ダイレクトバックアップ使用手引書 - SPシリーズ -
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第9章 論理デバイスバックアップの運用操作

論理デバイスバックアップによるバックアップ運用を行うための準備作業、操作手順および操作方法について説明します。

なお、ここでは、Storage管理サーバおよびStorageサーバの環境設定が行われていることを前提としています。

Storage管理サーバおよびStorageサーバの環境設定方法については、バックアップ運用を行うサーバのプラットフォームに対応した『Softek AdvancedCopy Manager導入手引書』および『Softek AdvancedCopy Manager運用手引書』の「SPシリーズによるバックアップ運用」を参照してください。

 

クラスタ環境で論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンドを実行する場合、当該コマンドを実行するサーバにログインした時に環境変数SWSTGNODEの設定を行ってから実行してください。bshの場合、環境変数の設定方法は以下のとおりです。
●業務サーバ(UNIX)の場合:
   # SWSTGNODE="当該業務サーバの論理ノード名"
   # export SWSTGNODE
●SSF/Backup Facilityの場合:
   # SWSTGNODE="SSF/Backup Facilityの引継ぎノード名"
   # export SWSTGNODE
また、業務サーバ(Windows)の場合の環境変数の設定方法は以下のとおりです。
   set SWSTGNODE=当該業務サーバの論理ノード名

 

9.1 バックアップ運用の準備作業

論理デバイスバックアップのバックアップ運用を開始するには、以下の流れにそった作業を行ってください。

  1. バックアップ対象とするデバイスの決定
  2. 一時利用ボリュームとして利用するデバイスの決定 (リストア先に一時利用ボリュームを利用する場合のみ)
  3. バックアップ対象のデバイス、一時利用ボリュームとして使用するデバイスのデバイス情報のリポジトリへの取り込み
  4. バックアップ対象のデバイスの業務ボリュームの登録
  5. 登録した業務ボリュームに対するバックアップポリシーの設定
  6. バックアップ対象のデバイスに対する前処理の設定 (バックアップ処理で前処理を実行させる場合)
  7. バックアップ対象のデバイスに対する後処理の設定 (バックアップ処理で後処理を実行させる場合)

 

9.1.1 バックアップ対象とするデバイスの決定

論理デバイスバックアップを利用してバックアップ運用する論理デバイスまたはボリュームグループを決定します。

論理デバイスバックアップを行うには、論理デバイスまたはボリュームグループがSSF/Backup Facilityと接続されたETERNUS3000/6000,GR seriesに配置されている必要があります。

システムファイルが格納されているデバイス、Softek AdvancedCopy Managerがインストールされているデバイスは、ダイレクトバックアップを利用してのバックアップ対象としないでください。リストアを行ったことにより、システムやSoftek AdvancedCopy Managerが正常動作しなくなる危険があります。
システムファイルが格納されているデバイス、Softek AdvancedCopy Managerがインストールされているデバイスは、それらの製品が保証するバックアップ方法でバックアップしてください。

 

業務ボリュームとして使用するデバイスのマウントポイントには、日本語の“パス名”を使用することはできません。

 

複数の物理ボリューム (ディスク) で構成されたボリュームグループをバックアップ対象にすることはできません。

 

9.1.2 一時利用ボリュームとして利用するデバイスの決定

論理デバイスバックアップで、ファイル/ディレクトリ単位のリストアを行うためのデバイスを決定します。

一時利用ボリュームとして使用するデバイスはあらかじめ準備しておきます。使用できるデバイスは、リストアを行う業務サーバから参照でき、業務ボリュームとして登録されていない論理デバイスまたはボリュームグループです。

なお、一時利用ボリュームにはリストアするデータサイズ以上の容量を持つデバイスを使用します。

一時利用ボリュームの容量がリストアするデータサイズ未満の場合、一時利用ボリュームへのリストアが失敗します。

 

一時利用ボリュームとして、VTOC情報が含まれるデバイスを使用しないようにしてください。

 

一時利用ボリュームとして使用するデバイスのマウントポイントには、日本語の“パス名”を使用することはできません。

 

一時利用ボリュームは、他の用途 (データの格納など) で使用しないデバイスを使用してください。

 

複数の物理ボリューム (ディスク) で構成されたボリュームグループを一時利用ボリュームに使用することはできません。

 

論理デバイスバックアップにおけるファイル/ディレクトリ単位のリストア手順については、本章の「sprestfileコマンドの利用」を参照してください。

 

9.1.3 デバイス情報のリポジトリへの取り込み

業務サーバ上のデバイス情報をSoftek AdvancedCopy Managerのリポジトリに格納します。リポジトリへの情報の格納が必要となるのは、以下の用途のデバイスです。


デバイス情報がリポジトリに格納されていないと、バックアップ対象の論理デバイスまたはボリュームグループに対する「業務ボリュームの登録」作業が失敗します。

 

一時利用ボリュームのデバイス情報がリポジトリに格納されていないと、一時利用ボリュームへのリストアが失敗します。

 

複数の物理ボリューム (ディスク) で構成されたボリュームグループをバックアップ対象にする、または一時利用ボリュームに使用することはできません。

 

デバイス情報のリポジトリへの格納方法は、『Softek AdvancedCopy Manager運用手引書』の「6.4.5 Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み」を参照してください。

 

9.1.4 業務ボリュームの登録

バックアップ対象の論理デバイスまたはボリュームグループを“業務ボリューム”として登録します。

“業務ボリューム”としての登録は、登録する論理デバイスまたはボリュームグループを保有している業務サーバ上で、Softek AdvancedCopy Managerのswstdevinfosetコマンドを実行して行います。バックアップ運用する論理デバイスまたはボリュームグループが複数存在する場合は、すべての論理デバイスまたはボリュームグループに対してswstdevinfosetコマンドを実行してください。

swstdevinfosetコマンドの実行例を以下に示します。


バックアップ対象の論理デバイスまたはボリュームグループが“業務ボリューム”として登録されていないと、論理デバイスバックアップによるバックアップが行えません。

 

swstdevinfosetコマンドの詳細については、バックアップ運用を行うサーバのプラットフォームに対応した『Softek AdvancedCopy Manager運用手引書』の「デバイス情報設定コマンド (swstdevinfoset) 」を参照してください。


業務ボリュームの登録が失敗すると、コマンドを実行した端末に失敗した原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.1.5 バックアップポリシーの設

バックアップ対象の論理デバイスまたはボリュームグループを“業務ボリューム”として登録し終えたら、その業務ボリュームに対してバックアップポリシーを設定します。

バックアップポリシーの設定は、バックアップ管理画面から行うことができます。

ダイレクトバックアップでは、業務ボリュームに対するバックアップポリシーの設定をSoftek AdvancedCopy Managerの swstbkpolsetコマンドで行うことはできません。

 

バックアップ対象の論理デバイスまたはボリュームグループが“業務ボリューム”として登録されていないと、バックアップポリシーの設定を行えません。

 

9.1.5.1 特定の業務ボリュームに対する設定手順

特定の業務ボリュームに対するバックアップポリシーの設定は、以下の手順で行います。

各パラメタの意味と設定値でのダイレクトバックアップサーバの動作については、「第3章 バックアップポリシー」の「バックアップポリシーのパラメタの説明」を参照してください。


  1. バックアップポリシーを設定する業務ボリュームを保有している業務サーバに対する業務ボリューム一覧画面を表示させます。
  2. 一覧から、バックアップポリシーを設定する業務ボリュームを選択して、[操作]メニューにある[バックアップポリシー設定]を選択します。

  3. 以下の“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスが表示されます。ここで各パラメタに対する入力を行います。

  4. ディスクに関するパラメタの設定は、「バックアップ先ディスク」項目の[設定]ボタンを押して表示される以下の“バックアップ先ディスク設定”ダイアログボックスで「バックアップ先ディスク設定ダイアログボックスでの入力方法」を参考に入力を行います。

  5. “バックアップ先ディスク設定”ダイアログボックスでの入力を終えたら、そのダイアログボックスの[設定]ボタンを押します。すると、“バックアップ先ディスク設定”ダイアログボックスが閉じられ、再度“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスでの入力ができるようになります。
  6. テープに関するパラメタの設定は、「バックアップ先テープ」項目の[設定]ボタンを押して表示される以下の“バックアップ先テープ設定”ダイアログボックスで、「バックアップ先テープ設定ダイアログボックスでの入力方法」を参考に入力を行います。

  7. “バックアップ先テープ設定”ダイアログボックスでの入力を終えたら、そのダイアログボックスの[設定]ボタンを押します。すると、“バックアップ先テープ設定”ダイアログボックスが閉じられ、再度“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスでの入力ができるようになります。
  8. 設定するパラメタに対するすべての入力を終えたら、“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスの[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、バックアップポリシーの設定が行われます。
     

    ダイアログボックスでの入力を中止する場合は、各ダイアログボックスの[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、そのダイアログボックスでの入力が無効となり、ダイアログボックスが閉じられます。


バックアップポリシーの設定が成功すると、“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスに「バックアップポリシーの設定に成功しました。」と出力されます。

バックアップポリシーの設定が失敗すると、“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスに「バックアップポリシーの設定に失敗しました。」と出力されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.1.5.2 複数の業務ボリュームに対する一括設定手順

複数の業務ボリュームに対するバックアップポリシーの一括設定は、以下の手順で行います。

各パラメタの意味と設定値でのダイレクトバックアップサーバの動作については、「第3章 バックアップポリシー」の「バックアップポリシーのパラメタの説明」を参照してください。


  1. バックアップポリシーを設定する業務ボリュームを保有している業務サーバに対する業務ボリューム一覧画面を表示させます。
  2. 一覧に表示された業務ボリュームからバックアップポリシーを一括設定する業務ボリュームを[SIFT]キーを押しながら選択します。
    また、すべて選択するにはある業務ボリュームを選択した状態で、キーボードの[CTRL]キーを押しながら[A]キーを押します。
    業務ボリュームを選択した後、[操作]メニューにある[バックアップポリシー設定]を選択します。

  3. 以下の“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスが表示されます。“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスでは、「業務ボリューム」の項目で選択されている業務ボリュームのバックアップポリシーが表示されます。
    各パラメタに対する入力を行います。


    いずれの業務ボリュームが選択された状態でパラメタの入力を行っても、「業務ボリューム」の項目に表示されているすべての業務ボリュームに対して、同じバックアップポリシーが設定されます。


  4. ディスクに関するパラメタの設定は、「バックアップ先ディスク」項目の[設定]ボタンを押して表示される以下の“バックアップ先ディスク設定” ダイアログボックスで「バックアップ先ディスク設定ダイアログボックスでの入力方法」を参考に入力を行います。

  5. “バックアップ先ディスク設定”ダイアログボックスでの入力を終えたら、そのダイアログボックスの[設定]ボタンを押します。すると、“バックアップ先ディスク設定”ダイアログボックスが閉じられ、再度“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスでの入力ができるようになります。
  6. テープに関するパラメタの設定は、「バックアップ先テープ」項目の[設定]ボタンを押して表示される以下の“バックアップ先テープ設定”ダイアログボックスで、「バックアップ先テープ設定ダイアログボックスでの入力方法」を参考に入力を行います。

  7. “バックアップ先テープ設定”ダイアログボックスでの入力を終えたら、そのダイアログボックスの[設定]ボタンを押します。すると、“バックアップ先テープ設定”ダイアログボックスが閉じられ、再度“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスでの入力ができるようになります。
  8. 設定するパラメタに対するすべての入力を終えたら、“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスの[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、複数の業務ボリュームに対するバックアップポリシーの一括設定が行われます。
     

    ダイアログボックスでの入力を中止する場合は、各ダイアログボックスの[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、そのダイアログボックスでの入力が無効となり、ダイアログボックスが閉じられます。


バックアップポリシーの設定が成功すると、“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスに「バックアップポリシーの設定に成功しました。」と出力されます。

バックアップポリシーの設定が失敗すると、“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスに「バックアップポリシーの設定に失敗しました。」と出力されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.1.5.3 バックアップ先ディスク設定ダイアログボックスでの入力方法

以下の“バックアップ先ディスク設定”ダイアログボックスでの入力方法について説明します。

  1. ダイアログボックスの「論理ユニットプール名」の項目から、バックアップ先として指定する論理ユニットプール名を選択します。
  2. 設定を終えたら、[設定]ボタンを押します。すると、ダイアログボックスが閉じられます。


以下に、ダイアログボックスの各項目と設定について説明します。

項目

説明

論理ユニットプール名

SSF/Backup Facilityが管理している論理ユニットプールのリストを表示します。
このリストからバックアップ先とする論理ユニットプールを選択します。

業務ボリューム名

単一の業務ボリュームの場合は、ポリシー設定を行っている業務ボリューム名が表示されます。
現在は、“専用論理ユニット”がサポートされていないため、この項目は空欄を表示します

論理ユニット設定

専用のバックアップ先論理ユニットとして指定する場合、この項目をチェックします。
現在は、“専用論理ユニット”がサポートされていないため、この項目をチェックできません。

論理ユニット一覧

パラメタ「論理ユニットプール名」で指定した論理ユニットプールに属する論理ユニットの情報を表示します。
現在は、“専用論理ユニット”がサポートされていないため、この項目は空欄を表示します。


複数の業務ボリュームに対する一括設定の時、表示されている「論理ユニットプール名」の設定値が一括設定する全業務ボリュームに対して適用されます。

 

ダイアログボックスでの入力を中止する場合は、ダイアログボックスの[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、そのダイアログボックスでの入力が無効となり、ダイアログボックスが閉じられます。

 

9.1.5.4 バックアップ先テープ設定ダイアログボックスでの入力方法

以下の“バックアップ先テープ設定”ダイアログボックスでの入力方法について説明します。

  1. ダイアログボックスの「作業用論理ユニットプール名」の項目から、作業用の領域として使用する論理ユニットが属する論理ユニットプールを選択します。
  2. ダイアログボックスの「テーププール名」の項目から、バックアップ先として指定するテーププール名を選択します。
    バックアップポリシー「Tape書き込み対象」のパラメタを“テーププール”に設定する場合、使用するテーププール名の選択のみを行います。
  3. バックアップポリシー「Tape書き込み対象」のパラメタを“テープリスト”に設定する場合、以下の操作を行います。(バックアップポリシーの「Tape書き込み対象」に“テーププール”を選択する場合、この設定は不要です。)
    1. ダイアログボックスにある「テープ設定」チェックボックスをチェックします。
    2. 「テープ設定」チェックボックスをチェックして表示されたテープ一覧から、“テープリスト”として指定するテープを選択します。最大16個までのテープが選択できます。
  4. 同様に、「書き込みポリシー」、「有効期間」、「複写数」の項目を設定します。
  5. 設定を終えたら、[設定]ボタンを押します。すると、ダイアログボックスが閉じられます。


バックアップ先テープ設定ダイアログボックスの「テーププール名」項目に“spare_tapepool”を指定すると、バックアップポリシーの設定が失敗します。“spare_tapepool”以外のテーププールを指定するようにしてください。

 

ダイアログボックスでの入力を中止する場合は、ダイアログボックスの[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、そのダイアログボックスでの入力が無効となり、ダイアログボックスが閉じられます。

 

9.1.6 前処理の設定

バックアップポリシーの「前処理の利用」に“利用する”を設定した場合、業務サーバ上で実行させる前処理を記述しておく必要があります。

一般的な前処理は、業務ボリュームのデータ内容を保証する処理 (ファイルシステムのアンマウントなど) です。

前処理の内容は、Softek AdvancedCopy Managerで規定されたスクリプトファイルに記述しなければなりません。

バックアップ運用を行う業務サーバのプラットフォームによって、スクリプトファイルの設定内容が異なります。

 

前処理のスクリプトファイル名や定義方法については、バックアップ運用を行うサーバのプラットフォームに対応した、『Softek AdvancedCopy Manager運用手引書』の「付録A バックアップ・リストアの前後処理」を参照してください。

 

9.1.7 後処理の設定

バックアップポリシーの「前後処理の利用」に“利用する”を設定した場合、業務サーバ上で実行させる処理を記述しておく必要があります。

一般的な後処理は、業務ボリューム内のデータを使用した業務を再開できるようにするための処理 (ファイルシステムのマウントなど) であり、通常は前処理と対になる処理となります。

後処理の内容は、前処理と同じように、Softek AdvancedCopy Managerで規定されたスクリプトファイルに記述しなければなりません。

バックアップ運用を行う業務サーバのプラットフォームによって、スクリプトファイルの設定内容が異なります。

 

後処理のスクリプトファイル名や定義方法については、バックアップ運用を行うサーバのプラットフォームに対応した、『Softek AdvancedCopy Manager運用手引書』の「付録A バックアップ・リストアの前後処理」を参照してください。

 

9.2 バックアップを行う

バックアップにおける各操作について説明します。

 

9.2.1 バックアップ同期処理の開

業務ボリュームに対して、バックアップ同期処理の開始またはレジューム(再開)を行います。

論理デバイスバックアップでは、バックアップ同期処理の開始を以下のいずれかで行うことができます。


バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」に“自動”が設定されている場合、ここで説明する操作を行うことはできません。バックアップ同期処理の開始を手動で行うには、「バックアップ同期処理開始」を“手動”に設定してください。

 

バックアップポリシーの「バックアップエンジン」に“EC”または“EC (SUSPEND) ”、「バックアップ同期処理開始」に“手動”を設定している場合、バックアップを行う前にここで説明する作業が必要です。バックアップ同期処理の開始をしないでバックアップを行うと、業務ボリュームが等価性維持状態にないため、バックアップが失敗します。


バックアップポリシーの「バックアップエンジン」に“EC”、「バックアップ同期処理開始」に“手動”が設定された業務ボリュームに対してバックアップ同期処理を開始済みの時、以下の操作を行うと、業務ボリュームのバックアップ同期処理が停止されます。次回のバックアップに備えるには、再度、「バックアップ同期処理を開始」を行ってください。


バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」が“自動”に設定されている場合は、上記の操作を終了した後、その業務ボリュームのバックアップ同期処理が自動的に開始されます。


バックアップポリシーの「バックアップエンジン」に“EC (SUSPEND) ”、「バックアップ同期処理開始」に“手動”が設定された業務ボリュームに対してバックアップ同期処理を開始済みの時、以下の操作を行うと、業務ボリュームのバックアップ同期処理がサスペンドまたは停止されます。次回のバックアップに備えるには、再度、「バックアップ同期処理を開始」を行ってください。


バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」が“自動”に設定されている場合は、上記の操作を終了した後、その業務ボリュームのバックアップ同期処理が自動的に開始されます。

 

9.2.1.1 コマンドの利用

コマンドによって、バックアップ同期処理を開始するには、以下のいずれかを使用します。

 

■swststartsyncコマンドの利用

Softek AdvancedCopy Managerが提供するswststartsyncコマンドを用いて、ダイレクトバックアップによるバックアップ同期処理を開始することができます。swststartsyncコマンドは、業務サーバ上またはStorage管理サーバ上で実行できます。

業務サーバ上でswststartsyncコマンドを実行する場合の実行例を示します。/dev/dsk/c1t0d3s6は、バックアップ対象の業務ボリューム名です。

# /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 swststartsync completed
#

Storage管理サーバ上でswststartsyncコマンドを実行する場合の実行例を示します。-hオプションに続けて、バックアップ対象の業務ボリュームを保有している業務サーバ名 (server1) を入力します。

# /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync -h server1 /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 swststartsync completed
#

swststartsyncコマンドの詳細については、バックアップ運用を行うサーバのプラットフォームに対応した『Softek AdvancedCopy Manager運用手引書』の「バックアップ同期処理開始コマンド (swststartsync) 」を参照してください。


バックアップ同期処理の開始が失敗すると、コマンドを実行した端末に失敗した原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

■dbustartsyncコマンドの利用

ダイレクトバックアップ が提供する dbustartsyncコマンドを用いて、バックアップ同期処理を開始することができます。dbustartsyncコマンドは、業務サーバ上またはSSF/Backup Facility上で実行できます。

SSF/Backup Facility上で dbustartsyncコマンドを実行する場合の実行例を示します。-hオプションに続けて、バックアップ対象の業務ボリューム (/dev/dsk/c1t0d3s6) を保有している業務サーバ名 (server1) とバックアップ対象の業務ボリュームを入力します。

# /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbustartsync -h server1 /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 dbustartsync completed
#

業務サーバから dbustartsyncコマンドを実行する場合は spcntl コマンドを使用します。上記の例と同じ操作を業務サーバから行うには、以下のとおり入力します。この時、-hオプション (業務サーバ指定) は指定できません。

# /opt/FJSVspcmd/usr/bin/spcntl dbustartsync /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 dbustartsync completed
#

dbustartsyncコマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「dbustartsync (バックアップ同期処理の開始) 」を参照してください。

 

spcntlコマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「spcntl (業務サーバからの機能呼び出しコマンド) 」を参照してください。


バックアップ同期処理の開始が失敗すると、コマンドを実行した端末に失敗した原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.2.1.2 バックアップ管理画面の利用

バックアップ管理画面からのバックアップ同期処理の開始は、以下の手順で行います。

  1. バックアップ同期処理を開始する業務ボリュームを保有している業務サーバの業務ボリューム一覧画面を表示させます。
  2. 一覧から、バックアップ同期処理を開始する業務ボリュームを選択します。

  3. 業務ボリューム一覧画面にある[操作]メニューの[バックアップ同期処理開始]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンを押すと、バックアップ同期処理の開始が行われます。
     

    操作を中止する場合は、ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにダイアログボックスが閉じられます。


バックアップ同期処理の開始が成功すると、ダイアログボックスに「同期処理の開始に成功しました。」と表示されます。

バックアップ同期処理の開始が失敗すると、ダイアログボックスに「同期処理の開始に失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.2.2 バックアップ同期処理のキャンセ

業務ボリュームからバックアップ先の論理ユニットに対する、バックアップ同期処理またはサスペンド状態のキャンセルを行います。

論理デバイスバックアップでは、バックアップ同期処理のキャンセルを以下のいずれかで行うことができます。


バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」が“自動”に設定されて、開始されているバックアップ同期処理をここで説明する操作でキャンセルすることはできません。そのバックアップ同期処理のキャンセルは、「バックアップ同期処理開始」を“手動”に変更することで行ってください。“手動”に変更することで、自動的にバックアップ同期処理がキャンセルされます。

 

9.2.2.1 コマンドの利用 

コマンドによって、バックアップ同期処理のキャンセルを行うには、以下のいずれかを使用します。

 

swstcancelsyncコマンドの利用

Softek AdvancedCopy Managerが提供するswstcancelsyncコマンドを用いて、業務ボリュームに対して開始されているバックアップ同期処理をキャンセルすることができます。swstcancelsyncコマンドは、業務サーバ上またはStorage管理サーバ上で実行できます。

業務サーバ上でswstcancelsyncコマンドを実行する場合の実行例を示します。/dev/dsk/c1t0d3s6は、キャンセル対象の業務ボリューム名です。

# /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 swstcancelsync completed
#

Storage管理サーバ上でswstcancelsyncコマンドを実行する場合の実行例を示します。-hオプションに続けて、キャンセル対象の業務ボリュームを保有している業務サーバ名 (server1) を入力します。

# /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync -h server1 /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 swstcancelsync completed
#

swstcancelsyncコマンドの詳細については、バックアップ運用を行うサーバのプラットフォームに対応した『Softek AdvancedCopy Manager運用手引書』の「バックアップ同期処理キャンセルコマンド (swstcancelsync) 」を参照してください。


バックアップ同期処理のキャンセルが失敗すると、コマンドを実行した端末に失敗した原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

■dbucancelsyncコマンドの利用

ダイレクトバックアップ が提供する dbucancelsyncコマンドを用いて、業務ボリュームに対して開始されているバックアップ同期処理をキャンセルすることができます。dbucancelsyncコマンドは、業務サーバ上またはSSF/Backup Facility上で実行できます。

dbucancelsyncコマンドでは、バックアップ同期処理IDを指定してバックアップ同期処理をキャンセルすることができます。

SSF/Backup Facility上で dbucancelsyncコマンドを実行する場合の実行例を示します。-hオプションに続けて、キャンセル対象の業務ボリューム (/dev/dsk/c1t0d3s6 ) を保有している業務サーバ名 (server1) とキャンセル対象の業務ボリュームおよびバックアップ同期処理ID (2) を入力します。

# /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbucancelsync -h server1 -E 2 /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 dbucancelsync completed
#

業務サーバから dbucancelsyncコマンドを実行する場合は spcntl コマンドを使用します。上記の例と同じ操作を業務サーバから行うには、以下のように入力します。この時、-hオプション (業務サーバ指定) は指定できません。

# /opt/FJSVspcmd/usr/bin/spcntl dbucancelsync -E 2 /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 dbucancelsync completed
#

dbucancelsyncコマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「dbucancelsync (バックアップ同期処理のキャンセル) 」を参照してください。

 

spcntlコマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「spcntl (業務サーバからの機能呼び出しコマンド) 」を参照してください。

 

バックアップ同期処理IDは、本章の「dbusyncstatコマンドの利用」で確認してください。


バックアップ同期処理のキャンセルが失敗すると、コマンドを実行した端末に失敗した原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.2.2.2 バックアップ管理画面の利用

バックアップ管理画面からのバックアップ同期処理のキャンセルは、以下の手順で行います。

  1. バックアップ同期処理をキャンセルする業務ボリュームを保有している業務サーバの業務ボリューム一覧画面を表示させます。
  2. 一覧から、バックアップ同期処理をキャンセルする業務ボリュームを選択します。

  3. 業務ボリューム一覧画面にある[操作]メニューの[バックアップ同期処理中断]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンを押すと、バックアップ同期処理のキャンセルが行われます。
     

    操作を中止する場合は、ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにダイアログボックスが閉じられます。


バックアップ同期処理のキャンセルが成功すると、ダイアログボックスに「同期処理の中断に成功しました。」と表示されます。

バックアップ同期処理のキャンセルが失敗すると、ダイアログボックスに「同期処理の中断に失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.2.3 バックアップ同期処理の実行状況の参

業務ボリュームに対する、バックアップ同期処理の実行状況の参照を行います。

論理デバイスバックアップでは、バックアップ同期処理の実行状況の参照を以下のいずれかで行うことができます。

 

9.2.3.1 コマンドの利用 

コマンドによって、バックアップ同期処理の実行状況の参照を行うには、dbusyncstatコマンドを使用します。

 

dbusyncstatコマンドの利用

ダイレクトバックアップ が提供する dbusyncstatコマンドを用いて、バックアップ同期処理の実行状況の参照を行うことができます。dbusyncstatコマンドは、業務サーバ上またはSSF/Backup Facility上で実行できます。

SSF/Backup Facility上で dbusyncstatコマンドを実行する場合の実行例を示します。-hオプションに続けて、バックアップ対象の業務ボリューム (/dev/dsk/c1t0d3s6 ) を保有している業務サーバ名 (server1) とバックアップ対象の業務ボリュームを入力します。

業務サーバから dbusyncstatコマンドを実行する場合は spcntl コマンドを使用します。上記の例と同じ操作を業務サーバから行うには、以下のように入力します。この時、-hオプション (業務サーバ指定) は指定できません。


dbusyncstat コマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「dbusyncstat (バックアップ同期処理の実行状況の表示) 」を参照してください。

 

spcntlコマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「spcntl (業務サーバからの機能呼び出しコマンド) 」を参照してください。

 

9.2.3.2 バックアップ管理画面の利用

バックアップ管理画面からのバックアップ同期処理の実行状況の参照は、以下の手順で行います。

  1. バックアップ同期処理の実行状況を参照する業務ボリュームを保有している業務サーバの業務ボリューム一覧画面を表示させます。
  2. 一覧の「状態」に バックアップ同期処理の実行状況が表示されます。


業務ボリューム一覧画面での表示情報は、自動的には更新されません。業務ボリューム一覧画面にある[表示]メニューの[最新の情報に更新]を押すことで、表示情報を最新の情報に更新できます。

 

9.2.4 バックアップの実

バックアップポリシーの設定にしたがって、業務ボリュームのバックアップを行います。

論理デバイスバックアップでは、業務ボリュームに対するバックアップを以下のいずれかで行うことができます。


ダイレクトバックアップでは、バックアップポリシーを設定しないでバックアップを行うことはできません。バックアップを行う前に、必ずバックアップポリシーを設定してください。

 

バックアップポリシーの「バックアップエンジン」に“EC”または“EC (SUSPEND) ”、「バックアップ同期処理開始」に“手動”を設定している場合、バックアップを行う前にバックアップ同期処理の開始を必ず行ってください。
バックアップ同期処理が開始されていないと、業務ボリュームが等価性維持状態にないためバックアップが失敗します。

 

バックアップの実行前に dbu_statdisp_driveコマンドを実行して、テーププールまたはテープリストに属しているテープが閉塞ドライブにマウントされていないことを確認してください。
閉塞ドライブにテープがマウントされていた場合、閉塞原因を取り除いた後、dbu_enable_driveコマンドを用いて、ドライブの閉塞を解除してください。

 

業務ボリュームに対するバックアップポリシーの設定方法については、本章の「バックアップポリシーの設定」を参照してください。

 

バックアップ同期処理の開始については、本章の「バックアップ同期処理の開始」を参照してください。

 

dbu_statdisp_driveコマンド、dbu_enable_driveコマンドについての詳細は、「第18章 テープ制御のためのコマンド」の「dbu_statdisp_drive (磁気テープドライブ状態の表示)」および「dbu_enable_drive (磁気テープドライブの手動閉塞解除)」を参照してください。


バックアップポリシーの「バックアップエンジン」に“EC”、「バックアップ同期処理開始」に“手動”が設定された業務ボリュームが等価性維持状態の時、その業務ボリュームのバックアップを行うと、バックアップ終了後はその業務ボリュームのバックアップ同期処理が停止されている状態となります。
次回のバックアップに備えるには、再度、「バックアップ同期処理を開始」を行ってください。

バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」が“自動”に設定されている場合は、バックアップ処理が終了した後、その業務ボリュームのバックアップ同期処理が自動的に開始されます。


バックアップポリシーの「バックアップエンジン」に“EC (SUSPEND) ”、「バックアップ同期処理開始」に“手動”が設定された業務ボリュームが等価性維持状態の時、その業務ボリュームのバックアップを行うと、バックアップ終了後はその業務ボリュームのバックアップ同期処理がサスペンドされている状態となります。
次回のバックアップに備えるには、「バックアップ同期処理を開始」を行ってください。

バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」が“自動”に設定されている場合は、バックアップ処理が終了した後、その業務ボリュームのバックアップ同期処理が自動的に開始されます。

 

9.2.4.1 コマンドの利用

コマンドによって、バックアップの実行を行うには、以下のいずれかを使用します。

 

swstbackupコマンドの利用

Softek AdvancedCopy Managerが提供するswstbackupコマンドを用いて、業務ボリュームのバックアップを行うことができます。swstbackupコマンドは、業務サーバ上またはStorage管理サーバ上で実行できます。

業務サーバ上でswstbackupコマンドを実行する場合の実行例を示します。/dev/dsk/c1t0d3s6は、バックアップ対象の業務ボリューム名です。

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 swstbackup completed
#

Storage管理サーバ上でswstbackupコマンドを実行する場合の実行例を示します。-hオプションに続けて、バックアップ対象の業務ボリュームを保有している業務サーバ名 (server1) を入力します。

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup -h server1 /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 swstbackup completed
#

swstbackupコマンドの詳細については、バックアップ運用を行うサーバのプラットフォームに対応した『Softek AdvancedCopy Manager運用手引書』の「バックアップ実行コマンド (swstbackup) 」を参照してください。


バックアップが失敗すると、コマンドを実行した端末に失敗した原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

■dbubackupコマンドの利用

ダイレクトバックアップ が提供する dbubackupコマンドを用いて、業務ボリュームのバックアップを行うことができます。dbubackupコマンドは、業務サーバ上またはSSF/Backup Facility上で実行できます。

SSF/Backup Facility上で dbubackupコマンドを実行する場合の実行例を示します。-hオプションに続けて、バックアップ対象の業務ボリューム (/dev/dsk/c1t0d3s6 ) を保有している業務サーバ名 (server1) とバックアップ対象の業務ボリュームを入力します。

# /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbubackup -h server1 /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 dbubackup completed
#

業務サーバから dbubackupコマンドを実行する場合は spcntl コマンドを使用します。上記の例と同じ操作を業務サーバから行うには、以下のように入力します。この時、-hオプション (業務サーバ指定) は指定できません。

# /opt/FJSVspcmd/usr/bin/spcntl dbubackup /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 dbubackup completed
#

dbubackupコマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「dbubackup (バックアップの実行) 」を参照してください。

 

spcntlコマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「spcntl (業務サーバからの機能呼び出しコマンド) 」を参照してください。


バックアップが失敗すると、コマンドを実行した端末に失敗した原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.2.4.2 バックアップ管理画面の利用

バックアップ管理画面からのバックアップは、以下の手順で行います。

  1. バックアップ対象の業務ボリュームを保有している業務サーバの業務ボリューム一覧画面を表示させます。
  2. 一覧から、バックアップする業務ボリュームを選択します。

  3. 業務ボリューム一覧画面にある[操作]メニューの[バックアップ]を選択します。
    すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンを押すと、バックアップが行われます。
     

    操作を中止する場合は、ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにダイアログボックスが閉じられます。


バックアップが成功すると、ダイアログボックスに「バックアップに成功しました。」と表示されます。

バックアップが失敗すると、ダイアログボックスに「バックアップに失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.2.5 バックアップの処理状況および処理結果の参

論理デバイスバックアップでは、バックアップに対する処理状況および処理結果の参照を以下のいずれかで行うことができます。


それぞれの実行履歴画面は、バックアップ管理画面とは独立して表示されます。画面を閉じるには、[ファイル]メニューの[終了]を押すか、画面右上の[×]ボタンを押します。

 

業務ボリューム実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「業務ボリューム実行履歴画面」を参照してください。

 

SP実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「SP実行履歴画面」を参照してください。


業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面を表示させた後は、その画面に表示されている処理から、参照する処理を探してください。

実行履歴画面での表示情報は、自動的には更新されません。実行履歴画面にある[表示]メニューの[最新の情報に更新]を押すことで、表示情報を最新の情報に更新できます。

 

9.2.6 バックアップの処理状況および処理結果の詳細情報の参

論理デバイスバックアップでは、バックアップに対する処理状況および処理結果の詳細情報の参照を以下のいずれかで行うことができます。


業務ボリューム実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「業務ボリューム実行履歴画面」を参照してください。

 

SP実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「SP実行履歴画面」を参照してください。


以下に、参照する方法について説明します。

  1. 業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面を表示させます。 (以下は、業務ボリューム実行履歴画面の例です。)
  2. 実行履歴画面に表示された処理のうち、詳細情報を参照する処理を選択します。

  3. 業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面にある[操作]メニューの[詳細情報]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。
     
  4. 詳細情報ダイアログボックスにある「OK」ボタンを押して操作を終了します。

 

9.2.7 バックアップ処理のキャンセ

論理デバイスバックアップでは、実行中のバックアップ処理のキャンセルをバックアップ管理画面で行うことができます。

キャンセルする方法として、以下のいずれかで行えます。


業務ボリューム実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「業務ボリューム実行履歴画面」を参照してください。

 

SP実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「SP実行履歴画面」を参照してください。


以下に、キャンセルする方法について説明します。

  1. 業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面を表示させます。 (以下は、業務ボリューム実行履歴画面の例です。)
  2. 実行履歴画面に表示された処理のうち、キャンセルする処理を選択します。

  3. 業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面にある[操作]メニューの[キャンセル]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、バックアップ処理がキャンセルされます。
     

    操作を中止する場合は、ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにダイアログボックスが閉じられます。


バックアップ処理のキャンセルが成功すると、ダイアログボックスに「バックアップのキャンセルに成功しました。」と表示されます。

バックアップ処理のキャンセルが失敗すると、ダイアログボックスに「バックアップのキャンセルに失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.2.8 バックアップ処理に関する注意事項

バックアップポリシーの「バックアップ先」に“両方”が設定されている業務ボリュームのバックアップ処理をキャンセルしても、ディスクへのバックアップデータの保存が完了していた場合はディスクにあるバックアップデータは削除されません。
そのバックアップデータが不要であれば、「バックアップデータの削除の実行」で説明する方法にしたがって、そのバックアップデータを削除してください。

世代超過処理中のバックアップ処理をキャンセルすると、ディスクに保存されているバックアップデータの世代数がバックアップポリシーの「ディスク保存世代数」を超過した状態になります。この状態を放置しておくと、次のバックアップが失敗します。以下のいずれかの作業を行って、ディスクに保存されている世代数が「ディスク保存世代数」以下になるようにしてください。

バックアップポリシーの「バックアップエンジン」に“EC”、「バックアップ同期処理開始」に“手動”が設定された業務ボリュームが等価性維持状態の時にバックアップをキャンセルすると、バックアップ終了後は業務ボリュームのバックアップ同期処理が停止されている状態となります。
次回のバックアップに備えるには、再度、「バックアップ同期処理を開始」を行ってください。

バックアップ同期処理を開始する方法は、本章の「バックアップ同期処理の開始」を参照してください。

 

バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」が“自動”に設定されている場合は、キャンセル処理が終了した後、その業務ボリュームのバックアップ同期処理が自動的に開始されます。


バックアップポリシーの「バックアップエンジン」に“EC (SUSPEND) ”、「バックアップ同期処理開始」に“手動”が設定された業務ボリュームが等価性維持状態の時にバックアップをキャンセルすると、バックアップ終了後は業務ボリュームのバックアップ同期処理がサスペンドされている状態となります。
次回のバックアップに備えるには、「バックアップ同期処理を開始」を行ってください。

バックアップ同期処理を開始する方法は、本章の「バックアップ同期処理の開始」を参照してください。

 

バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」が“自動”に設定されている場合は、キャンセル処理が終了した後、その業務ボリュームのバックアップ同期処理が自動的に開始されます。

 

9.3 バックアップデータの履歴情報の参照

バックアップが成功すると、バックアップデータに関する履歴情報を参照することができます。履歴情報の参照が必要になる代表的な状況を以下に示します。

ここでは、バックアップデータに関する履歴情報を参照する方法について説明します。

 

9.3.1 バックアップデータの履歴情報の参照方

論理デバイスバックアップでは、バックアップデータに対する履歴情報の参照を以下のいずれかで行うことができます。

 

9.3.1.1 コマンドの利用 

コマンドによって、バックアップデータに対する履歴情報の参照を行うには、dbuhistdispコマンドを使用します。

 

■dbuhistdispコマンドの利用

ダイレクトバックアップ が提供する dbuhistdispコマンドを用いて、バックアップデータに対する履歴情報の参照を行うことができます。dbuhistdispコマンドは、業務サーバ上またはSSF/Backup Facility上で実行できます。

SSF/Backup Facility上で dbuhistdispコマンドを実行する場合の実行例を示します。以下の例では、業務サーバ (server1) の保有する業務ボリューム (/dev/dsk/c1t0d3s6) のバックアップ履歴情報が表示されます。

# /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuhistdisp -h server1 /dev/dsk/c1t0d3s6

Server=

server1

Device=

/dev/dsk/c1t0d3s6

Mount-Point=

/mnt1

Gen

Ver

BackupDate

BackupDevice

EC/OPCstatus

EC/OPCexecute

1

13

2001/08/13 23:20

disk/----

executing

80%

2

12

2001/07/31 23:21

disk/tape

succeeded

100%

#

業務サーバから dbuhistdispコマンドを実行する場合は spcntl コマンドを使用します。上記の例と同じ操作を業務サーバから行うには、以下のように入力します。この時、-hオプション (業務サーバ指定) は指定できません。

# /opt/FJSVspcmd/usr/bin/spcntl dbuhistdisp /dev/dsk/c1t0d3s6

Server=

server1

Device=

/dev/dsk/c1t0d3s6

Mount-Point=

/mnt1

Gen

Ver

BackupDate

BackupDevice

EC/OPCstatus

EC/OPCexecute

1

13

2001/08/13 23:20

disk/----

executing

80%

2

12

2001/07/31 23:21

disk/tape

succeeded

100%

#

dbuhistdisp コマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「dbuhistdisp (バックアップ履歴情報の表示) 」を参照してください。

 

spcntlコマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「spcntl (業務サーバからの機能呼び出しコマンド) 」を参照してください。

 

9.3.1.2 バックアップ管理画面の利用

バックアップ管理画面からのバックアップデータに対する履歴情報は、以下のようなバックアップ履歴覧画面を表示させることで参照できます。


バックアップ履歴一覧画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「バックアップ履歴一覧画面」を参照してください。

 

9.3.2 バックアップデータの詳細情報の参照方

論理デバイスバックアップでは、バックアップデータに対する履歴情報の詳細情報の参照をバックアップ管理画面で参照することができます。

 

9.3.2.1 バックアップ管理画面での参照 

バックアップ履歴一覧履歴画面からバックアップデータに対する処理状況および処理結果の詳細情報が参照できます。

バックアップ履歴一覧画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「バックアップ履歴一覧画面」を参照してください。


詳細情報の参照は、以下の手順で行います。

  1. 情報を参照する業務ボリュームに対する以下のバックアップ履歴一覧画面を表示させます。

  2. 一覧から、詳細情報を表示する世代を選択します。
  3. バックアップ履歴一覧画面にある[操作]メニューの[詳細情報]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。各表示項目については、表9.1 を参照してください。
     
  4. 詳細情報ダイアログボックスにある「OK」ボタンを押して操作を終了します。


[表9.1 “詳細情報”ダイアログボックスでの表示項目]

表示項目

説明

ディスク情報

ディスク上に保存されているバックアップ履歴情報を表示します。
ディスク上にバックアップ履歴がない場合は、表示されません。

ディスク情報の各表示項目については、表9.2 を参照してください。

テープ情報

テープ上に保存されているバックアップ履歴情報を表示します。
状態が正常でない場合と期限切れの場合は、赤色文字で表示されます。
テープ上にバックアップ履歴がない場合は、表示されません。

テープ情報の各表示項目については、表9.3 を参照してください。


[表9.2 ディスク情報]

表示項目

説明

論理ユニット名

バックアップデータの格納された論理ユニット名称が「ディスクアレイ装置名:論理ユニット名」の形式で表示されます。
論理ユニット名は、“OLU”の文字に続いて、論理ユニット番号が16進数4桁で表示されます。


[表9.3 テープ情報]

表示項目

説明

デュプリケートID

このバックアップデータに割り当てられたIDが表示されます。
このIDによって、このバックアップデータとまったく同じ内容のバックアップデータが複数存在する場合に、個々の区別が可能です。
テープ上にデータが存在しない場合は、「0」が表示されます。

テープ名

バックアップデータの格納されたテープ媒体の名前がコンマで区切られ、表示されます。
テープ上にデータが存在しない場合は、何も表示されません。

有効期限

バックアップデータの有効期限です。以下のいずれかが表示されます。

  • 無期限

有効期限が設定されていません。

  • YYYY /MM /DD hhmmss

有効期限が設定されている場合、「履歴作成日時+有効日数」で計算された結果日時です。
YYYY は西暦、MM は月、DD は日、hh は時、mm は分、ss は秒を示します。

状態

バックアップデータの状態です。以下のいずれかが表示されます。

  • 正常

欠損がなく、正常にリストア可能です。

  • 欠損

以前のリストアでI/Oエラーが発生している、または閉塞されています。
(表下の注意事項があります)

磁気テープライブラリシステム名

バックアップ履歴が存在するテープが投入されている磁気テープライブラリシステム名を表示します。
テープが装置外に存在する場合は、空白を表示します。


「状態」が“欠損”となっているバックアップデータのリストアを試みる場合、事前に以下の対処を行ってください。試みたリストアに成功すると、「状態」が“正常”に戻ります。

  1. テーププール詳細画面を表示させ、該当するバックアップデータが格納されているすべてのテープの「使用状況」を確認します。
  2. 「使用状況」に表示されている内容別に、以下の対処を行います。
    • “使用不可”と表示されている場合
      テープが閉塞されています。テープが閉塞された時にエラーメッセージが出力されているので、「メッセージと対処方法」を参照し、テープが閉塞された原因を取り除きます。そして、「テープの状態回復」を行います。
    • “使用不可”と表示されていない場合
      以前のリストアにおいて出力されたI/Oエラーのメッセージに従って対処します。

 

9.4 ボリュームグループ構成情報の参

論理デバイスバックアップでは、ボリュームグループを構成する論理ボリュームの一覧情報の参照をバックアップ管理画面で参照することができます。

本機能はHP-UXの業務ボリュームに対してはのみ実行可能です。

 

9.4.1 バックアップ管理画面での参照 

業務ボリューム一覧画面からボリュームグループを構成する論理ボリュームの一覧情報が参照できます。

業務ボリューム一覧画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「業務ボリューム一覧画面」を参照してください。


一覧情報の参照は、以下の手順で行います。

  1. 情報を参照する業務ボリューム (ボリュームグループ) を保有している業務サーバの業務ボリューム一覧画面を表示させます。
  2. 一覧から、一覧情報を参照する業務ボリューム (ボリュームグループ) を選択します。

     

  3. 業務ボリューム一覧画面にある[操作]メニューの[マウントポイント一覧]を選択します。
    すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。表示項目については、表9.4 を参照してください。

     

  4. マウントポイント一覧ダイアログボックスにある「OK」ボタンを押して操作を終了します。


[表9.4 “マウントポイント一覧”ダイアログボックスでの表示項目]

表示項目

説明

マウントポイント

選択された業務ボリュームに対するマウントポイントを表示します。


 

9.5 リストアを行う

リストアにおける各操作について説明します。

 

9.5.1 リストア対象の世代の特

Softek AdvancedCopy Managerのswstrestoreコマンドで最新世代以外のバックアップデータをリストアするには、リストア対象のバックアップデータの世代番号を特定しておいてください。それは、swstrestoreコマンドのオプションに、絶対世代番号または相対世代番号を指定する必要があるためです。

バックアップデータの世代番号を参照する方法は、本章の「バックアップデータの履歴情報の参照方法」を参照してください。

 

9.5.2 リストアの実

論理デバイスバックアップでは、バックアップデータのリストアを以下のいずれかで行うことができます。


バックアップ管理画面を利用したリストアでは、最新世代と指定世代でリストア方法が異なります。


バックアップポリシーの「バックアップエンジン」に“EC”、「バックアップ同期処理開始」に“手動”が設定された業務ボリュームに対してバックアップ同期処理を開始済みの時、その業務ボリュームをリストア先に指定したリストアを行うと、リストア終了後はその業務ボリュームのバックアップ同期処理が停止されている状態となります。
次回のバックアップに備えるには、再度、「バックアップ同期処理を開始」を行ってください。

バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」が“自動”に設定されている場合は、リストア処理が終了した後、その業務ボリュームのバックアップ同期処理が自動的に開始されます。

 

バックアップ同期処理を開始する方法は、本章の「バックアップ同期処理の開始」を参照してください。


バックアップポリシーの「バックアップエンジン」に“EC (SUSPEND) ”、「バックアップ同期処理開始」に“手動”が設定された業務ボリュームに対してバックアップ同期処理を開始済みの時、その業務ボリュームをリストア先に指定したリストアを行うと、リストア終了後はその業務ボリュームに対するバックアップ同期処理がすべて停止されている状態となります。
ただし、一時利用ボリュームへリストアを行う場合は、リストアするバックアップデータがある論理ユニットとのバックアップ同期処理のみが停止されている状態となります。
次回のバックアップに備えるには、再度、「バックアップ同期処理を開始」を行ってください。

バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」が“自動”に設定されている場合は、リストア処理が終了した後、その業務ボリュームのバックアップ同期処理が自動的に開始されます。

 

バックアップ同期処理を開始する方法は、本章の「バックアップ同期処理の開始」を参照してください。


SSF/Backup Facilityに複数のETERNUS3000/6000,GR seriesを接続して運用している場合、バックアップした時の「バックアップ先」によって、リストアできるETERNUS3000/6000,GR seriesが異なります。

リストア先に指定できるETERNUS3000/6000,GR seriesについては、「第2章 バックアップとリストア」の「リストア(リカバリ)先の指定可能範囲」を参照してください。


テープに書き込みを行ったバックアップ履歴からリストアを実施する場合、閉塞ドライブにマウントされたテープ内のバックアップ履歴をリストアの対象とするとリストア処理が失敗します。

以下の手順により、閉塞ドライブにテープがマウントされていないことを確認してください。

  1. dbuhistdispコマンドを -jオプション指定で実行し、バックアップ履歴が保存されたテープを確認。
  2. dbu_statdisp_driveコマンドを実行し、閉塞ドライブにマウントされたテープを確認。

閉塞ドライブにテープがマウントされていた場合、閉塞原因を取り除いた後、dbu_enable_driveコマンドを用いて、ドライブの閉塞を解除してください。

dbuhistdispコマンドについての詳細は、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「dbuhistdisp (バックアップ履歴情報の表示)」を参照してください。

 

dbu_statdisp_driveコマンド、dbu_enable_driveコマンドについての詳細は、「第18章 テープ制御のためのコマンド」の「dbu_statdisp_drive (磁気テープドライブ状態の表示)」および「dbu_enable_drive (磁気テープドライブの手動閉塞解除)」を参照してください。

 

■AIXの業務ボリュームリストア時の注意事項

AIXの業務ボリュームリストアにおいて、一時利用ボリュームへリストアを行う場合は以下の点に注意する必要があります。

業務ボリューム以外のボリュームに対してリストアを行う場合は、リストアの前後処理スクリプトが実行されません。またリストア先ボリュームとバックアップデータでLVM管理情報が一致しないため、LVM管理情報の書き換えが必要となります。このため業務ボリューム以外のボリュームへリストアする場合は、以下の手順を実施してください。

  1. リストアの後処理スクリプトの編集します。/etc/opt/FJSVswsts/sh/OpcRestore.post ファイルの42行目に次の処理を追加します。
    if [ "$device" = "リストア先のボリュームグループ名" ]
    then
      /usr/bin/rm -rf $post_file 2> /dev/null
    exit 0
    fi
  2. リストア先ボリュームのボリュームグループに含まれる、全ての論理ボリュームをアンマウントしてください。以下の実行例では、リストア先ボリュームのボリュームグループ名をvg01としています。
    # /usr/sbin/varyoffvg vg01
  3. varyoffvgコマンドを使用して、リストア先ボリュームのボリュームグループを非活性化します。
  4. リストア先ボリュームに対してリストアを実行します。
  5. lspvコマンドを実行し、リストア先ボリュームの物理ボリューム名を控えてください。リストア先ボリュームのボリュームグループ名がvg01の場合、以下の例では物理ボリューム名がhdisk1になります。
    # /usr/sbin/lspv
    hdisk0 0004f10aa92e686c rootvg
    hdisk1 0004f10a1c7879c5 vg01
  6. chdevコマンドを使用して、一時的にリストア先ボリュームをLVMから削除します。
    # /usr/sbin/chdev -l hdisk1 -a pv=clear
  7. exportvgコマンドを使用して、リストア先ボリュームをエクスポートします。
    # /usr/sbin/exportvg vg01
  8. recreatevgコマンドを使用して、リストア先ボリュームのLVM管理情報を書き換えます。
    # /usr/sbin/recreatevg -y vg01 hdisk1
  9. recreatevgコマンドを使用することで、ボリュームグループ内の論理ボリューム名が変更されるため、lsvgコマンドを使用して変更後の論理ボリューム名を確認します。
    # /usr/sbin/lsvg -l vg01
    vg01:
    LV NAME TYPE LPs PPs PVs LV STATE MOUNT POINT
    fslv01 jfs 2 2 1 closed/syncd N/A
  10. 手順8で確認した論理ボリューム名を指定してファイルシステムをマウントします。

手順を誤ると業務データを破壊する危険性があるので、細心の注意を払って実施してください。各コマンドの詳細はAIXのマニュアルを参照してください。

9.5.2.1 コマンドの利用

コマンドによって、リストアの実行を行うには、以下のいずれかを使用します。

 

swstrestoreコマンドの利用

Softek AdvancedCopy Managerが提供するswstrestoreコマンドを用いて、論理デバイスバックアップで採取したバックアップデータのリストアを行うことができます。swstrestoreコマンドは、業務サーバ上またはStorage管理サーバ上で実行できます。

業務サーバ上でswstrestoreコマンドを実行する場合の実行例を示します。/dev/dsk/c1t0d3s6は、バックアップ元の業務ボリューム名です。この例では、/dev/dsk/c1t0d3s6の最新世代のバックアップデータが/dev/dsk/c1t0d3s6にリストアされます。

# /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 swstrestore completed
#

Storage管理サーバ上でswstrestoreコマンドを実行する場合の実行例を示します。-hオプションに続けて、バックアップ元の業務ボリュームを保有している業務サーバ名 (server1) を入力します。

# /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore -h server1 /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 swstrestore completed
#

swstrestoreコマンドの詳細については、バックアップ運用を行うサーバのプラットフォームに対応した『Softek AdvancedCopy Manager運用手引書』の「リストア実行コマンド (swstrestore) 」を参照してください。


リストアが失敗すると、コマンドを実行した端末に失敗した原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

sprestfileコマンドの利用

sprestfileコマンドを用いて、論理デバイスバックアップで採取したバックアップデータのファイル/ディレクトリ単位のリストアを行うことができます。sprestfileコマンドは、業務サーバ上でのみ実行できます。

ファイル/ディレクトリ単位のリストアは、以下の手順で行います。

  1. ファイル/ディレクトリをリストアする業務ボリュームに対応させる一時利用ボリュームのデバイス名情報をsprestfilercファイルに記述します。
  2. ファイル/ディレクトリをリストアする業務ボリューム名、バックアップデータの相対世代、リストア先のディレクトリ名、リストアするファイル/ディレクトリ名などを指定して、sprestfileコマンドを実行します。業務サーバのプラットフォームによってオペランド (変数) の指定が異なります。
     


sprestfileコマンドは、プラットフォームが HP-UX,AIX, Linux および Windows Server 2003 の業務サーバ上から実行することはできません。

 

リストアできるファイル/ディレクトリは、バックアップデータ採取された時に存在したファイルのみです。

 

SSF/Backup Facilityがクラスタ構成の場合は、プライマリとセカンダリの両方でsprestfilercファイルを設定してください。

 

sprestfileコマンドをWindowsで実行する時に、リストアで使用する一時利用ボリュームをマウントするドライブの割り当て (drive letter) が、他のデバイスに割り当てられていないことを確認してください。

 

sprestfileコマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「sprestfile (ファイル単位のリストア) 」を参照してください。


リストアが失敗すると、コマンドを実行した端末に失敗した原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.5.2.2 バックアップ管理画面の利用 (最新世代)

バックアップ管理画面からの最新世代のリストアは、以下の手順で行います。

  1. リストア対象のバックアップデータのバックアップ元となっている業務ボリュームを保有している業務サーバの業務ボリューム一覧画面を表示させます。
  2. 一覧から、リストア対象のバックアップデータのバックアップ元となっている業務ボリュームを選択します。

  3. 業務ボリューム一覧画面にある[操作]メニューの[リストア (最新世代) ]を選択します。すると、以下のような“リストア (最新世代) ”ダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスの「リストア先ボリューム名」には、バックアップ元の業務ボリュームがデフォルトとして、表示されます。
    リストア先をバックアップ元の業務ボリュームとする場合は、手順5に進みます。
    リストア先をバックアップ元の業務ボリューム以外にする場合は、「リストア先ボリューム名」の横にある[変更]ボタンを押して表示される“リストア先変更”ダイアログボックスを利用して、「“リストア先変更”ダイアログボックスでの入力方法」を参考にリストア先を決定します。決定し終えたら、ダイアログボックスにある[設定]ボタンを押し、“リストア先変更”ダイアログボックスを閉じます。

  5. “リストア (最新世代) ”ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、リストア処理が開始されます。
     

    操作を中止する場合は、各ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにそのダイアログボックスが閉じられます。


リストアが成功すると、“リストア (最新世代) ”ダイアログボックスに「リストアに成功しました。」と表示されます。

リストアが失敗すると、“リストア (最新世代) ”ダイアログボックスに「リストアに失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.5.2.3 バックアップ管理画面の利用 (指定世代)

バックアップ管理画面からの指定世代のリストアは、以下の手順で行います。

  1. リストアするバックアップデータのバックアップ元となっている業務ボリュームに対するバックアップ履歴一覧画面を表示させます。
  2. 一覧から、リストアするバックアップデータを選択します。

  3. バックアップ履歴一覧画面にある[操作]メニューの[リストア (世代) ]を選択します。すると、以下の“リストア (世代) ”ダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスの「リストア先ボリューム名」には、バックアップ元の業務ボリュームがデフォルトとして、表示されます。
    リストア先をバックアップ元の業務ボリュームとする場合は、手順5に進みます。
    リストア先をバックアップ元の業務ボリューム以外にする場合は、「リストア先ボリューム名」の横にある[変更]ボタンを押して表示される“リストア先変更”ダイアログボックスを利用して、「“リストア先変更”ダイアログボックスでの入力方法」を参考にリストア先を決定します。決定し終えたら、ダイアログボックスにある[設定]ボタンを押し、“リストア先変更”ダイアログボックスを閉じます。

  5. “リストア (世代) ”ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、リストア処理が開始されます。
     

    操作を中止する場合は、各ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにそのダイアログボックスが閉じられます。


リストアが成功すると、“リストア (世代) ”ダイアログボックスに「リストアに成功しました。」と表示されます。

リストアが失敗すると、“リストア (世代) ”ダイアログボックスに「リストアに失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.5.2.4 “リストア先変更”ダイアログボックスでの入力方法

以下の“リストア先変更”ダイアログボックスでの入力方法を説明します。“リストア先変更”ダイアログボックスでの表示項目は、表9.5 を参照してください。


[表9.5 “リストア先変更”ダイアログボックスでの表示項目 ]

表示項目

説明

リストア先サーバ名

Softek AdvancedCopy Managerのリポジトリ情報に登録されている業務サーバのリストを表示します。

ボリューム名

「リストア先サーバ名」に表示されている業務サーバが保有している論理デバイスまたはボリュームグループのリストを表示します。
Softek AdvancedCopy Managerのリポジトリ情報に格納されているデバイスのうち、リストア先として指定可能なデバイスを表示します。

サイズ

論理デバイスまたはボリュームグループのサイズです。
ギガバイト単位の値で表示します。小数点以下は1桁のみの表示です。

ボリューム種別

論理デバイスまたはボリュームグループの種別です。以下のいずれかが表示されます。

  • 業務
    “業務ボリューム”として登録されているデバイスです。
  • その他
    “業務ボリューム”として登録されていないデバイスです。このデバイスは、一時利用ボリュームとして使用できます。


◆リストア先のサーバを変更する場合

バックアップ元の業務ボリュームを保有している業務サーバとは別の業務サーバの一時利用ボリュームにリストアする場合の入力手順は以下のようになります。

  1. 「リストア先サーバ名」において、リストア先とするサーバを指定します。
    リストア先として指定できるサーバは、Softek AdvancedCopy Managerの環境設定においてStorage管理サーバが管理するように設定されている業務サーバに限られます。
  2. リストア先のボリュームを選択します。
    この時、リストアするバックアップデータサイズ以上の容量を持つボリュームを指定してください。また、「ボリューム種別」が“その他”と表示されているボリュームを指定してください。
  3. ダイアログボックスの[設定]ボタンを押します。


リストア先のボリュームとして、リストアするバックアップデータサイズ未満の容量のボリュームを指定すると、リストアが失敗します。

 

「ボリューム種別」に“業務”と表示されているボリュームを指定すると、リストアが失敗します。

 

操作を中止する場合は、各ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにそのダイアログボックスが閉じられます。


◆リストア先のサーバを変更しない場合

バックアップ元の業務ボリュームを保有している業務サーバと同じ業務サーバの一時利用ボリュームにリストアする場合の入力手順は以下のようになります。

  1. リストア先のボリュームを選択します。
    この時、リストアするバックアップデータサイズ以上の容量を持つボリュームを指定してください。また、「ボリューム種別」が“その他”と表示されているボリュームを指定してください。
  2. ダイアログボックスの[設定]ボタンを押します。


リストア先のボリュームとして、リストアするバックアップデータサイズ未満の容量のボリュームを指定すると、リストアが失敗します。

 

「ボリューム種別」に“業務”と表示されているボリュームを指定すると、リストアが失敗します。

 

操作を中止する場合は、各ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにそのダイアログボックスが閉じられます。

 

9.5.3 リストアの処理状況および処理結果の参

論理デバイスバックアップでは、リストアに対する処理状況および処理結果を次の方法で参照することができます。


業務ボリューム実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「業務ボリューム実行履歴画面」を参照してください。

 

SP実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「SP実行履歴画面」を参照してください。

 

それぞれの実行履歴画面は、バックアップ管理画面とは独立して表示されます。画面を閉じるには、[ファイル]メニューの[終了]を押すか、画面右上の[×]ボタンを押します。


業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面を表示させた後は、その画面に表示されている処理から、参照する処理を探してください。

実行履歴画面での表示情報は、自動的には更新されません。実行履歴画面にある[表示]メニューの[最新の情報に更新]を押すことで、表示情報を最新の情報に更新できます。

 

9.5.4 リストアの処理状況および処理結果の詳細情報の参

論理デバイスバックアップでは、リストアに対する処理状況および処理結果の詳細情報を次の方法で参照することができます。


業務ボリューム実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「業務ボリューム実行履歴画面」を参照してください。

 

SP実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「SP実行履歴画面」を参照してください。


以下に、参照する方法について説明します。

  1. リストアするバックアップデータのバックアップ元の業務ボリュームに対する、業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面を表示させます。
    (以下は、SP実行履歴画面の例です。)
  2. 実行履歴画面に表示された処理のうち、詳細情報を参照する処理を選択します。

  3. 業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面にある[操作]メニューの[詳細情報]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。
     
  4. 詳細情報ダイアログボックスにある「OK」ボタンを押して操作を終了します。

 

9.5.5 リストア処理のキャンセ

論理デバイスバックアップでは、実行中のリストア処理のキャンセルをバックアップ管理画面で行うことができます。

Softek AdvancedCopy Managerのswstcancelrestコマンドでは、論理デバイスバックアップのリストア処理をキャンセルすることはできません。


キャンセルする方法として、以下のいずれかで行えます。


業務ボリューム実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「業務ボリューム実行履歴画面」を参照してください。

 

SP実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「SP実行履歴画面」を参照してください。


以下に、キャンセルする方法について説明します。

  1. リストア処理をキャンセルするバックアップデータのバックアップ元の業務ボリュームに対する、業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面を表示させます。
    (以下は、SP実行履歴画面の例です。)
  2. 実行履歴画面に表示された処理のうち、キャンセルする処理を選択します。

  3. 業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面にある[操作]メニューの[キャンセル]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、リストア処理がキャンセルされます。
     

    操作を中止する場合は、ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにダイアログボックスが閉じられます。


リストア処理のキャンセルが成功すると、ダイアログボックスに「リストアのキャンセルに成功しました。」と表示されます。

リストア処理のキャンセルが失敗すると、ダイアログボックスに「リストアのキャンセルに失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.5.6 リストア処理に関する注意事項

バックアップポリシーの「バックアップエンジン」に“EC”、「バックアップ同期処理開始」に“手動”が設定された業務ボリュームに対してバックアップ同期処理を開始済みの時、その業務ボリュームをリストア先に指定したリストアを行うと、リストア終了後はその業務ボリュームのバックアップ同期処理が停止されている状態となります。
次回のバックアップに備えるには、再度、「バックアップ同期処理を開始」を行ってください。

バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」が“自動”に設定されている場合は、リストア処理が終了した後、その業務ボリュームのバックアップ同期処理が自動的に開始されます。

 

バックアップ同期処理を開始する方法は、本章の「バックアップ同期処理の開始」を参照してください。


バックアップポリシーの「バックアップエンジン」に“EC (SUSPEND) ”、「バックアップ同期処理開始」に“手動”が設定された業務ボリュームに対してバックアップ同期処理を開始済みの時、その業務ボリュームをリストア先に指定したリストアを行うと、リストア終了後はその業務ボリュームに対するバックアップ同期処理がすべて停止されている状態となります。
ただし、一時利用ボリュームへリストアを行う場合は、リストアするバックアップデータがある論理ユニットとのバックアップ同期処理のみが停止されている状態となります。
次回のバックアップに備えるには、再度、「バックアップ同期処理を開始」を行ってください。

バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」が“自動”に設定されている場合は、リストア処理が終了した後、その業務ボリュームのバックアップ同期処理が自動的に開始されます。

 

バックアップ同期処理を開始する方法は、本章の「バックアップ同期処理の開始」を参照してください。

 

9.6 バックアップデータの削除

バックアップを繰り返し行うと、バックアップデータの格納先媒体である論理ユニットやテープの空き容量が不足することが考えられます。バックアップデータの格納先媒体の空き容量を増やすには、新規テープを購入・登録する方法のほかに、不要となったバックアップデータとその履歴情報を削除する方法があります。

ここでは、バックアップデータとその履歴情報を削除する方法、および処理状況や処理結果の確認方法について説明します。

 

9.6.1 削除対象の世代の特定

コマンドで特定世代のバックアップデータを削除するには、削除対象のバックアップデータの世代番号を特定する必要があります。これは、コマンドのオプションに、絶対世代番号または相対世代番号を指定するためです。

バックアップデータの世代番号を参照する方法は、本章の「バックアップデータの履歴情報の参照方法」を参照してください。

 

9.6.2 バックアップデータの削除の実

論理デバイスバックアップでは、採取したバックアップデータとその履歴情報の削除を以下のいずれかで行うことができます。


バックアップ管理画面を利用したバックアップデータの削除は、全世代の削除と特定世代の削除で操作方法が異なります。

 

一度開始されたバックアップデータの削除処理をキャンセルすることはできません。

 

9.6.2.1 コマンドの利用 

コマンドによって、採取したバックアップデータとその履歴情報の削除を行うには、以下のいずれかを使用します。

 

swsthistdelコマンドの利用

Softek AdvancedCopy Managerが提供するswsthistdelコマンドを用いて、論理デバイスバックアップで採取したバックアップデータとその履歴情報を削除することができます。swsthistdelコマンドは、業務サーバ上またはStorage管理サーバ上で実行します。

業務サーバ上でswsthistdelコマンドを実行する場合の実行例を示します。/dev/dsk/c1t0d3s6は、バックアップ元の業務ボリューム名です。この例では、/dev/dsk/c1t0d3s6の絶対世代番号(10)のバックアップデータが削除されます。

# /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdel -v 10 /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 swsthistdel completed
#

Storage管理サーバ上でswsthistdelコマンドを実行する場合の実行例を示します。-hオプションに続けて、バックアップ元の業務ボリュームを保有している業務サーバ名 (server1) を入力します。

# /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdel -h server1 -v 10 /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 swsthistdel completed
#

削除するバックアップデータの相対世代番号または絶対世代番号については、あらかじめ 本章の「削除対象の世代の特定」で説明する方法によって、確認してください。

 

swsthistdelコマンドでは、同じ世代のバックアップデータがディスクとテープの両方に存在する場合にどちらか一方のみを削除することができません。どちらか一方のみの削除は、本章の「バックアップ管理画面の利用 (特定世代の削除) 」で説明する手順で行ってください。

 

swsthistdelコマンドの詳細については、バックアップ運用を行うサーバのプラットフォームに対応した『Softek AdvancedCopy Manager運用手引書』の「履歴情報削除コマンド (swsthistdel) 」を参照してください。


バックアップデータとその履歴情報の削除が失敗すると、コマンドを実行した端末に失敗した原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

■dbuhistdelコマンドの利用

ダイレクトバックアップ が提供する dbuhistdelコマンドを用いて、論理デバイスバックアップで採取したバックアップデータとその履歴情報を削除することができます。dbuhistdelコマンドは、業務サーバ上またはSSF/Backup Facility上で実行できます。

SSF/Backup Facility上で dbuhistdelコマンドを実行する場合の実行例を示します。以下の例では、業務サーバ (server1) の保有する業務ボリューム (/dev/dsk/c1t0d3s6) の絶対世代番号 (10) のバックアップデータが削除されます。

# /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuhistdel -h server1 -v 10 /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 dbuhistdel completed
#

業務サーバから dbuhistdelコマンドを実行する場合は spcntl コマンドを使用します。上記の例と同じ操作を業務サーバから行うには、以下のように入力します。この時、-hオプション (業務サーバ指定) は指定できません。

# /opt/FJSVspcmd/usr/bin/spcntl dbuhistdel -v 10 /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 dbuhistdel completed
# 

削除するバックアップデータの相対世代番号または絶対世代番号については、あらかじめ 本章の「削除対象の世代の特定」で説明する方法によって、確認してください。

 

dbuhistdel コマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「dbuhistdel (バックアップ履歴情報の削除) 」を参照してください。

 

spcntlコマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「spcntl (業務サーバからの機能呼び出しコマンド) 」を参照してください。


バックアップデータとその履歴情報の削除が失敗すると、コマンドを実行した端末に失敗した原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.6.2.2 バックアップ管理画面の利用 (全世代の削除)

バックアップ管理画面から、業務ボリュームに対するバックアップデータとその履歴情報をすべて削除するには、以下の手順で行います。

  1. バックアップデータ削除対象の業務ボリュームを保有している業務サーバの業務ボリューム一覧画面を表示させます。
  2. 一覧から、バックアップデータ削除対象の業務ボリュームを選択します。

  3. 業務ボリューム一覧画面 にある[操作]メニューの[履歴破棄 (全て) ]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、バックアップデータとその履歴情報の削除が開始されます。
     

    操作を中止する場合は、ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにダイアログボックスが閉じられます。


バックアップデータとその履歴情報の削除が成功すると、ダイアログボックスに「バックアップ履歴の破棄に成功しました。」と表示されます。

バックアップデータとその履歴情報の削除が失敗すると、ダイアログボックスに「バックアップ履歴の破棄に失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンをクリックして表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.6.2.3 バックアップ管理画面の利用 (特定世代の削除)

バックアップ管理画面から、業務ボリュームに対する特定世代のバックアップデータを削除するには、以下の手順で行います。

  1. 削除対象であるバックアップデータのバックアップ元の業務ボリュームのバックアップ履歴一覧画面を表示させます。
  2. 一覧から、削除するバックアップデータを選択します。

  3. バックアップ履歴一覧画面 にある[操作]メニューの[履歴破棄 (世代) ]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。
     
  4. バックアップデータがディスクとテープの両方に存在する場合は、「バックアップ先」項目から、バックアップデータを削除する範囲を指定します。
  5. 入力を終えたら、[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、バックアップデータとその履歴情報の削除が開始されます。
     

    操作を中止する場合は、ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにダイアログボックスが閉じられます。


バックアップデータとその履歴情報の削除が成功すると、ダイアログボックスに「バックアップ履歴の破棄に成功しました。」と表示されます。

バックアップデータとその履歴情報の削除が失敗すると、ダイアログボックスに「バックアップ履歴の破棄に失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンをクリックして表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.6.3 バックアップデータ削除の処理状況および処理結果の参

論理デバイスバックアップでは、バックアップデータとその履歴情報の削除に対する処理状況および処理結果を次の方法で参照することができます。


業務ボリューム実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「業務ボリューム実行履歴画面」を参照してください。

 

SP実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「SP実行履歴画面」を参照してください。

 

それぞれの実行履歴画面は、バックアップ管理画面とは独立して表示されます。画面を閉じるには、[ファイル]メニューの[終了]を押すか、画面右上の[×]ボタンを押します。


業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面を表示させた後は、その画面に表示されている処理から、参照する処理を探してください。

実行履歴画面での表示情報は、自動的には更新されません。実行履歴画面にある[表示]メニューの[最新の情報に更新]を押すことで、表示情報を最新の情報に更新できます。

 

9.6.4 バックアップデータ削除の処理状況および処理結果の詳細情報の参

論理デバイスバックアップでは、バックアップデータの削除に対する処理状況および処理結果の詳細情報を次の方法で参照することができます。


業務ボリューム実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「業務ボリューム実行履歴画面」を参照してください。

 

SP実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「SP実行履歴画面」を参照してください。


以下に、参照する方法について説明します。

  1. 削除対象であるバックアップデータのバックアップ元の業務ボリュームに対する、業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面を表示させます。
    (以下は、業務ボリューム実行履歴画面の例です。)
  2. 実行履歴画面に表示された処理のうち、詳細情報を参照する処理を選択します。

  3. 業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面にある[操作]メニューの[詳細情報]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

  4. 詳細情報ダイアログボックスにある「OK」ボタンを押して操作を終了します。

 

9.7 バックアップポリシーの変

論理デバイスバックアップにおいて、業務ボリュームに対して設定されているバックアップポリシーを変更する場合は、バックアップポリシーの初期設定と同様の手順で行うことができます。

バックアップポリシーの変更方法は、本章の「バックアップポリシーの設定」を参照してください。

 

バックアップポリシーの変更には、いくつか注意すべき事項があります。この注意事項については、「第3章 バックアップポリシー」の「バックアップポリシーの変更に関する注意事項」を参照してください。

 

9.8 バックアップポリシーの削

論理デバイスバックアップでは、業務ボリュームに対して設定されているバックアップポリシーの削除をバックアップ管理画面で行うことができます。

論理デバイスバックアップでは、バックアップ運用する業務ボリュームのバックアップポリシーをSoftek AdvancedCopy Managerの swstbkpoldelコマンドによって、削除することはできません。

 

バックアップ履歴が存在する業務ボリュームのバックアップポリシーを削除すると失敗します。バックアップポリシーを削除する前に、指定する業務ボリュームのバックアップ履歴を削除してください。

 

バックアップデータとその履歴情報を削除する方法については、本章の「バックアップデータの削除」を参照してください。


バックアップ管理画面からバックアップポリシーを削除するには、以下の手順で行います。

  1. バックアップポリシー削除対象の業務ボリュームに対する業務ボリューム一覧画面を表示させます。
  2. 一覧から、バックアップポリシー削除対象の業務ボリュームを選択します。

  3. 業務リューム一覧画面にある[操作]メニューの[バックアップポリシー削除]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、バックアップポリシーの削除が行われます。
     

    操作を中止する場合は、ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにダイアログボックスが閉じられます。


バックアップポリシーの削除が成功すると、ダイアログボックスに「バックアップポリシーの削除に成功しました。」と表示されます。

バックアップポリシーの削除が失敗すると、ダイアログボックスに「バックアップポリシーの削除に失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンをクリックして表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.9 バックアップデータのテープへのコピー

ディスクに保存されているバックアップデータをテープにコピーする操作は、他のSSF/Backup Facilityへ搬出する場合などに利用します。

以下に、バックアップデータをテープへコピーするための各操作について説明します。

 

9.9.1 コピー対象の世代の特定

コマンドで特定世代のバックアップデータをテープへコピーするには、コピー対象のバックアップデータの世代番号を特定する必要があります。これは、コマンドのオプションに、絶対世代番号または相対世代番号を指定するためです。

バックアップデータの履歴情報の特定は、本章の「バックアップデータの履歴情報の参照方法」を参照してください。

 

9.9.2 バックアップデータのテープへのコピーの実

論理デバイスバックアップでは、ディスクに保存されているバックアップデータのテープへのコピーを以下のいずれかで行うことができます。

 

9.9.2.1 コマンドの利用 

コマンドによって、ディスクに保存されているバックアップデータのテープへのコピーを行うには、dbuhistcopyコマンドを使用します。

 

■dbuhistcopyコマンドの利用

ダイレクトバックアップ が提供する dbuhistcopyコマンドを用いて、バックアップデータのテープへのコピーを行うことができます。dbuhistcopyコマンドは、業務サーバ上またはSSF/Backup Facility上で実行できます。

SSF/Backup Facility上で dbuhistcopyコマンドを実行する場合の実行例を示します。業務サーバ (server1) の保有する業務ボリューム (/dev/dsk/c1t0d3s6) の最新世代番号のバックアップデータをテーププール (pool1) のテープにコピーします。

# /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuhistcopy -h server1 -d dt -p pool1 /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 dbuhistcopy completed
#

業務サーバから dbuhistcopyコマンドを実行する場合は spcntl コマンドを使用します。上記の例と同じ操作を業務サーバから行うには、以下のように入力します。この時、-hオプション (業務サーバ指定) は指定できません。

# /opt/FJSVspcmd/usr/bin/spcntl dbuhistcopy -d dt -p pool1 /dev/dsk/c1t0d3s6
/dev/dsk/c1t0d3s6 dbuhistcopy completed
# 

コピーするバックアップデータの相対世代番号または絶対世代番号については、あらかじめ 本章の「コピー対象の世代の特定」で説明する方法によって、確認してください。

 

dbuhistcopy コマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「dbuhistcopy (バックアップ履歴のコピー) 」を参照してください。

 

spcntlコマンドの詳細については、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」の「spcntl (業務サーバからの機能呼び出しコマンド) 」を参照してください。


テープへのコピー処理が失敗すると、コマンドを実行した端末に失敗した原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.9.2.2 バックアップ管理画面の利用

バックアップ管理画面からディスクに保存されているバックアップデータのテープへのコピーを行うことができます。

バックアップデータのテープへのコピーは、以下の手順で行います。

  1. バックアップデータのバックアップ元の業務ボリュームに対するバックアップ履歴一覧画面を表示させます。
  2. 一覧から、テープへコピーするバックアップデータを選択します。

  3. バックアップ履歴一覧画面にある[操作]メニューの[テープへコピー]を選択します。すると、以下の“テープへコピー”ダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスの各項目を入力します。コピー先の指定方法は、「“テープへコピー”ダイアログボックス入力方法 (コピー先がテーププールの場合) 」、または「“テープへコピー”ダイアログボックス入力方法 (コピー先がテープの場合) 」を参照してください。
     

    同じ世代のバックアップデータがすでにテープに保存されている場合、「有効期間」項目に値を設定してもその値は設定されず、すでにテープに保存されているバックアップデータの有効期間が設定されます。

     

    「書き込みポリシー」および「有効期限」については、「第3章 バックアップポリシー」の「書き込みポリシー」または「有効期間」を参照してください。


  5. 入力し終えたら、“テープへコピー”ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、テープへのコピー処理が開始されます。
     

    操作を中止する場合は、各ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにそのダイアログボックスが閉じられます。


テープへのコピー処理が開始されると、“テープへコピー”ダイアログボックスにある[詳細>>]ボタンを押せるようになります。[詳細>>]ボタンを押すと、処理状況を確認できます。

テープへのコピー処理が成功すると、“テープへコピー”ダイアログボックスに「バックアップ履歴のコピーに成功しました。」と表示されます。

テープへのコピー処理が失敗すると、“テープへコピー”ダイアログボックスに「バックアップ履歴のコピーに失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.9.2.3 “テープへコピー”ダイアログボックス入力方法 (コピー先がテーププールの場合)

コピー先をテーププールとする場合の“テープへコピー”ダイアログボックスの入力は、以下の手順で行います。

  1. 「コピー先テープ指定」の“テーププール”ラジオボタンを押します。
  2. 「コピー先テーププール名」に、コピー先とするテーププールを指定します。

 

9.9.2.4 “テープへコピー”ダイアログボックス入力方法 (コピー先がテープの場合)

コピー先をテープとする場合の“テープへコピー”ダイアログボックスの入力は、以下の手順で行います。

  1. 「コピー先テープ指定」の“テープ”ラジオボタンを押します。
  2. 「コピー先テーププール名」に、コピー先とするテープの含まれるテーププールを指定します。
  3. 「コピー先テープ指定」の“テープ”ラジオボタンの横にある[設定]ボタンを押します。すると、以下のダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスでの表示項目は、表9.6 で説明します。

  4. 表示されたテープのうち、コピー先とするテープを選択します。
  5. ダイアログボックスにある[設定]ボタンを押し、ダイアログボックスを閉じます。
     

    操作を中止する場合は、各ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにそのダイアログボックスが閉じられます。


[表9.6 “テープ設定”ダイアログボックスの表示項目 ]

表示項目名

説明

テープ名

テープに付けられた名前です。

書き込み可能サイズ

このテープの書き込み可能データサイズです。

使用状況

このテープの使用状況です。以下のいずれかが表示されます。

  • 未使用

バックアップデータが格納されていません。

  • 一部使用中

バックアップデータが格納されています。
まだ追加書き込みできる空き容量があります。

 

9.9.3 テープへのコピーの処理状況および処理結果の参

論理デバイスバックアップでは、バックアップデータのテープへのコピー処理に対する処理状況および処理結果を次の方法で参照することができます。


業務ボリューム実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「業務ボリューム実行履歴画面」を参照してください。

 

SP実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「SP実行履歴画面」を参照してください。

 

それぞれの実行履歴画面は、バックアップ管理画面とは独立して表示されます。画面を閉じるには、[ファイル]メニューの[終了]を押すか、画面右上の[×]ボタンを押します。


業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面を表示させた後は、その画面に表示されている処理から、参照する処理を探してください。

実行履歴画面での表示情報は、自動的には更新されません。実行履歴画面にある[表示]メニューの[最新の情報に更新]を押すことで、表示情報を最新の情報に更新できます。

 

9.9.4 テープへのコピーの処理状況および処理結果の詳細情報の参

論理デバイスバックアップでは、バックアップデータのテープへのコピー処理に対する処理状況および処理結果の詳細情報を次の方法で参照することができます。


業務ボリューム実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「業務ボリューム実行履歴画面」を参照してください。

 

SP実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「SP実行履歴画面」を参照してください。


以下に、参照する方法について説明します。

  1. テープへコピーするバックアップデータのバックアップ元の業務ボリュームに対する、業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面を表示させます。
    (以下は、SP実行履歴画面の例です。)
  2. 実行履歴画面に表示された処理のうち、詳細情報を参照する処理を選択します。

  3. 業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面にある[操作]メニューの[詳細情報]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。
     
  4. 詳細情報ダイアログボックスにある「OK」ボタンを押して操作を終了します。

 

9.9.5 バックアップデータのテープへのコピー処理のキャンセ

論理デバイスバックアップでは、バックアップデータのテープへのコピー処理のキャンセルを次の方法で行うことができます。


業務ボリューム実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「業務ボリューム実行履歴画面」を参照してください。

 

SP実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「SP実行履歴画面」を参照してください。


以下に、キャンセルする方法について説明します。

  1. テープへのコピー処理をキャンセルするバックアップデータのバックアップ元の業務ボリュームに対する、業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面を表示させます。
    (以下は、SP実行履歴画面の例です。)
  2. 実行履歴画面に表示された処理のうち、キャンセルする処理を選択します。

  3. 業務ボリューム実行履歴画面またはSP実行履歴画面にある[操作]メニューの[キャンセル]を選択します。すると、以下の“キャンセル (テープへコピー) ”ダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、テープへのコピー処理がキャンセルされます。
     

    操作を中止する場合は、ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにダイアログボックスが閉じられます。


テープへのコピー処理のキャンセルが成功すると、ダイアログボックスに「テープへコピーのキャンセルに成功しました。」と表示されます。

テープへのコピー処理のキャンセルが失敗すると、ダイアログボックスに「テープへコピーのキャンセルに失敗しました。」と表示されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.10 論理ユニットプールを使用しないテープへのバックアップ機能での運 

本機能は、論理ユニットプールを使用しないで、直接に業務ボリュームとテープ媒体の間でデータ転送を行う機能です。

この機能により、論理ユニットプールに テンポラリ論理ユニットを確保する余裕がない状況でも、テープへのバックアップ、およびテープからのリストアが可能となります。

“論理ユニットプールを使用しないテープへのバックアップ”機能を使用しないバックアップ運用では、ETERNUS3000/6000,GR series上にある業務ボリュームのデータを論理ユニットプールの論理ユニットへ瞬時コピーをした後に、テープへデータ転送を行っています。

 

9.10.1 バックアップの方法 

論理デバイスバックアップにおける“論理ユニットプールを使用しないテープへのバックアップ”機能のバックアップの実行方法は、以下のとおりです。

  1. バックアップポリシーの設定を行う。
  2. バックアップを実行する。

 

9.10.1.1 バックアップポリシーの設定

バックアップポリシーの設定は、バックアップ管理画面からのみ行うことができます。

論理デバイスバックアップでは、業務ボリュームに対するバックアップポリシーの設定をSoftek AdvancedCopy Managerの swstbkpolsetコマンドで行うことはできません。

 

各パラメタの意味と設定値によるダイレクトバックアップサーバの動作については、「第3章 バックアップポリシー」の「バックアップポリシーのパラメタの説明」を参照してください。


以下に、バックアップポリシーの設定をする方法について説明します。

  1. バックアップポリシーを設定する業務ボリュームを保有している業務サーバに対する業務ボリューム一覧画面を表示させます。
  2. 業務ボリューム一覧画面から、バックアップポリシーを設定する業務ボリュームを選択します。

  3. 業務ボリューム一覧画面にある[操作]メニューにある[バックアップポリシー設定]を選択します。すると、以下の“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスが表示されます。ここで、パラメタ「バックアップエンジン」を“未使用”に設定します。すると、自動的にパラメタ「バックアップ先」が“テープ”に変わります。

  4. テープに関するパラメタの設定は、「バックアップ先テープ」項目の[設定]ボタンを押して表示される以下の“バックアップ先テープ設定”ダイアログボックスで、「バックアップ先テープ設定ダイアログボックスでの入力方法」を参考に入力を行います。

  5. “バックアップ先テープ設定”ダイアログボックスでの入力を終えたら、そのダイアログボックスの[設定]ボタンを押します。すると、“バックアップ先テープ設定”ダイアログボックスが閉じられ、再度“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスでの入力ができるようになります。
  6. 設定するパラメタに対するすべての入力を終えたら、“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスの[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、バックアップポリシーの設定が行われます。
     

    操作を中止する場合は、ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにダイアログボックスが閉じられます。


バックアップポリシーの設定が成功すると、“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスに「バックアップポリシーの設定に成功しました。」と出力されます。

バックアップポリシーの設定が失敗すると、“バックアップポリシー設定”ダイアログボックスに「バックアップポリシーの設定に失敗しました。」と出力されます。また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

9.10.1.2 バックアップの実行 

バックアップの実行は、通常の論理デバイスバックアップと同じく、以下のいずれかで行うことができます。


バックアップポリシーを設定しないでバックアップを行うことはできません。バックアップを行う前に、必ずバックアップポリシーを設定してください。

 

バックアップの実行の操作方法については、本章の「バックアップの実行」を参照してください。

 

9.10.2 リストアの方法 

論理デバイスバックアップにおける“論理ユニットプールを使用しないテープへのバックアップ”機能のリストアの実行方法は、以下のとおりです。

  1. バックアップポリシーの確認を行う。
  2. リストアを実行する。

 

9.10.2.1 バックアップポリシーの確認 

リストアの実行前に “バックアップポリシー設定”ダイアログにて、「バックアップエンジン」に“未使用”が設定されていることを確認してください。
「バックアップエンジン」に“未使用”が設定されていない場合、本章の「バックアップポリシーの設定」の手順にしたがって、バックアップポリシーの設定を行ってください。

 

9.10.2.2 リストアの実行 

リストアの実行は、通常の論理デバイスバックアップと同じく、以下のいずれかで行うことができます。


リストアの実行の操作方法については、本章の「リストアの実行」を参照してください。

 

9.10.3 “論理ユニットプールを使用しないテープへのバックアップ”機能に関する注意事項 

バックアップ運用の途中(履歴が存在する状態)に“論理ユニットプールを使用しないテープへのバックアップ”機能を有効にする(バックアップポリシーの「バックアップエンジン」を “未使用”に設定)場合、ディスク内にあるバックアップ履歴はすべて削除してください。
必要なディスク内のバックアップ履歴は、事前にテープへ退避してください。

“論理ユニットプールを使用しないテープへのバックアップ”機能は、ETERNUS3000/6000,GR seriesのアドバンスト・コピー機能が使用できません。よって、アドバンスト・コピー機能を使用したバックアップ/リストアより 処理時間が長くなります。
また、“論理ユニットプールを使用しないテープへのバックアップ”機能によるバックアップ/リストア中は 業務ボリュームへの書き込みはできません。業務ボリュームへのアクセスを抑止してください。

“論理ユニットプールを使用しないテープへのバックアップ”機能のみを使用する運用において、「論理ユニットの使用用途の定義」を行わない場合でも、「論理ユニットの登録」と「SSF/Backup Facilityの構成変更」を行う必要があります。

 


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