して、"サービスまたはアプリケーション"をオンラインにします。すべてのリソースがオンラインになれば、正しく動作したことになります。オンラインにならないリソースがある場合は、イベントビューアなどを参照のうえ、オンラインにならない原因を取り除く必要があります。

なお、起動を確認する場合、各リソースのプロパティで[再開する]をチェックしないことをお勧めします。[再開する]に設定しておくと、起動に失敗した場合にフェールオーバーを繰り返すことになります。起動を確認したあとに、[再開する]をチェックしてください。

[再開する]については、以下のとおり読み替えてください。

フェールオーバーの確認

フェールオーバー クラスタ管理を使用して、TJNLの所属する"サービスまたはアプリケーション"内の任意のリソースに障害を発生させます。フェールオーバーが発生し、別ノードに"サービスまたはアプリケーション"が移動したあとにすべてのリソースがオンラインに遷移すれば正しく動作したことになります。フェールオーバーしない場合には、各リソースのプロパティの設定に誤りのあることが考えられます。設定を見直してください。また、別ノードでオンラインにならないリソースがある場合には、イベントビューアなどを参照のうえ、原因を取り除いてください。

運用が自動継続できることの確認

フェールオーバーの後に、運用が自動的に継続できることを確認します。フェールオーバー クラスタリングに登録したリソースの確認は完了しているため、ここでは業務アプリケーションを観点とした確認を実施します。