ここでは、レプリケーションの動作環境や運用方法が設計どおりに構築されているかの確認方法を説明します。
動作検証は、以下の手順で行ってください。
図3.56 動作検証作業の流れ
初回の同期を行って関連づけたデータファイルの内容を一致させてください。
マスタとレプリカのデータベース間で整合性が確保できた状態から運用を開始することが必要です。マスタグループから初回の同期を実行してください。
初回の同期は、レプリケーションマネージャまたはrpsyncコマンドを使用し、一括方式の同期を実行してください。処理モードは、「創成」または「置換」のいずれかを指定してください。
処理モードの選択は、"表3.5 処理モードの選択基準例"を参照してください。
初回の同期実行の結果をイベントビューア(アプリケーションログ)、詳細メッセージ情報ファイル、またはrpsyncコマンドのメッセージから正常に完了していることを確認してください。
レプリケーションマネージャの操作方法は、"6.1.3 レプリケーションマネージャの画面操作"を、rpsyncコマンドの操作方法は、"7.2 同期実行コマンド"を参照してください。
レプリケーションの動作を検証するため、業務の運用を試行してください。
"運用方法を設計する"で設計した運用を試行してください。
事前にスケジュールを開始してから試行してください。
スケジュールの開始方法は、"4.1.2 PowerReplicationのサービスを開始する"を参照してください。
運用の試行中および完了後に、PowerReplicationの動作を確認してください。
エラーと警告の発生を確認する
イベントビューア(アプリケーションログ)または詳細メッセージ情報ファイルを使用して、エラーおよび警告(競合)の発生を確認してください。
イベントビューア(アプリケーションログ)の参照方法は、"4.3.2 問題発生を確認する"を参照してください。
詳細メッセージ情報ファイルの詳細は、"付録F 詳細メッセージ情報ファイルの出力形式"を参照してください。
更新情報の使用量を確認する
Oracleのユーティリティ(Enterprise Manager Database Controlなど)を使用して、更新情報を格納した表領域の使用量を確認してください。
表領域の使用量の確認方法は、"4.3.1 問題発生の予兆を検知する"を参照してください。
利用者プログラムの応答時間を確認する
差分同期を使用してレプリケーションの環境を構築する場合、同期が実行されている状態でも、利用者プログラムの応答時間が業務の運用で問題ないかを確認してください。
スケジュールの運用を確認する
詳細メッセージ情報ファイルの内容を参照して、設定したスケジュールどおりに同期が実行され、次の同期が実行される前に完了していることを確認してください。
同期対象のレプリケーショングループの同期が実行された開始時刻と終了時刻で確認できます。
連携する相手サーバでも、同様の確認を行ってください。
"システム異常発生時の復旧手順を設計する"で設計した復旧手順を実施して、復旧作業が円滑に行えることを確認してください。
"PowerReplicationの動作確認"で不具合が検出され、設計や環境構築の誤りが判明した場合、"3.3.1 運用環境を調査する"と"3.3.2 レプリケーションの環境を設計する"を再度参照し、設計を見直してください。
見直しによって、動作環境を変更する場合、"3.6.1 利用者プログラムの運用環境を変更する"を参照して行ってください。
WindowsやDBMSの誤動作、ハード障害などによって動作環境が破壊された場合に備えて、正常に動作確認できたPowerReplicationの動作環境を退避してください。
PowerReplicationの動作環境は、以下の手順で退避してください。
構成定義の移出
構成定義の移出入機能を使用し、構成定義の内容を移出します。
これにより、レプリケーショングループの単位で構成定義を復旧することが可能となります。
PowerReplicationの運用を停止
PowerReplicationの運用を停止する方法は、"4.2 PowerReplicationの運用を停止する"を参照してください。
rpsavdefコマンドを使用して動作環境を退避
rpsavdefコマンドの詳細は、"7.7 動作環境情報/構成情報の退避コマンド"を参照してください。
rpsavdefコマンドは、PowerReplicationの動作環境をファイルに出力します。このファイルはできるだけ外部媒体に保存してください。
同期対象のデータファイルを退避
rpsavdefコマンドで退避したPowerReplicationの動作環境の復元には、退避時の同期対象のデータファイルが必要です。同期対象のデータファイルを退避してください。
データファイルの退避方法は、Oracleのオンラインマニュアルを参照してください。
連携する相手サーバの動作環境を退避
連携する相手サーバでも、上記と同様の手順でPowerReplicationの動作環境を退避してください。
相手サーバでSymfoware6000を使用している場合、"ASP レプリケーションサービス説明書"を参照して「ASP レプリケーションサービス」の動作環境を退避してください。
退避したPowerReplicationの動作環境を復元する場合、rprstdefコマンドを使用してください。
復元するPowerReplicationの動作環境と同期対象のデータファイルの構成が一致するように、事前に同期対象のデータファイルを復元してから動作環境を復元してください。
rprstdefコマンドの詳細は、"7.8 動作環境情報/構成情報の復元コマンド"を参照してください。
rpsavdefコマンドで退避したPowerReplicationの動作環境は、退避したサーバにのみ復元できます。他のサーバに復元できません。