PowerReplicationの構築、検証後、業務運用中に同期の完了が遅くなった場合、以下を確認してください。
競合の発生
差分同期を使用してレプリケーションの環境を構築した場合、詳細メッセージ情報ファイルを参照して、競合の発生を確認してください。
競合が発生した場合、同期実行の延長で競合を解消するため、同期の完了が遅くなります。競合が発生している場合、競合が発生しないように利用者プログラムやレプリケーションの設計および運用方法を見直してください。
競合の検出方法は、"F.1 競合検出時の詳細情報出力"を参照してください。
競合の発生を防止する方法は、以下を参照してください。
Oracleを使用する場合:"3.3.2 レプリケーションの環境を設計する"の"運用方法を設計する"
SQL Serverを使用する場合:"3.4.2 レプリケーションの環境を設計する"の"運用方法を設計する"
更新情報の取得停止時に自動で一括同期を実行
差分同期を使用してレプリケーションの環境を構築した場合、一括同期の実行状況を確認してください。
マスタグループ定義に[更新情報取得停止時に自動で一括同期を実行する]を設定していると、差分同期の実行時に一括同期が実行される場合があります。この一括同期が実行されると同期の完了が遅くなります。
マスタグループ定義の設定を確認
レプリケーションマネージャを使用して、マスタグループ定義の[更新情報取得停止時に自動で一括同期を実行する]の設定を確認してください。
一括同期の実行履歴を確認
詳細メッセージ情報ファイルを使用して、一括同期の実行履歴を確認してください。
更新情報の取得停止時に自動で一括同期を実行する方法を見直してください。
マスタグループ定義の設定を変更する場合、"3.6.1 利用者プログラムの運用環境を変更する"の"データファイルの構造を変更する(レプリケーションの構成定義を変更する)"を参照して行ってください。
マスタグループ定義の設定[更新情報取得停止時に自動で一括同期を実行する]によって、一括同期が実行された場合、運用方法が誤っている可能性があります。
運用方法が誤っていると、データベース間で整合性が保てない状態となります。
イベントビューア(アプリケーションログ)および詳細メッセージ情報ファイルを参照して、更新情報取得の実績がないかを確認してください。
データ量の増加状況
同期の実行で反映するデータ量が設計時の見積りに比べて増加していないか、確認してください。
一括同期を使用してレプリケーションの環境を構築した場合
DBMSのユーティリティなどを使用して、同期対象のデータファイルのデータ量を確認してください。
同期するデータ量を絞り込むために反映元のレプリケーショングループに抽出条件を設定した場合、抽出条件に合致するデータ量を確認してください。
差分同期を使用してレプリケーションの環境を構築した場合
DBMSのユーティリティまたはレプリケーションマネージャを使用して、同期を実行する直前に、更新情報ファイルの使用量を確認してください。
更新情報ファイルの最大使用量を確認する方法は、"4.3.1 問題発生の予兆を検知する"を参照してください。
トランザクションの状態
同期対象のデータファイルに対して、利用者プログラムのトランザクションが頻繁に排他を獲得していないか、確認してください。
排他獲得中は同期の実行を待ち合わせるため、同期の完了が遅くなる原因となります。
利用者プログラムの設計や運用方法を確認してください。
トランザクションの状態は、DBMSのユーティリティなどを使用して調査できます。調査方法は、使用するDBMSのマニュアルを参照してください。
ネットワーク環境の設定
連携するサーバのIPアドレスとサーバ名の名前解決をする環境を確認してください。
レプリケーションの環境を作成後、DNSサーバやhostsファイルの設定を変更すると、名前解決するためネットワークの応答時間が、長くなる場合があります。
Windowsのpingコマンドなどを使用して、ネットワークの応答時間を確認してください。
ネットワークの応答時間が長くなっている場合、ネットワークの環境を点検してください。
rpctlsynコマンド(-rパラメタを指定)を繰返し実行して、同期実行の進行状況を確認できます。
rpctlsynコマンドの実行で表示される以下の内容が、実行ごとに変化していると、同期実行が進んでいることを意味します。
送信データ処理件数
送信コミット処理数
受信データ処理件数
受信コミット処理数
rpctlsynコマンドの詳細は、"7.10 同期実行の状態表示/中止コマンド"を参照してください。
rpctlsynコマンドの表示内容は、"付録H 同期実行状態の表示内容"を参照してください。