ここでは、管理LANサブネットの登録について説明します。
管理LANサブネットを登録することで、管理LANと異なるサブネットに属する管理対象サーバを管理できます。
以下の手順で、管理LANサブネットを登録します。
RORコンソールのメニューで[設定]-[管理LANサブネット]を選択します。
[管理LANサブネット]ダイアログが表示されます。
[登録]ボタンをクリックします。
[管理LANサブネットの登録]ダイアログが表示されます。
以下の項目を設定します。
登録するサブネット名を設定します。
先頭文字を英字とし、半角英数字、アンダースコア("_")、ハイフン("-")およびピリオド(".")で構成された16文字以内の文字列を入力します。
管理LANとして使用するサブネットのネットワークアドレスを設定します。
ネットワークアドレスとして有効な値を入力します。
サブネットマスクとして有効な値を設定します。
管理サーバの管理LANと通信するためのゲートウェイを設定します。
[OK]ボタンをクリックします。
参考
初めて管理LANサブネットを登録した場合、本製品の簡易DHCPサービスをOS標準のDHCPサービスに変更します。
また、本製品でOS標準のDHCPサービスを専有します。
ただし、ISM連携の登録時にDHCPサーバのIPアドレスを指定している場合、指定したDHCPサーバが優先されます。
注意
管理LANと異なるサブネットに属する管理対象サーバと管理サーバが通信できるように、管理LANサブネットごとにネットワークの設定が必要です。
ネットワークの設定については、「設計ガイド CE」の「第9章 ネットワーク環境の決定と設定」を参照してください。
初めて管理LANサブネットを登録する際に、マネージャーをクラスタで運用している場合、「マネージャーをクラスタで運用している場合の設定」を行ってください。
管理サーバと異なるサブネットに属する管理対象サーバを管理する場合、OS標準のDHCPサーバの導入が必要です。
詳細は、「導入ガイド CE」の「2.1.1.2 ソフトウェアの準備と確認」または「2.1.2.2 ソフトウェアの準備と確認」を参照してください。
ただし、ISM連携の登録時にDHCPサーバのIPアドレスを指定している場合、DHCPサーバの導入作業は必要ありません。
マネージャーをクラスタで運用している場合の設定
以下の設定は、初めて管理LANサブネットを登録する場合だけ必要です。
【Windowsマネージャー】
参考
すでに管理LANサブネットを登録している環境にクラスタシステムを導入する場合、手順5.~10.と、手順13.を行ってください。
共有ディスクをプライマリーノードに割り当てます。
フェールオーバー クラスタ管理ツリーの[サービスとアプリケーション]-[RC-manager]を右クリックし、表示されたメニューで[このサービスまたはアプリケーションを別のノードに移動(O)]-[1 - ノード ノード名 に移動]を選択します。
ノード名には、プライマリーノードの名前が表示されます。
マネージャー用の"サービスまたはアプリケーション"の以下のサービスからレジストリーのレプリケーションを削除します。
以下の表に従ってリソースのレジストリーのレプリケーションを削除します。
x64の場合
削除対象のリソース | レジストリーキー |
---|---|
Deployment Service | [HKEY_LOCAL_MACHINE\]SOFTWARE\Wow6432Node\Fujitsu\SystemcastWizard\ResourceDepot |
[HKEY_LOCAL_MACHINE\]SOFTWARE\Wow6432Node\Fujitsu\SystemcastWizard\DatabaseBroker\Default | |
PXE Services | [HKEY_LOCAL_MACHINE\]SOFTWARE\Wow6432Node\Fujitsu\SystemcastWizard\DHCP |
[HKEY_LOCAL_MACHINE\]SOFTWARE\Wow6432Node\Fujitsu\SystemcastWizard\PXE\ClientBoot\ |
x86の場合
削除対象のリソース | レジストリーキー |
---|---|
Deployment Service | [HKEY_LOCAL_MACHINE\]SOFTWARE\Fujitsu\SystemcastWizard\ResourceDepot |
[HKEY_LOCAL_MACHINE\]SOFTWARE\Fujitsu\SystemcastWizard\DatabaseBroker\Default | |
PXE Services | [HKEY_LOCAL_MACHINE\]SOFTWARE\Fujitsu\SystemcastWizard\DHCP |
[HKEY_LOCAL_MACHINE\]SOFTWARE\Fujitsu\SystemcastWizard\PXE\ClientBoot\ |
上記のリソースごとに、以下の手順を行います。
[フェールオーバー クラスタ管理]画面の画面中央に表示される[RC-manager の概要]の[その他のリソース]の対象リソースを右クリックし、表示されたメニューで[プロパティ(R)]を選択します。
[対象リソースのプロパティ]画面が表示されます。
[レジストリのレプリケーション]タブに表示される[ルート レジストリ キー]から、上記のレジストリーキーを選択し、[削除(R)]ボタンをクリックします。
[ルート レジストリ キー]からレジストリーキーが削除されます。
2つ目のレジストリーキーを削除する場合、手順b.を繰り返します。
[適用(A)]ボタンをクリックします。
設定が適用されます。
[OK]ボタンをクリックし、ダイアログを閉じます。
マネージャー用の"サービスまたはアプリケーション"の以下のサービスをオフラインにします。
Deployment Service
TFTP Service
PXE Services
管理LANサブネットを登録します。
プライマリーノードで、マネージャーの共有ディスクをオンラインに、その他のクラスタリソースはすべてオフラインにします。
Windowsのコントロール パネルで[管理ツール]から[サービス]を開き、[サービス]画面で、DHCP Serverサービスのスタートアップの種類を"手動"に設定します。
[サービス]画面で、DHCP Serverサービスを停止します。
エクスプローラで、プライマリーノードのローカルディスクにある以下のフォルダーを共有ディスクのフォルダー配下にコピーします。
ローカルディスク(コピー元) | 共有ディスク(コピー先) |
---|---|
%SystemRoot%\System32\dhcp | ドライブ名:\Fujitsu\ROR\SVROR\dhcp |
例
CドライブにOSがインストールされている場合、%SystemRoot%はC:\Windowsになります。
共有ディスクにコピーしたDHCP Server用のフォルダーのアクセス権を設定します。プライマリーノードのコマンド プロンプトで以下のコマンドを実行します。
>cacls ドライブ名: \Fujitsu\ROR\SVROR\dhcp /T /P "NT AUTHORITY\SYSTEM:F" "BUILTIN\Administrators:F" "NT SERVICE\DHCPServer:F" <RETURN> |
マネージャー用の"サービスまたはアプリケーション"にDHCP Serverを追加します。
[サービスとアプリケーション]-[RC-manager]を右クリックし、表示されたメニューで[リソースの追加(E)]-[その他のリソース(M)]-[1 - DHCP サービス の追加]を選択します。
画面中央の[RC-manager の概要]の[DHCP サービス]に[新規 DHCP サービス]が作成されます。
[新規 DHCP サービス]を右クリックし、表示されたメニューで[プロパティ(R)]を選択します。
[新規 DHCP サービスのプロパティ]画面が表示されます。
[全般]タブの[リソース名(N)]を変更し、以下の表に従ってパスを設定します。
項目 | 設定する値 |
---|---|
データベースのパス | ドライブ名:\Fujitsu\ROR\SVROR\dhcp\ |
監査ファイルのパス | ドライブ名:\Fujitsu\ROR\SVROR\dhcp\ |
パックアップパス | ドライブ名:\Fujitsu\ROR\SVROR\dhcp\backup\ |
設定後、[適用(A)]ボタンをクリックします。
以降、[リソース名(N)]を"DHCP Server"と設定したものとして説明します。
[依存関係]タブの"リソース"に以下の名前を選択し、"AND/OR"にANDを選択します。
共有ディスク
ネットワーク名
管理LANの'IPアドレス'
[適用(A)]ボタンをクリックします。
[OK]ボタンをクリックします。
マネージャー用の"サービスまたはアプリケーション"の以下のサービスからレジストリーのレプリケーションを設定します。
手順2.の表に従ってリソースのレジストリーのレプリケーションを設定します。
リソースごとに、以下の手順を行います。
[フェールオーバー クラスタ管理]画面の画面中央に表示される[RC-manager の概要]の[その他のリソース]の対象リソースを右クリックし、表示されたメニューで[プロパティ(R)]を選択します。
[対象リソースのプロパティ]画面が表示されます。
[レジストリのレプリケーション]タブの[追加(D)]ボタンをクリックします。
[レジストリ キー]画面が表示されます。
[ルート レジストリ キー(R)]に上記のレジストリーキーを設定します。
[OK]ボタンをクリックします。
2つ目のレジストリーキーを設定する場合、手順b.~d.を繰り返します。
レジストリーキーの設定が終わったら、[適用(A)]ボタンをクリックします。
[OK]ボタンをクリックし、ダイアログを閉じます。
マネージャー用の"サービスまたはアプリケーション"配下のリソースの依存関係を設定します。
以下の表に従ってリソースの依存関係を設定します。
すでに設定されているリソースがある場合、[AND/OR]にANDを選択し、依存するリソースを追加してください。
設定対象のリソース | 依存するリソース |
---|---|
PXE Services | DHCP Server |
マネージャーを起動します。
フェールオーバー クラスタ管理ツリーの[サービスとアプリケーション]-[RC-manager]を右クリックし、表示されたメニューで[このサービスまたはアプリケーションをオンラインにする(B)]を選択します。
【Linuxマネージャー】
参考
すでに管理LANサブネットを登録している環境にクラスタシステムを導入する場合、通常のクラスタシステムの導入手順に加え、手順1.~2.と手順4.~手順11.を行ってください。
その際、現在動作しているマネージャーを、クラスタシステムのプライマリノードとして設定してください。
クラスタアプリケーションを停止します。
クラスタシステムの運用管理ビュー(Cluster Admin)を使用して、クラスタアプリケーションを停止します。
共用ディスクをマウントします。(プライマリノード)
マネージャー用の共用ディスクをプライマリノードにマウントします。
DHCPサーバが自動起動しないように設定します。(プライマリノード/セカンダリノード)
マネージャーで以下のコマンドを実行し、DHCPサーバのサービス(dhcpd)の自動起動をOFFに設定します。
# chkconfig dhcpd off <RETURN> |
動的ディスクのファイルをコピーします。(プライマリノード)
プライマリノードのローカルディスクのファイルとディレクトリを、マネージャー用の共用ディスクにコピーします。
以下のコマンドを実行します。
# tar cf - コピー元 | tar xf - -C 共用ディスクのマウント先/Fujitsu/ROR/SVROR <RETURN> |
コピーするファイルとディレクトリ
- /etc/dhcpd.conf (注1)
- /etc/dhcp/dhcpd.conf (注2)
- /var/lib/dhcpd
注1) Red Hat Enterprise Linux 5 の場合
注2) Red Hat Enterprise Linux 6 の場合
コピーしたあと、以下のコマンドを実行し、コピー元のファイル名を変更します。
変更先ファイル名には、必ず"変更元ファイル名_old"の名前を指定してください。
# mv -i 変更元ファイル名 変更先ファイル名 <RETURN> |
共用ディスクへシンボリックリンクを作成します。(プライマリノード)
プライマリノードのローカルディスク上のファイルとディレクトリから、共用ディスク上のファイルとディレクトリに対するシンボリックリンクを設定します。
以下のコマンドを実行します。
# ln -s 共用ディスク ローカルディスク <RETURN> |
共用ディスク | ローカルディスク |
---|---|
共用ディスクのマウント先/Fujitsu/ROR/SVROR/etc/dhcpd.conf (注1) | /etc/dhcpd.conf |
共用ディスクのマウント先/Fujitsu/ROR/SVROR/etc/dhcp/dhcpd.conf (注2) | /etc/dhcp/dhcpd.conf |
共用ディスクのマウント先/Fujitsu/ROR/SVROR/var/lib/dhcpd | /var/lib/dhcpd |
注1) Red Hat Enterprise Linux 5 の場合
注2) Red Hat Enterprise Linux 6 の場合
DHCPサービスの設定を変更します。(プライマリノード)
以下のファイルを変更し、引継ぎ論理IPアドレスをDHCPサーバに設定します。
Red Hat Enterprise Linux 5の場合
/etc/dhcpd.conf
Red Hat Enterprise Linux 6の場合
/etc/dhcp/dhcpd.conf
以下の行を追加し、引継ぎ論理IPアドレスを設定してください。
option dhcp-server-identifier 引継ぎ論理IPアドレス; |
例
引継ぎ論理IPアドレスが192.168.4.100の場合
# |
共用ディスクをアンマウントします。(プライマリノード)
マネージャー用の共用ディスクをプライマリノードからアンマウントします。
共用ディスクをマウントします。(セカンダリノード)
マネージャー用の共用ディスクをセカンダリノードにマウントします。
ファイルの退避、および共用ディスクへのシンボリックリンクを作成します。(セカンダリノード)
手順4.の手順b.を行い、ローカルディスク上のファイルを退避します。
手順5.を行い、共用ディスクへのシンボリックリンクを作成します
共用ディスクをアンマウントします。(セカンダリノード)
マネージャー用の共用ディスクをセカンダリノードからアンマウントします。
クラスタアプリケーションを起動します。
クラスタシステムの運用管理ビュー(Cluster Admin)を使用してマネージャーのクラスタサービス(クラスタアプリケーション)を開始します。
管理LANサブネットを登録します。