PowerReplication ユーザーズガイド V3.0 - Microsoft(R) Windows(R) 2000, Microsoft(R) Windows Server(TM) 2003 -
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第3章 導入/構築> 3.4 導入する(SQL Serverを使用する場合)

3.4.2 レプリケーションの環境を設計する

ここでは、動作環境や運用の設計に考慮が必要な着目点を説明します。

レプリケーショングループを設計す

同期は、レプリケーショングループ単位に実行できます。同期対象とするデータファイルをグループ化して、レプリケーショングループの機能を設計してください。

データ量を見積も

レプリケーションの同期で、相手サーバへ転送されるデータ量を見積もってください。

同期の実行による業務への影響を、動作検証時に確認するため、同期の実行で反映されるデータ量を見積もっておくことが必要です。
差分同期を利用してレプリケーションの環境を構築する場合、更新情報がSQL Serverのデータベースに格納されます。データベースが枯渇すると、同期対象のデータファイルを更新する利用者プログラムでエラーが発生、またはレプリケーションの同期処理でデータベース間の整合性が保てなくなります。

このため、一括同期を実行する前提で、見積りを行うことが必要です。

スケジュールを設計す

利用者プログラムが実行される時間帯を考慮して、レプリケーションの同期を実行するスケジュールを設計してください。

スケジュールによる同期の実行は、1分以上の間隔で設計してください。


不定期に発生する業務でサーバ間のデータベースを活用するために、業務の運用と連動して同期の実行を行いたい場合、PowerReplicationのスケジュール機能を使用せず、rpsyncコマンドを利用できます。
Windowsのバッチプログラムなどを使用して利用者プログラムとrpsyncコマンドを順次実行するようにバッチプログラムを作成することで、利用者プログラムと同期の実行を連動できます。

rpsyncコマンドの詳細は、"7.2 同期実行コマンド"を参照してください。

データファイルの関連づけを設計す

同期対象とするデータファイルの項目の関連づけと同期の実行で反映するデータの抽出条件を設計してください。

運用方法を設計す

システムを安定して稼動させるため、レプリケーション、データベースおよび利用者プログラムの運用方法を設計してください。

システム異常発生時の復旧手順を設計す

自サーバまたは相手サーバでシステム異常が発生した場合を想定して、レプリケーションの環境を復旧する作業手順を、"5.2 システム異常発生時の復旧方法"を参照して設計してください。


システムに異常が発生し、レプリケーションの運用が中断された場合、復旧するために一括同期を実行することが必要な場合があります。一括同期を実行すると、未反映の更新情報は削除されるため、利用者プログラムから更新した内容の一部が無効となる場合があります。また、システム異常が発生したサーバの復旧が遅れると、相手サーバで更新情報ファイルの枯渇が発生するなど、被害が拡大し、復旧時間が更に長期化する場合があります。


関連づけたデータファイル間でデータが一致している状態であれば、一括同期を実行せずに、運用が開始できます。一括同期を実行することのほかに、データファイル間の差異を解消する方法を準備しておくことにより、システム異常発生時に復旧作業の作業時間を短縮できます。
同期対象のデータファイルにアクセスする利用者プログラムや同期対象のデータファイルの構造を考慮して、以下の復旧方法を設計することが有効です。

  1. 関連づけたデータファイル間の差異検出(差異を検出する利用者プログラム作成)
  2. 差異を解消(DBMSのユーティリティ活用または差異を解消する利用者プログラム作成)
  3. レプリケーションの修復(更新情報の取得開始)

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