一括設定では、事前に作成した構成定義ファイルを読み込むことで、多数のサーバから構成されるシステムを簡単に構築、変更できる機能です。複数の定義を一度にまとめて行うことができるので、個別の設定操作によるオペレーションミスを防止できます。
一括設定は以下の場面で使用できます。
新規導入
本製品の運用上に必要な値を構成定義ファイルとして、オフィスなどのオフサイト環境で作成します。作成した構成定義ファイルをマシンルームなどの実機環境に搬送し、RORコンソールから読み込むこと(以降、インポート)で、多数のサーバの新規導入設定を一括で行います。
構成定義のバックアップ
RORコンソールから構成定義ファイルに出力(以降、エクスポート)し、現在運用中のシステム定義を保存します。
設定の一括変更
RORコンソールから構成定義ファイルをエクスポートし、変更したい項目を修正したあと、再度インポートすることで設定変更を一括で行います。
構成定義の流用
1つの環境で使用した構成定義ファイルを流用することで、複数のシステムを簡単に設計できます。
図10.1 一括設定の運用例
インポート、エクスポートできる構成定義ファイルはCSV形式です。構成定義ファイル形式については、「付録B 一括設定用の構成定義ファイル(CSV形式)」を参照してください。
本製品はCSV形式のサンプルを提供しています。また、FUJITSU Software ServerView Resource Orchestrator WebサイトではExcelのテンプレート(以降、構成定義テンプレート)を公開しています。構成定義テンプレートを利用することで、CSV形式の構成定義ファイルを簡単に作成できます。
構成定義テンプレートからCSVファイルを読み込む、またはRORコンソールから構成定義ファイルをインポートする場合
「B.2 ファイル形式」に記載している形式の構成定義ファイルを使用します。
構成定義テンプレートからCSV形式でファイルを保存、またはRORコンソールから構成定義ファイルをエクスポートした場合
「B.2 ファイル形式」に記載している最新のバージョンが記述された形式で出力されます。
一括設定では、以下に記載されているRORコンソールと同じ操作ができます。
登録
「5.1 VIOM/ISM連携の登録」 (注1)
「5.10 電力監視デバイスの登録」 (注2)
「5.5.2 HBA address renameの設定」 (注3)
「導入ガイド VE」の「第8章 監視情報の設定」
「操作ガイド VE」の「第18章 サーバ切替えの設定」
変更
「6.1 管理IPアドレスの変更」 (注4)
「7.1.3 管理IPアドレスの変更」 (注4)
「7.3 VIOM/ISM連携の設定変更」 (注1)
「操作ガイド VE」の「18.3 サーバ切替えの変更」
注1) ISM連携は一括設定に対応していません。
注2) 電力データを採取するためのオプション設定は、RORコンソールから設定を行ってください。
注3) 一括設定で設定を行う場合、インポートしたあとに該当する管理対象サーバを再起動してください。
注4) RORコンソールの操作部分だけが一括設定で対応できます。
また、「第4章 ブレードビューア」と「4.5.1 ラベルとコメントの一覧・登録・編集」に記載されているブレードビューアと同じ操作ができます。
注意
一括設定では、以下の操作はできないため、RORコンソールで行ってください。
登録されたリソースの削除
登録されたシャーシ名、PRIMERGY BXシリーズ以外の物理サーバ名、電力監視デバイス名の変更
登録された管理LANサブネットの削除
LANスイッチ(L2スイッチ)の探索、登録、削除、基本情報の変更
LANスイッチ(L2スイッチ)からの結線情報の取得
VIOM/ISM連携の削除
SNMPトラップ送信先の登録、削除
ETERNUS SF Storage Cruiser連携によるWWN情報の設定、変更
Oracle VM for SPARCゲストドメインのエージェント登録
一括設定では、以下の操作はできないため、コマンドで行ってください。
ETERNUS SF Storage Cruiser連携の登録、削除
インポート時に指定する構成定義ファイルでは、登録または変更するリソース数の合計を200以内にしてください。
200を超える数のリソースを登録または変更する場合、構成定義ファイルを複数に分けてインポート処理を行ってください。
ServerView Deployment Managerとマネージャーが管理LAN上で共存する場合、以下の定義は行えません。ServerView Deployment Managerの共存については、「導入ガイド CE」の「I.2 ServerView Deployment Managerとの共存」を参照してください。
予備サーバの設定(バックアップ・リストア方式またはHBA address rename方式)
HBA address renameの設定