シャドウオブジェクトには、シャドウクラス、シャドウディスク、シャドウグループ、シャドウボリューム、シャドウスライスの 5 種類があります。これらはそれぞれ SDX オブジェクトのディスククラス、SDX ディスク、ディスクグループ、論理ボリューム、論理スライスに対応するオブジェクトです。
SDX オブジェクトとシャドウオブジェクトを特に区別する必要がない場合は、SDX オブジェクトとシャドウオブジェクトを総称して「オブジェクト」と呼ぶ場合もあります。
GDS Snapshot が導入されているサーバでは、同一ドメイン内でディスククラスに登録されていない物理ディスクのうち、SDX ディスクの管理データが格納されているディスクを、シャドウオブジェクトとして管理し、アクセスすることができます。シャドウオブジェクトとして管理できるのは、以下のいずれかの条件に該当する物理ディスクです。
他のドメインで GDS、SafeDISK、または SafeDISK/Global のクラス (ローカルクラスまたは共用クラス) に登録されて SDX ディスクとして管理されている。
他のドメインまたは同一ドメイン内で GDS、SafeDISK、または SafeDISK/Global のクラス (ローカルクラスまたは共用クラス) に登録されている SDX ディスクから、ディスク装置のコピー機能によって占有スライスがコピーされている。
シャドウオブジェクトには、以下の特徴があります。
シャドウディスク、シャドウボリュームなどのシャドウオブジェクトの構築および解体の際、物理ディスクのフォーマットやデータは一切変更されません。このため、物理ディスクにすでに格納されているデータに影響を与えずにシャドウボリュームを作成することができます。シャドウボリュームを使用して、物理ディスクのデータを read/write することができます。
シャドウオブジェクトの構成情報は占有スライスに保存されず、メモリ上で管理されます。シャドウオブジェクトは、サーバを再起動すると消滅しますが、再度構築することができます。ただし、サーバを再起動した後、再起動前と同じ構成のシャドウオブジェクトを構築しない場合は、復旧作業が必要です。詳細については、「A.2.36 シャドウボリューム」の「ノードの再起動」を参照してください。
シャドウディスク以外のシャドウオブジェクトには、利用者が自由に名前を付けることができます。オブジェクト名は、ドメイン内で一意となるように管理されます。オブジェクト名の制約については、「A.1.1 オブジェクト名」を参照してください。
シャドウクラスは、SDX オブジェクトのディスククラスに対応するシャドウオブジェクトです。
ディスククラスとシャドウクラスを特に区別する必要がない場合、ディスククラスとシャドウクラスを総称して「クラス」と呼ぶ場合もあります。
以下のいずれかの条件を満たす物理ディスクをシャドウクラスに登録することができます。
他のドメインで GDS、SafeDISK、または SafeDISK/Global のクラス (ローカルクラスまたは共用クラス) に登録されて SDX ディスクとして管理されている。
この場合、他のドメインで同じ名前のクラスに登録されている物理ディスクを、ひとつのシャドウクラスに登録することができます。他のドメインの、ひとつのクラスに複数の物理ディスクが登録されている場合、それらのうちの一部または全部をシャドウクラスに登録することができます。他のドメインの、ひとつのクラスに登録されている物理ディスクのうち、一部をあるシャドウクラスに登録し、残りを他のシャドウクラスに登録することも可能です。
他のドメインまたは同一ドメイン内で GDS、SafeDISK、または SafeDISK/Global のクラス (ローカルクラスまたは共用クラス) に登録されている SDX ディスクから、ディスク装置のコピー機能によって占有スライスがコピーされている。
この場合、同じ名前のクラスに登録されている SDX ディスクのコピー先の物理ディスクを、ひとつのシャドウクラスに登録することができます。ひとつのクラスに、複数の物理ディスクが登録されている場合、ディスク装置のコピー機能によるコピー先の物理ディスクのうちの一部または全部をシャドウクラスに登録することができます。ひとつのクラスに登録されている物理ディスクの、ディスク装置のコピー機能によるコピー先の物理ディスクのうち、一部をあるシャドウクラスに登録し、残りを他のシャドウクラスに登録することも可能です。
また、ひとつのシャドウクラスに複数の物理ディスクを登録する場合、それらの占有スライスのサイズは同じでなければなりません。
属性
シャドウクラスには、以下の属性があります。
システムの中で、シャドウクラスを識別するための属性です。
シャドウクラスの種別を表す属性です。次の値が設定されます。
シャドウクラスで管理されているオブジェクトは、自ノードにおいてのみ使用できます。
シャドウクラス内のオブジェクトを使用できるノード群を表す属性です。自ノードのノード名が設定されます。
操作
シャドウクラスに対して、以下の操作を行うことができます。なお、状態表示以外の操作は運用管理ビューではできません。コマンドで操作を行ってください。
sdxshadowdisk -M コマンドを使って、ディスクを登録するときに、新しいクラス名を指定すると、自動的にシャドウクラスが作成されます。
sdxshadowdisk -R コマンドを使って、登録された最後のシャドウディスクをシャドウクラスから削除すると、自動的にシャドウクラスも削除されます。
sdxinfo コマンドを使って、シャドウクラスの状態を表示することができます。シャドウクラスの場合、sdxinfo -e long コマンドで表示されるクラス情報の SHADOW フィールドに 1 と表示されます。
運用管理ビューを使用する場合は、「5.3.1 構成/状態の確認と状態監視」を参照してください。
状態
シャドウクラスは、ディスククラスとは違って、閉塞することはありません。
参照
シャドウクラスに関して、以下の留意事項があります。
あるドメイン (下図のドメインα) でクラスに登録されて SDX ディスクとして管理されているディスクを、同じ SAN に接続されている別のドメイン (下図のドメインβ) でシャドウクラスに登録することができます。
ディスク装置のコピー機能によって SDX ディスク (下図の c1t1d1) から占有スライスがコピーされているディスク (下図の c1t1d2) は、以下のいずれかのノードでシャドウクラスに登録することができます。
SDX ディスクが属しているクラスのスコープに含まれているノード (下図のノード1 またはノード2)
SDX ディスクが登録されているドメイン (下図のドメインα) に属しているが、クラスのスコープには含まれていないノード (下図のノード3)
SDX ディスクが登録されているドメイン (下図のドメインα) に属していないが、同じ SAN に接続されているノード (上図のノード4)
注意
物理デバイス名
同一の物理ディスクに対して、ドメインαとドメインβで同じ物理デバイス名 (c1t1d1 など) が割り当てられているとは限りません。
シャドウクラスに登録された物理ディスクのことをシャドウディスクと呼びます。シャドウディスクは、SDX オブジェクトの SDX ディスクに対応するシャドウオブジェクトです。
SDX ディスクとシャドウディスクを特に区別する必要がない場合、SDX ディスクとシャドウディスクを総称して「ディスク」と呼ぶ場合もあります。
属性
シャドウディスクには、以下の属性があります。
シャドウクラスの中でシャドウディスクを識別するための属性です。以下の制約があります。
他のドメインでクラスに登録されて SDX ディスクとして管理されている場合は、他のドメインの SDX ディスクと同じ名前を付ける必要があります。
SDX ディスクからディスク装置のコピー機能によってデータがコピーされている場合は、コピー元の SDX ディスクと同じ名前を付ける必要があります。
シャドウディスクの種別を表す属性です。次のいずれかの値が設定できます。
ミラーグループに接続されています。
ストライプグループに接続されています。
コンカチネーショングループに接続されています。
シャドウグループに接続しなくても、シャドウボリュームを作成することができます。
シャドウクラスへ登録されているだけで、まだ用途が決まっていません。
操作
シャドウディスクに対して、以下の操作を行うことができます。なお、状態表示以外の操作は運用管理ビューではできません。コマンドで操作を行ってください。
sdxshadowdisk -M コマンドを使って、特定のシャドウクラスへ物理ディスクを登録することによって作成されます。
sdxshadowdisk -R コマンドを使って、シャドウクラスからシャドウディスクを削除できます。
sdxshadowdisk -C コマンドを使って、特定のシャドウグループへシャドウディスクを追加することができます。
sdxshadowdisk -D コマンドを使って、シャドウグループからシャドウディスクを取り除きます。
sdxinfo コマンドを使って、シャドウディスクの状態を表示することができます。
運用管理ビューを使用する場合は、「5.3.1 構成/状態の確認と状態監視」を参照してください。
状態
シャドウディスクには、以下の状態があります。
正常な状態。
参照
シャドウディスクに関して、以下の留意事項があります。
あるドメイン (ドメインα) で、sdxdisk -M コマンドを使用してクラスに登録され、SDX ディスクとして管理されている物理ディスクを、別のドメイン (ドメインβ) で、sdxshadowdisk -M コマンドを使用してシャドウクラスに登録し、シャドウディスクとして管理することができます。シャドウディスクには、SDX ディスクと同じディスク名を付ける必要があります。
以下の条件を満たすとき、あるドメイン (ドメインα) または別のドメイン (ドメインβ) で、物理ディスク (下図の c1t1d2) をシャドウクラスに登録し、シャドウディスクとして管理できます。シャドウディスクには、SDX ディスク (下図の c1t1d1) と同じディスク名を付ける必要があります。
ドメインαで、物理ディスク (下図の c1t1d1) がクラスに登録され、SDX ディスクとして管理されている
ディスク装置のコピー機能によって、c1t1d1 の占有スライスが c1t1d2 にコピーされている
注意
物理デバイス名
同一の物理ディスクに対して、ドメインαとドメインβで同じ物理デバイス名 (c1t1d1 など) が割り当てられているとは限りません。
シャドウグループは、SDX オブジェクトのディスクグループに対応するシャドウオブジェクトです。
ディスクグループとシャドウグループを特に区別する必要がない場合、ディスクグループとシャドウグループを総称して「グループ」と呼ぶ場合もあります。
シャドウボリュームを使用して論理ボリュームのデータにアクセスするためには、論理ボリュームが属しているディスクグループと同じ構成でシャドウグループを作成する必要があります。下記の構成を同じにする必要があります。
グループのタイプ。sdxinfo -G -e long コマンドで表示される TYPE フィールドで確認可能。
グループを構成するディスク、および、下位グループを構成するディスク。ディスク装置のコピー機能によるコピー先のディスクも可。sdxinfo -D コマンドおよび sdxinfo -G コマンドで確認可能。
ストライプタイプおよびコンカチネーションタイプのグループの場合、ディスク、および下位グループを接続する順序。sdxinfo -G コマンドで表示される DISKS フィールドで確認可能。
ストライプタイプのグループの場合、ストライプ幅。sdxinfo -G -e long コマンドで表示される WIDTH フィールドで確認可能。
また、以下のいずれかのディスク 1 つのみをミラータイプのシャドウグループに接続し、シャドウボリュームを作成することにより、シングルボリューム、または、一時切離しスライスのデータにアクセスすることも可能です。
シングルディスク。ディスク装置のコピー機能によるコピー先のディスクも可。
一時切離し (TEMP) 状態のスライスが存在するディスク。ディスク装置のコピー機能によるコピー先のディスクも可。
属性
シャドウグループには、以下の属性があります。
シャドウクラスの中でシャドウグループを識別するための属性です。
シャドウグループの種別を表す属性です。次のいずれかの値が設定できます。
シャドウグループに属しているシャドウディスクおよび下位シャドウグループは、互いにミラーリングされます。シャドウグループには、合わせて最大 8 個までのシャドウディスクおよび下位シャドウグループが接続できます。つまり、最大で 8 多重までのミラーリングが可能です。
シャドウグループに属しているシャドウディスクおよび下位シャドウグループは、それぞれをストライプ列として、ストライピングされます。シャドウグループには、合わせて最大 64 個までのシャドウディスクおよび下位シャドウグループが接続できます。つまり、最大で 64 列までのストライピングが可能です。
シャドウグループに属しているシャドウディスクは、コンカチネート (連結) されます。シャドウグループには、合わせて最大 64 個までのシャドウディスクが接続できます。つまり、最大で 64 個までのシャドウディスクをコンカチネートできます。
ストライプタイプのシャドウグループにおいて、ストライピングのデータ分割サイズを表す属性です。設定できるサイズは (2 のべき乗)×512 バイトで、以下の条件を満たします。
最小値: 512 バイト
最大値: 以下の中で一番小さい値
(2 の 30乗)×512 バイト(= 512GB)
グループ内で最小のディスクの有効サイズ
グループ内で最小の下位グループの有効サイズ
操作
シャドウグループに対して、以下の操作を行うことができます。なお、状態表示以外の操作は運用管理ビューではできません。コマンドで操作を行ってください。
sdxshadowdisk -C コマンドを使ってシャドウディスクを接続するとき、および、sdxshadowgroup -C コマンドを使ってシャドウグループを接続するときに、新しい (上位) シャドウグループ名を指定すると、自動的に (上位) シャドウグループが作成されます。
sdxshadowdisk -D コマンドを使って、接続されている唯一のシャドウディスクを切断するとき、および、sdxshadowgroup -D コマンドを使って、接続されている唯一の下位シャドウグループを切断するときに、自動的に (上位) シャドウグループが削除されます。また、sdxshadowgroup -R コマンドを使って削除することもできます。
sdxshadowgroup -C コマンドを使って、特定の他のシャドウグループへシャドウグループを追加することができます。他のシャドウグループに接続されたシャドウグループのことを特に下位シャドウグループと呼び、他のシャドウグループが接続されたシャドウグループのことを特に上位シャドウグループと呼びます。
sdxshadowgroup -D コマンドを使って、上位シャドウグループから下位グループを取り除きます。
sdxinfo コマンドを使って、シャドウグループの状態を表示することができます。
運用管理ビューを使用する場合は、「5.3.1 構成/状態の確認と状態監視」を参照してください。
参照
シャドウグループに関して、以下の留意事項があります。
シャドウグループまたはシングルタイプのシャドウディスクに作成されたボリュームのことをシャドウボリュームと呼びます。利用者やアプリケーションは、物理ディスクの替わりにシャドウボリュームにアクセスします。シャドウボリュームは、SDX オブジェクトの論理ボリュームに対応するシャドウオブジェクトです。
論理ボリュームとシャドウボリュームを特に区別する必要がない場合、論理ボリュームとシャドウボリュームを総称して「ボリューム」と呼ぶ場合もあります。
シャドウボリュームを使用して、対応する論理ボリュームのデータをアクセスするためには、以下の条件を満たすようにシャドウボリュームを作成する必要があります。
対応する論理ボリュームと同じサイズのシャドウボリュームを作成する必要があります。ボリュームのサイズは、sdxinfo -V コマンドで表示される BLOCKS フィールドで確認できます。
シャドウボリュームの先頭ブロック番号は、対応する論理ボリュームの先頭ブロック番号と一致している必要があります。このため、同一シャドウグループ内または同一シャドウディスク内のシャドウボリュームは、対応する論理ボリュームの先頭ブロック番号の小さい順に作成する必要があります。ボリュームの先頭ブロック番号は、sdxinfo -V コマンドで表示される 1STBLK フィールドで確認できます。
ミラータイプのシャドウボリュームを作成したとき、等価性コピーは実行されません。ミラーボリュームに対応するシャドウボリュームを作成する場合は、そのミラーボリュームを管理している GDS、SafeDISK、または SafeDISK/Global によって、ミラーボリュームの等価性を保証しておく必要があります。
シャドウボリュームの管理と対応する論理ボリュームの管理は、独立しています。例えば、一方のボリュームにおいてスライスの状態が変更されても、他方のボリュームのスライス状態には反映されません。このため、シャドウボリュームを使用する場合、運用上の注意事項があります。詳細については、「A.2.36 シャドウボリューム」を参照してください。
属性
シャドウボリュームには、以下の属性があります。
シャドウクラスの中でシャドウボリュームを識別するための属性です。
高速等価性回復モードを表す属性です。次の値が設定されます。
高速等価性回復モードが無効です。
起動ロックモードを表す属性です。次の値が設定されます。
以降のボリューム起動をロックしません。
省略時のアクセスモードを表す属性です。アクセスモードを指定せずにシャドウボリュームを起動した場合、この属性に設定されているアクセスモードで起動されます。次の値が設定されます。
省略時のアクセスモードを読取り専用に設定します。
アクセスモード属性値を rw (読書き用) に変更することはできません。シャドウボリュームに書込みを行う場合は、シャドウボリュームをいったん停止してから、sdxshadowvolume -N コマンドで -e mode=rw オプションを指定して読書き用モードでシャドウボリュームを起動してください。
シャドウボリュームが物理スライスを持つかどうか、つまりシャドウスライスがディスクラベルに登録されているかどうかに関係なく、値は off です。
操作
シャドウボリュームに対して、以下の操作を行うことができます。なお、状態表示以外の操作は運用管理ビューではできません。コマンドで操作を行ってください。
sdxshadowvolume -M コマンドを使って、最上位シャドウグループまたはシングルタイプのシャドウディスク内にシャドウボリュームを作成できます。
sdxshadowvolume -R コマンドを使って、シャドウボリュームを削除できます。
sdxshadowvolume -N コマンドを使って、シャドウボリュームを起動できます。
sdxshadowvolume -F コマンドを使って、シャドウボリュームを停止できます。
sdxinfo コマンドを使って、シャドウボリュームの状態を表示できます。
運用管理ビューを使用する場合は、「5.3.1 構成/状態の確認と状態監視」を参照してください。
状態
シャドウボリュームには、以下の状態があります。
データにアクセスできる状態。
シャドウボリュームの起動が正常に完了すると、ACTIVE 状態になります。このとき、シャドウボリューム内には、ACTIVE 状態のシャドウスライスがひとつ以上存在しています。
アクセスできないが、起動して ACTIVE 状態にすることが可能な状態。
シャドウボリュームの停止が正常に完了すると、STOP 状態になります。このとき、シャドウボリューム内には、STOP 状態のシャドウスライスがひとつ以上存在しています。
参照
シャドウボリュームに関して、以下の留意事項があります。
あるドメイン (下図のドメインα) で論理ボリュームとして仮想化されている複数の物理ディスクを、別のドメイン (下図のドメインβ) でシャドウボリュームとして仮想化し、ドメインβからシャドウボリュームを使用してドメインαの論理ボリュームのデータにアクセスすることができます。ドメインαで論理ボリュームを使用して主業務 (下図の業務A) を実行し、ドメインβ でシャドウボリュームを使用して別の業務 (下図の業務B。例えば、バックアップ、リストア、バッチ処理など) を実行することができます。ただし、業務A と業務B を同時に実行しないでください。同時に実行した場合、ディスクデータの整合性は保証されません。
あるドメイン (下図のドメインα) でミラーボリュームとして仮想化されている複数の物理ディスクのうち、ミラーから一時的に切り離されたひとつの物理ディスクを、別のドメイン (下図のドメインβ) でシャドウボリュームとして仮想化し、ドメインβからシャドウボリュームを使用してドメインαの一時切離しスライスのデータにアクセスすることができます。ドメインα でミラーボリュームからひとつのスライスを一時的に切り離して、ミラーボリュームを使用して主業務 (下図の業務A) を実行し、同時に、ドメインβでシャドウボリュームを使用して別の業務 (下図の業務C。例えば、バックアップ、リストア、バッチ処理など) を実行することができます。ただし、ドメインαでも一時切離しスライスを使用して業務 (下図の業務B) を実行する場合、業務B と業務C は同時に実行しないでください。同時に実行した場合、ディスクデータの整合性は保証されません。
あるドメイン (下図のドメインα) でプロキシボリュームとして仮想化されている複数の物理ディスクを、別のドメイン (下図のドメインβ) でシャドウボリュームとして仮想化し、ドメインβからシャドウボリュームを使用してドメインαのプロキシボリュームのデータにアクセスすることができます。ドメインαでマスタボリュームからプロキシボリュームを分離して、マスタボリュームを使用して主業務 (下図の業務A) を実行し、同時に、ドメインβでシャドウボリュームを使用して別の業務 (下図の業務C。例えば、バックアップ、リストア、バッチ処理など) を実行することができます。ただし、ドメインαでもプロキシボリュームを使用して業務 (下図の業務B) を実行する場合、業務B と業務C は同時に実行しないでください。同時に実行した場合、ディスクデータの整合性は保証されません。
あるドメイン (下図のドメインα) で論理ボリュームとして仮想化されている複数の物理ディスクから、ディスク装置のコピー機能によって他の物理ディスクにデータをコピーし、コピー先の物理ディスクを、同じドメイン (ドメインα) または別のドメイン (下図のドメインβ) でシャドウボリュームとして仮想化することができます。ドメインαで論理ボリュームを使用して主業務 (下図の業務A) を実行し、同時に、シャドウボリュームを作成したドメイン (αまたはβ) でシャドウボリュームを使用して別の業務 (下図の業務B。例えば、バックアップ、リストア、バッチ処理など) を実行することができます。
シャドウスライスは、シャドウボリュームの構成要素です。ミラータイプのシャドウボリュームは、ミラーリングされるひとつ以上のシャドウスライスによって構成されます。シングルタイプ、ストライプタイプ、およびコンカチネーションタイプのシャドウボリュームは、ひとつのシャドウスライスによって構成されます。シャドウスライスは、SDX オブジェクトの論理スライスに対応するシャドウオブジェクトです。
ミラータイプのシャドウボリュームからシャドウスライスを切り離して、シャドウスライスに単独でアクセスすることはできません。
論理スライスとシャドウスライスを特に区別する必要がない場合、論理スライスとシャドウスライスを総称して「スライス」と呼ぶ場合もあります。
属性
シャドウスライスには、以下の属性があります。
シャドウクラスの中でシャドウスライスを識別するための属性です。
操作
シャドウスライスに対して、以下の操作を行うことができます。
sdxinfo コマンドを使って、シャドウスライスの状態を表示できます。
運用管理ビューを使用する場合は、「5.3.1 構成/状態の確認と状態監視」を参照してください。
状態
シャドウスライスには、以下の状態があります。
アクセスできる状態。
このとき、シャドウボリュームの状態は ACTIVE です。ミラータイプのシャドウボリューム内に存在する ACTIVE および STOP 状態のシャドウスライス数の合計は、現在のミラーリング多重度 (1 ~ 8) を表します。
アクセスできない状態。
このとき、シャドウボリュームの状態は STOP です。ミラータイプのシャドウボリューム内に存在する STOP および ACTIVE 状態のシャドウスライス数の合計は、現在のミラーリング多重度 (1 ~ 8) を表します。
I/O エラーが発生し、アクセスできない状態。
ミラーリングされているシャドウスライスで I/O エラーが検出されると、INVALID 状態になります。
「F.1.1 スライス状態に関する異常」を参照してください。