ダイレクトバックアップ使用手引書 - SPシリーズ -
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第8章 ダイレクトバックアップの環境設定

ダイレクトバックアップの動作環境に対する設定方法について説明します。

 

8.1 初期設定 

Softek AdvancedCopy Managerのコマンドまたはバックアップ管理画面から、ダイレクトバックアップが提供する機能に対して操作を行えるようにするためには、ダイレクトバックアップを導入した時にPRIMECLUSTERおよびSoftek AdvancedCopy Managerでの設定作業が必要となります。

以下に作業内容について説明します。

 

8.1.1 クラスタ運用のための設 

SSF/Backup Facilityがシングル構成の場合は、この操作は必要ありません。


クラスタ構成においてSSF/Backup Facilityは、PRIMECLUSTERにより運用/待機型のクラスタシステムになっています。このため、ノードが運用ノードから待機ノードに切り替わった時に、運用ノードで稼働していたダイレクトバックアップサーバが待機ノードで継続稼動できるように、ダイレクトバックアップサーバのOnline/Offline/CheckスクリプトをPRIMECLUSTERに登録しておく必要があります。

ダイレクトバックアップのOnline/Offline/Checkスクリプトの登録作業の詳細については、『SSF/Backup Facility導入手引書』の「5.11 リソースの設定」を参照してください。

 

8.1.2 SSF/Backup Facilityの登 

複数のSSF/Backup Facilityで運用する場合、Storage管理サーバとなるSSF/Backup Facility(以後、マスタと呼びます。)で、その他のSSF/Backup Facility(以後、スレーブと呼びます。)の登録を行う必要があります。

Softek AdvancedCopy Manager の Storage管理サーバ(マスタ)のGUIにおいて、スレーブのSSF/Backup Facilityを Storage管理サーバに登録します。

この作業を行った後は、ダイレクトバックアップの初期設定を終了してダイレクトバックアップを起動した後に、 本章の「SSF/Backup Facilityの構成変更」を行ってください。

 

作業の詳細については、『Softek AdvancedCopy Manager運用手引書』の「6.4.4 StorageサーバおよびSPサーバの登録」を参照してください。

 

8.1.3 バックアップデータの有効期間切れ確認時刻の設

「第5章 バックアップの管理」の「期限切れしたバックアップデータの自動削除」で説明した、有効期間の切れたテープのバックアップデータを自動的に削除できるようにするための設定は、以下の手順で行います。

  1. 有効期間切れをチェックして有効期間の切れたバックアップデータを自動的に削除する時刻を決定します。
    時刻は、例えば夜間など、ダイレクトバックアップサーバが処理する要求の少ない時間帯にすべきです。これは、ダイレクトバックアップサーバに大きな負荷がかかるのを防ぐためです。
  2. SSF/Backup Facilityに rootでログインします。
  3. 環境変数 EDITOR が設定されていない場合は、環境変数 EDITOR を設定します。
    以下は、環境変数 EDITOR に “vi”を使用する例です。

    # EDITOR=vi
    # export  EDITOR

  4. 以下のコマンドを実行します。

    # crontab  -e

  5. コマンドを実行して開かれたファイルにおいて、有効期間切れをチェックして有効期間の切れたバックアップデータを自動的に削除するための定義を追加します。書式は以下のとおりです。

        曜日 /opt/FJSVfbupp/sbin/tapechk
     

    以下は、有効期間切れをチェックして有効期間の切れたバックアップデータを自動的に削除する時刻を「毎日、午後11時」とした場合の記述例です。

    0 23 * * * /opt/FJSVfbupp/sbin/tapechk
     


  6. ファイルの編集を終了します。


SSF/Backup Facilityがクラスタ構成の場合は、SSF/Backup Facilityのノード切り替えが発生した場合、そのノードでも同じ時刻に同じ処理ができるように、待機ノードについても本作業と同じ作業を行う必要があります。

 

/opt/FJSVfbupp/sbin/tapechkコマンドは、テープに保存されているバックアップデータの有効期間切れを確認するために、ダイレクトバックアップから提供されているコマンドです。

 

crontabコマンドの詳細については、SSF/Backup Facilityにインストールされている manコマンドで確認してください。

 

8.2 起動前に行う設定および変更 

ここに挙げる項目は、ダイレクトバックアップサーバを起動する前に設定および変更を行う必要があります。設定および変更を行う場合は、ダイレクトバックアップサーバをいったん停止させ変更を行ってから再起動させてください。

 

8.2.1 磁気テープライブラリシステムの取り扱 

テープを利用してバックアップデータを管理するには、磁気テープライブラリシステムを利用します。

磁気テープライブラリシステムの取り扱いについては、『SSF/Backup Facility導入手引書』の「付録A 磁気テープライブラリ使用時の注意事項」を参照してください。

 

8.2.2 テープライブラリ制御ソフトウェアの設 

SSF/Backup Facilityに接続した磁気テープライブラリシステムをダイレクトバックアップから利用できるようにするには、磁気テープライブラリシステムに対応するテープライブラリ制御ソフトウェア LMF Lite の設定が必要です。

設定作業は、ダイレクトバックアップサーバおよび設定対象のテープライブラリ制御ソフトウェア LMF Lite が停止している状態で行います。

ダイレクトバックアップサーバが停止していることは、「第7章 ダイレクトバックアップサーバの起動と停止」の「停止していることの確認方法」で説明する方法で確認してください。
もし、起動されている状態であれば、「第7章 ダイレクトバックアップサーバの起動と停止」の「停止方法」で説明する方法にしたがってダイレクトバックアップサーバを停止させます。

 

テープライブラリ制御ソフトウェア LMF Liteの停止方法については、『LMF Lite 使用手引書』の「4.7 LMFデーモンの起動と終了」を参照してください。

 

LMF Liteの設定

磁気テープライブラリシステムに対応するテープライブラリ制御ソフトウェアが LMF Liteの場合、ダイレクトバックアップで使用する磁気テープライブラリシステムについて以下の設定を行います。


ダイレクトバックアップは、LMF Liteに関する磁気テープライブラリシステムの名前として「ライブラリ装置名」を使用します。同様に磁気テープドライブの名前として「論理ドライブ名」を使用します。

 

LMF Liteで登録済みのライブラリ装置名や論理ドライブ名を確認するためには、LMFサーバのホストで lmdisplay コマンドを実行します。

 

LMF Liteの設定方法の詳細は、『SSF/Backup Facility導入手引書』の以下のいずれかを参照してください。 

  • 「第4章 シングル構成での導入」の「4.4 磁気テープライブラリシステムの環境構築」
  • 「第5章 クラスタ構成での導入」の「5.4 磁気テープライブラリシステムの環境構築」

 

8.2.3 磁気テープライブラリシステムと磁気テープドライブの設

ダイレクトバックアップで使用するすべての磁気テープライブラリシステムと磁気テープドライブを、ダイレクトバックアップサーバの設定ファイルに登録します。

SSF/Backup Facilityがクラスタ構成の場合、ノードが切り替わった時に磁気テープライブラリシステムの構成が変化する場合でも、両ノードで使用する磁気テープライブラリシステム および磁気テープドライブをすべて設定ファイルに登録してください。

 

SSF/Backup Facilityがクラスタ構成の場合、本設定ファイルは両ノードで共通のものとなります。
よって、プライマリノードで本設定を行えば、セカンダリノードでの作業は不要となります。


以下の手順で行います。

  1. SSF/Backup Facilityに rootでログインします。
  2. 設定するファイルの置かれているディレクトリに移動します。

    # cd  /sp/dbu/adm/setup

  3. ダイレクトバックアップで使用するすべての磁気テープライブラリシステムの名前を“使用テープ装置設定ファイル (TapeLibrary.conf) ”に記述し、磁気テープライブラリシステムの共用/非共用の設定を行います。
    以下は、vi コマンドを利用する例です。

    # vi  TapeLibrary.conf

    使用テープ装置設定ファイル (TapeLibrary.conf) については、本章の「使用テープ装置設定ファイル」を参照してください。


  4. 次に、使用テープ装置設定ファイル (TapeLibrary.conf) の項目 Modeにおいて、“SHARE”と記述した磁気テープライブラリシステムの磁気テープドライブを“使用ドライブ装置設定ファイル (TapeDrive.conf) ”に記述し、ダイレクトバックアップにおける使用/不使用の設定を行います。
    以下は、vi コマンドを利用する例です。

    # vi  TapeDrive.conf

    使用ドライブ装置設定ファイル (TapeDrive.conf) については、本章の「使用ドライブ装置設定ファイル」を参照してください。


  5. ファイルの編集を終了します。

 

8.2.3.1 使用テープ装置設定ファイル

TapeLibrary.confファイル に設定情報を記述することにより、SSF/Backup Facilityに接続された磁気テープライブラリシステムの共有設定を行います。

 

■記述例

TapeLibrary.confファイルの記述例を以下に示します。

 
#LibraryName Mode     LibraryController Server   Kind
"machine1"   "USE"  "LMF-LITE"    "hostA"  "LT160"
 

 

■記述項目

TapeLibrary.confファイルに記述する、パラメタを以下に示します。

パラメタ

意味

LibraryName

設定する磁気テープライブラリシステムの名前を記述します。ここには、「LMF Liteの設定」において、磁気テープライブラリシステムに付けた名前を記述します。

Mode

以下のいずれか1つを記述します。

USE

ダイレクトバックアップ専用となり、その磁気テープライブラリシステムに存在する、すべてのドライブ装置がダイレクトバックアップで使用されます。

SHARE

ダイレクトバックアップとダイレクトバックアップ以外のバックアップソフトウェアで共有となり、その磁気テープライブラリシステムの一部がダイレクトバックアップで使用されます。

NOTUSE

ダイレクトバックアップではその磁気テープライブラリシステムを使用しません。

LibraryController

磁気テープライブラリシステムに対応させるテープライブラリ制御ソフトウェアを以下のとおり記述します。

LMF-LITE

LMF Liteを指定します。

Server

対応するテープライブラリ制御ソフトウェアのサーバが動作しているホストのノード名(クラスタ構成の場合は、引継ぎノード名)を記述します。hostsで定義したノード名と同じものを定義してください。

Kind

磁気テープライブラリシステムの機種名を32文字以内の印刷可能文字で記述します。記述した文字列は、その装置の機種名として表示されるようになります。

 

■注意事項

TapeLibrary.confファイルへの記述には、以下の注意事項があります。

 

8.2.3.2 使用ドライブ装置設定ファイル

TapeDrive.confファイルに設定情報を記述することにより、ダイレクトバックアップとダイレクトバックアップ以外のバックアップソフトウェアで共有している、磁気テープライブラリシステムの磁気テープドライブに対し、ダイレクトバックアップにおいて“使用する”または“使用しない”ことの設定を行います。

 

■記述例

TapeDrive.confファイルの記述例を以下に示します。

 
#LibraryName   DriveName  Mode
"machine1"    "drive1"   "USE"
"machine1"    "drive2"   "NOTUSE"
 


 

■記述項目

TapeDrive.confファイルに記述する、パラメタを以下に示します。

パラメタ

意味

LibraryName

使用テープ装置設定ファイル」において共用の設定をした磁気テープライブラリシステムの名前を記述します。

DriveName

設定する磁気テープドライブの名前を記述します。ここには、「LMF Liteの設定」において、磁気テープドライブに付けた名前を記述します。

Mode

以下のいずれか1つを記述します。

USE

その磁気テープドライブがダイレクトバックアップで使用されます。

NOTUSE

ダイレクトバックアップではその磁気テープドライブを使用しません。

 

■注意事項

TapeDrive.confファイルへの記述には、以下の注意事項があります。

 

8.2.4 テープの寿命の設 

ダイレクトバックアップで使用するテープについて、使用時間による寿命をテープの規格ごとに設定することができます。

この設定作業は必須ではありません。

 

SSF/Backup Facilityがクラスタ構成の場合、本設定ファイルは両ノードで共通のものとなります。
よって、プライマリノードで本設定を行えば、セカンダリノードでの作業は不要となります。


寿命の設定を行わない規格のテープには、寿命として“0 (無期限) ”を設定します。

テープの寿命が切れているか否かの確認方法は、本章の「テープ寿命切れの確認方法」を参照してください。


テープの使用時間は、テープが磁気テープドライブにマウントされている時間の累計として計算されます。
寿命が切れたテープは、バックアップ処理において選択されにくくなります。ただし、他に書き込みできるテープがない場合は、寿命が切れたテープも使用されます。

設定は、以下の手順で行います。

  1. SSF/Backup Facilityに rootでログインします。
  2. 設定するファイルの置かれているディレクトリに移動します。

    # cd  /sp/dbu/adm/setup

  3. 寿命を設定したいテープの規格について、“テープ寿命設定ファイル (LifeSpan.conf) ”に寿命を設定します。
    以下は、vi コマンドを利用する例です。

    # vi  LifeSpan.conf
     

    テープ寿命設定ファイル (LifeSpan.conf) については、本章の「テープ寿命設定ファイル」を参照してください。


  4. ファイルの編集を終了します。

 

8.2.4.1 テープ寿命設定ファイル

LifeSpan.confファイルに設定情報を記述することにより、ダイレクトバックアップで使用するテープに対し、テープの規格ごとに寿命設定を行えます。

 

■記述例

LifeSpan.confファイルの記述例を以下に示します。

 
# StandardName  LifeSpan[H]
"Ultrium1-100"   "5000"
"Ultrium2-200"   "10000"
 

 

■記述項目

LifeSpan.confファイルに記述する、パラメタを以下に示します。

パラメタ

意味

StandardName

設定するテープの規格名を記述します。記述できる文字列は以下のいずれかです。

Ultrium1-100

LTO Ultrium1 など

Ultrium2-200

LTO Ultrium2 など

LifeSpan

そのテープの規格に設定する寿命を、時間単位の10進数で指定します。
例えば、1000時間を設定するには“1000”と記述します。
指定できる値は、“0”から “4294967294”の整数です。“0”を指定すると寿命は無期限となり、寿命の管理を行いません。

 

■注意事項

LifeSpan.confファイルへの記述には、以下の注意事項があります。

 

8.2.4.2 テープ寿命切れの確認方法

テープの寿命が切れているか否かは、バックアップ管理画面で確認することができます。

テープの寿命を見るには、以下の手順で行います。

  1. 寿命を見るテープが属しているテーププールのテーププール詳細画面を表示させます。
  2. 一覧から寿命を見るテープを探し、そのテープの「残り寿命」項目を確認します。
    寿命が切れている場合は、「残り寿命」項目に“期限切れ”と表示されます。


テープの寿命が切れていない場合、「残り寿命」項目には寿命が切れるまでの時間数が表示されます。なお、“無期限”と表示されているテープに寿命はありません。

 

8.2.5 テープ制御汎用設定ファイルの設

ダイレクトバックアップのテープ制御に関する各種パラメタを設定できます。

この設定作業は必須ではありません。


設定は、以下の手順で行います。

  1. SSF/Backup Facilityに rootでログインします。
  2. 設定するファイルの置かれているディレクトリに移動します。

    # cd  /sp/dbu/adm/setup

  3. “テープ制御汎用設定ファイル (TapeGeneral.conf) ”に必要な設定を記述します。
    以下は、vi コマンドを利用する例です。

    # vi  TapeGeneral.conf
     

    テープ制御汎用設定ファイル (TapeGeneral.conf) については、本章の「テープ制御汎用設定ファイル」を参照してください。


  4. ファイルの編集を終了します。

 

8.2.5.1 テープ制御汎用設定ファイル

TapeGeneral.confファイル に設定情報を記述することにより、ダイレクトバックアップのテープ制御に関する各種パラメタの設定を行います。

 

■記述例

TapeGeneral.confファイルの記述例を以下に示します。

#Parameter_Name    Value
"ERASED_CHECK"    "1"

 

■記述項目

TapeGeneral.confファイルに記述する、パラメタを以下に示します。

「Parameter_Name」に表の“パラメタ”の文字列、「Value」には指定したパラメタの“設定値”を記述します。

パラメタ

意味

"ERASED_CHECK”

新規テープの種別チェック機能の有効/無効を指定します。
設定値には以下のいずれかを指定します。

  • 0”: 磁気情報消去済み/未消去のテープとも新規テープとして利用できます。(無効)
  • 1”: 磁気情報消去済みのテープのみ新規テープとして利用できます。(有効)

ダイレクトバックアップ初期導入時には“1” が記述されています。

 

■注意事項

TapeGeneral.confファイルへの記述には、以下の注意事項があります。

 

8.2.6 テープ定期アンマウントの設定

定期アンマウントの設定

テープのアンマウントを定期的に行う場合、または一定期間以上使用していないテープのアンマウントを自動で行えるようにするための設定は、以下の手順で行います。

  1. SSF/Backup Facilityに rootでログインします。
  2. 環境変数 EDITOR が設定されていない場合は、環境変数 EDITOR を設定します。
    以下は、環境変数 EDITOR に “vi”を使用する例です。

    # EDITOR=vi
    # export  EDITOR

  3. 以下のコマンドを実行します。

    # crontab  -e

  4. コマンドを実行して開かれたファイルにおいて、一定期間以上使用していないテープのアンマウントを自動的に行うための定義を追加します。書式は以下のとおりです。
    分 時間 日 月 曜日 /usr/sbin/mount | /usr/bin/egrep -s "^/sp/dbu/primary" && /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbu_umount_drive [-t 未使用時間(分)] [-d ドライブ名] ライブラリ名 > /dev/null 2>&1

     

    以下はドライブ名 (PILTO01) において、マウントしたまま60分以上使用されていないすべてのテープを毎時間の02分にアンマウントさせる場合の記述例です。

    2 * * * * /usr/sbin/mount | /usr/bin/egrep -s "^/sp/dbu/primary" && /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbu_umount_drive -t 60 Lib001 > /dev/null 2>&1

     

    dbu_umount_driveコマンドを実行した際に、指定した磁気テープドライブが使用中の場合は、テープはアンマウントされません。


  5. ファイルの編集を終了します。

  • ダイレクトバックアップで使用する磁気テープライブラリシステムが複数の場合は、磁気テープライブラリシステムごとに設定する必要があります。
  • SSF/Backup Facilityがクラスタ構成の場合は、SSF/Backup Facilityのノード切り替えが発生した場合、そのノードでも同じ時刻に同じ処理ができるように、待機ノードについても本作業と同じ作業を行う必要があります。

 

dbu_umount_driveコマンドは、テープを手動でアンマウントするために、ダイレクトバックアップから提供されているコマンドです。
詳細については、「第18章 テープ制御のためのコマンド」の「dbu_umount_drive (テープの手動アンマウント)」を参照してください。

 

crontabコマンドの詳細については、SSF/Backup Facilityにインストールされている manコマンドで確認してください。

 

■ 定期アンマウントの解除

テープドライブの運用停止など「定期アンマウントの設定」運用の解除は、以下の手順で行います。

  1. SSF/Backup Facilityに rootでログインします。
  2. 以下のコマンドを実行します。

    # crontab  -e

  3. 「定期アンマウントの設定」で追加した dbu_umount_driveコマンドの記述行を削除してください。複数の記述がある場合は、テープドライブ名、テープライブラリシステム名を確認した上で、定期アンマウントの解除を行うテープドライブ名、テープライブラリシステム名の記述行を削除してください。
  4. ファイルの編集を終了します。

crontabコマンドの詳細については、SSF/Backup Facilityにインストールされている manコマンドで確認してください。

 

■アンマウント待機時間の目安

ダイレクトバックアップで使用する磁気テープライブラリシステムが、長時間においてテープドライブにテープをマウントしたまま使用しない状態が続く場合、テープ媒体またはドライブヘッドの劣化が発生する可能性があります。

テープ定期アンマウントでは、dbu_umount_driveコマンドの未使用時間(-t オプション)に60分以下を指定することを推奨します。

dbu_umount_driveコマンドの詳細については、「第18章 テープ制御のためのコマンド」の「dbu_umount_drive (テープの手動アンマウント)」を参照してください。

 

8.3 稼動中に行う設定および変更 

ここに挙げる項目は、ダイレクトバックアップサーバが稼動中の時に、設定および変更を行うことができます。

 

8.3.1 論理ユニットの使用用途の定

ダイレクトバックアップで使用する論理ユニットの情報を “SP論理ユニット使用用途設定ファイル (/sp/uty/conf/diskadm/luinfo.conf) ”に記述し、ダイレクトバックアップとしての使用用途を定義します。

なお、ダイレクトバックアップの運用が、論理ユニットを使用しないで直接テープへのバックアップをするのみの場合には、ETERNUS3000/6000,GR seriesの識別名以外は記述しません。

この作業を行う前に、ETERNUS3000/6000,GR seriesの識別名が定義されている必要があります。
ETERNUS3000/6000,GR seriesの識別名の定義については、『SSF/Backup Facility導入手引書』の「第7章  システムの動作確認」に記述されている方法を参照してください。

 

■書式

/sp/uty/conf/diskadm/luinfo.conf ファイルの書式を以下に示します。


[論理ユニットを使用する場合]

GR (<GR name >) {
<volume type >  <volume number >  <usage >
<volume type >  <volume number >  <usage >



}

GR (<GR name >) {
<volume type >  <volume number >  <usage >
<volume type >  <volume number >  <usage >



}



[論理ユニットを使用しない場合]

GR (<GR name >) {
}

GR (<GR name >) {
}


 

■記述項目

/sp/uty/conf/diskadm/luinfo.conf ファイルに記述する、パラメタを以下に示します。

パラメタ

意味

GR name

ディスクアレイ装置名の定義」で定義したSSF/Backup Facilityで管理するETERNUS3000/6000,GR seriesの識別名です。

volume type

項目“volume number”で指定する論理ユニットの、ハードウェア上の種類を指定します。

  • 1” … OLU (UNIX/IAサーバで使用する論理ユニット)

ダイレクトバックアップでは“1” (OLU) を指定してください。

volume number

ダイレクトバックアップで使用する論理ユニット番号(16進数)を指定します。

ETERNUS3000,GR seriesの場合16進数3桁で "0〜fff"、ETERNUS6000の場合16進数4桁で "0〜1fff" の数を指定可能です。また、ETERNUS6000の場合でも16進数 1000未満の論理ユニット番号については、16進数3桁で指定可能です。

usage

バックアップ運用における使用用途を指定します。

  • 0” … 未使用
  • 1” … ファイルシステム用
  • 2” … プール領域用


論理ユニットプールで使用する論理ユニットには、使用用途が“プール領域用”で定義されている必要があります。

 

一行に複数の論理ユニットを定義しないでください。

 

各項目の間は、スペースで区切ってください。なお、行頭に“#”を記述すると、そこから行末までをコメント扱いします。

 

■記述例

/sp/uty/conf/diskadm/luinfo.confの記述例を以下に示します。


[論理ユニットを使用する場合]

# This line is a comment
GR (GR001) { 
1 0 2
1 1 2
1 aa 1
}

GR (GR002) {
1 1 2
1 2 2
1 ab 1
}


/sp/uty/conf/diskadm/devpath.confファイルに記述された“管理ボリューム”および“それぞれのETERNUS3000/6000,GR series内の代表論理ユニット(アクセスパス提示のため)の論理パス”に対する論理ユニットは定義できません。


[論理ユニットを使用しない場合]

# This line is a comment
GR (GR001) { 
}

GR (GR002) {
}

 

8.3.2 論理ユニットの登

論理ユニットの使用用途の定義」で定義した論理ユニットの使用用途などの論理ユニット情報をダイレクトバックアップに登録します。

SSF/Backup Facility上で chkluinfo コマンドを実行する場合の実行例を示します。

# /opt/FJSVsputl/bin/chkluinfo 
chkluinfo  completed
#

chkluinfo コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「chkluinfo (論理ユニット定義の有効化) 」を参照してください。

 

8.3.3 SSF/Backup Facilityの構成変

Softek AdvancedCopy Manager の Storage管理サーバのGUIにて、SSF/Backup Facilityの変更を行います。この操作により、SSF/Backup Facilityの構成情報の更新が行われます。

ETERNUS3000/6000,GR seriesを増設した場合は、この操作を行う必要があります。


SSF/Backup Facilityの構成変更は、以下の手順で行います。

  1. Softek AdvancedCopy Manager 初期画面を表示させます。

  2. Softek AdvancedCopy Manager初期画面で、構成変更を行う SSF/Backup Facilityを選択した上で、[操作]メニューの[サーバの変更]を選択します。すると、“サーバの変更”ダイアログボックスが表示されます。

  3. 表示されるサーバ情報を確認した上で、[OK]ボタンを押します。
     

    ダイアログボックスでの入力を中止する場合は、各ダイアログボックスの[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、そのダイアログボックスでの入力が無効となり、ダイアログボックスが閉じられます。

 

8.3.4 論理ユニットの構成変更 

バックアップ運用中に論理ユニットプールに登録されている論理ユニットの構成を変更(論理ユニットのサイズ変更など)する場合は、以下の手順を行います。

  1. 対象の論理ユニットのバックアップ履歴をすべて削除します。
     

    バックアップ履歴の削除方法については、以下のいずれかを参照してください。


  2. 対象の論理ユニットが登録されている論理ユニットプールから dbudelvol コマンド で、対象の論理ユニットを削除します。
    以下の例では、論理ユニットプール (LU_pool) からディスクアレイ装置名(GR001) にある論理ユニット (OLU0001) を削除します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbudelvol  GR001:OLU0001  LU_pool 

    dbudelvol コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dbudelvol (論理ユニットプールから論理ユニットの削除) 」を参照してください。


  3. 対象の論理ユニットをいったん、ダイレクトバックアップの登録から外します。
    SP論理ユニット使用用途設定ファイル (/sp/uty/conf/diskadm/luinfo.conf) から対象の論理ユニットの行を削除した上、chkluinfo コマンドを実行します。
     

    SP論理ユニット使用用途設定ファイル (/sp/uty/conf/diskadm/luinfo.conf) については、本章の「論理ユニットの使用用途の定義」を参照してください。

     

    chkluinfo コマンドの実行については、本章の「論理ユニットの登録」を参照してください。


  4. ここで、論理ユニットの構成を変更してください。
    論理ユニットの構成変更は ETERNUSmgr を使用します。
     

    論理ユニットの構成変更については、ETERNUSmgr のマニュアル『ETERNUSmgrユーザガイド』を参照してください。


  5. 改めて、対象の論理ユニットをダイレクトバックアップに登録します。
    SP論理ユニット使用用途設定ファイル (/sp/uty/conf/diskadm/luinfo.conf) に対象の論理ユニットの使用用途を定義の上、chkluinfo コマンドを実行します。
     

    SP論理ユニット使用用途設定ファイル (/sp/uty/conf/diskadm/luinfo.conf) については、本章の「論理ユニットの使用用途の定義」を参照してください。

     

    chkluinfo コマンドの実行については、本章の「論理ユニットの登録」を参照してください。


  6. Softek AdvancedCopy Manager 初期画面から SSF/Backup Facilityに対して、“サーバの変更”を行います。
     

    “サーバの変更”の操作方法については、本章の「SSF/Backup Facilityの構成変更」を参照してください。


  7. 改めて論理ユニットプールに対象の論理ユニットを dbuaddvolコマンドで登録します。
    以下の例では、論理ユニットプール (LU_pool) に ディスクアレイ装置名(GR001) にある論理ユニット (OLU0001) を登録します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuaddvol  GR001:OLU0001  LU_pool 

    dbuaddvol コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dbuaddvol (論理ユニットプールへの論理ユニットの登録) 」を参照してください。


  8. ETERNUS3000のGR筐体識別情報、OLU番号、担当CM番号を取得して、“/var/opt/FJSVmplb/mplb_ext.confファイル”に記述するために、SSF/Backup Facility からdbu_get_oluinfoコマンドを実行します。

    以下の例では、GRIPaddressが“200.30.40.30”のETERNUS3000から情報を取得します。

    # /opt/FJSVsputl/bin/dbu_get_oluinfo -l 200.30.40.30

    ETERNUS3000が含まれる構成以外では、GR筐体識別情報、OLU番号、担当CM番号を取得する必要がないため、本コマンドを使用しません。

     

    dbu_get_oluinfo コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dbu_get_oluinfo (ETERNUS3000の情報取得) 」を参照してください。


  9. SSF/Backup Facility からmplbconfig -qコマンドを実行し、“/var/opt/FJSVmplb/mplb_ext.confファイル”に記述した情報をmplbドライバに読み込みます。

    # mplbconfig -q

    ETERNUS3000が含まれる構成以外では、GR筐体識別情報、OLU番号、担当CM番号を取得する必要がないため、本コマンドを使用しません。

     

    mplbconfigコマンドについては、『GRマルチパスドライバ ユーザーズガイド』を参照してください。

 

8.3.5 論理ユニットプールの設定 

論理ユニットプールは、ダイレクトバックアップサーバが、バックアップデータを保存する論理ユニットの集合です。

バックアップデータの保存先として論理ユニットプールを指定すると、バックアップデータを格納するのに十分な空き容量が存在する論理ユニットをその論理ユニットプールの中から自動的に選択します。

論理ユニットプールを利用したバックアップ運用を行うには、バックアップ運用前に、スペア論理ユニットプール以外に最低 1つの論理ユニットプールを追加しておく必要があります。

 

8.3.5.1 導入時に存在する論理ユニットプール 

ダイレクトバックアップ導入時には、1つのETERNUS3000/6000,GR seriesに対して 1つ“スペア論理ユニットプール”が存在します。このスペア論理ユニットプールは、バックアップデータの保存先として指定することはできません。

“スペア論理ユニットプール”は、ダイレクトバックアップでは 利用できません。

 

8.3.5.2 論理ユニットプール、論理ユニットの新規登録手

ダイレクトバックアップに 論理ユニットプールの登録、および 登録した論理ユニットプールに 論理ユニットを登録します。運用開始前には この作業を行っておいてください。

新規登録作業は、以下の手順で行います。

  1. SSF/Backup Facilityに rootでログインします。
  2. 新しい論理ユニットプールの登録を dbuaddpool コマンドで行います。
    以下の例では、論理ユニットプール名 (LU_pool) を登録します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuaddpool   LU_pool 

    dbuaddpool コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dbuaddpool (論理ユニットプールの登録) 」を参照してください。


  3. 登録した論理ユニットプールに 論理ユニットを dbuaddvolコマンドで登録します。
    以下の例では、論理ユニットプール名 (LU_pool) に ディスクアレイ装置名(GR01) にある論理ユニット (OLU0001) を登録します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuaddvol  GR01:OLU0001  LU_pool 

    dbuaddvol コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dbuaddvol (論理ユニットプールへの論理ユニット登録) 」を参照してください。

 

8.3.5.3 論理ユニットプール名の変更手 

ダイレクトバックアップに登録済みの論理ユニットプール名を変更する場合は、以下の手順で行います。

  1. SSF/Backup Facilityに rootでログインします。
  2. 名前を変更する 論理ユニットプールの情報を dbugetpoolinfoコマンド の詳細情報表示形式(-l オプション指定)で、表示します。
     

    dbugetpoolinfo コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dbugetpoolinfo (論理ユニットプールの情報表示) 」を参照してください。


  3. dbugetpoolinfoコマンド が出力する情報から 名前を変更する論理ユニットプールをバックアップ先としてポリシー設定している業務ボリュームの情報を記録します。
    以下の例では、“ Setting device at policy” 文字列の下の 業務ボリューム名を記録します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbugetpoolinfo  -l  LU_pool
    LU_pool
     Setting device at policy
     -------------------------------------------------------------------------
       afs-node1:/dev/dsk/c1t1d1s4     ←対象の業務ボリューム
       afs-node1:/dev/dsk/c1t1d2s4     ←対象の業務ボリューム
     belong volume    RLU     exclusive
     -------------------------------------------------------------------------
       GR1:OLU0001    LUN_R001    -
       GR1:OLU0002    LUN_R002    -
       GR1:OLU0003    LUN_R003    -
       GR1:OLU0004    LUN_R004    -
    #

  4. 論理ユニットプール名の変更を dburenamepoolコマンド で行います。
    以下の例では、論理ユニットプール名を (LU_pool) から (Host_pool) に変更します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dburenamepool   LU_pool   Host_pool

    dburenamepool コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dburenamepool (論理ユニットプール名の変更) 」を参照してください。


  5. 手順 3. で記録した業務ボリュームのバックアップポリシー「バックアップ先ディスク」の“論理ユニットプール名”は 変更前の論理ユニットプール名(上記の例では、LU_pool)が定義されています。それぞれの業務ボリュームで、バックアップポリシーの変更を行い、変更後の論理ユニットプール名(上記の例では、Host_pool)を定義するようにしてください。
     

    バックアップポリシーの変更の方法については、以下のいずれかを参照してください。

 

8.3.5.4 論理ユニットの論理ユニットプールの変更手 

論理ユニットプールに登録済みの論理ユニットを他の論理ユニットプールへ移動する場合は、以下の手順で行います。

  1. SSF/Backup Facilityに rootでログインします。
  2. 移動する論理ユニットのバックアップ履歴をすべて削除します。(必要なバックアップ履歴は、事前にテープへ退避してください。)
     

    バックアップ履歴の削除方法については、以下のいずれかを参照してください。 


  3. 移動する論理ユニットが登録されている論理ユニットプールから dbudelvol コマンド で、移動する論理ユニットを削除します。
    以下の例では、論理ユニットプール (LU_pool) からディスクアレイ装置名(GR01) にある論理ユニット (OLU0001) を削除します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbudelvol  GR01:OLU0001  LU_pool 

    dbudelvol コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dbudelvol (論理ユニットプールから論理ユニットの削除) 」を参照してください。


  4. 移動先の論理ユニットプールに 論理ユニットを dbuaddvolコマンドで登録します。
    以下の例では、論理ユニットプール (Host_pool) に ディスクアレイ装置名(GR01) にある論理ユニット (OLU0001) を登録します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuaddvol  GR01:OLU0001   Host_pool

    dbuaddvol コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dbuaddvol (論理ユニットプールへの論理ユニットの登録) 」を参照してください。

 

8.3.5.5 論理ユニットプール、論理ユニットの削除手 

論理ユニットプールから論理ユニットを削除、およびダイレクトバックアップの登録から論理ユニットプールを削除します。

削除作業は、以下の手順で行います。

  1. SSF/Backup Facilityに rootでログインします。
  2. 削除する論理ユニットのバックアップ履歴をすべて削除します。 (必要なバックアップ履歴は、事前にテープへ退避してください。)
     

    バックアップ履歴の削除方法については、以下のいずれかを参照してください。 


  3. 論理ユニットが登録されている論理ユニットプールから dbudelvol コマンド で、論理ユニットを削除します。
    以下の例では、論理ユニットプール (LU_pool) からディスクアレイ装置名(GR01) にある論理ユニット (OLU0001) を削除します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbudelvol  GR01:OLU0001  LU_pool 

    バックアップ履歴がある状態で、「論理ユニットの削除」はできません。

     

    dbudelvol コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dbudelvol (論理ユニットプールから論理ユニットの削除) 」を参照してください。


  4. 論理ユニットプールの削除を dbudelpool コマンドで行います。
    以下の例では、論理ユニットプール名 (LU_pool) を削除します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbudelpool  LU_pool 

    論理ユニットが登録された状態で、「論理ユニットプールの削除」はできません。

     

    dbudelpool コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dbudelpool (論理ユニットプールの削除) 」を参照してください。

 

8.3.6 バックアップポリシーのデフォルト値の変

8.3.6.1 説明 

ダイレクトバックアップのバックアップポリシーにはデフォルト値があります。このデフォルト値は、ダイレクトバックアップサーバが稼動している時はいつでも変更することができます。

変更された値は、新たな業務ボリュームまたは論理ユニットにバックアップポリシーを設定する場合のデフォルト値として利用されます。

ETERNUS NR1000F seriesのバックアップでは、バックアップポリシーにデフォルト値がありません。よって、バックアップポリシーを設定する時にすべてのパラメタを設定する必要があります。


なお、デフォルト値を変更しても、業務ボリュームまたは論理ユニットに対して個別に設定されているバックアップポリシーに影響はありません。

 

8.3.6.2 操作手順

バックアップポリシーのデフォルト値の変更は、バックアップ管理画面から以下の手順で行います。

  1. SP初期画面を表示させます。
  2. SP初期画面にある[保守]メニューの[デフォルトバックアップポリシー設定]を選択します。すると、以下の“デフォルトバックアップポリシー設定”ダイアログボックスが表示されます。この時、ダイアログボックスの各項目には現在の設定値が表示されます。

  3. 値を変更するパラメタについて入力を行います。
  4. 論理ユニットプールに関するパラメタの設定は、「バックアップ先ディスク」項目の[設定]ボタンを押して表示される以下の“バックアップ先ディスク設定”ダイアログボックスに対する入力で行います。

  5. “バックアップ先ディスク設定”ダイアログボックスでの入力を終えたら、そのダイアログボックスの[設定]ボタンを押します。
    すると、“バックアップ先ディスク設定”ダイアログボックスが閉じられ、再度“デフォルトバックアップポリシー設定”ダイアログボックスでの入力ができるようになります。
     

    ダイアログボックスでの入力を中止する場合は、各ダイアログボックスの[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、そのダイアログボックスでの入力が無効となり、ダイアログボックスが閉じられます。


  6. テープに関するパラメタの設定は、「バックアップ先テープ」項目の[設定]ボタンを押して表示される以下の“バックアップ先テープ設定”ダイアログボックスに対する入力で行います。

  7. “バックアップ先テープ設定”ダイアログボックスでの入力を終えたら、そのダイアログボックスの[設定]ボタンを押します。
    すると、“バックアップ先テープ設定”ダイアログボックスが閉じられ、再度“デフォルトバックアップポリシー設定”ダイアログボックスでの入力ができるようになります。
  8. 設定するパラメタに対するすべての入力を終えたら、“デフォルトバックアップポリシー設定”ダイアログボックスの[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンを押すと、バックアップポリシーのデフォルト値の設定が行われます。
     

    ダイアログボックスでの入力を中止する場合は、各ダイアログボックスの[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、そのダイアログボックスでの入力が無効となり、ダイアログボックスが閉じられます。


パラメタ「バックアップ先」に“テープ”を指定した時、パラメタ「バックアップ先ディスク」が設定不可となります。

 

デフォルトバックアップポリシーの設定では、「バックアップ同期処理開始」は“手動”固定となります。“自動”に変更することはできません。

 

「テーププール名」項目に“spare_tapepool”を指定すると、設定が失敗します。「テーププール名」には、“spare_tapepool”以外のテーププールを指定するようにしてください。

 

デフォルトバックアップポリシーの設定では、テープリストやテープ名を指定できません。


設定が成功すると、“デフォルトバックアップポリシー設定”ダイアログボックスに「デフォルトバックアップポリシー設定に成功しました。」と出力されます。

設定が失敗すると、“デフォルトバックアップポリシー設定”ダイアログボックスに「デフォルトバックアップポリシー設定に失敗しました。」と出力されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

8.3.7 管理情報領域の警告率の変

8.3.7.1 説明 

管理情報領域に対してダイレクトバックアップサーバが管理情報を記録できなくなると、ダイレクトバックアップを利用したバックアップ運用を行えなくなります。そのため、ダイレクトバックアップサーバは、管理情報領域の領域使用量を常時監視し、領域使用量が一定基準を超えるとコンソールに警告メッセージを出力します。

管理情報領域の警告率とは、警告メッセージを出力する基準のことです。ダイレクトバックアップ導入時には、デフォルト値として80%が設定されています。

値の変更は、バックアップ管理画面から行うことができます。

警告メッセージは、領域使用率が設定された値に到達した時点ではじめて出力されます。その後、5%すつ使用率が上がったタイミングで出力されます。
例えば、設定値が80%の場合、使用率が80%、85%、90%、95%になった時点で1回ずつ出力されます。

 

8.3.7.2 操作手順

管理情報領域の警告率の変更は、バックアップ管理画面から以下の手順で行います。

  1. SP初期画面を表示させます。
  2. SP初期画面にある[保守]メニューの[動作環境設定]を選択します。すると、以下のダイアログボックスが表示されます。この時、ダイアログボックスには現在の設定値が表示されます。

  3. 「管理パーティション空き容量警告率」項目の入力を行います。
     

    この項目に入力できる値は、“0〜90”の10の倍数値です。“0”を設定した場合は、警告メッセージが出力されなくなります。


  4. 入力を終えたら、ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンを押すと、値の設定が行われます。
     

    ダイアログボックスでの入力を中止する場合は、ダイアログボックスの[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、そのダイアログボックスでの入力が無効となり、ダイアログボックスが閉じられます。


“動作環境設定”ダイアログボックスでは、表示されている他の項目も同時に設定できます。


設定が成功すると、ダイアログボックスに「動作環境の設定に成功しました。」と表示されます。

設定が失敗すると、ダイアログボックスに「動作環境の設定に失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

8.3.8 運用ログ出力レベルの変

8.3.8.1 説明 

ダイレクトバックアップ導入時、運用ログ出力レベルは“1”が設定されています。障害発生時の資料採取を行う場合、運用ログ出力レベルの値を“2”に変更することによってダイレクトバックアップサーバの内部処理遷移に関する情報をログ出力できます。
なお、障害に対する資料採取が終わってバックアップ運用を再開するような場合は、運用ログ出力レベルの値を“1”に戻すようにしてください。

値の変更は、バックアップ管理画面から行うことができます。

 

8.3.8.2 操作手順

運用ログ出力レベルの変更は、バックアップ管理画面から以下の手順で行います。

  1. SP初期画面を表示させます。
  2. SP初期画面にある[保守]メニューの[動作環境設定]を選択します。すると、以下のダイアログボックスが表示されます。この時、ダイアログボックスには現在設定されている値が表示されます。

  3. 「運用ログ出力レベル」項目の入力を行います。
     

    この項目に入力できる値は、“1”および“2”です。


  4. 入力を終えたら、ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンを押すと、値の設定が行われます。
     

    ダイアログボックスでの入力を中止する場合は、ダイアログボックスの[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、そのダイアログボックスでの入力が無効となり、ダイアログボックスが閉じられます。


“動作環境設定”ダイアログボックスでは、表示されている他の項目も同時に設定できます。


設定が成功すると、ダイアログボックスに「動作環境の設定に成功しました。」と表示されます。

設定が失敗すると、ダイアログボックスに「動作環境の設定に失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

8.3.9 処理結果表示範囲の変

8.3.9.1 説明

実行した操作に対する結果を後日確認したり定期的に確認したりするような場合に、処理結果を表示する範囲を設定することができます。ダイレクトバックアップ導入時には、デフォルト値として“3日”に設定されています。

値の変更は、バックアップ管理画面で行うことができます。

 

8.3.9.2 操作手順

処理結果表示範囲の変更は、バックアップ管理画面から以下の手順で行います。

  1. SP初期画面を表示させます。
  2. SP初期画面にある[保守]メニューの[動作環境設定]を選択します。すると、以下のダイアログボックスが表示されます。この時、ダイアログボックスには現在設定されている値が表示されます。

  3. 「処理結果表示範囲」項目の入力を行います。
     

    この項目に入力できる値は、“1〜365”までの整数値です。


  4. 入力を終えたら、ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンを押すと、値の設定が行われます。
     

    ダイアログボックスでの入力を中止する場合は、ダイアログボックスの[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、そのダイアログボックスでの入力が無効となり、ダイアログボックスが閉じられます。


“動作環境設定”ダイアログボックスでは、表示されている他の項目も同時に設定できます。


設定が成功すると、ダイアログボックスに「動作環境の設定に成功しました。」と表示されます。

設定が失敗すると、ダイアログボックスに「動作環境の設定に失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

8.3.10 テーププールの設

テーププールは、ダイレクトバックアップサーバがバックアップデータを保存するテープの集合です。

バックアップデータの保存先としてテーププールを指定すると、バックアップデータを格納するのに十分な空き容量が存在するテープをそのテーププールの中から自動的に選択します。このため、個々のテープを意識しないバックアップ運用が可能となります。

テーププールを利用したバックアップ運用を行うには、バックアップ運用前に、“spare_tapepool”以外に最低 1つのテーププールを追加しておく必要があります。

 

8.3.10.1 導入時に存在するテーププール 

ダイレクトバックアップ導入時には、“spare_tapepool”という名前が付けられた予備のテーププールが1つだけ存在します。このテーププールは、ダイレクトバックアップにとって特殊な用途を持つテーププールであり、バックアップデータの保存先として指定することはできません。

このテーププールには、バックアップデータの保存先となっている他のテーププールにおいてテープの不足が発生した時に、自動的に補充するためのテープを登録しておきます。

テープをテーププールに登録する方法については、本章の「新規テープの登録」を参照してください。

 

8.3.10.2 テーププールの追加手

テーププールを追加する操作は、バックアップ管理画面で行うことができます。

テーププールの追加は、以下の手順で行います。

  1. SP初期画面を表示させます。
  2. 以下のように、一覧から、「テーププール」を選択します。

  3. SP初期画面にある[操作]メニューの[テーププール追加]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

  4. 追加するテーププールの名称をダイアログボックスの「テーププール名」に入力し、[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンを押すと、テーププールの追加が行われます。
     

    “テーププール名”として設定できる文字列は32文字以内です。また、使用できる文字は、ASCII文字コード表で定義されている文字のうちの、印刷可能文字です。
    ただし、「グローバルサーバの業務データのバックアップ」で使用する"テーププール名"として設定できる文字列は、英小文字および数字のみです。

     

    テーププールの追加を中止する場合は、ダイアログボックスの[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、そのダイアログボックスでの入力が無効となり、ダイアログボックスが閉じられます。


テーププールの追加が成功すると、ダイアログボックスに「テーププール追加に成功しました。」と表示されます。また、テーププール一覧画面を最新の状態に更新すると、ツリーおよび一覧において、追加したテーププールが表示されるようになります。

テーププール一覧画面を最新の状態に更新するには、テーププール一覧画面にある[表示]メニューの「最新の状態に更新」を押してください。


テーププールの追加が失敗すると、ダイアログボックスに「テーププール追加に失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

8.3.10.3 テーププールの削除手

不要となったテーププールは削除することができます。

テーププールの削除は、バックアップ管理画面から以下の手順で行います。

  1. テーププール一覧画面を表示させます。
  2. 一覧から、削除するテーププールを選択します。
  3. テーププール覧画面にある[操作]メニューの[テーププール削除]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスの[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンを押すと、選択したテーププールの削除が行われます。
     

    テーププールの削除を中止する場合は、ダイアログボックスの[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにダイアログボックスが閉じられます。


テープが登録されている状態のテーププールは削除できません。

 

“spare_tapepool”という名前の付いたテーププールは削除できません。


テーププールの削除が成功すると、ダイアログボックスに「テーププール削除に成功しました。」と表示されます。また、テーププール一覧画面を最新の状態に更新すると、ツリーおよび一覧において、削除したテーププールが表示されなくなります。

テーププール一覧画面を最新の状態に更新するには、テーププール一覧画面にある[表示]メニューの「最新の状態に更新」を押してください。


テーププールの削除が失敗すると、ダイアログボックスに「テーププール削除に失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

8.3.11 新規テープの登

テープを利用したバックアップ運用を行うには、バックアップデータの格納されていないテープをどれか1つのテーププールに登録しなければいけません。この空きのテープの登録を“新規テープの登録”と呼びます。

 

8.3.11.1 新規テープの登録手順

新規テープの登録は、テープライブラリ制御ソフトウェアのコマンドとバックアップ管理画面を使用した、以下の手順で行います。

  1. テープにバーコードラベルを貼ります。この時、ラベルには32文字以内のユニークな名前を付ける必要があります。

    磁気テープライブラリシステムによっては、任意の名前のバーコードラベルを作成することができず、決められたラベルの中から選択しなければならないものがあります。そのような場合には、すでに付けられたラベルと重ならないものを選択するようにしてください。

  2. テープを、ダイレクトバックアップサーバが使用する磁気テープライブラリシステムに投入し、テープライブラリ制御ソフトウェアに登録します。

    磁気テープライブラリシステムへのテープの投入とテープライブラリ制御ソフトウェアへの登録手順は、テープを投入する磁気テープライブラリシステムに対応するテープライブラリ制御ソフトウェアの種類によって異なります。

    磁気テープライブラリシステムへのテープの投入とテープライブラリ制御ソフトウェアへの登録については、『SSF/Backup Facility運用手引書』の「5.1.1.4 磁気テープライブラリシステムへのテープの投入と登録」を参照してください。


  3. 磁気テープライブラリシステム一覧画面を表示させます。
  4. 一覧から、テープを投入した磁気テープライブラリシステムを選択します。
  5. 磁気テープライブラリシステム一覧画面にある[操作]メニューの[新規テープ登録]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

  6. テープを登録するテーププールを「テーププール名」の中から選択します。
  7. 登録するテープを「テープ名」の中から選択します。この時、複数のテープを選択することができます。選択し終えたら、[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンを押すと、選択したテープのテーププールへの登録が行われます。
     

    テープの登録を中止する場合は、ダイアログボックスの[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、そのダイアログボックスでの入力が無効となり、ダイアログボックスが閉じられます。


テーププールには、同一磁気テープライブラリシステムに投入されている同一規格のテープを登録してください。

本章の「テープ制御汎用設定ファイルの設定」において“磁気情報消去済みのテープのみ新規テープとして利用”を設定している場合、磁気情報削除済みテープしか新規登録できません。磁気情報未消去テープを新規登録する方法(テープの初期化の方法)については、本章の「磁気情報が消去されていないテープの登録」を参照してください。

 

登録されたテープは、媒体の先頭から上書きされて使用されます。


新規テープの登録が成功すると、ダイアログボックスに「テープの新規登録に成功しました。」と表示されます。

新規テープの登録が失敗すると、ダイアログボックスに「テープの新規登録に失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

8.3.11.2 磁気情報が消去されていないテープの登録

「第6章 その他の機能」の「新規テープの種別チェック機能」で説明した、磁気情報が消去されていないテープをダイレクトバックアップに新規テープとして登録する場合、登録する前に以下の手順でテープの初期化を行ってください。

  1. SSF/Backup Facilityに root でログインします。
  2. ダイレクトバックアップを停止します。
  3. LMF Liteのlmmountコマンドを使用してテープをマウントします。

    # /opt/FJSVlmf/bin/lmmount -d ドライブ名 テープ名

    lmmountコマンドを実行すると、以下の情報が表示されます。
    このうち、「special file (rewind)」に表示される“特殊ファイル名”を使用します。

    special file (rewind  ) = /dev/rmt/?
    special file (no-rewind) = /dev/rmt/?n
    volume = テープ名
    library = ライブラリ装置名
    local drive name = ドライブ名
    medium type = 1/2 inch cartridge

  4. mtコマンドを使用してテープを初期化します。

    # mt -f 特殊ファイル名 weof 2

  5. mtコマンドを使用してテープをオフラインにします。

    # mt -f 特殊ファイル名 offline

  6. lmumountコマンドを使用してテープをアンマウントします。

    # /opt/FJSVlmf/bin/lmumount テープ名

  7. ダイレクトバックアップを起動します。


ダイレクトバックアップの起動や停止については、「第7章 ダイレクトバックアップサーバの起動と停止」を参照してください。

 

8.3.12 磁気テープドライブのアンマウント待ち合わ

ダイレクトバックアップサーバの停止において、テープを使用している処理が強制中断されることがあります。この現象は、ダイレクトバックアップから使用している磁気テープドライブのアンマウント処理がダイレクトバックアップサーバの停止時間内に完了しなかった時に発生します。

ダイレクトバックアップサーバの停止処理では、すべての磁気テープドライブのアンマウント処理を待ち合わせることはしません。これは、待ち合わせを行うと、磁気テープドライブ数が多い場合にダイレクトバックアップの停止処理に時間がかかり、その結果としてシステム停止時間にも影響を与えるためです。

ただ、テープを使用している処理が強制中断されると、ダイレクトバックアップサーバの再起動時に手戻りが発生するため、磁気テープドライブのアンマウントをある程度待ち合わせることができるインタフェースを提供しています。

 

8.3.12.1 待ち合わせ時間の設定 

磁気テープドライブのアンマウントの待ち合わせの設定は、以下の手順で行います。

  1. 以下の見積もり式から、ダイレクトバックアップサーバの停止処理での待ち合わせ時間を算出してください。
     
    待ち合わせ時間 = 5分 + (テープドライブ数 × 1分)


  2. SSF/Backup Facilityに rootでログインします。
  3. 設定するファイルの置かれているディレクトリに移動します。

    # cd  /sp/dbu/adm/setup

  4. 算出した待ち合わせ時間を “待ち合わせ時間設定ファイル (DbuStop.conf) ”に設定します。
    以下は、vi コマンドを利用する例です。

    # vi  DbuStop.conf
     

    待ち合わせ時間設定ファイル (DbuStop.conf) については、本章の「待ち合わせ時間設定ファイル」を参照してください


  5. ファイルの編集を終了します。


SSF/Backup Facilityがクラスタ構成の場合、設定ファイルは両ノードで共通のものとなります。
よって、プライマリノードで本設定を行えば、セカンダリノードでの作業は不要となります。

 

8.3.12.2 待ち合わせ時間設定ファイル

DbuStop.confファイル に設定情報を記述することにより、ダイレクトバックアップサーバの停止処理での待ち合わせ時間の設定を行います。

 

■記述例

DbuStop.confファイルの記述例を以下に示します。

 
#Time limit to stop dbud nomally
5
 

 

■記述項目

DbuStop.confファイルに記述する、パラメタを以下に示します。

パラメタ

意味

Time limit to stop dbud nomally

待ち合わせを行う時間を、分単位で有効行に記述します。
値は、“5 から1440”までの整数値を指定するようにしてください。“5”未満の値を設定すると、待ち合わせ時間は強制的に5分になります。“1440”を超える値を設定すると、待ち合わせ時間は強制的に1440分 (24時間) になります。

 

■注意事項

DbuStop.confファイルへの記述には、以下の注意事項があります。

 

8.3.13 テープの削

登録されたテープが不要となった場合、そのテープを登録から削除することができます。

テープの削除は、以下の手順で行います。

  1. 削除対象のテープが属するテーププール詳細画面を表示させます。

  2. 一覧から、削除するテープを選択します。
  3. テーププール詳細画面にある[操作]メニューの[テープ削除]を選択します。
  4. 削除対象のテープ内にバックアップデータが存在する場合、以下の警告ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで[はい]ボタンを選択すると、テープ内にバックアップデータを残したまま、テープを強制削除します。[いいえ]を選択すると、テープの削除処理が中止されます。

  5. 削除対象のテープ内にバックアップデータが存在しない場合、以下のような“テープ削除”ダイアログボックスが表示されます。

  6. ダイアログボックスの[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンがクリックされると、テープの削除が開始されます。
     

    操作を中止する場合は、“テープ削除”ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにそのダイアログボックスが閉じられます。


テープの強制削除は、テープドライブにマウントされているテープに対して行うことができません。
テープドライブにマウントされているテープに対して強制削除するには以下の手順でドライブからテープをアンマウントした後、テープの強制削除を実施してください。

  1. 「dbu_statdisp_drive」を実行して、テープがマウントされているドライブを調べる。
  2. 「dbu_umount_drive -d ドライブ名 ライブラリ名」を実行して、アンマウントする。

 

dbu_statdisp_drive コマンド, dbu_umount_drive コマンドの詳細については、「第18章 テープ制御のためのコマンド」の「dbu_statdisp_drive (磁気テープドライブ状態の表示)」、「dbu_umount_drive (テープの手動アンマウント)」を参照してください。


テープの削除が成功すると、“テープ削除”ダイアログボックスに「テープ削除に成功しました。」と表示されます。

テープの削除が失敗すると、“テープ削除”ダイアログボックスに「テープ削除に失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンをクリックして表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。表示されるメッセージの詳細原因は/sp/dbu/logに保存されるログを参照してください。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

テープの削除に失敗した場合、表示されたメッセージに対する対処を実施後、以下の手順で再度削除を実施してください。

  1. 削除対象のテープを磁気テープライブラリシステムから排出します。

    テープの排出については、「SSF/Backup Facility運用手引書」の「付録D 磁気テープライブラリ使用時の注意事項」の各テープライブラリシステムの「■テープの排出」を参照してください。

  2. 削除対象のテープが閉塞されている場合は、「テープの状態回復」の操作を行います。
  3. 削除対象のテープが属するテーププール詳細画面で、メニュー「表示」−「最新の情報に更新」を選択し、最新の状態に更新します。
    (削除対象のテープの表示項目「磁気テープライブラリシステム名」の箇所が空白になっていることを確認します。また、削除対象のテープ情報が赤色表示されていないことを確認します。)
  4. 削除対象のテープに対して再度、テープの削除を実行します。

本方法で削除したテープを再度ダイレクトバックアップで利用するには、本章の「磁気情報が消去されていないテープの登録」で示した方法で、テープ内の磁気情報を消去する必要があります。


8.3.14 テープの状態回

テープの状態回復とは、閉塞されたテープを再び使用できる状態にすることです。

操作は、バックアップ管理画面で行うことができます。

テープの状態回復は、以下の手順で行います。

  1. 状態を回復させるテープが属するテーププール詳細画面を表示させます。
  2. 一覧から、状態を回復するテープを選択します。閉塞されているテープは、「使用状況」に“使用不可”と表示されています。
  3. テーププール詳細画面にある[操作]メニューの[テープ状態回復]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、テープの状態回復が開始されます。
     

    操作を中止する場合は、ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにダイアログボックスが閉じられます。


テープの状態回復が成功すると、ダイアログボックスに「テープの状態回復に成功しました。」と表示されます。

テープの状態回復が失敗すると、ダイアログボックスに「テープの状態回復に失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

8.3.15 磁気テープドライブの手動閉

メンテナンス作業を行うため、ダイレクトバックアップサーバ稼動中に磁気テープドライブを一時的に切り離す場合、磁気テープドライブの手動閉塞の操作を行います。

磁気テープドライブの手動閉塞は、以下の手順で行います。

  1. SSF/Backup Facilityに rootでログインします。
  2. dbu_statdisp_driveコマンドを実行して、閉塞する磁気テープドライブにおけるテープのマウント状態、およびドライブの閉塞状態を確認します。
    以下に実行例を示します。

    磁気テープライブラリシステム (Lib001) の磁気テープドライブ (Drv001) におけるテープのマウント状態、およびドライブの閉塞状態を表示します。

    # dbu_statdisp_drive -d Drv001 Lib001

    Lib_name

    Drv_name

    Tapename

    Drv_status

    Drv_Release_Time

    ----------------------------------------------------------------------------

    Lib001

    Drv001

    Tape1

    Mounted-Release(Enable)

    2003/07/31 18:32

    #
     

    dbu_statdisp_driveコマンドの詳細については、「第18章 テープ制御のためのコマンド」の「dbu_statdisp_drive (磁気テープドライブ状態の表示)」を参照してください。


  3. 磁気テープドライブ状態の確認において表示された内容により、以下の手順を行います。
  4. dbu_umount_driveコマンドを実行して、閉塞する磁気テープドライブにマウントされているテープをアンマウントします。
    以下に実行例を示します。

    磁気テープライブラリシステム (Lib001) の磁気テープドライブ (Drv001) にマウントされているテープをアンマウントします。

    # dbu_umount_drive -d Drv001 Lib001
    Lib001:Drv001 umount.
    #
     

    ダイレクトバックアップにおけるテープのアンマウントは、磁気テープライブラリシステムのオペレーションパネル、またはテープライブラリ制御ソフトウェアなどから手動で行わないでください。
    ダイレクトバックアップが管理しているマウント情報との整合性が保てなくなります。

     

    dbu_umount_driveコマンドの詳細については、「第18章 テープ制御のためのコマンド」の「dbu_umount_drive (テープの手動アンマウント)」を参照してください。


  5. テープをアンマウントした後、以下の手順を行います。
  6. dbu_disable_driveコマンドを実行して、磁気テープドライブを閉塞します。
    以下に実行例を示します。

    磁気テープライブラリシステム (Lib001) の磁気テープドライブ (Drv001) を閉塞します。

    # dbu_disable_drive  Drv001 Lib001
     

    dbu_disable_driveコマンドの詳細については、「第18章 テープ制御のためのコマンド」の「dbu_disable_drive (磁気テープドライブの手動閉塞) 」を参照してください。

 

8.3.16 磁気テープドライブの状態回

磁気テープドライブの状態回復とは、磁気テープドライブの閉塞を解除することであり、使用する磁気テープドライブを「運用中」に変更する場合に使用します。

磁気テープドライブの状態回復は、以下のいずれかで行うことができます。

以下に、それぞれの方法について説明します。

 

8.3.16.1 dbu_enable_driveコマンドの利用

dbu_enable_driveコマンドを利用した磁気テープドライブの状態回復は、以下の手順で行います。

  1. SSF/Backup Facilityに rootでログインします。
  2. 閉塞を解除する磁気テープドライブを指定して、dbu_enable_driveコマンドを実行します。

    以下に実行例を示します。
    磁気テープライブラリシステム (Lib001) に存在する磁気テープドライブ (Drv001) の閉塞を解除します。

    # dbu_enable_drive  Drv001 Lib001


dbu_enable_driveコマンドの詳細については、「第18章 テープ制御のためのコマンド」の「dbu_enable_drive (磁気テープドライブの手動閉塞解除) 」を参照してください。

 

8.3.16.2 バックアップ管理画面の利用

バックアップ管理画面からの磁気テープドライブの状態回復は、以下の手順で行います。

  1. 状態を回復させる磁気テープドライブに対する磁気テープドライブ一覧画面を表示させます。
  2. 一覧から、状態を回復する磁気テープドライブを選択します。閉塞されている磁気テープドライブは、「状態」に“マウント不可”と表示されています。
  3. 磁気テープドライブ一覧画面にある[操作]メニューの[テープドライブ状態回復]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、磁気テープドライブの状態回復が開始されます。
     

    操作を中止する場合は、ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにダイアログボックスが閉じられます。


磁気テープドライブ状態回復が成功すると、ダイアログボックスに「テープドライブの状態回復に成功しました。」と表示されます。

磁気テープドライブ状態回復が失敗すると、ダイアログボックスに「テープドライブの状態回復に失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

8.4 バックアップ運用中のETERNUS3000/6000,GR seriesの追 

すでにバックアップ運用を開始している状態で、新たなETERNUS3000/6000,GR seriesを増設する場合は、以下の流れにそった作業を行います。

  1. 増設したETERNUS3000/6000,GR series内の論理ユニットの作成
  2. 増設したETERNUS3000/6000,GR series内のマルチパスの作成
  3. 増設したETERNUS3000/6000,GR seriesのディスクアレイ装置名の定義
  4. 増設したETERNUS3000/6000,GR series内の論理ユニットの使用用途の定義
  5. 増設したETERNUS3000/6000,GR seriesへのアクセスパスの追加
  6. 増設したETERNUS3000/6000,GR series内の論理ユニットの登録
  7. SSF/Backup Facilityの情報更新
  8. 増設したETERNUS3000/6000,GR seriesの論理ユニットプールの登録
  9. 増設したETERNUS3000/6000,GR seriesの論理ユニットプールへの論理ユニットの登録
  10. バックアップポリシーの設定
  11. dbu_get_oluinfoコマンドの入力
  12. mplbconfig -qコマンドの入力


ETERNUS3000が含まれる構成以外では、GR筐体識別情報、OLU番号、担当CM番号を取得する必要がないため、dbu_set_oluinfoおよびmplbconfig -q コマンドの入力はしません。

 

8.4.1 増設したETERNUS3000/6000,GR series内の論理ユニットの作成

ETERNUSmgr によって、増設したETERNUS3000/6000,GR series内の論理ユニットのサイズ、RLU (RAID Logical Unit) グループ番号を設定し、論理ユニットを作成します。

バックアップ運用で使用する論理ユニットとは別に、マルチパスディスク用に4つの論理ユニットが必要です。
マルチパスディスク用の論理ユニットは、任意のサイズを設定してください。

 

論理ユニットの作成についての詳細については、ETERNUSmgr のマニュアル『ETERNUSmgrユーザガイド』を参照してください。

 

8.4.2 増設したETERNUS3000/6000,GR series内のマルチパスの作成

増設したETERNUS3000/6000,GR series内に確保したマルチパスディスクに対して設定を行い、マルチパスを作成します。

マルチパスの作成については、『GRマルチパスドライバ ユーザーズガイド』の「第2章 インストールと環境設定」を参照してください。

 

8.4.3 増設したETERNUS3000/6000,GR seriesのディスクアレイ装置名の定義

Softek Storage Cruiser の構成管理機能 または手動によって、増設したETERNUS3000/6000,GR seriesの識別名を定義します。

SSF/Backup Facilityに接続するETERNUS3000/6000,GR seriesが1台のみの場合でも、ディスクアレイ装置名の設定が必要です。

 

ETERNUS3000/6000,GR seriesの識別名の定義については、「第4章 プール管理」の「ディスクアレイ装置名の定義」を参照してください。

 

8.4.4 増設したETERNUS3000/6000,GR series内の論理ユニットの使用用途の定義

増設したETERNUS3000/6000,GR series内の論理ユニットの使用用途を定義します。

マルチパスを作成した論理ユニットは、使用用途を “ファイルシステム用”と指定します。
論理ユニットプール用の論理ユニットは、使用用途を “プール領域用”と指定します。

 

論理ユニットの使用用途の定義については、本章の「論理ユニットの使用用途の定義」を参照してください。

 

8.4.5 増設したETERNUS3000/6000,GR seriesへのアクセスパスの追加

ダイレクトバックアップが ETERNUS3000/6000,GR seriesにアクセスするための4つのマルチパスを“/sp/uty/conf/diskadm/devpath.confファイル”に追加します。

記述例を以下に示します。ボリューム全体を示すように スライス2 を指定します。

/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2048s2    ←すでに登録済みのマルチパス(5本)
/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2049s2
/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2050s2
/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2051s2
/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2052s2 

/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2053s2    ←新たに追加するマルチパス(4本)
/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2054s2
/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2055s2
/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2056s2

シングルの場合

/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2051s2    ←すでに登録済みのマルチパス(5本)
/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2052s2
/dev/sfdsk/class/rdsk/volume:mplb2048

/dev/sfdsk/class/rdsk/volume:mplb2049

/dev/sfdsk/class/rdsk/volume:mplb2050

/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2053s2    ←新たに追加するマルチパス(4本)
/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2054s2
/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2055s2
/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2056s2

クラスタの場合

クラスタの場合、管理ファイル領域を構築している ETERNUS3000/6000,GR seriesにはマルチパス5本について、上記例のように必ずmplb、GDSの順に記載してください。記載が誤っていると/opt/FJSVsputl/bin/chkluinfo実行時にエラーとなります。

管理ファイル領域を構築している ETERNUS3000/6000,GR seriesにはマルチパスが5本、それ以外のETERNUS3000/6000,GR seriesは各4本のマルチパスが必要です。

 

8.4.6 増設したETERNUS3000/6000,GR series内の論理ユニットの登録

増設したETERNUS3000/6000,GR series内の論理ユニットをダイレクトバックアップに登録します。

SSF/Backup Facility上で chkluinfo コマンドを実行する場合の実行例を示します。

# /opt/FJSVsputl/bin/chkluinfo 
chkluinfo  completed
#

chkluinfo コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「chkluinfo (論理ユニット定義の有効化) 」を参照してください。

 

8.4.7 SSF/Backup Facilityの情報更新

SSF/Backup Facilityに対して ETERNUS3000/6000,GR seriesを増設すると、SSF/Backup Facilityの構成が変更されるため、SSF/Backup Facilityの情報更新を行います。SSF/Backup Facilityの情報は Softek AdvancedCopy Manager の Storage管理サーバに 登録されている SSF/Backup Facilityの変更を行うことによって更新されます。

SSF/Backup Facilityの情報更新は、ダイレクトバックアップが起動した状態で行う必要があります。

 

SSF/Backup Facilityの変更については、本章の「SSF/Backup Facilityの構成変更」を参照してください。

 

8.4.8 増設したETERNUS3000/6000,GR seriesの論理ユニットプールの登録

ダイレクトバックアップに 増設したETERNUS3000/6000,GR seriesの論理ユニットプールを dbuaddpoolコマンドで登録します。

SSF/Backup Facility上で dbuaddpool コマンドを実行する場合の実行例を示します。
dbuaddpoolコマンドで、論理ユニットプール (LU_pool) を登録します。

# /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuaddpool  LU_pool 
dbuaddpool completed
#

dbuaddpool コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dbuaddpool (論理ユニットプールの登録) 」を参照してください。

 

8.4.9 増設したETERNUS3000/6000,GR seriesの論理ユニットプールへの論理ユニットの登録

「増設したETERNUS3000/6000,GR seriesの論理ユニットプールの登録」で登録した論理ユニットプールに 論理ユニットを dbuaddvolコマンドで登録します。
SSF/Backup Facility上で dbuaddvol コマンドを実行する場合の実行例を示します。
dbuaddvolコマンドで、論理ユニットプール (LU_pool) にディスクアレイ装置名(GR01) にある論理ユニット (OLU0001) を登録します。

# /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuaddvol  GR01:OLU0001  LU_pool 
dbuaddvol completed
#

dbuaddvol コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dbuaddvol (論理ユニットプールへの論理ユニットの登録) 」を参照してください。

 

8.4.10 バックアップポリシーの設定

新たにバックアップ運用を行う業務ボリュームまたは論理ユニットのバックアップポリシー設定を行います。

バックアップポリシーの設定方法については、以下のいずれかを参照してください。

 

8.4.11 dbu_get_oluinfoコマンドの入力

ETERNUS3000のGR筐体識別情報、OLU番号、担当CM番号を取得して、“/var/opt/FJSVmplb/mplb_ext.confファイル”に記述するために、SSF/Backup Facility からdbu_get_oluinfoコマンドを実行します。

以下に実行例を示します。
GRIPaddressが“200.30.40.30”のETERNUS3000から情報を取得します。

# /opt/FJSVsputl/bin/dbu_get_oluinfo -l 200.30.40.30

ETERNUS3000が含まれる構成以外では、GR筐体識別情報、OLU番号、担当CM番号を取得する必要がないため、本コマンドを使用しません。

 

dbu_get_oluinfo コマンドの詳細については、「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dbu_get_oluinfo (ETERNUS3000の情報取得) 」を参照してください。

 

8.4.12 mplbconfig -qコマンドの入力

SSF/Backup Facilityからmplbconfig -qコマンドを実行し、“/var/opt/FJSVmplb/mplb_ext.confファイル”に記述した情報をmplbドライバに読み込みます。

# mplbconfig -q

ETERNUS3000が含まれる構成以外では、GR筐体識別情報、OLU番号、担当CM番号を取得する必要がないため、本コマンドを使用しません。

 

 

8.5 バックアップ運用中のETERNUS NR1000F seriesの追 

すでにバックアップ運用を開始している状態で、新たなETERNUS NR1000F seriesを増設する場合は、以下の流れにそった作業を行います。

  1. 増設したETERNUS NR1000F seriesに対するFC-SWのゾーニング設定
  2. 増設したETERNUS NR1000F seriesのホスト名の定義
  3. rsh(リモートシェル)のための設定
  4. 増設したETERNUS NR1000F seriesの定義
  5. 増設したETERNUS NR1000F seriesが使用する磁気テープドライブの定義
  6. ダイレクトバックアップの再起動
  7. バックアップポリシーの設定

 

8.5.1 増設したETERNUS NR1000F seriesに対するFC-SWのゾーニング設定

現在設定されているETERNUS NR1000F series用のゾーニング設定に、増設したETERNUS NR1000F seriesのFC-HBAを追加します。

 

8.5.2 増設したETERNUS NR1000F seriesのホスト名の定義

SSF/Backup Facilityの/etc/hostsファイルに、増設したETERNUS NR1000F seriesのホスト名を定義します。
ホスト名の定義は、以下の手順で行います。

  1. SSF/Backup Facilityにrootでログインします。
  2. /etc/hostsファイルに増設したETERNUS NR1000F seriesのホスト名を追加します。
    以下に記述例を示します。

    ホスト名 (NR02) およびIPアドレス (124.99.125.32) を追加します。
     

     
    124.99.125.32 NR02
     


ETERNUS NR1000F seriesのホスト名は、255文字以内で定義してください。ホスト名に使用できる文字は、ASCII文字コード表で定義されている文字のうちの、印刷可能文字です。ホスト名に日本語文字は使用できません。

 

8.5.3 rsh(リモートシェル)のための設定

増設したETERNUS NR1000F seriesの /etc/hosts.equivファイルに、SSF/Backup Facilityのホスト名を定義します。
ホスト名の定義は、以下の手順で行います。

  1. ETERNUS NR1000F seriesにtelnetでログインします。
  2. /etc/hosts.equivファイルにSSF/Backup Facilityのホスト名を追加します。
    以下に記述例を示します。

    ホスト名 (afs-node1) およびユーザ (root) を追加します。
     

     
    afs-node1 root
     


SSF/Backup Facilityがクラスタ構成の時は、引継ぎノード名を/etc/hosts.equivファイルに記述します。

 

/etc/hosts.equivファイルについては、『ネットワーク接続型ディスクアレイ装置 運用管理ガイド』を参照してください。

 

8.5.4 増設したETERNUS NR1000F seriesの定義

増設したETERNUS NR1000F seriesの情報を“NR定義ファイル (/sp/uty/conf/diskadm/NR.conf) ”に定義します。

ETERNUS NR1000F seriesの定義については、「第12章 ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ運用操作」の「ETERNUS NR1000F seriesの定義」を参照してください。

 

8.5.5 増設したETERNUS NR1000F seriesが使用する磁気テープドライブの定義

増設したETERNUS NR1000F seriesで使用する磁気テープドライブの情報を“NR使用テープドライブ定義ファイル (/sp/dbu/adm/setup/NDMPtape.conf)”に定義します。

磁気テープドライブの定義については、「第12章 ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ運用操作」の「磁気テープドライブの定義」を参照してください。

 

8.5.6 ダイレクトバックアップの再起動

「NR定義ファイル」、「NR使用テープドライブ定義ファイル」に記述した内容をダイレクトバックアップサーバに反映するため、ダイレクトバックアップを再起動します。

ダイレクトバックアップの起動方法については、「第7章 ダイレクトバックアップサーバの起動と停止」を参照してください。

 

8.5.7 バックアップポリシーの設定

バックアップ運用を行うディレクトリに、バックアップポリシーを設定します。

バックアップポリシーの設定については、「第12章 ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ運用操作」の「バックアップポリシーの設定」を参照してください。

 

8.6 バックアップ先論理ユニット設定ファイル

Symfowareデータベースのバックアップ運用では、バックアップ同期処理開始、バックアップ、およびリカバリにおいて、データベーススペースとバックアップ先の論理ユニットを1対1で対応させることにより、ロググループに含まれる各業務ボリュームに対してバックアップ先の論理ユニットを定義することができます。

バックアップ先の論理ユニットを定義するには、バックアップ対象のSymfowareデータベースを保有している業務サーバ名、ロググループに含まれるすべての業務ボリューム名、バックアップ先として業務ボリュームごとに対応させる論理ユニット名を/sp/dbu/adm/setup/lupool.confファイルに記述します。

 

■記述例

/sp/dbu/adm/setup/lupool.conf ファイルの記述例を以下に示します。

 
# RDBSYS/DB_LOG1
# ServerName  DeviceName              LUN_VNumber
"server1"    "/dev/FJSVmplb/dsk/mplb30s1"  "GR001:OLU0001"
"server1"    "/dev/FJSVmplb/dsk/mplb30s3"  "GR001:OLU0001"
"server1"    "/dev/FJSVmplb/dsk/mplb30s4"  "GR001:OLU0001"
"server1"    "/dev/FJSVmplb/dsk/mplb31s1"  "GR001:OLU0002"
"server1"    "/dev/FJSVmplb/dsk/mplb31s3"  "GR001:OLU0002"
"server1"    "/dev/FJSVmplb/dsk/mplb31s4"  "GR001:OLU0002"
"server1"    "/dev/FJSVmplb/dsk/mplb32s1"  "GR001:OLU0003"
"server1"    "/dev/FJSVmplb/dsk/mplb32s3"  "GR001:OLU0003"
"server1"    "/dev/FJSVmplb/dsk/mplb32s4"  "GR001:OLU0003"
 
# RDBSYS/DB_LOG2
"server2"    "/dev/dsk/c1t0d5s3"  "GR002:OLU00a0"
"server2"    "/dev/dsk/c1t0d5s4"  "GR002:OLU00b0"
 

 

■記述項目

/sp/dbu/adm/setup/lupool.conf ファイルに記述する、パラメタを以下に示します。

パラメタ

意味

ServerName

バックアップ対象のSymfowareデータベースを保有している業務サーバの名前です。
255B以内で記述してください。
日本語の業務サーバ名は記述できません。

DeviceName

バックアップ対象のロググループに含まれる業務ボリュームのブロックデバイス名です。
256文字以内の印刷可能文字で記述してください。

LUN_VNumber

各業務ボリュームにバックアップ先として対応させる論理ユニットの名前です。
「ディスクアレイ装置名:論理ユニット」形式で記述してください。ディスクアレイ装置名は、24文字以内の印刷可能文字で記述してください。
論理ユニットは、“OLU”の文字に続いて、論理ユニット番号を記述します。
論理ユニット番号は、16進数3桁で“000〜fff”もしくは、16進数4桁で“0000〜1fff”が指定できます。(論理ユニット番号 16進数"1000"以上は、ETERNUS6000のみで指定できます。)

なお、接続されているETERNUS3000/6000,GR seriesが1台のみの場合は、ディスクアレイ装置名が省略できます。

 

■注意事項

/sp/dbu/adm/setup/lupool.confファイルへの記述には、以下の注意事項があります。

 

8.7 NR定義ファイル

ETERNUS NR1000F seriesのバックアップでは、バックアップ運用するETERNUS NR1000F seriesの情報を/sp/uty/conf/diskadm/NR.conf ファイルに定義します。
/sp/uty/conf/diskadm/NR.conf ファイルに情報を定義することにより、ダイレクトバックアップにおいてバックアップ運用を行うことができます。

本ファイルには、NDMPのアカウント名(rootに固定)およびパスワードを平文で記述するため、取り扱いには充分気をつけてください。管理者以外は参照できないようにするなどの処置を推奨します。

 

■書式

/sp/uty/conf/diskadm/NR.confファイルの書式を以下に示します。

 
NR (NR name ) {
[NDMP_PASSWORD]
"account "  "password "
[VOLUME]
"dirname "  "usage "
}
 

 

■記述項目

/sp/uty/conf/diskadm/NR.confファイルに記述する、パラメタを以下に示します。

パラメタ

意味

NR name

バックアップ運用するETERNUS NR1000F seriesのホスト名です。
SSF/Backup Facilityに定義したホスト名を255文字以内の印刷可能文字で記述してください。
このパラメタは省略できません。

Account

ETERNUS NR1000F seriesに設定されているNDMPのアカウント名です。
常に“root”を記述します。
このパラメタは、“password”と同時に指定してください。
このパラメタは省略できません。

password

ETERNUS NR1000F seriesに設定されているNDMPのパスワードです。
16文字以内の印刷可能文字で記述してください。
このパラメタは、“account”と同時に指定してください。
このパラメタは省略できません。

Dirname

ダイレクトバックアップで使用するETERNUS NR1000F seriesのディレクトリ名です。
1023文字以内のASCII文字列 (日本語以外) で記述してください。
このパラメタは、“usage”と同時に指定してください。
このパラメタは省略できます。

Usage

バックアップ運用におけるディレクトリの使用用途を指定します。

  • 0” … バックアップ対象に指定
  • 1” … 一時利用ボリュームに指定

このパラメタは、“dirname”と同時に指定してください。
このパラメタは省略できます。


ETERNUS NR1000F seriesにおけるNDMPの設定については、『ネットワーク接続型ディスクアレイ装置 運用管理ガイド』を参照してください。

 

■記述例

/sp/uty/conf/diskadm/NR.confファイルの記述例を以下に示します。

◆バックアップ運用する場合

 
# NR volume information
NR (NR01) {
[NDMP_PASSWORD]
"root"  "password1"
[VOLUME]
"/vol/vol1/usr"  "0"
"/vol/vol2/tmp"  "1"
}
NR (NR02) {
[NDMP_PASSWORD]
"root"  "password2"
[VOLUME]
"/dir/dir1/usr"  "0"
"/dir/dir2/tmp"  "1"
}
 


◆ディレクトリの構成変更などでバックアップ運用を停止する場合

 
# NR volume information
NR (NR03) {
[NDMP_PASSWORD]
"root"  "password3"
[VOLUME]
}
 

 

■注意事項

/sp/uty/conf/diskadm/NR.confファイルへの記述には、以下の注意事項があります。

 

8.8 NR使用テープドライブ定義ファイル

ETERNUS NR1000F seriesのバックアップでは、ダイレクトバックアップに登録されている磁気テープドライブの内、ETERNUS NR1000F seriesが使用する磁気テープドライブの情報を/sp/dbu/adm/setup/NDMPtape.conf ファイルに定義します。
/sp/dbu/adm/setup/NDMPtape.conf ファイルに情報を定義することにより、ETERNUS NR1000F seriesのデータを磁気テープへバックアップすることができます。

 

■記述例

/sp/dbu/adm/setup/NDMPtape.conf ファイルの記述例を以下に示します。

 
# "NR name" "NR tape-device" "SP library name" "SP drive name" "Usage"
 "NR01"   "st10"         "LT160"        "Drive0"      "SHARE"
 "NR02"   "st10"         "LT160"        "Drive1"      "SHARE"
 


 

■記述項目

/sp/dbu/adm/setup/NDMPtape.conf ファイルに記述する、パラメタを以下に示します。

パラメタ

意味

NR name

バックアップ運用するETERNUS NR1000F seriesのホスト名です。
SSF/Backup Facilityに定義したホスト名を255文字以内の印刷可能文字で記述してください。

NR tape-device

“NR name”が認識しているテープドライブのAlias Nameです。
10文字以内の印刷可能文字で記述してください。

SP library name

“NR tape-device”が存在している磁気テープライブラリシステム名です。
パラメタには、ダイレクトバックアップに登録した「磁気テープライブラリシステム名」を記述します。
8文字以内の印刷可能文字で記述してください。

SP drive name

“NR tape-device”に対応する磁気テープドライブ名です。
パラメタには、ダイレクトバックアップに登録した「テープドライブ名」を記述します。
23文字以内の印刷可能文字で記述してください。

Usage

磁気テープドライブの共有設定です。
常に“SHARE”を記述します。


磁気テープライブラリシステム名およびテープドライブ名の登録については、本章の「磁気テープライブラリシステムと磁気テープドライブの設定」を参照してください。

 

ダイレクトバックアップに登録された、磁気テープライブラリシステム名およびテープドライブ名は以下のいずれかで参照できます。

 

■注意事項

/sp/dbu/adm/setup/NDMPtape.conf ファイルへの記述には、以下の注意事項があります。

 


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