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Symfoware Server V12.7.0 データベース二重化導入運用ガイド
FUJITSU Software

7.1.1 縮退運用

DBミラーリングシステムでは、正系ノードでデータベースサーバやデータベースの異常が発生した場合、副系ノードを正系ノードに切り替えて縮退運用を開始します。Mirroring Controllerを利用している場合は、利用者が異常発生によるノード切替えを意識することなく、利用者業務を継続することが可能です。

異常が発生したノードをリカバリした後、ノード組込みを実施することにより副系ノードとして組み込まれ、副系ノードの利用者業務も再開可能になります。

正系ノードでデータベースサーバやデータベースの異常が発生した場合に、副系ノードから正系ノードへ切替える方法として、以下の方法があります。

縮退運用開始の流れを以下に示します。

縮退運用開始の流れ

注意

  • 正系ノードでの異常によりノード切替えが発生してからノード組込みが行われるまでは、データベースは二重化構成ではありません。なるべく早急に異常原因を取り除き、ノード組込みを行ってください。

  • 正系ノードに異常が発生したとき、副系ノードで参照系の利用者業務を行っていた場合は、その業務を一時停止し、ノード組込み後に新しい副系ノードで利用者業務を再開することを推奨します。
    ノード切替え後、新しい正系ノードで更新系の利用者業務と参照系の利用者業務を同時に実施する場合は、サーバリソースなどの見積りや性能への影響を十分考慮してください。

  • ネットワーク異常などでRERUNログが正系ノードから副系ノードに転送されていない蓄積状態の場合があります。データの蓄積状態が解消されるまでの間、ノード切替えは行えません。

  • ノードの切替え時にスプリットブレインが発生している場合は、以下のメッセージが出力されます。スプリットブレイン発生時の運用を行ってください。

    qdg20422w:両ノードでスプリットブレインが発生しています RLP名='RLP名'

参照

7.1.1.1 ノード切替えの契機

DBミラーリングシステムでは、利用者判断により副系ノードを正系ノードに切り替えて縮退運用を開始します。
出力されたメッセージを参照して、切替えを行うかを利用者が判断してください。

Mirroring Controllerを利用している場合は、DBミラーリングシステムが、Symfoware/RDBの異常を監視できます。異常発生を検知した場合に自動的に副系ノードを正系ノードに切り替えて、縮退運用を開始することが可能です。
DBミラーリング動作環境ファイルで定義された、システム異常の監視方法の設定により、正系ノードでの異常発生時に、DBミラーリングシステムが自動的にノード切替えを行うか、またはメッセージを出力して利用者判断によりノード切替えを行うかを選択することができます。

注意

  • OSのダウン、ノードのダウンの場合は、ノード切替えを行ってください。

  • Mirroring Controllerを利用している場合で、Symfoware/RDBがシステムダウンしたときは、利用者判断によるノード切替えを行う必要はありません。

ポイント

DBミラーリングシステムによる監視以外にも、利用者による独自の監視を行い、異常発生時にはノード切替えを行うことができます。

参照

7.1.1.2 強制ノード切替えによるノード切替え

DBミラーリングシステムでは、業務の優先度を確認した後、利用者判断での強制ノード切替えの実行によりノードを切り替えて縮退運用を開始することが可能です。

注意

正系ノードでの更新系の利用者業務と、副系ノードでの参照系の利用者業務を同時に実施する場合は、ノード切替えを行う前に、副系ノードの参照系の利用者業務を停止することを推奨します。ノード切替え後の正系(または昇格正系)ノードで参照系の利用者業務を実施する場合、更新系の利用者業務への性能的な影響を十分考慮してください。

以下に、強制ノード切替えによるノード切替えの流れを示します。

強制ノード切替えによるノード切替えの流れ

注意

データの蓄積状態が解消されるまでの間は、ノード切替えは行えません。

参照

7.1.1.3 DBミラーリングシステムによる自動ノード切替え

Mirroring Controllerを利用している場合、DBミラーリングシステムの監視対象に異常の発生を検知したとき、または、利用者判断によるSymfoware/RDBの強制停止を実行したとき、DBミラーリングシステムが自動でノードを切り替えて、縮退運用を開始することができます。

監視対象の異常を検知したとき自動ノード切替え

DBミラーリングシステムの監視対象に異常が発生したとき、DBミラーリングシステムが自動で副系ノードを正系ノードに切り替えて、縮退運用を開始することができます。

以下に監視対象の異常検知による自動ノード切替えの流れを示します。

監視対象の異常を検知したときの自動ノード切替えの流れ

注意

  • データベースの無応答や閉塞をDBミラーリングシステムによる自動ノード切替えの対象にするためには、DBミラーリング動作環境ファイルの設定が必要です。

  • 正系ノードでの更新系の利用者業務と、副系ノードでの参照系の利用者業務を同時に実施する場合は、自動ノード切替えの後、更新系と参照系の利用者業務が同一ノードに集中します。そのため、更新系の利用者業務への性能的な影響を十分考慮してください。例えば、ノード切替えを検知すると参照系の利用者業務を停止させるなど、運用方法を検討してください。

ポイント

正系ノードで異常が発生すると、DBミラーリングシステムが自動でノードを切り替えて利用者業務は継続されます。
このため、Connection Manager経由で実行している正系ノードの利用者業務は、異常となったトランザクションを再実行するだけで継続可能です。

参照

Symfoware/RDBの強制停止を実行したときの自動ノード切替え

利用者判断により正系ノードでのSymfoware/RDBの強制停止の実行を契機に、DBミラーリングシステムが自動で副系ノードを正系ノードに切り替えて、縮退運用を開始することができます。

以下にSymfoware/RDBの強制停止による自動ノード切替えの流れを示します。

Symfoware/RDBの強制停止を実行したときの自動ノード切替えの流れ

注意

データの蓄積状態が解消されるまでの間は、ノード切替えは行えません。

参照