ダイレクトバックアップ使用手引書 - SPシリーズ -
目次 索引 前ページ次ページ

第17章 バックアップ運用のためのコマンド

ダイレクトバックアップの環境設定で使用するコマンドについて説明します。
これらのコマンドは、SSF/Backup Facility上で実行可能なコマンドです。

 

17.1 dbuaddpool (論理ユニットプールの登録)

■形式

/opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuaddpool Pool-Name

 

■機能説明

このコマンドは、ダイレクトバックアップに論理ユニットプールを登録するコマンドです。

このコマンドは、ダイレクトバックアップサーバが起動している時、SSF/Backup Facility上でのみ実行可能です。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。

オペランド

説明

Pool-Name

ダイレクトバックアップに登録する 論理ユニットプール名を31字以内の文字列で指定します。
このオペランドに複数の論理ユニットプール名を指定することはできません。
このオペランドに以下の論理ユニットプール名は、指定できません。

  • すでにダイレクトバックアップに登録済みの論理ユニットプール名
  • スペア論理ユニットプール名

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ダイレクトバックアップに 論理ユニットプール (LU_pool) を登録します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuaddpool LU_pool
    dbuaddpool completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■関連項目

dbudelpool、dburenamepool

 

17.2 dbudelpool (論理ユニットプールの削除)

■形式

/opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbudelpool Pool-Name

 

■機能説明

このコマンドは、ダイレクトバックアップに登録されている論理ユニットプールを削除するコマンドです。

このコマンドは、ダイレクトバックアップサーバが起動している時、SSF/Backup Facility上でのみ実行可能です。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。

オペランド

説明

Pool-Name

ダイレクトバックアップから削除する 論理ユニットプール名を指定します。
このオペランドに複数の論理ユニットプール名を指定することはできません。
このオペランドに以下の論理ユニットプール名は、指定できません。

  • ダイレクトバックアップに登録されていない論理ユニットプール名
  • スペア論理ユニットプール名

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ダイレクトバックアップから 論理ユニットプール (LU_pool) を削除します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbudelpool LU_pool
    dbudelpool completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

削除する論理ユニットプールに論理ユニットが登録されていると、このコマンドはエラーになります。コマンドを実行する前に、対象となる論理ユニットプールから論理ユニットを削除してください。

論理ユニットの削除については、本章の「dbudelvol (論理ユニットプールから論理ユニットの削除) 」を参照してください。

 

■関連項目

dbuaddpool、dbudelvol

 

17.3 dburenamepool (論理ユニットプール名の変更)

■形式

/opt/FJSVfbupp/usr/bin/dburenamepool Source-Pool-Name  Target-Pool-Name

 

■機能説明

このコマンドは、ダイレクトバックアップに登録した論理ユニットプールの名称を変更するコマンドです。

このコマンドは、ダイレクトバックアップサーバが起動している時、SSF/Backup Facility上でのみ実行可能です。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。

オペランド

説明

Source-Pool-Name

変更対象の論理ユニットプール名を指定します。
このオペランドに以下の論理ユニットプール名は、指定できません。

  • ダイレクトバックアップに登録されていない論理ユニットプール名
  • スペア論理ユニットプール名

Target-Pool-Name

変更後の論理ユニットプール名を31字以内の文字列で指定します。
このオペランドに以下の論理ユニットプール名は、指定できません。

  • すでにダイレクトバックアップに登録済みの論理ユニットプール名
  • スペア論理ユニットプール名

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. 論理ユニットプール名の“LU_pool”を “host_pool”に変更します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dburenamepool LU_pool host_pool
    dburenamepool completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

このコマンドで論理ユニットプール名を変更しても、バックアップポリシー「バックアップ先ディスク」の“論理ユニットプール名”に設定されている論理ユニットプール名は変更されません。
名称を変更した論理ユニットプールを利用している、すべての業務ボリューム、ロググループおよび論理ユニットに対するバックアップポリシーの変更を行って、論理ユニットプール名の再設定をしてください。

なお、名称を変更した論理ユニットプールをバックアップポリシーに設定している業務ボリューム、ロググループおよび論理ユニットについては、dbugetpoolinfo コマンドで確認できます。

バックアップポリシーの変更方法については、以下のいずれかを参照してください。 

 

dbugetpoolinfo コマンドについては、本章の「dbugetpoolinfo (論理ユニットプールの情報表示) 」を参照してください。

 

■関連項目

dbuaddpool、dbugetpoolinfo

 

17.4 dbuaddvol (論理ユニットプールへの論理ユニットの登録)

■形式

/opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuaddvol GRname :volume  Pool-Name

 

■機能説明

このコマンドは、論理ユニットプールに論理ユニットを登録するコマンドです。

このコマンドは、ダイレクトバックアップサーバが起動している時、SSF/Backup Facility上でのみ実行可能です。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。

オペランド

説明

GRname

volume が存在する「ETERNUS3000/6000,GR seriesの名前」を指定します。

volume

登録する論理ユニットを指定します。
論理ユニットは、論理ユニット番号を、OLUxxxx (xxxxは16進数) の形式で指定します。論理ユニット番号は、16進数3桁で“000〜fff”もしくは、16進数4桁で“0000〜1fff”が指定できます。(論理ユニット番号 16進数"1000"以上は、ETERNUS6000のみで指定できます。)
このオペランドに以下の論理ユニットは、指定できません。

  • すでに他の論理ユニットプールに登録済みの論理ユニット
  • GRname に指定されたETERNUS3000/6000,GR seriesに存在しない論理ユニット

Pool-Name

論理ユニットを登録先の論理ユニットプール名を指定します。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. 論理ユニットプール名 (LU_pool) に対して、ディスクアレイ装置名(GR01) が保有している論理ユニット (OLU0001) を登録します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuaddvol GR01:OLU0001 LU_pool
    dbuaddvol completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

このコマンドを実行するには、ダイレクトバックアップサーバに論理ユニットプールが登録されている必要があります。

このコマンドを1回実行することにより、1つの論理ユニットを論理ユニットプールに登録することができます。よって、複数の論理ユニットを一括して登録することはできません。
なお、複数の論理ユニットを登録する場合は、シェルスクリプトを使用して行ってください。

複数の論理ユニットを登録する場合、存在するETERNUS3000/6000,GR seriesが異なる論理ユニット同士を1つの論理ユニットプールに登録することはできません。

“スペア論理ユニットプール”に対して論理ユニットの登録を行うことはできません。

 

■関連項目

dbuaddpool、dbudelvol

 

17.5 dbudelvol (論理ユニットプールから論理ユニットの削除)

■形式

/opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbudelvol GRname :volume  Pool-Name

 

■機能説明

このコマンドは、論理ユニットプールから論理ユニットを削除するコマンドです。

このコマンドは、ダイレクトバックアップサーバが起動している時、SSF/Backup Facility上でのみ実行可能です。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。

オペランド

説明

GRname

volume が存在する「ETERNUS3000/6000,GR seriesの名前」を指定します。

volume

削除する論理ユニットを指定します。
論理ユニットは、論理ユニット番号を、OLUxxxx (xxxxは16進数) の形式で指定します。論理ユニット番号は、16進数3桁で“000〜fff”もしくは、16進数4桁で“0000〜1fff”が指定できます。(論理ユニット番号 16進数"1000"以上は、ETERNUS6000のみで指定できます。)
このオペランドに以下の論理ユニットは、指定できません。

  • 指定した 論理ユニットプールに登録されていない論理ユニット
  • データ(バックアップ履歴など)が存在している論理ユニット

Pool-Name

削除する論理ユニットが登録されている論理ユニットプール名を指定します。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. 論理ユニットプール名 (LU_pool) から、ディスクアレイ装置名(GR01) が保有している論理ユニット (OLU0001) を削除します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbudelvol GR01:OLU0001 LU_pool
    dbudelvol completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

このコマンドを1回実行することにより、1つの論理ユニットを論理ユニットプールから削除することができます。よって、複数の論理ユニットを一括して削除することはできません。
なお、複数の論理ユニットを削除する場合は、シェルスクリプトを使用して行ってください。

削除する論理ユニットにバックアップデータが存在する場合、このコマンドはエラーになります。コマンドを実行する前に、対象となる論理ユニットからバックアップデータを削除してください。

バックアップデータの削除については、以下のいずれかを参照してください。

 

■関連項目

dbuaddpool、dbuaddvol

 

17.6 dbugetpoolinfo (論理ユニットプールの情報表示)

■形式

/opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbugetpoolinfo [-l] [Pool-Name ...]

/opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbugetpoolinfo -n

 

■機能説明

このコマンドは、論理ユニットプールに関する情報を表示するコマンドです。

このコマンドは、ダイレクトバックアップサーバが起動している時、SSF/Backup Facility上でのみ実行可能です。

このコマンドが出力する情報の意味は以下のとおりです。

表示項目

説明

Setting device at policy

情報表示した論理ユニットプールをバックアップポリシー設定で指定している業務ボリュームおよび論理ユニットをすべて表示します。

  • 論理デバイスバックアップの業務ボリュームは、「業務サーバ名:業務ボリューム名」の形式で表示します。
  • 論理ユニットバックアップの論理ユニットは、「ディスクアレイ装置名:論理ユニット名」の形式で表示します。
  • Symfowareデータベースのロググループに含まれる業務ボリュームは、「業務サーバ名:業務ボリューム名(ロググループ名/RDBシステム名)」の形式で表示されます。
    業務ボリューム名は、ロググループごとにまとめて表示され、続いてSymfoware以外の業務ボリュームを表示します。

belong volume

情報表示した論理ユニットプールに登録されている論理ユニットです。
「ディスクアレイ装置名:論理ユニット名」の形式で表示します。

RLU

「belong volume」の論理ユニットが、 ETERNUSmgr で設定された時に付けられた RAIDグループ番号です。

exclusive

「belong volume」の論理ユニットを専用論理ユニットとして指定している業務ボリューム名を表示します。
現在は、“専用論理ユニット”がサポートされていないため、常に「-」が表示されます。

Notbelong

どの論理ユニットプールにも登録されていない論理ユニットです。「ディスクアレイ装置名:論理ユニット名」と RLU を表示します。
-l オプション または -n オプションを指定した場合に表示します。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。

オプション

説明

-l

論理ユニットプールの詳細情報を表示します。

-n

どの論理ユニットプールにも登録されていない論理ユニットの一覧を表示します。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。

オペランド

説明

Pool-Name

情報を表示する論理ユニットプール名を指定します。
このオペランドに、ダイレクトバックアップに登録されていない論理ユニットプール名を指定できません。
このオペランドが省略された場合は、現在 ダイレクトバックアップに登録されているすべての論理ユニットプールの情報を表示します。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. 論理ユニットプール名 (LU_pool) の詳細情報を表示します。
     
  2. ダイレクトバックアップに登録されているすべての論理ユニットプール名を表示します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbugetpoolinfo
    LU_pool
    host_pool1
    spare_GR01
    spare_GR02
    #

  3. ダイレクトバックアップに登録されているすべての論理ユニットプールの詳細情報を表示します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbugetpoolinfo -l
    LU_pool
     Setting device at policy
     ------------------------------------------------------------------
       afs-node1:/dev/dsk/c1t1d1s4     
       afs-node1:/dev/dsk/c1t1d2s4     
     belong volume    RLU      exclusive
     ------------------------------------------------------------------
       GR1:OLU0001   LUN_R001    -
       GR1:OLU0002   LUN_R002    -
       GR1:OLU0003   LUN_R003    -
       GR1:OLU0004   LUN_R004    -
    host_pool1
     Setting device at policy
     ------------------------------------------------------------------
       GR2:OLU0022   
       GR2:OLU0023   
     belong volume    RLU      exclusive
     ------------------------------------------------------------------
       GR2:OLU0001   LUN_R001    -
       GR2:OLU0002   LUN_R002    -
       GR2:OLU0003   LUN_R003    -
       GR2:OLU0004   LUN_R004    -
     spare_GR01
     spare_GR02
    Notbelong
       GR1:OLU0007   LUN_R001   
       GR2:OLU0007   LUN_R002   
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

“スペア論理ユニットプール”の情報は、スペア論理ユニットプール名のみが表示されます。

Symfowareのデータベースのバックアップにおいて、バックアップ先の論理ユニットに定義されている論理ユニットの情報は、“バックアップ先論理ユニット設定ファイル (/sp/dbu/adm/setup/lupool.conf) ”の内容で確認してください。

 

■関連項目

dbuaddpool、dbudelpool、dburenamepool、dbuaddvol、dbudelvol

 

17.7 dbu_get_oluinfo (ETERNUS3000の情報取得)

■形式

/opt/FJSVsputl/bin/dbu_get_oluinfo -l GRIPaddress [GRIPaddress ...]

 

■機能説明

ETERNUS3000のディスクをテープにバックアップするために必要な情報を、ETERNUS3000から取得するコマンドです。

このコマンドは、ダイレクトバックアップサーバが起動している時、SSF/Backup Facility上でのみ実行可能です。

このコマンドは、以下の場合に実行する必要があります。

このコマンドが出力する情報の意味は以下のとおりです。

表示項目

説明

GRIPaddress comleted.

情報の取得に成功しました。

total olu

ETERNUS3000内のOLUの総数です。

/var/opt/FJSVmplb/mplb_ext.conf was update.

/var/opt/FJSVmplb/mplb_ext.confファイルの書き換えに成功しました。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。

オプション

説明

-l

GRIPaddress で指定したETERNUS3000からLAN経由でETERNUS3000の情報を取得して、/var/opt/FJSVmplb/mplb_ext.confファイルに記述します。


-lオプションは省略できません。-lオプションを指定しないと、このコマンドはエラーになります。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。

オペランド

説明

GRIPaddress

情報を取得するETERNUS3000のIPアドレスを指定します。対象となるIPアドレスは、“IPv4”のみです。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. GRIPaddress (200.30.40.30) のETERNUS3000から情報を取得します

    # /opt/FJSVsputl/bin/dbu_get_oluinfo -l 200.30.40.30
    200.30.40.30 comleted. [total olu = 3]
    /var/opt/FJSVmplb/mplb_ext.conf was update.
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

ETERNUS3000を含まない構成では、本コマンドを使用しません。

ETERNUS3000以外のIPアドレスを指定しても情報は取得されず、/var/opt/FJSVmplb/mplb_ext.confファイルにも記述されません。

ETERNUS3000のRAID変更(LUNVの追加含む)後や新規ETERNUS3000の追加後に、本コマンドを実行しなかった場合、テープへのバックアップ/テープからのリストアが失敗します。

/var/opt/FJSVmplb/mplb_ext.confはGRマルチパスドライバの設定ファイルです。マルチパスドライバの動作に影響するため、手動で編集を行わないで下さい。

 

■関連項目

chkluinfo

 

17.8 chkluinfo (論理ユニット定義の有効化)

■形式

/opt/FJSVsputl/bin/chkluinfo

 

■機能説明

このコマンドは、“SP論理ユニット使用用途設定ファイル (/sp/uty/conf/diskadm/luinfo.conf) ”に記述された論理ユニットの情報をダイレクトバックアップに登録します。

このコマンドは、ダイレクトバックアップサーバが起動している時、SSF/Backup Facility上でのみ実行可能です。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. 論理ユニットの情報をダイレクトバックアップに登録します。

    # /opt/FJSVsputl/bin/chkluinfo
    chkluinfo completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 


目次 索引 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright (C) 富士通株式会社 2005