ダイレクトバックアップ使用手引書 - SPシリーズ -
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第16章 ETERNUS NR1000F seriesのバックアップのためのコマンド

ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ運用を行うためのコマンドについて説明します。これらのコマンドは、SSF/Backup Facility上で実行可能なコマンドです。

すべてのコマンドは/opt/FJSVfbupp/usr/bin 配下にインストールされていますが、/usr/bin からシンボリックリンクが張られています。そのため、シェルの環境変数PATHに/usr/binを定義すると、絶対パスを省略してコマンドを実行することができます。

ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ以外のバックアップ運用において、本章のコマンドは使用できません。

 

16.1 ndmpbackup (バックアップの実行)

■形式

ndmpbackup NRnamedirname

 

■機能説明

ETERNUS NR1000F seriesのディレクトリをテープへバックアップするコマンドです。

設定したバックアップポリシーにしたがってバックアップ処理が行われます。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定します。これらのオペランドは省略できません。

オペランド

説明

NRname

dirname が存在するETERNUS NR1000F seriesのホスト名を指定します。

dirname

バックアップするETERNUS NR1000F seriesのディレクトリ名を指定します。
このオペランドに複数のディレクトリ名を指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr) をバックアップします。

    # ndmpbackup NR01:/vol/vol1/usr
    ndmpbackup completed
    #

  2. ホスト名 (NR01) のボリューム (vol1) を全てバックアップします。
    (ボリューム指定は、“/vol/ボリューム名"という名称のディレクトリとしてバックアップを行います。)

    # ndmpbackup NR01:/vol/vol1
    ndmpbackup completed
    #

  3. ホスト名 (NR01) のSnapshot機能によって作成されたSnapshot先(/vol/vol1/.snapshot/weekly.1) をバックアップします。
    (Snapshot先指定は、“Snapshot元のボリューム名/.snapshot/対象Snapshot名"という名称のディレクトリとしてバックアップを行います。)

    # ndmpbackup NR01:/vol/vol1/.snapshot/weekly.1
    ndmpbackup completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

バックアップポリシーを設定していないディレクトリを指定して、このコマンドを実行するとバックアップが失敗します。

ディレクトリに設定されているバックアップポリシーの内容については、「第12章 ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ運用操作」の「バックアップポリシーの参照」を参照してください。


このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みのバックアップ要求をキャンセルすることはできません。

バックアップ処理のキャンセルについては、「第12章 ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ運用操作」の「バックアップ処理のキャンセル」を参照してください。


このコマンドでは、ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ以外のバックアップ運用において、バックアップを行うことはできません。

 

■関連項目

ndmpgetpolicy、ndmpsetpolicy、ndmprestore、ndmpbkcancel

 

16.2 ndmpbkcancel (バックアップ処理のキャンセル)

■形式

ndmpbkcancel [-s] NRnamedirname

 

■機能説明

このコマンドは、指定したディレクトリに対するバックアップ処理をキャンセルするコマンドです。

このコマンドを実行すると、バックアップ処理のキャンセルに対する確認メッセージが出力されます。メッセージが出力された後、以下の選択をしてください。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。このオプションは省略することもできます。

オプション

説明

-s

バックアップ処理のキャンセルに対する確認メッセージが出力されず、ただちにバックアップ処理のキャンセルが行われます。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定します。これらのオペランドは省略できません。

オペランド

説明

NRname

dirname が存在するETERNUS NR1000F seriesのホスト名を指定します。

dirname

バックアップ処理をキャンセルする、ETERNUS NR1000F seriesのディレクトリ名を指定します。
このオペランドに複数のディレクトリ名を指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)のバックアップ処理をキャンセルします。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # ndmpbkcancel NR01:/vol/vol1/usr
    NR01:/vol/vol1/usr cancel backup operation ? [y/n]: y
    ndmpbkcancel completed
    #

  2. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)のバックアップ処理を、確認メッセージなしでキャンセルします。

    # ndmpbkcancel -s NR01:/vol/vol1/usr
    ndmpbkcancel completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みのバックアップ処理のキャンセル要求をキャンセルすることはできません。

このコマンドでは、ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ以外のバックアップ運用において開始された、バックアップ処理をキャンセルすることはできません。

 

■関連項目

ndmpbackup

 

16.3 ndmprestore (リストアの実行)

■形式

ndmprestore [-s] [-v NRnamedst_dirname ] [-g generation ] NRnamesrc_dirname

 

■機能説明

このコマンドは、指定したディレクトリから採取されたバックアップデータをリストアするコマンドです。

リストア先にはバックアップ元以外に、ETERNUS NR1000F seriesに存在する任意のディレクトリを指定することができます。

このコマンドを実行すると、リストアに対する確認メッセージが出力されます。メッセージが出力された後、以下の選択をしてください。

このコマンドでは、任意の世代のバックアップデータをリストアすることができます。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。これらのオプションは省略することもできます。

オプション

説明

-s

リストアの実行に対する確認メッセージが出力されず、ただちにリストアが行われます。

-v

リストア先のETERNUS NR1000F seriesのホスト名をNRname 、ディレクトリ名をdst_dirname に指定します。
このオプションに複数のディレクトリ名を指定することはできません。
このオプションを省略すると、バックアップ元のディレクトリにリストアされます。

-g

リストアするバックアップデータの相対世代番号を10進数でgenerationに指定します。
このオプションを省略すると、最新 (相対世代番号1) のバックアップデータがリストアされます。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定します。これらのオペランドは省略できません。

オペランド

説明

NRname

dirname が存在するETERNUS NR1000F seriesのホスト名を指定します。

src_dirname

バックアップデータを採取した、ETERNUS NR1000F seriesのディレクトリ名を指定します。
このオペランドに複数のディレクトリ名を指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)から採取した、最新世代のバックアップデータをバックアップ元にリストアします。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # ndmprestore NR01:/vol/vol1/usr
    NR01:/vol/vol1/usr restore to NR01:/vol/vol1/usr ? [y/n]: y
    ndmprestore completed
    #

  2. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)から採取した、相対世代番号 (2) のバックアップデータをバックアップ元にリストアします。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # ndmprestore -g 2 NR01:/vol/vol1/usr
    NR01:/vol/vol1/usr restore to NR01:/vol/vol1/usr ? [y/n]: y
    ndmprestore completed
    #

  3. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)から採取した、相対世代番号 (2) のバックアップデータをホスト名 (NR02) のディレクトリ (/vol/vol2/usr)へリストアします。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # ndmprestore -v NR02:/vol/vol2/usr -g 2 NR01:/vol/vol1/usr
    NR01:/vol/vol1/usr restore to NR02:/vol/vol2/usr ? [y/n]: y
    ndmprestore completed
    #

  4. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)から採取した、最新世代のバックアップデータをバックアップ元に、確認メッセージなしでリストアします。

    # ndmprestore -s NR01:/vol/vol1/usr
    ndmprestore completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

リストア処理が正常終了すると、リストア先のトップディレクトリに“restore_symboltable”という名前のファイルが作成されます。
リストア処理完了後はこのファイルは不要なので、手作業で削除してください。

リストア時に作成される“restore_symboltable”を削除し忘れたまま、バックアップ運用を続けた場合、リストアの度に 同様のファイル(ファイル名が不定に変化します。)が作成されます。この場合は、“ls -l”コマンド等でファイル作成日時を確認した上で、リストアを行った日時 直後に作成されたファイルを削除してください。


また、リストア先に存在するファイルは以下のようになります。

そのため、リストア先にはバックアップデータのサイズ以上のボリュームを指定する必要があります。

このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みのリストア要求をキャンセルすることはできません。

リストア処理のキャンセルについては、「第12章 ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ運用操作」の「リストア処理のキャンセル」を参照してください。


このコマンドでは、ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ以外のバックアップ運用において採取されたバックアップデータをリストアすることはできません。

 

■関連項目

ndmpgethist、ndmpbackup、ndmprscancel

 

16.4 ndmprscancel (リストア処理のキャンセル)

■形式

ndmprscancel [-s] NRnamedirname

 

■機能説明

このコマンドは、指定したディレクトリに対するリストア処理をキャンセルするコマンドです。

このコマンドを実行すると、リストア処理のキャンセルに対する確認メッセージが出力されます。メッセージが出力された後、以下の選択をしてください。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。このオプションは省略することもできます。

オプション

説明

-s

リストア処理のキャンセルに対する確認メッセージが出力されず、ただちにリストア処理のキャンセルが行われます。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定します。これらのオペランドは省略できません。

オペランド

説明

NRname

dirname が存在するETERNUS NR1000F seriesのホスト名を指定します。

dirname

リストア処理をキャンセルする、ETERNUS NR1000F seriesのディレクトリ名を指定します。
このオペランドに複数のディレクトリ名を指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)のリストア処理をキャンセルします。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # ndmprscancel NR01:/vol/vol1/usr
    NR01:/vol/vol1/usr cancel restore operation ? [y/n]: y
    ndmprscancel completed
    #

  2. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)のリストア処理を、確認メッセージなしでキャンセルします。

    # ndmprscancel -s NR01:/vol/vol1/usr
    ndmprscancel completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みのリストア処理のキャンセル要求をキャンセルすることはできません。

このコマンドでは、ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ以外のバックアップ運用において開始された、リストア処理をキャンセルすることはできません。

 

■関連項目

ndmprestore

 

16.5 ndmpgethist (バックアップ履歴情報の表示)

■形式

ndmpgethist [-g generation ] [NRnamedirname ]

 

■機能説明

このコマンドは、バックアップ運用で採取されたバックアップデータの履歴情報を表示するコマンドです。

このコマンドが出力する情報の意味は以下のとおりです。

表示項目

説明

NR Name

バックアップデータを採取したディレクトリが存在する、ETERNUS NR1000F seriesの「ホスト名」です。

dirname

バックアップデータを採取したETERNUS NR1000F seriesの「ディレクトリ名」です。

gen

バックアップデータの「相対世代番号」です。
相対世代番号は、1から始まる整数で、古い世代ほど数字が大きくなります。

start_time

ダイレクトバックアップサーバがバックアップを開始した日時です。
YYYY /MM /DD hhmm 」形式で表示されます。
YYYY は西暦、MM は月、DD は日、hh は時、mm は分を示します。
表示される日時は、SSF/Backup Facility上の日時が適用されます。

end_time

ダイレクトバックアップサーバがバックアップを終了した日時です。
YYYY /MM /DD hhmm 」形式で表示されます。
YYYY は西暦、MM は月、DD は日、hh は時、mm は分を示します。
表示される日時は、SSF/Backup Facility上の日時が適用されます。

media

バックアップデータの格納媒体です。常に“TAPE”と表示されます。

bk_tape

バックアップデータが格納されている「テープ名」です。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。このオプションは省略することもできます。

オプション

説明

-g

表示するバックアップデータの世代数をgenerationに指定します。
generationには1以上の整数を指定することができます。例えば、generationに5を指定した場合は、最新世代を含めて5世代分の履歴情報が表示されます。
このオプションを省略すると、すべての世代の履歴情報が表示されます。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。これらのオペランドは省略することもできます。

オペランド

説明

NRname

dirname が存在するETERNUS NR1000F seriesのホスト名を指定します。

dirname

バックアップ履歴を表示する、ETERNUS NR1000F seriesのディレクトリ名を指定します。
このオペランドに複数のディレクトリ名を指定することはできません。
このオペランドを省略すると、すべてのETERNUS NR1000F seriesのディレクトリに対するバックアップデータの履歴情報を表示します。この時、バックアップ履歴情報のないディレクトリについては表示されません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr) から採取した、バックアップデータの履歴情報を参照します。

    # ndmpgethist NR01:/vol/vol1/usr

    NR Name:NR01

    dirname

    gen

    start_time

    end_time

    media

    bk_tape

    ----------------------------------------------------------------------------

    /vol/vol1/usr

    1

    2003/06/05 13:05

    2003/06/05 13:32

    TAPE

    TP0002

    /vol/vol1/usr

    2

    2003/06/02 12:00

    2003/06/02 12:24

    TAPE

    TP0001

    /vol/vol1/usr

    3

    2003/06/01 17:02

    2003/06/01 17:34

    TAPE

    TP0001

    #

  2. ダイレクトバックアップサーバが管理している、すべてのETERNUS NR1000F seriesのバックアップデータの履歴情報を2世代分のみ参照します。

    # ndmpgethist -g 2

    NR Name:NR01

    dirname

    gen

    start_time

    end_time

    media

    bk_tape

    ----------------------------------------------------------------------------

    /vol/vol1/usr

    1

    2003/06/05 13:05

    2003/06/05 13:32

    TAPE

    TP0002

    /vol/vol1/usr

    2

    2003/06/02 12:00

    2003/06/02 12:24

    TAPE

    TP0001

     

    NR Name:NR02

    volume

    gen

    start_time

    end_time

    media

    bk_tape

    ----------------------------------------------------------------------------

    /vol/vol2/usr

    1

    2003/06/02 12:25

    2003/06/02 13:00

    TAPE

    TP0003

    /vol/vol2/usr

    2

    2003/06/01 12:03

    2003/06/01 12:33

    TAPE

    TP0003

    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

-g オプションで指定された世代数分の履歴情報のないディレクトリについては、ダイレクトバックアップサーバで管理されている世代数の履歴情報が表示されます。

このコマンドでは、ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ以外のバックアップ運用において採取した、バックアップデータの履歴情報を表示することはできません。

 

■関連項目

ndmpbackup、ndmpdelhist

 

16.6 ndmpdelhist (バックアップ履歴情報の削除)

■形式

ndmpdelhist [-s] -g generation NRnamedirname

ndmpdelhist [-s] -a NRnamedirname

 

■機能説明

バックアップ運用において採取されたバックアップデータとその履歴情報を削除するコマンドです。

このコマンドを実行すると、バックアップデータとその履歴情報の削除に対する確認メッセージが出力されます。メッセージが出力された後、以下の選択をしてください。

このコマンドでは、指定したディレクトリから採取した特定の世代、またはすべての世代のバックアップデータとその履歴情報を削除できます。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。

オプション

説明

-s

削除に対する確認メッセージが出力されず、ただちにバックアップデータとその履歴情報の削除が行われます。

-g

削除するバックアップデータの相対世代番号を10進数でgenerationに指定します。
このオプションは、-aオプションと同時に指定することはできません。

-a

オペランドで指定したディレクトリのすべてのバックアップデータとその履歴情報を削除します。
このオプションは、-gオプションと同時に指定することはできません。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定します。これらのオペランドは省略できません。

オペランド

説明

NRname

dirname が存在するETERNUS NR1000F seriesのホスト名を指定します。

dirname

バックアップデータとその履歴情報を削除する、ETERNUS NR1000F seriesのディレクトリ名を指定します。
このオペランドに複数のディレクトリ名を指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)から採取した、相対世代番号 (2) のバックアップデータとその履歴情報を削除します。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # ndmpdelhist -g 2 NR01:/vol/vol1/usr
    NR01:/vol/vol1/usr delete backup history ? [y/n]: y
    ndmpdelhist completed
    #

  2. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)から採取した、すべてのバックアップデータとその履歴情報を削除します。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # ndmpdelhist -a NR01:/vol/vol1/usr
    NR01:/vol/vol1/usr delete backup history ? [y/n]: y
    ndmpdelhist completed
    #

  3. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)から採取した、すべてのバックアップデータとその履歴情報の削除を確認メッセージなしで行います。

    # ndmpdelhist -s -a NR01:/vol/vol1/usr
    ndmpdelhist completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

一度削除したバックアップデータとその履歴情報は元に戻せません。

このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みの削除要求をキャンセルすることはできません。

このコマンドでは、ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ以外のバックアップ運用において採取した、バックアップデータの履歴情報を削除することはできません。

 

■関連項目

ndmpgethist、ndmpbackup

 

16.7 ndmpsetpolicy (バックアップポリシーの設定)

■形式

ndmpsetpolicy -t term -p name -P policy NRnamedirname

 

■機能説明

このコマンドは、指定したディレクトリに対してバックアップポリシーを設定するコマンドです。

バックアップポリシーの詳細については、「第3章 バックアップポリシー」を参照してください。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。これらのオプションは省略できません。すべてのパラメタを同時に指定してください。
青色で記述されている文字列は、実際にそのオプションに指定できる文字列であることを示しています。

オプション

説明

-t

「有効間」をtermに指定します。
termに指定できる値の範囲は、“0”から“2000”までの整数です。
なお、“0”を指定すると、「テープ保存期間」は無期限 (永久保存) に設定されます。

-p

「Tape書き込み対象」を“テーププール”に設定します。その時の「Tape書き込み先名」は、nameに指定します。
nameには、複数のテーププール名を指定することはできません。
nameに“spare_tapepool”という名前のテーププールを指定することはできません。

-P

「書きみポリシー」をpolicyに指定します。

  • NEW”を指定すると、“新規テープの先頭から”に設定されます。
  • ADD”を指定すると、“可能な限り追加書き込み”に設定されます。
  • AUTO”を指定すると、“自動”に設定されます。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定します。これらのオペランドは省略できません。

オペランド

説明

NRname

dirname が存在するETERNUS NR1000F seriesのホスト名を指定します。

dirname

バックアップポリシーを設定する、ETERNUS NR1000F seriesのディレクトリ名を指定します。
このオペランドに複数のディレクトリ名を指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)に対して、「有効期間」を“無期限”、「Tape書き込み対象」を“tape_pool_1”、および「書き込みポリシー」を“自動”に設定します。

    # ndmpsetpolicy -t 0 -p tape_pool_1 -P AUTO NR01:/vol/vol1/usr
    ndmpsetpolicy completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

ETERNUS NR1000F seriesのバックアップでは、バックアップポリシーにデフォルト値がありません。バックアップポリシーを設定する場合は、すべてのパラメタを設定する必要があります。
また、バックアップポリシーを変更する場合でも、以前に設定した値は継承されません、すべてのパラメタを再設定してください。

このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みの要求をキャンセルすることはできません。

このコマンドでは、ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ以外のバックアップ運用において、バックアップポリシーの設定を行うことはできません。

 

■関連項目

ndmpbackup、ndmpdelpolicy、ndmpgetpolicy

 

16.8 ndmpgetpolicy (バックアップポリシーの表示)

■形式

ndmpgetpolicy [NRnamedirname ]

 

■機能説明

このコマンドは、ディレクトリに設定されているバックアップポリシーを表示するコマンドです。

このコマンドが出力する情報の意味は以下のとおりです。

表示項目

説明

NR Name

ETERNUS NR1000F seriesの「ホスト名」です。

Backup Media

「バックアップ先」です。常に“TAPE”と表示されます。

Tape Expiration

「有効期間」です。単位は日数です。

Tape Write Policy

「書き込みポリシー」です。以下のいずれかが表示されます。

  • NEW

“新規テープの先頭から”に設定されていることを示します。

  • ADD

“可能な限り追加書き込み”に設定されていることを示します。

  • AUTO

“自動”に設定されていることを示します。

Tape Destination

「Tape書きみ対象」です。常に“POOL”と表示されます。

Tape Name

「Tapeき込み先名」です。「テーププール名」が表示されます。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。これらのオペランドは省略することもできます。

オペランド

説明

NRname

dirname が存在するETERNUS NR1000F seriesのホスト名を指定します。

dirname

バックアップポリシーを表示する、ETERNUS NR1000F seriesのディレクトリ名を指定します。
このオペランドに複数のディレクトリ名を指定することはできません。
このオペランドを省略した場合は、バックアップポリシーが設定されているすべてのETERNUS NR1000F seriesのディレクトリについて、バックアップポリシーを表示します。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)に設定されている、バックアップポリシーを参照します。

    # ndmpgetpolicy NR01:/vol/vol1/usr

    NR Name:NR01

    ----------------------------------------------------------------------------

    /vol/vol1/usr

        |

    Backup Media

    : TAPE

        |

    Tape Expiration

    : 0

        |

    Tape Write Policy

    : AUTO

    Tape Destination

    : POOL

        |

    Tape Name

    : tape_pool_1

    ----------------------------------------------------------------------------

    #

  2. バックアップポリシーが設定されているすべてのディレクトリについて、バックアップポリシーを参照します。

    # ndmpgetpolicy

    NR Name:NR01

    ----------------------------------------------------------------------------

    /vol/vol1/usr

        |

    Backup Media

    : TAPE

        |

    Tape Expiration

    : 0

        |

    Tape Write Policy

    : AUTO

    Tape Destination

    : POOL

        |

    Tape Name

    : tape_pool_1

    ----------------------------------------------------------------------------

     

    NR Name:NR02

    ----------------------------------------------------------------------------

    /vol/vol2/usr

        |

    Backup Media

    : TAPE

        |

    Tape Expiration

    : 0

        |

    Tape Write Policy

    : AUTO

    Tape Destination

    : POOL

        |

    Tape Name

    : tape_pool_2

    ----------------------------------------------------------------------------

    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

このコマンドに、バックアップポリシーが設定されていないディレクトリを指定した場合、またはバックアップポリシーが設定されているディレクトリが存在しない場合は、何も表示されません。

このコマンドでは、ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ以外のバックアップ運用において設定されている、バックアップポリシーを表示することはできません。

 

■関連項目

ndmpbackup、ndmpdelpolicy、ndmpsetpolicy

 

16.9 ndmpdelpolicy (バックアップポリシーの削除)

■形式

ndmpdelpolicy [-s]  NRnamedirname

 

■機能説明

このコマンドは、指定したディレクトリに設定されているバックアップポリシーを削除するコマンドです。

このコマンドを実行すると、バックアップポリシーの削除に対する確認メッセージが出力されます。メッセージが出力された後、以下の選択をしてください。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。このオプションは省略することもできます。

オプション

説明

-s

バックアップポリシーの削除に対する確認メッセージが出力されず、ただちにバックアップポリシーの削除が行われます。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。これらのオペランドは省略できません。

オペランド

説明

NRname

dirname が存在するETERNUS NR1000F seriesのホスト名を指定します。

dirname

バックアップポリシーを削除する、ETERNUS NR1000F seriesのディレクトリ名を指定します。
このオペランドに複数のディレクトリ名を指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)に設定されているバックアップポリシーを削除します。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # ndmpdelpolicy NR01:/vol/vol1/usr
    NR01:/vol/vol1/usr: delete backup policy ? [y/n]: y
    ndmpdelpolicy completed
    #

  2. ホスト名 (NR01) のディレクトリ (/vol/vol1/usr)に設定されているバックアップポリシーを確認メッセージなしで削除します。

    # ndmpdelpolicy -s  NR01:/vol/vol1/usr
    ndmpdelpolicy completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

指定したディレクトリに対するバックアップデータとその履歴情報が存在する場合は、コマンドはエラーとなります。バックアップポリシーを削除する前に、バックアップデータとその履歴情報を削除してください。

バックアップデータとその履歴情報の削除については、「第12章 ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ運用操作」の「バックアップデータの削除」を参照してください。


バックアップポリシーが設定されていないディレクトリを指定して、コマンドを実行した場合は、コマンドはエラーとなります。

このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みの削除要求をキャンセルすることはできません。

このコマンドでは、ETERNUS NR1000F seriesのバックアップ以外のバックアップ運用において設定されている、バックアップポリシーを削除することはできません。

 

■関連項目

ndmpbackup、ndmpgetpolicy、ndmpsetpolicy

 


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