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PowerReplication V4.0L11 PowerReplicationユーザーズガイド V4.0

3.6.1 利用者プログラムの運用環境を変更する

ここでは、利用者プログラムの運用方法や動作環境を変更する場合、レプリケーションの構成定義を変更する作業手順を説明します。


運用環境変更の基本的な作業手順

業務を終了してからレプリケーションの環境を変更して業務を再開するまでを、以下の手順で行ってください。
手順を誤ると、レプリケーションの運用でエラーが発生、またはデータベース間で整合性が保たれない状態となる場合があります。


図3.94 運用環境を変更する基本的な作業手順


変更の対象となるマスタグループ定義またはレプリカグループ定義に対して、以下の操作を行ってください。


  1. 業務終了

    同期対象のデータファイルを操作する業務を終了し、同期対象のデータファイルをオープンしないようにしてください。
    連携する相手サーバにおいても、更新情報ファイルの枯渇を防止するため、業務を終了することを推奨します。


  2. スケジュール停止

    同期を実行するスケジュールを停止するため、スケジュールを設定しているサーバのサービス「PowerReplication ATJS」を停止してください。なお、サービス「PowerReplication」は停止しないでください。
    ASP(PRIMERGY 6000)側にスケジュールを設定している場合、STPAJTSコマンドを使用してスケジュールを停止してください。


  3. 手動で同期実行

    レプリケーションマネージャを使用し、定義情報に従って同期を実行してください。このとき、レプリケーショングループを関連づけているマスタグループ定義を選択して同期を実行してください。


  4. 更新情報取得の停止

    レプリケーションマネージャを使用し、差分同期を行うマスタグループ定義およびレプリカグループ定義の更新情報の取得を停止してください。


  5. 環境の変更

    レプリケーションの構成定義を変更してください。
    構成定義の変更方法は、本節の以下の説明を参照してください。


    "データ量を増やす"
    "データファイルの構造を変更する(レプリケーションの構成定義を変更する)"
    "データファイルを削除する(レプリケーションの構成定義を削除する)"
    "スケジュールを変更する"
    "利用者プログラムを変更、追加する"


  6. 一括同期の実行

    連携するデータベース間で、データが一致していない場合(「3.手動で同期実行」を行った後、データファイルを更新した場合)、一括同期を実行してください。


  7. 更新情報取得の開始

    一括同期を実行して正常終了すると、更新情報の取得は開始されます。更新情報の取得が開始されていることを確認してください。


    レプリケーションマネージャまたはrpdspdifコマンドを使用して、更新情報の取得状態を確認できます。
    レプリケーションマネージャを使用した確認方法は、"6.1.3 レプリケーションマネージャの画面操作"を参照してください。
    rpdspdifコマンドを使用した確認方法は、"付録G 更新情報取得状態の表示内容"を参照してください。


  8. スケジュールの開始

    スケジュールを設定しているサーバのサービス「PowerReplication ATJS」を開始してください。
    ASP(PRIMERGY 6000)側にスケジュールを設定している場合、STRAJTSコマンドを使用してスケジュールを開始してください。


  9. 動作検証

    レプリケーションの運用を動作検証してください。
    動作検証を行う手順は、以下を参照してください。


    Oracleを使用する場合:"3.3.4 レプリケーションの運用を動作検証する"

    SQL Serverを使用する場合:"3.4.4 レプリケーションの運用を動作検証する"


  10. 業務再開

    業務を再開します。


サービス「PowerReplication ATJS」の停止方法は、"4.2.2 PowerReplicationのサービスを停止する"を、開始方法は、"4.1.2 PowerReplicationのサービスを開始する"を参照してください。
レプリケーションマネージャを使用した同期の実行方法および更新情報取得の停止/開始方法は、"6.1.3 レプリケーションマネージャの画面操作"を参照してください。
STPATJSコマンドおよびSTRATJSコマンドの詳細は、「ASP システムコマンド集」を参照してください。


データ量を増やす

同期対象のデータファイルに格納するデータ量、または利用者プログラムなどから更新するデータ量が増える場合、レプリケーションの資源量の再見積りが必要です。
"運用環境変更の基本的な作業手順"を確認の上、以下の作業を行ってください。


データファイルの構造を変更する(レプリケーションの構成定義を変更する)

同期対象のデータファイルの項目属性や項目を変更する場合、またはデータファイルを再作成する場合、レプリケーションの構成定義の再作成が必要です。
また、データファイルの構造変更による利用者プログラムへの影響を確認してください。
データファイルの構造変更に伴って、利用者プログラムを修正する場合、必要に応じてレプリケーションの設計を見直してください。
"運用環境変更の基本的な作業手順"を確認の上、以下の作業を行ってください。



レプリケーションの構成定義を作成後、同期対象のデータファイルの構造を変更すると、レプリケーションの構成定義の内容が一致しない状態となります。このような状態を「定義不整合」といいます。
定義不整合が発生すると、PowerReplicationの各機能の実行で予期せぬエラーが発生する場合があります。定義不整合の発生は、同期実行時にイベントビューア(アプリケーションログ)に通知される場合があります。


データファイルを削除する(レプリケーションの構成定義を削除する)

不要になったデータファイルを削除する場合、"運用環境変更の基本的な作業手順"を確認の上、以下の手順で削除してください。


  1. レプリケーションの構成定義を削除

    レプリケーションマネージャを使用して、以下の順序で削除してください。

    1. スケジュール定義を削除

    2. レプリカグループ定義を削除

    3. マスタグループ定義を削除


  2. データファイルを削除

    DBMSのユーティリティを使用して、データファイルを削除してください。



削除する手順を誤ると、定義不整合の状態となり、PowerReplicationの各機能で予期せぬエラーが発生する場合があります。


スケジュールを変更する

スケジュール機能を使用した同期実行のスケジュールを変更する場合、"運用環境変更の基本的な作業手順"を確認の上、スケジュールを変更してください。


利用者プログラムを変更、追加する

同期対象のデータファイルを操作する利用者プログラムを変更または追加する場合、"運用環境変更の基本的な作業手順"を確認の上、利用者プログラムの変更、追加を行ってください。