レプリケーションの運用を安全に稼動するため、レプリケーションの環境を構築したサーバで禁止している操作を説明します。
動作環境の変更に関する禁止事項
レプリケーションの動作環境を変更する手順を誤ると、PowerReplicationの各機能の実行で予期せぬエラーが発生する場合があります。
動作環境を変更する場合、"3.6.1 利用者プログラムの運用環境を変更する"を参照し変更してください。
以下の操作を行った場合、レプリケーションの構成定義の再作成が必要です。
運用中に構成定義を変更
レプリケーションマネージャおよび構成定義の移出入機能を同時に2つ以上実行しないでください。また、同期を実行中にこれらの機能を使用しないでください。
レプリケーションマネージャ、構成定義の移出入機能およびレプリケーションサービス(同期実行)は、レプリケーションの資源を排他獲得します。これらの機能を同時に実行すると、排他獲得が解除できない状態となる場合があります。
次の状態を確認して、レプリケーションマネージャまたは構成定義の移出入機能を使用してください。
自サーバおよび関連するサーバで定義変更を行っていない
同期対象のデータファイルがアクセス中でない
対象グループの同期が実行されていない
なお、レプリケーションマネージャで状態を参照することは同期実行中でも可能です。
同期対象のデータファイルを削除
同期対象のデータファイルを削除しないでください。
同期対象のデータファイルの構造を変更
同期対象のデータファイルの構造を変更しないでください。
レプリケーションの機能を使用中に動作環境の設定を変更、初期化
レプリケーションの機能を使用中に、レプリケーション動作環境の設定やレプリケーションマネージャ動作環境の設定を変更しないでください。また、rpclrdefコマンドを実行しないでください。
構成定義の操作中にシステムを強制停止
レプリケーションの構成定義を変更または削除中に、シャットダウンや電源断など、システムを強制停止しないでください。
システムを強制停止した場合、"3.6.4 PowerReplicationの動作環境を復元する"を参照し対処してください。このような場合に備えて、PowerReplicationの動作環境を退避しておくことが必要です。退避方法は、以下を参照してください。
Oracleを使用する場合:"3.3.4 レプリケーションの運用を動作検証する"の"動作環境の退避"
SQL Serverを使用する場合:"3.4.4 レプリケーションの運用を動作検証する"の"動作環境の退避"
運用方法に関する禁止事項
レプリケーションの運用方法を誤ると、データベース間の整合性が保てなくなる場合があります。
運用方法を誤らないように、事前に調査、設計を行ってください。
以下の操作を行った場合、"5.2.1 自サーバでシステム異常が発生した場合"を参照し対処してください。
ネットワークを切断、停止
PowerReplicationの機能を使用中に、ネットワークを切断しないでください。また、DNSサーバを停止しなでください。
DBMSのサービスを停止
PowerReplicationの機能を使用中に、DBMSのサービスを停止しないでください。
DBMSのサービスを停止した場合、PowerReplicationの動作は保証されません。
データベースを復元
同期対象のデータファイルおよび更新情報を格納するデータベースを復元しないでください。
バックアップ運用を行う場合、同期対象のデータファイルおよび更新情報を格納するデータベースを除外してください。
同期実行中に電源を強制的に切断
同期実行中に電源を強制的に切断しないでください。
レプリケーション専用ユーザを削除、変更
レプリケーションの動作環境に設定したレプリケーション専用ユーザの削除やユーザに定義した各設定の変更をしないでください。
レプリケーション専用ユーザのパスワード有効期限
レプリケーション専用ユーザにパスワードの有効期限を設定しないでください。有効期限を設定する場合は、有効期限を過ぎる前にパスワードを変更するように運用してください。
差分同期を使用してレプリケーションの環境を構築した場合、上記の操作に加え、以下の操作を行うと、データベース間の整合性が保てなくなります。
利用者プログラムからのOUTPUTモードのオープン、TRUNCATE TABLE文を実行
同期対象のデータファイルに対して、OUTPUTモードのオープンまたはTRUNCATE TABLE文が含まれる利用者プログラムを実行しないでください。
利用者プログラム運用中のレプリケーションサービスの開始、停止
利用者プログラムが動作している状態で、レプリケーションサービス「PowerReplication」を開始/停止しないでください。
サービス停止中、更新情報の取得停止中にデータ更新
サービス停止中および更新情報の取得停止中に、同期対象のデータファイルを更新しないでください。
レプリケーション専用ユーザで運用
レプリケーション専用ユーザは、レプリケーションの動作環境に設定する以外は、利用者プログラムの実行など、他の目的で使用しないでください。
レプリケーション専用ユーザで運用を行ってしまった場合、PowerReplicationの動作が保証されません。構成定義の再作成が必要となる場合があります。
利用者プログラムの実行や、レプリケーションマネージャへの接続は、必ず事前に別のユーザを作成し、使用してください。