ダイレクトバックアップ使用手引書 - SPシリーズ -
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第3章 バックアップポリシー

ダイレクトバックアップのバックアップポリシーについて説明します。

グローバルサーバの業務データのバックアップ運用では、Systemwalker StorageMGR GR/CFの制御文によってバックアップを行います。
よって、バックアップ運用におけるバックアップポリシーについての詳細は、『OSIV Systemwalker StorageMGR GR/CF使用手引書』を参照してください。

 

3.1 バックアップポリシーとは

ダイレクトバックアップでは、バックアップポリシーに基づいてバックアップを行います。

バックアップポリシーとは、バックアップデータの採取方法や管理方法を規定する方針のことです。

バックアップポリシーを設定すると、次にその内容を変更するまでの期間、設定されている内容に基づいてバックアップデータが採取されます。

バックアップ運用中にバックアップポリシーを変更しても、以前に採取したバックアップデータは無効にならず、継続して世代管理されます。

ただし、「バックアップ先」や「ディスク保存世代数」など一部のバックアップポリシーを変更する場合は、バックアップデータの扱いに注意が必要です。

バックアップ運用中のバックアップポリシーの変更については、本章の「バックアップポリシーの変更に関する注意事項」を参照してください。

 

3.1.1 バックアップポリシーの設定単位 

各バックアップ機能におけるバックアップポリシー設定は、以下の単位で行われます。


[3.1 バックアップポリシーの設定単位]

バックアップタイプ

バックアップポリシーの設定単位

論理デバイスバックアップ

業務ボリューム (論理デバイスまたはボリュームグループ)

論理ユニットバックアップ

論理ユニット

Symfowareデータベースのバックアップ

ロググループ

ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ

ディレクトリ


また、複数の設定対象に同一のバックアップポリシーを一括設定する方法を以下に説明します。

 

3.1.2 バックアップポリシーの設定/変更インタフェース 

バックアップポリシーの設定/変更は、バックアップタイプによって操作するインタフェースが異なります。


[3.2 バックアップポリシーの設定/変更方法]

バックアップタイプ

インタフェース

論理デバイスバックアップ

バックアップ管理画面

論理ユニットバックアップ

lusetpolicy コマンド

Symfowareデータベースのバックアップ

バックアップ管理画面

ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ

ndmpsetpolicy コマンド


バックアップポリシーの設定/変更方法については、以下のいずれかを参照してください。

 

3.1.3 パラメタの種類 

各バックアップタイプで設定できるバックアップポリシーのパラメタおよびダイレクトバックアップ導入時の各パラメタのデフォルト値を表3.3に示します。

[3.3 バックアップポリシーのパラメタ一覧と導入時のデフォルト値]

パラメタ名

論理デバイスバックアップ

論理ユニットバックアップ

Symfowareデータベースのバックアップ

ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ

デフォルト値

前後処理の利用

×

利用する

×

利用する

前後処理タイムアウト時間

×

×

3 (分)

バックアップエンジン

×

EC

バックアップ同期処理開始

手動

×

手動

バックアップ先

×

ディスク

実コピー待ち合わせ

×

行う

ディスク保存世代数

×

×

5 (世代)

ディスク保存世代超過処理

×

×

最古世代を削除

バックアップ先ディスク

×

− (デフォルト値なし)

有効期間

0 (日)

複写数

×

0 (本)

Tape書き込み対象

テーププール

テーププール

Tape書き込み先名

− (デフォルト値なし)

書き込みポリシー

自動

作業用論理ユニットプール

×

− (デフォルト値なし)

(表中の「項目での“○”は設定できるパラメタ、“×”は設定できないパラメタであることを示しています。)


  • ダイレクトバックアップでは、バックアップポリシーを設定しないでバックアップを行うことはできません。バックアップ運用を開始する際に、必ずバックアップポリシーを設定してください。
  • ETERNUS NR1000F seriesのバックアップでは、バックアップポリシーにデフォルト値がありません。バックアップポリシーを設定/変更する場合は、すべてのパラメタを同時に設定する必要があります。

 

パラメタ「Tape書き込み対象」と「Tape書き込み先名」は、組み合わせパラメタです。

 

3.2 バックアップポリシーのパラメタの説明

バックアップポリシーのパラメタについて説明します。

 

3.2.1 前後処理の利

このパラメタは、論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップにおいて設定できます。

ダイレクトバックアップサーバはSSF/Backup Facility上で動作するため、業務サーバ上で行われている以下の状況を把握できません。

したがって、ダイレクトバックアップでバックアップを行う場合、業務ボリュームのデータ正当性 (データが最新状態であるか) は、業務サーバで保証する必要があります。例えば、ETERNUS3000/6000,GR seriesの業務ボリュームにファイルシステムを構築している場合、業務サーバで稼動しているオペレーティングシステムのメモリキャッシュにのみ存在するデータがあれば、そのデータをETERNUS3000/6000,GR seriesまで書き戻すことが必要です。

このパラメタでは、業務ボリュームに対するアドバンスト・コピーを行う前後で、業務サーバ上で前処理および後処理を実行するか否かを指定します。

前処理には、業務ボリュームのデータの正当性を保証する処理を記述します。後処理には、前処理と対になる処理を記述します。

 

前処理と後処理の実行/非実行を別々に指定することはできません。

 

Symfowareデータベースのロググループの設定において、このパラメタは「利用する」に固定されています。


このパラメタの選択肢、その選択肢でのダイレクトバックアップサーバの動作概要、およびダイレクトバックアップ導入時のデフォルト値を以下に示します。

選択肢

ダイレクトバックアップサーバの動作概要

デフォルト値

利用する

業務ボリュームに対するアドバンスト・コピーの前後で、業務サーバ上にて前処理および後処理の実行を試みます。

利用しない

業務ボリュームに対するアドバンスト・コピーの前後で、業務サーバ上にて前処理および後処理を実行しません。
バックアップの指示を受け付けると、業務サーバの状態に関係なく、アドバンスト・コピーを行ってバックアップデータを採取します。
(Symfowareデータベースのバックアップでは選択できません。)

×


このパラメタに“利用する”を設定してバックアップを実行した場合、以下の処理が行われます。

このパラメタに“利用する”が設定されている場合、ダイレクトバックアップサーバは、「前後処理タイムアウト時間」の設定値を前後処理のタイムアウト時間として採用します。「前後処理タイムアウト時間」が設定されていない場合は、ダイレクトバックアップサーバが持っているデフォルト値を前後処理のタイムアウト時間として採用します。

論理デバイスバックアップでは、マウントされていないデバイスをバックアップ/リストアする場合、このパラメタに“利用する”を設定しても前後処理は実行されません。この場合、バックアップ履歴一覧画面の「サーバ連携」には “成功” と表示されます。

 

3.2.2 前後処理タイムアウト時

このパラメタは、論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップにおいて設定できます。

このパラメタでは、ダイレクトバックアップサーバによるアドバンスト・コピーの実施前後に業務サーバ上で実行される前処理および後処理の完了を待ち合わせる時間を、“分単位”で指定します。

このパラメタは、以下の条件を満たす場合に設定できます。

このパラメタに選択できる値の範囲とダイレクトバックアップサーバの動作概要、およびダイレクトバックアップ導入時のデフォルト値を以下に示します。

選択できる値の範囲

ダイレクトバックアップサーバの動作概要

デフォルト値

1〜10000 (分)

パラメタに設定された時間、業務サーバでの前処理および後処理の実行完了を待ち合わせます。
設定された時間内に業務サーバからの処理完了通知がない場合、ダイレクトバックアップサーバは前処理または後処理が、失敗したものと見なします。

3 (分)


このパラメタに設定されるタイムアウト値は、前処理と後処理の双方に有効となります。このパラメタに設定する値は、前処理と後処理で時間のかかる処理を基準にして設定してください。

また、Symfowareデータベースのリカバリでは、Symfowareによるアーカイブログ適用がリカバリの後処理で行われます。よってバックアップポリシー「前後処理タイムアウト時間」の設定には、アーカイブログ適用のための時間を考慮してください。

Symfowareデータベースのバックアップ運用における「前後処理タイムアウト時間」は、最大値に設定することを推奨します。

 

3.2.3 バックアップエンジ

このパラメタは、論理デバイスバックアップ、論理ユニットバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップにおいて設定できます。

このパラメタでは、バックアップデータを採取する時にアドバンスト・コピー機能の「OPC」、「EC」、「EC (SUSPEND) 」のどれかを使用する、または「未使用」にするかを指定します。

Symfowareデータベースのバックアップでは、論理ユニットプールを使用しないテープへのバックアップが行えないため、「未使用」を指定することはできません。


このパラメタにおける選択肢、その選択肢でのダイレクトバックアップサーバの動作概要、およびダイレクトバックアップ導入時のデフォルト値を以下に示します。

選択肢

ダイレクトバックアップサーバの動作概要

デフォルト値

OPC

アドバンスト・コピー機能の「OPC」を利用してバックアップデータを採取します。

×

EC

アドバンスト・コピー機能の「EC」を利用してバックアップデータを採取します。

EC (SUSPEND)

アドバンスト・コピー機能の「EC (Suspend/Resume) 」を利用してバックアップデータを採取します。

×

未使用

テンポラリ論理ユニットを使用しないで、テープにバックアップデータを採取します。
(Symfowareデータベースのバックアップでは選択できません。)

×


このパラメタに“EC”を指定した場合、以下のパラメタも設定してください。

このパラメタに“EC (SUSPEND) ”を指定した場合、以下のパラメタも設定してください。

このパラメタに“未使用”を指定した場合、以下のパラメタも設定してください。

このパラメタの値を変更した場合のダイレクトバックアップサーバの動作について、以下に説明します。

値の遷移

ダイレクトバックアップサーバの動作

EC → EC(SUSPEND)

EC(SUSPEND)→ EC

バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」に“手動”を設定している場合、バックアップ同期処理が等価性維持状態またはサスペンド状態の場合はすべてキャンセルされます。

EC → OPC

EC(SUSPEND)→ OPC

バックアップ同期処理が等価性維持状態またはサスペンド状態の場合はすべてキャンセルされます。「バックアップ同期処理開始」が無効化されます。

OPC → EC

OPC → EC(SUSPEND)

バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」に“自動”を設定している場合、バックアップ同期処理が開始されます。

 

3.2.4 バックアップ同期処理開

このパラメタは、論理デバイスバックアップ、論理ユニットバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップにおいて設定できます。

このパラメタではバックアップにおいて、ダイレクトバックアップサーバがバックアップ対象の業務ボリューム/論理ユニットに対して、バックアップ論理ユニットを等価性維持状態にする処理を“自動”で行う、またはユーザが“手動”で行うかを指定します。

Symfowareデータベースのバックアップでは、バックアップ同期処理開始を「自動」に設定することはできません。


このパラメタは、以下の条件を満たす場合に設定できます。

このパラメタにおける選択肢、その選択肢でのダイレクトバックアップサーバの動作概要、およびダイレクトバックアップ導入時のデフォルト値を以下に示します。

選択肢

ダイレクトバックアップサーバの動作概要

デフォルト値

自動

バックアップポリシーの設定を契機に、業務ボリューム/論理ユニットに対してバックアップ論理ユニットを等価性維持状態にする処理を開始します。

  • 「バックアップエンジン」のパラメタが“EC”の時にバックアップの指示を受け付けると、EC切断を行ってバックアップデータを採取し、次回のバックアップ指示に備えて別のバックアップ論理ユニットと等価性維持状態にする処理を自動的に開始します。
  • 「バックアップエンジン」のパラメタが“EC (SUSPEND) ”の時にバックアップの指示を受け付けると、ECサスペンドを行ってバックアップデータを採取し、次回のバックアップ指示に備えて別のバックアップ論理ユニットと等価性維持状態にする処理を自動的に開始します。

(Symfowareデータベースのバックアップでは選択できません。)

×

手動

バックアップポリシーを設定しても、業務ボリューム/論理ユニットに対してバックアップ論理ユニットを等価性維持状態にする処理は開始されません。等価性維持状態にする処理の開始は、常にユーザが指示する必要があります。

  • 「バックアップエンジン」のパラメタが“EC”の時にバックアップの指示を受け付けると、EC切断を行ってバックアップデータを採取しますが、次回のバックアップ指示に備えて別のバックアップ論理ユニットと等価性維持状態にする処理は開始しません。
  • 「バックアップエンジン」のパラメタが“EC (SUSPEND) ”の時にバックアップの指示を受け付けると、ECサスペンドを行ってバックアップデータを採取しますが、次回のバックアップ指示に備えて別のバックアップ論理ユニットと等価性維持状態にする処理は開始しません。


このパラメタの値を変更した場合のダイレクトバックアップサーバの動作について、以下に説明します。

値の遷移

ダイレクトバックアップサーバの動作

手動→自動

以下のいずれかの動作をします。

  • バックアップ同期処理を開始している場合は、バックアップ同期処理をキャンセルしないで、等価性維持状態にする処理を継続します。
  • バックアップ同期処理を開始していない場合は、バックアップポリシーの変更を契機に、バックアップ同期処理を自動的に開始します。

自動→手動

バックアップポリシーの変更を契機に、バックアップ同期処理をキャンセルします。
したがって、バックアップポリシー変更後は、バックアップ同期処理の開始を常にユーザが指示する必要があります。

 

3.2.5 バックアップ

このパラメタは、論理デバイスバックアップ、論理ユニットバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップにおいて設定できます。

このパラメタでは、バックアップデータを保存する媒体を指定します。

このパラメタにおける選択肢、その選択肢でのダイレクトバックアップサーバの動作概要、およびダイレクトバックアップ導入時のデフォルト値を以下に示します。

選択肢

ダイレクトバックアップサーバの動作概要

デフォルト値

ディスク

バックアップデータを、バックアップ論理ユニットのみに保存します。
世代超過したバックアップデータの扱いは、「ディスク保存世代数」のパラメタの指定に依存します。

テープ

バックアップデータを、テープのみに保存します。
「バックアップエンジン」のパラメタが “未使用”の場合は、このパラメタが必須です。

×

両方

バックアップデータを、バックアップ論理ユニットとテープの双方に保存します。
バックアップ論理ユニットの世代超過したバックアップデータは削除します。
「バックアップエンジン」のパラメタが “EC (SUSPEND) ”の場合は、このパラメタを指定することはできません。

×


バックアップデータとその履歴情報がディスクに存在する場合は、このパラメタの変更を行うことができません。

 

このパラメタに“テープ”を設定してバックアップ同期処理を開始済みの場合、パラメタの変更を行わないでください。
バックアップ同期処理を開始済みの状態で、パラメタを変更してバックアップを行った場合、バックアップデータが「ディスク領域一覧画面」で、テンポラリとして確保された領域に保持されるように見えることがあります。
バックアップ同期処理をキャンセルした上で、「バックアップ先」を変更してください。

 

バックアップ同期処理のキャンセル方法については、以下のいずれかを参照してください。


このパラメタに“ディスク”を指定した場合、以下のパラメタも設定してください。


Symfowareデータベースのバックアップでは「ディスク保存世代数」および「ディスク保存世代超過処理」のパラメタを設定することはできません。


このパラメタに“テープ”を指定した場合、以下のパラメタも設定してください。

このパラメタに“両方”を指定した場合、以下のパラメタも設定してください。


Symfowareデータベースのバックアップでは「ディスク保存世代数」のパラメタを設定することはできません。

 

3.2.6 実コピー待ち合わ

このパラメタは、論理デバイスバックアップ、論理ユニットバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップにおいて設定できます。

このパラメタでは、テープにバックアップデータを保存する場合、アドバンスト・コピー機能の「OPC」による実コピー処理の完了を待ち合わせるか否かを指定します。

このパラメタは、以下の条件を満たす場合に設定できます。

このパラメタにおける選択肢、その選択肢でのダイレクトバックアップサーバの動作概要、およびダイレクトバックアップ導入時のデフォルト値を以下に示します。

選択肢

ダイレクトバックアップサーバの動作概要

デフォルト値

行う

実コピー完了を待ち合わせてから、テープへのバックアップデータ保存処理を開始します。
実コピーの完了後にテープへのバックアップデータの書き込みを始めるため、業務サーバからの業務ボリュームに対するアクセス性能に影響を与えません。

行わない

実コピー完了を待ち合わせしないで、テープへのバックアップデータ保存処理を開始します。
実コピーが完了するまでの間、バックアップデータのテープへの書き込み処理が、業務サーバからの業務ボリュームに対するアクセス性能に影響する可能性があります。その代わり、実コピーの待ち合わせを行う場合よりも早くバックアップデータをテープに保存できます。

×

 

3.2.7 ディスク保存世代

このパラメタは、論理デバイスバックアップおよび論理ユニットバックアップにおいて設定できます。

このパラメタでは、ディスクに保存するバックアップデータの世代数を指定します。保存できるのは、最新の世代を含んで過去にさかのぼった世代数です。

Symfowareデータベースのバックアップでは、「ディスク保存世代超過処理」を使用できないために設定できません。ディスク内には1世代固定で保存されます。


このパラメタは、以下の条件を満たす場合に設定できます。

このパラメタに選択できる値の範囲とダイレクトバックアップサーバの動作概要、およびダイレクトバックアップ導入時のデフォルト値を以下に示します。

選択できる値の範囲

ダイレクトバックアップサーバの動作概要

デフォルト値

1〜100 (世代)

バックアップ実行時、ディスクに保存されている世代数がこのパラメタの設定値未満の場合、そのままディスクにバックアップデータが保存されます。

ディスクに保存されている世代数がこのパラメタの設定値と等しい場合、まず最初にバックアップデータを採取します。
「バックアップ先」に“ディスク”が設定されている時は、世代超過する世代のバックアップデータを「ディスク保存世代超過処理」に指定された値にしたがって処理します。
「バックアップ先」に“両方”が設定されている時は、今回のバックアップ処理で採取したデータをテープに書き出すとともに、ディスクの世代超過したバックアップデータを削除します。
(Symfowareデータベースのバックアップでは設定できません。)

5 (世代)


ディスクにバックアップデータが保存されている場合、このパラメタの値を、その保存されている世代数より小さい値に変更することはできません。現在保存されている世代数より小さい値に変更するには、ディスクに保存されたバックアップデータの世代数がこのパラメタに指定する値以下となるように、不要なバックアップデータを削除してください。

 

「バックアップエンジン」に“EC (SUSPEND) ”が指定されている場合は、同一の業務ボリュームに対するバックアップ同期処理の数に限界があります。指定する「ディスク保存世代数」は以下の値までにしてください。

  • ETERNUS3000,GR seriesの場合は最大“7”です。
  • ETERNUS6000の場合は最大“31”です。

 

3.2.8 ディスク保存世代超過処

このパラメタは、論理デバイスバックアップおよび論理ユニットバックアップにおいて設定できます。

このパラメタでは、ディスクに保存されているバックアップデータが世代超過した場合の、バックアップデータに対する処理方法を設定します。

世代超過は、ディスクに保存されているバックアップデータの世代と「ディスク保存世代数」の設定値が等しい状態の時に、バックアップ処理を実行すると発生します。

世代超過処理によって、「ディスク保存世代数」の設定値に対してディスクに保存されている世代数が等しい状態に管理され、ディスクのバックアップデータ数の管理を容易に行うことができます。

Symfowareデータベースのバックアップでは、「ディスク保存世代超過処理」を使用できないために設定できません。
「ディスク保存世代超過処理」によってディスクのバックアップデータ数の抑制を自動で行えないため、バックアップデータがディスクに採取され続けます。これにより、論理ユニットの領域が不足してしまい、バックアップが行えなくなります。
バックアップを行う前に、必要に応じてディスクに存在するバックアップデータの削除を行ってください。


このパラメタは、以下の条件を満たす場合に設定できます。

このパラメタにおける選択肢、その選択肢でのダイレクトバックアップサーバの動作概要、およびダイレクトバックアップ導入時のデフォルト値を以下に示します。

選択肢

ダイレクトバックアップサーバの動作概要

デフォルト値

最古世代を削除

バックアップ時に新たに採取したバックアップデータを最新世代として登録した後、ディスク内の最古世代(超過した世代)を削除します。

最古世代をテープに退避

バックアップ時に新たに採取したバックアップデータを最新世代として登録した後、ディスク内の最古世代(超過した世代)をテープに退避します。

×

 

3.2.9 バックアップ先ディス 

このパラメタは、論理デバイスバックアップ、論理ユニットバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップにおいて設定できます。

このパラメタには、バックアップにおいてバックアップデータをディスクに保存する場合、バックアップ先となる論理ユニットプールを指定します。

「バックアップ先」に“ディスク”または“両方”が指定されている場合は、このパラメタの設定が必須です。

Symfowareデータベースのバックアップでは、「バックアップ先論理ユニット設定ファイル」に記述した論理ユニットが登録されている論理ユニットプール名をこのパラメタに設定してください。

「バックアップエンジン」に“EC (SUSPEND) ”が指定されている場合、「バックアップ先ディスク」に設定する論理ユニットプールは、他の業務ボリュームと共有の論理ユニットプールにしないようにしてください。

 

バックアップ同期処理を開始済みの状態で、パラメタ「論理ユニットプール名」を変更しないでください。
バックアップ同期処理を開始済みの状態で、パラメタを変更してバックアップを行った場合、バックアップデータが変更前の論理ユニットプールに格納されます。
バックアップ同期処理をキャンセルした上で、パラメタ「論理ユニットプール名」を変更してください。

 

バックアップ同期処理のキャンセル方法については、以下のいずれかを参照してください。

 

論理ユニットプールについての説明は、「第4章 プール管理」の「論理ユニットプール」を参照してください。

 

論理ユニットプールへの論理ユニットの登録方法は、「第4章 プール管理」の「論理ユニットプールへの論理ユニットの登録」を参照してください。

 

3.2.10 有効期

このパラメタは、すべてのバックアップタイプで設定できます。

このパラメタでは、バックアップにおいてバックアップデータをテープに保存する場合のデータの有効期間を、日単位で指定します。有効期間とは、バックアップデータのテープ書き込みが完了した時刻からの日数です。

このパラメタは、以下の条件を満たす場合に設定できます。

このパラメタに選択できる値の範囲とダイレクトバックアップサーバの動作概要、およびダイレクトバックアップ導入時のデフォルト値を以下に示します。

選択できる値の範囲

ダイレクトバックアップサーバの動作概要

デフォルト値

0〜2000 (日)

バックアップデータをテープに書き込む時、指定された値をバックアップデータの有効期間として設定します。
有効期間が切れると、自動的にバックアップデータを削除します。

0 (日)


“0”を指定すると、「テープ保存期間」は無期限 (永久保存) に設定されます。


このパラメタに設定した値は、「バックアップ」処理において使用されます。
「バックアップデータのテープへのコピー」処理では、このパラメタの値は使用されません。テープへのコピー操作の過程でテープの有効期限を設定します。

 

3.2.11 複写

このパラメタは、論理デバイスバックアップ、論理ユニットバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップにおいて設定できます。

このパラメタでは、バックアップにおいてバックアップデータをテープに保存する時の、複写数を指定します。
例えば、このパラメタに“1”を指定すると、通常書き込むテープともう1本のテープ、つまり2本のテープに同じ内容のバックアップデータを保存することができます。

このパラメタに“1”以上を指定してバックアップを実行し、バックアップデータがテープに保存される場合、バックアップデータが保存されるテープは“クローン媒体”として管理されます。

ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ運用ではテープをクローン媒体にすることはできません。

 

クローン媒体の詳細については、「第6章 その他の機能」の「クローン媒体の管理」を参照してください。


このパラメタは、以下の条件を満たす場合に設定できます。

このパラメタに選択できる値の範囲とダイレクトバックアップサーバの動作概要、およびダイレクトバックアップ導入時のデフォルト値を以下に示します。

選択できる値の範囲

ダイレクトバックアップサーバの動作概要

デフォルト値

0〜9 (本)

バックアップデータをテープに保存する時、通常書き込むテープに加えて、このパラメタに指定した値分のテープにバックアップデータを書き込みます。

0 (本)


テープリストに指定したテープ数がこのパラメタに指定した値未満の場合、バックアップがテープ資源の不足で失敗します。このパラメタに値を設定する時は、このパラメタ以上のテープリストを合わせて設定するようにしてください。

 

3.2.12 Tape書き込み対 

このパラメタは、論理デバイスバックアップ、論理ユニットバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップにおいて設定できます。

このパラメタには、バックアップにおいてバックアップデータをテープに保存する時のバックアップ先として、テープが所属しているグループを指定します。

バックアップ管理画面の操作において、パラメタ名の「Tape書き込み対象」、「Tape書き込み先名」および「テープリスト」は、名称が異なる表現で画面に表示されます。バックアップ管理画面の詳細については、以下のいずれかを参照してください。


このパラメタは、以下の条件を満たす場合に設定できます。

このパラメタにおける選択肢、その選択肢でのダイレクトバックアップサーバの動作概要、およびダイレクトバックアップ導入時のデフォルト値を以下に示します。

選択肢

ダイレクトバックアップサーバの動作概要

デフォルト値

テーププール

「Tape書き込み先名」に設定されたテーププールに所属しているテープにバックアップデータを書き込みます。

テープリスト

「Tape書き込み先名」に設定されたテープリストに所属しているテープにバックアップデータを書き込みます。

×


テープへの書き込みにおいて、空き容量が存在するテープを見つけることができなければ、以下のように動作します。


ETERNUS NR1000F seriesのバックアップでは、このパラメタは“テーププール”に固定されています。よって、ndmpsetpolicy コマンドの設定項目に、このパラメタの設定はありません。

 

ダイレクトバックアップサーバの持つバックアップポリシーのデフォルト値では、このパラメタの値は“テーププール”固定です。“テープリスト”に変更することはできません。

 

このパラメタは、パラメタ「Tape書き込み先名」との組み合わせパラメタです。
パラメタによって、指定できる「Tape書き込み先名」が異なります。

 

テープへの書き込み処理がテープ投入待ち状態になると、業務ボリューム実行履歴画面 または SP実行履歴画面 の「状況」に“テープ待ち”と表示されます。この状態の時に、新規テープが追加されると、自動的にテープへの書き込み処理が再開されます。

 

テープをテーププールに追加する方法は、「第8章 ダイレトバックアップの環境設定」の「新規テープの登録」を参照してください。

 

3.2.13 Tape書き込み先

このパラメタは、すべてのバックアップタイプで設定できます。

このパラメタには、バックアップにおいてバックアップデータをテープに保存する時の書き込み先となる、テーププール名またはテープ名を指定します。

バックアップ管理画面の操作において、パラメタ名の「Tape書き込み対象」、「Tape書き込み先名」および「テープリスト」は、異なる表現で画面に表示されます。バックアップ管理画面の詳細については、以下のいずれかを参照してください。


「Tape書き込み対象」によって、指定できるパラメタが異なります。以下に「Tape書き込み対象」とパラメタの関係を示します。

Tape書き込み対象

Tape書き込み先名

指定できる個数

テーププール

テーププール名

1

テープリスト

テープ名

1〜16



このパラメタは、以下の条件を満たす場合に設定できます。

ETERNUS NR1000F seriesのバックアップでは、「Tape書き込み対象」テーププールに固定されています。よって、「Tape書き込み先名」にテープ名は指定できません。

 

「バックアップ先」に“ディスク”が、「ディスク保存世代超過処理」に“最古世代をテープに退避”が設定されているのに、このパラメタが設定されていない場合、世代超過が発生すると最古世代をテープに退避する処理が失敗します。次のバックアップを行う前に、以下の手順を行ってください。

  1. このパラメタを設定します。
  2. 手作業で最古世代をテープにコピーします。
  3. ディスク上の最古世代を削除します。

 

このパラメタは、パラメタ「Tape書き込み対象」との組み合わせパラメタです。
「Tape書き込み対象」によって、指定できるパラメタが異なります。

 

3.2.14 書き込みポリシ

このパラメタは、すべてのバックアップタイプで設定できます。

このパラメタには、バックアップにおいてバックアップデータをテープに保存する時のテープへの書き込み方法を指定します。

このパラメタにおける選択肢、その選択肢でのダイレクトバックアップサーバの動作概要、およびダイレクトバックアップ導入時のデフォルト値を以下に示します。

選択肢

ダイレクトバックアップサーバの動作概要

デフォルト値

自動

使用可能な「一部使用中」のテープに追加書き込みします。追加書き込みするテープは、テープに書き込まれたバックアップデータの破棄予定日ができるだけ近い日付けになるように選択されます。
追加書き込みができるテープがない場合は、新規テープの先頭から書き込みます。
「Tape書き込み対象」に“テープリスト”を指定している場合は、この選択肢を設定することができません。

可能な限り追加書き込み

使用可能な状態にあるテープのうち、最も最近にバックアップデータが書き込まれたテープに追加書き込みします。
追加書き込みができるテープがない場合は、新規テープの先頭から書き込みます。

×

新規テープの先頭から

新規テープを選択します。そのテープにバックアップデータを保存します。

×


このパラメタは、以下の条件を満たす場合に設定できます。

テープが見つけられない場合、以下の動作をします。

 

3.2.15 作業用論理ユニットプー 

このパラメタは、論理デバイスバックアップ、論理ユニットバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップにおいて設定できます。

このパラメタには、テープへのバックアップの時にテンポラリとして使用する論理ユニットプールを指定します。

ETERNUS NR1000F seriesのバックアップでは、データを直接テープへバックアップを行うため、作業用の論理ユニットプールを使用しません。

 

論理ユニットプールについての説明は、「第4章 プール管理」の「論理ユニットプール」を参照してください。


以下の条件を満たす場合は、このパラメタの設定が必須です。

以下に、このパラメタについて説明します。

項目

説明

作業用論理ユニットプール名

SSF/Backup Facilityが管理している論理ユニットプールのリストを表示します。
このリストからテンポラリとして使用する論理ユニットが属する論理ユニットプールを選択します。
ただし、以下のいずれかの設定の場合、この項目は選択できません。

  • 「バックアップエンジン」に“未使用”が指定されている。
  • 「バックアップ先」に“両方”が指定されている。

 

3.3 バックアップポリシーの変更に関する注意事項

バックアップポリシーの変更を行う場合の注意事項について説明します。

 

3.3.1 以前の設定値の継承 

バックアップポリシーの変更を行った場合、パラメタ値の組合せによって変更されていないパラメタ値が無効になることがあります。無効化されたパラメタ値はダイレクトバックアップサーバに記録されており、再度そのパラメタ値が有効となる組合せにバックアップポリシーが変更された時に、値が継承されます。

例えば、「バックアップエンジン」が“OPC”、および「実コピー待ち合わせ」が“行わない”に設定されたバックアップポリシーの「バックアップエンジン」を“EC”に変更した場合、「実コピー待ち合わせ」が無効になります。
そして、再度「バックアップエンジン」を“OPC”に変更すると、「実コピー待ち合わせ」が有効になるため、「実コピー待ち合わせ」の値は、変更がなければ以前の設定値である“行わない”が採用されます。

値が継承されるパラメタの一覧を表3.4 に示します。


[表3.4 継承されるパラメタの一覧]

パラメタ名とその値

継承されるパラメタ

「前後処理の利用」が“利用する”

「前後処理タイムアウト時間」

「バックアップエンジン」が“OPC”

「実コピー待ち合わせ」

「バックアップエンジン」が“未使用”

「Tape書き込み先名」

「バックアップ先」が“ディスク”

「ディスク保存世代超過処理」
「ディスク保存世代数」
「バックアップ先ディスク」

「バックアップ先」が“テープ”

「有効期間」
「複写数」
「Tape書き込み対象」
「Tape書き込み先名」
「書き込みポリシー」
「作業用論理ユニットプール」

「バックアップ先」が“両方”

「実コピー待ち合わせ」
「ディスク保存世代数」
「バックアップ先ディスク」
「有効期間」
「複写数」
「Tape書き込み対象」
「Tape書き込み先名」
「書き込みポリシー」

ディスク保存世代超過処理」が“テープへ退避”

「有効期間」
「複写数」
「Tape書き込み対象」
「Tape書き込み先名」
「書き込みポリシー」


ETERNUS NR1000F seriesのバックアップでは、以前に設定したバックアップポリシーの値は継承されません。バックアップポリシーを設定/変更する場合は、すべてのパラメタを設定する必要があります。

 

バックアップポリシーを削除した場合は、以前の設定値は継承されません。

 

3.3.2 パラメタの変更不可条件

バックアップポリシーは、いつでも変更できるとは限りません。
変更不可となる状態、その状態で変更不可となるパラメタ、および変更するための対処方法を以下に示します。

 

■変更不可ケース1

◆変更不可条件と変更できないパラメタ

ダイレクトバックアップサーバが、バックアップポリシー変更対象の業務ボリューム、論理ユニットまたはディレクトリに対する処理を実行中の場合、バックアップポリシーのすべてのパラメタを変更できません。

◆対処方法

バックアップポリシーの変更は、業務ボリューム実行履歴画面 または SP実行履歴画面を参照し、バックアップポリシー変更対象の業務ボリューム、論理ユニットまたはディレクトリに対する処理が終了しているのを確認して行ってください。
バックアップポリシーを設定するために、実行中の処理を中断させたい場合は、業務ボリューム実行履歴画面 または SP実行履歴画面から実行中の処理をキャンセルできます。

 

■変更不可ケース2

◆変更不可条件と変更できないパラメタ

バックアップデータがディスクに存在する場合、「バックアップ先」を変更することはできません。

◆対処方法

「バックアップ先」を変更する場合は、ディスクにバックアップデータが存在しない状態にするために、以下のいずれかの操作を行います。

 

■変更不可ケース3

◆変更不可条件と変更できないパラメタ

バックアップデータがディスクに存在する場合、「ディスク保存世代数」をディスクに保存されている世代数未満の値に変更できません。

◆対処方法

「ディスク保存世代数」の値には、ディスクに保存されている世代数以上の値を指定してください。
もし、「ディスク保存世代数」の値を小さく設定したい場合には、以下のいずれかの操作を行います。

 

■変更不可ケース4

◆変更不可条件と変更できないパラメタ

論理ユニットプールに空き領域が足りない (資源が枯渇している) 場合、「バックアップ同期処理開始」を“自動”に設定できません。

◆対処方法

論理ユニットプールに空き領域を増やすために、以下のいずれかの操作を行います。

 

3.3.3 バックアップポリシーのデフォルト値に関する注意事項

バックアップポリシーのデフォルト値は、バックアップポリシーが設定されていない業務ボリューム、論理ユニット、またはSymfowareデータベースのロググループに対して、バックアップ/リストア(リカバリ)を行う場合に利用されます。
ただし、デフォルト値の組合せによっては、パラメタが無効になる場合があります。

例えば、「前後処理の利用」のデフォルト値が“利用しない”に設定されている場合、利用できない「前後処理タイムアウト時間」のデフォルト値は無効になります。

パラメタが無効になる組合せを表3.5 に示します。


[3.5 パラメタの値によって無効化されるパラメタの一覧]

パラメタ名とその値

無効化されるパラメタ名

「前後処理の利用」が“利用しない”

「前後処理タイムアウト時間」

「バックアップエンジン」が“OPC”

「バックアップ同期処理開始」

「バックアップエンジン」が“未使用”

「作業用論理ユニットプール」
「バックアップ同期処理開始」
「実コピー待ち合わせ」

「バックアップ先」が“ディスク”、および「ディスク保存世代超過処理」が“最古世代を削除”

「実コピー待ち合わせ」
「有効期間」
「複写数」
「Tape書き込み対象」
「Tape書き込み先名」
「書き込みポリシー」
「作業用論理ユニットプール」

「バックアップ先」が“テープ”

「ディスク保存世代数」
「ディスク保存世代超過処理」
「バックアップ先ディスク」

「バックアップ先」が“両方”

「ディスク保存世代超過処理」
「作業用論理ユニットプール」


ETERNUS NR1000F seriesのバックアップでは、バックアップポリシーにデフォルト値がありません。バックアップポリシーを設定/変更する場合は、すべてのパラメタを設定する必要があります。

 

バックアップポリシーのデフォルト値の設定では、「バックアップ同期処理開始」は“手動”に固定されています。“自動”に変更することはできません。

 

バックアップポリシーのデフォルト値を変更する方法は、「第8章 ダイレクトバックアプの環境設定」の「バックアップポリシーのデフォルト値の変更」を参照してください。

 

3.3.4 複数ボリュームへのバックアップポリシー一括設定

■論理デバイスバックアップ

論理デバイスバックアップでは、業務ボリューム一覧画面からバックアップポリシーを設定する時に、複数の業務ボリュームに対してバックアップポリシーを一括設定することができます。
ただし、バックアップポリシーの一括設定には以下の注意事項があります。


以下は、一括設定できる範囲についての例です。

業務サーバが2つのETERNUS3000/6000,GR series (GR-AおよびGR-B) の資源を利用しています。そして、GR-Aの業務ボリュームA1とA3、GR-BのB2とB3が、ダイレクトバックアップに“業務ボリューム”として登録された論理デバイスです。この時、バックアップポリシーを一括設定できるのは、「同じETERNUS3000/6000,GR series内に存在していること」という条件から、A1とA3、またはB2とB3となります。A1、A3、B2、およびB3の4つの業務ボリュームを一括設定することはできません。


[3.3 1つの業務サーバから複数ETERNUS3000/6000,GR seriesを利用しているイメージ]

 

■論理ユニットバックアップ

論理ユニットバックアップには、複数の論理ユニットに対してバックアップポリシーを一括設定する機能がありません。
複数の論理ユニットに対してバックアップポリシーを一括設定する場合は、シェルスクリプトを作成して一括設定を行ってください。

以下は、OLU0001、OLU0002、およびOLU0003の論理ユニットに同一のバックアップポリシーを設定するシェルスクリプトの例です。

 
#!/bin/sh

OPTION="-m DISK -g 7 -b TOTAPE -P NEW"

for lun in OLU0001 OLU0002 OLU0003
do
      lusetpolicy $OPTION $lun
      if [ $? -ne 0 ]; then
            exit
      fi
done
 

 

■Symfowareデータベースのバックアップ

Symfowareデータベースのバックアップでは、業務ボリューム一覧画面からバックアップポリシーを設定する時に、複数のロググループに対してバックアップポリシーを一括設定することができます。
ただし、バックアップポリシーの一括設定には以下の注意事項があります。

 

■ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ

ETERNUS NR1000F seriesのバックアップには、複数のディレクトリに対してバックアップポリシーを一括設定する機能がありません。
複数のディレクトリに対してバックアップポリシーを一括設定する場合は、シェルスクリプトを作成して一括設定を行ってください。

以下は、NR01:/vol/vol1/usrおよびNR02:/dir/dir1/usrのディレクトリに同一のバックアップポリシーを設定するシェルスクリプトの例です。

 
#!/bin/sh

OPTION="-t 0 -p tape_pool_1 -P AUTO"

for dir in NR01:/vol/vol1/usr NR02:/dir/dir1/usr
do
      ndmpsetpolicy $OPTION $dir
      if [ $? -ne 0 ]; then
            exit
      fi
done
 


 


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