利用者プログラムが更新したデータが、相手サーバまたは自サーバに反映されない事象に対する調査方法と対処方法を説明します。
以下のフローに従って状態を確認してください。
図5.2 データが正しく反映されない場合
判定条件
レプリケーションマネージャを使用または詳細メッセージ情報ファイルを参照して、同期の実行状況を確認してください。
データが反映されなかったデータファイルに該当するマスタグループ定義およびレプリカグループ定義を特定してください。
レプリケーションマネージャのツリービューで、該当するサーバの"スケジュール"を選択してください。
マスタ側またはレプリカ側で同期を起動した方の"スケジュール"を選択してください。たとえば、スケジュールをマスタグループ定義に設定して、スケジュール実行した場合、マスタ側のサーバの"スケジュール"を選択してください。
リストビューウィンドウで該当するレプリケーショングループの[結果]を参照して、同期の実行結果を確認できます。
表示されている情報の取得時刻がステータスバーに表示されます。表示情報が古い場合、メニューから「最新情報を取得」を実行し、最新の情報を取得してください。
リストビューウィンドウの[結果] | 同期実行結果 |
---|---|
正常に完了しました | 正常(開始時刻を確認) |
失敗しました 詳細コード(XXXXX) | 失敗 |
未実施 | 未実施 |
Windowsの管理ツール(サービス)およびレプリケーションマネージャを使用して、スケジュールの状態を確認してください。
Windowsの管理ツール(サービス)を使用して、自動ジョブサービス「PowerReplication ATJS」の開始状態を確認してください。
スケジュール定義を作成したサーバで、自動ジョブサービス「PowerReplication ATJS」の開始状態を確認してください。
レプリケーションマネージャのツリービューで、該当するサーバの"スケジュール"を選択してください。
レプリケーションマネージャのリストビューウィンドウで該当するレプリケーショングループの[状態]を参照して、スケジュールの状態を確認できます。
リストビューウィンドウの[状態] | スケジュールの状態 |
---|---|
未設定 | 未設定 |
実行待ち | 開始 |
停止 | 停止 |
差分同期の実行でデータが反映されない場合、レプリケーションマネージャを使用して、更新情報の取得状態を確認してください。
一括同期を実行した場合、(8)禁止事項の操作有無を確認してください。
レプリケーションマネージャのツリービューで、"マスタグループ"または"レプリカグループ"を選択してください。
リストビューウィンドウで該当するレプリケーショングループの[マスタグループ名]または[レプリカグループ名]のアイコンを参照して、更新情報の取得状態を確認できます。
リストビューウィンドウのアイコン | 更新情報の取得状態 |
---|---|
開始 | |
| 停止 |
| 定義不整合 |
レプリケーショングループに設定した運用形態に応じて、以下のアイコンを参照してください。
運用形態 | 参照するアイコン |
---|---|
配布 | マスタグループ定義のアイコン |
集約 | レプリカグループ定義のアイコン |
共用 | マスタグループ定義およびレプリカグループ定義のアイコン |
定義不整合の場合は、マスタ定義およびレプリカ定義のアイコンも確認してください。
使用するDBMSのユーティリティまたはレプリケーションマネージャを使用して、更新情報ファイルの最大使用量を確認してください。
更新情報ファイルの最大使用量を確認する方法は、"4.3.1 問題発生の予兆を検知する"を参照してください。
差分同期の実行でデータが反映されない場合、詳細メッセージ情報ファイルを参照して、競合の発生を確認してください。
一括同期を実行した場合、(8)禁止事項の操作有無を確認してください。
詳細メッセージ情報ファイルの詳細は、"F.1 競合検出時の詳細情報出力"を参照してください。
詳細メッセージ情報ファイルを参照して、文字コードの変換エラーの発生を確認してください。
詳細メッセージ情報ファイルの詳細は、"F.4 文字コード変換エラー時の詳細情報出力"を参照してください。
詳細メッセージ情報ファイルを参照して、更新情報の取得を停止した履歴を確認してください。
更新情報の取得を停止した履歴の確認方法は、"F.5 監査ログ情報の出力"を参照してください。
"4.4 禁止事項"を参照して、禁止されている操作を実行していないかを確認してください。
処置
"付録A メッセージ"を参照し対処してください。
レプリケーションの構成定義を再作成してください。
レプリケーションの構成定義を作成後、対象のデータファイルの構造を変更または再作成したため、定義不整合が発生しています。
レプリケーションの構成定義を再作成して復旧してください。
レプリケーションの構成定義を再作成する方法は、"3.6.1 利用者プログラムの運用環境を変更する"を参照してください。
更新情報ファイルを拡張してください。
更新情報ファイルのサイズが不足しています。
更新情報ファイルのサイズを再度見積もり、更新情報ファイルを拡張してください。
更新情報ファイルの拡張方法は、"3.6.1 利用者プログラムの運用環境を変更する"を参照してください。
スケジュールの実行を再開してください。
スケジュールが停止しているため、同期が実行されていません。
スケジュールの実行を開始してください。
自動ジョブサービスを開始
Windowsの管理ツール(サービス)を使用して、「PowerReplication ATJS」を開始してください。
スケジュールを開始
レプリケーションマネージャを使用して、スケジュール定義を「開始」の状態にしてください。
スケジュール定義の操作方法は、"6.1.10 スケジュール定義画面"を参照してください。
一括同期を実行し復旧してください。
該当するレプリケーショングループの同期方式が「差分方式」の場合、データベース間の整合性が保てない状態となっているため、レプリケーションマネージャまたはrpsyncコマンドを使用し、一括同期を実行して復旧することが必要です。
レプリケーションマネージャを使用して、一括同期を実行する方法は、"6.1.3 レプリケーションマネージャの画面操作"を参照してください。
rpsyncコマンドを使用して、一括同期を実行する方法は、"7.2 同期実行コマンド"を参照してください。
運用、設計を点検してください。
利用者プログラムやレプリケーションの運用方法に誤りがあり、データベース間の整合性が保てない運用環境です。
以下を参照して、利用者プログラムやレプリケーションの設計および運用方法を点検し復旧してください。
Oracleを使用する場合:"3.3 導入する(Oracleを使用する場合)"
SQL Serverを使用する場合:"3.4 導入する(SQL Serverを使用する場合)"