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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.3.0 操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理)
FUJITSU Software

16.1 L-Serverテンプレートを利用したL-Serverの作成

ここでは、L-Serverテンプレートを利用してL-Serverを作成する方法について説明します。

以下の手順で、L-Serverテンプレートを利用してL-Serverを作成します。

  1. RORコンソールのオーケストレーションツリーを選択します。メインパネルの[テンプレート一覧]タブでL-Serverテンプレートを選択し、[作成]ボタンをクリックします。
    [L-Serverの作成]ダイアログが表示されます。

  2. [基本情報]タブで、以下の項目を設定します。

    名前

    L-Serverの名前を入力します。

    • 物理L-Serverの場合

      先頭半角英数字(大文字/小文字)で、半角英数字(大文字/小文字)、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された64文字以内の文字列を入力します。

    • 仮想L-Serverの場合

      【VMware】【Hyper-V】【OVM for SPARC】【Citrix Xen】
      先頭半角英数字(大文字/小文字)で、半角英数字(大文字/小文字)、アンダースコア("_")、ハイフン("-")およびピリオド(".")で構成された64文字以内の文字列を入力します。

      【Xen】【OVM for x86 2.2】
      ピリオド(".")は使用できません。

      【KVM】【OVM for x86 3.x】
      先頭半角英数字(大文字/小文字)で、半角英数字(大文字/小文字)、アンダースコア("_")、ハイフン("-")で構成された64文字以内の文字列を入力します。

      【OVM for x86 2.2】
      32文字以内の文字列を入力します。

      【Solarisゾーン】
      先頭半角英数字(大文字/小文字)で、半角英数字(大文字/小文字)、アンダースコア("_")、ハイフン("-")、およびピリオド(.)で構成された52文字以内の文字列を入力します。仮想L-Server名とVM名を同じ名前にする設定を行っている場合は、63文字以内の文字列を入力します。ただし、"SUNW"で始まるすべての名前は、予約されているので使用できません。
      また、"global"という名前については、仮想L-Server名とVM名を同じ名前にする設定がされている場合に使用できません。仮想L-Server名とVM名を同じ名前にする設定については、「17.8.1 導入」の「表17.17 定義ファイルの指定項目一覧」を参照してください。

    作成先フォルダー

    L-Serverを格納するリソースフォルダーまたはテナントを選択します。

    テンプレート

    15.1.2 作成」で作成したL-Serverテンプレートを指定します。
    [テンプレート一覧]で指定したL-Serverテンプレートが選択された状態で表示されるので、作成されるL-Serverの仕様(CPU性能、メモリ容量、ディスク容量(複数))を確認してください。

    • 物理の場合

      モデル名、ディスク容量(複数)が表示されます。

    • 仮想の場合

      CPU性能、メモリ容量、ディスク容量(複数)が表示されます。

      【VMware】【Hyper-V】
      "イメージ指定時のディスク配付設定"をallで指定したテンプレートを使用した場合、システムディスク、データディスクともに、イメージの持つディスクをそのまま展開します。
      作成されるL-Serverのディスク構成は、イメージを事前に確認してください。

    イメージ

    配付するクローニングイメージを指定します。

    [選択]ボタンをクリックすると、[イメージ選択]ダイアログが表示されます。

    OSのインストールを手動で行う場合、[指定なし]を選択してください。
    [指定なし]を選択した場合、[サーバ]タブでOS種別を選択する必要があります。

    [指定なし]を選択すると、[FCパス]の[シングルパスモード]のチェックボックスには自動的にチェックが入ります。

    詳細は、「16.2.2 [サーバ]タブ」および「16.3.2 [サーバ]タブ」を参照してください。

    [イメージの配付]で[配付する]を選択した場合、OSに設定するパラメーターも指定する必要があります。

    設定が必要な項目については、「16.2.5 [OS]タブ」および「16.3.5 [OS]タブ」を参照してください。

    注意

    クローニングイメージのOSがLinuxの場合、クローニングイメージを指定してL-Serverを作成すると、クローニングイメージ作成時のユーザー名およびパスワードでL-Serverが作成されます。

    セキュリティを確保するため、L-Server作成後にパスワードを変更することをお勧めします。

    クローニングイメージを展開する際、クローニングイメージに含まれるOSイメージは使用しますが、CPU、メモリ、ネットワークは、L-Server作成時の値で上書きされます。

    【VMware】【Hyper-V】
    "イメージ指定時のディスク配付設定"をallで指定した場合、すべてのディスクが同一の格納先に作成されます。

    • 格納先を選択する場合は、[ディスク]タブでシステムディスクだけを指定してください。

      システムディスクとデータディスクに異なる格納先が指定されている場合、クローニングイメージの配付を伴うL-Serverの作成が失敗することがあります。

    • イメージのディスクにシン・プロビジョニングが設定されたディスクと設定されていないディスクが混在している場合でも、同一の格納先にディスクが作成されます。

    "ディスク容量拡張(ディスク容量をイメージのディスク容量に一致させる)"の設定が"false"の場合、仮想化製品上では一時的にイメージのディスク容量でVMゲストが作成されます。そのため、仮想化製品上のログ等に一時的に作成されたディスクサイズの記録が残る場合があります。

    クローニングイメージを指定した仮想L-Server作成時、ストレージプールのプロビジョニング属性よりもクローニングイメージのプロビジョニング属性が優先されます。

    参考

    仮想L-Serverの場合、L-Serverを作成する際に、システムディスクのサイズを事前に指定しても、クローニングイメージを展開したサイズと異なっていた場合は、クローニングイメージを展開したサイズに変更されます。

    ただし、上記動作となるのは、"ディスク容量拡張(ディスク容量をイメージのディスク容量に一致させる)"の設定が"true"または未指定の場合だけです。

    "ディスク容量拡張(ディスク容量をイメージのディスク容量に一致させる)"の設定が"false"の場合、イメージのディスク容量と、L-Serverテンプレートのディスク容量(XML定義ファイルの場合、DiskSizeタグ)で指定したディスク容量のうち、容量の大きいディスクが割り当てられます。

    イメージに含まれるデータディスクの容量も拡張する場合、"ディスク容量拡張(ディスク容量をイメージのディスク容量に一致させる)"の設定が"false"、[イメージ指定時のディスク配付設定]が"all"のL-Serverテンプレートを使用してください。

    【VMware】【Hyper-V】
    パラメーターを設定できるOSや、設定するための前提条件は、サーバ仮想化ソフトウェアによって異なります。
    詳細は、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。

    L-Serverで利用できる基本ソフトウェア(OS)は、サーバ仮想化ソフトウェアがサポートする範囲です。
    L-Server作成時には、配付するイメージを指定できます。本製品のイメージ配付は、サーバ仮想化ソフトウェアの以下の機能を利用しています。

    表16.1 イメージ配付時に利用する機能

    サーバ仮想化ソフトウェア

    機能

    VMware vSphere 4.0
    VMware vSphere 4.1
    VMware vSphere 5
    VMware vSphere 5.1
    VMware vSphere 5.5
    VMware vSphere 6.0
    VMware vSphere 6.5

    • テンプレート

    • ゲストOSのカスタマイズ

    Microsoft(R) System Center Virtual Machine Manager 2008 R2
    Microsoft(R) System Center 2012 Virtual Machine Manager
    Microsoft(R) System Center 2012 R2 Virtual Machine Manager

    • テンプレート

    • ゲストオペレーティングシステムプロファイル

    【Solarisゾーン】
    イメージの指定が必須です。

    構成定義作成

    構成定義だけ作成済みのL-Serverを作成する場合、[構成定義のみ作成]チェックボックスにチェックを入れます。

    構成定義だけ作成済みのL-Serverに対して、起動操作を行うと、リソースが割り当てられます。

    詳細は、「17.8.2.1 リソースの割当て」を参照してください。

    構成定義だけ作成済みのL-Serverに対し構成変更を行う場合は、「17.8.2.3 構成定義情報の変更」を参照ください。

    ネットワーク(NIC)

    L-ServerのNICに接続するネットワークリソースを選択します。
    L-Serverテンプレートに定義されているNIC数分のリストが表示されるので、それぞれのNICに接続するネットワークリソースを[接続するネットワーク]欄で選択してください。

    1. [接続するネットワーク]欄の[選択]ボタンをクリックします。

      [ネットワークリソースの選択]ダイアログが表示されます。

    2. 以下の項目が表示されます。接続するネットワークリソースを選択してください。

      - 名前(ラベル)

      - 管理LAN

      - サブネットアドレス

      - アドレス数(空数/総数)

      物理L-Serverの場合、これらの項目に加えて、ネットワーク接続を選択できます。

      - 接続する

      ネットワークリソースを接続する場合に指定します。

      - 接続しない

      構成定義だけ作成して、ネットワークリソースを接続しない場合に指定します。

    注意

    ネットワーク(NIC)の番号は、L-Serverテンプレートに定義されているNIC番号(NICIndex) + 1に対応しています。

    【OVM for x86 2.2】
    ネットワークを1つ以上指定する必要があります。

    ラベル(省略可)

    L-Serverに、業務内容などを元にした分かりやすい別名を付けたい場合に入力します。
    日本語(半角カナを含む)、半角文字に関係なく32文字以内の文字列を入力します。

    コメント(省略可)

    L-Serverに関する情報を自由に記述できます。例えば、業務内容の詳細や、障害発生時の対処方法を登録しておくと、障害発生で影響を受けている業務に対して、迅速な対応ができます。
    日本語(半角カナを含む)、半角文字に関係なく256文字以内の文字列を入力します。

  3. [OK]ボタンをクリックします。
    L-Serverの作成が開始されます。

    処理状況はRORコンソールの進捗状況エリアで確認できます。

    イメージ配付を指定した物理L-Server作成の場合、進捗状況エリアの[キャンセル]ボタンをクリックすると、確認ダイアログが表示され、処理を中断できます。

    【OVM for SPARC】
    L-Serverを作成したあと、環境に応じた操作を行う必要があります。
    詳細は、「導入ガイド CE」の「8.8.6 L-Server作成」の「L-Server作成後の操作」を参照してください。

    注意

    • イメージ配付を指定した物理L-Serverの作成をキャンセルしても、対象のサーバを、イメージを配付する前の状態に復旧できません。

    • 処理の後半でキャンセルを実行した場合、物理L-Serverが残る場合があります。

      RORコンソールの[リソース]タブから削除してください。削除方法については、「17.4 削除」を参照してください。

    • ディスク番号[No.]が連続していない仮想L-Serverテンプレートを使用した場合、指定内容とは異なるディスク構成の仮想L-Serverが作成されます。

  4. 必要に応じて、L-ServerのIPアドレスおよびネットワーク情報に合わせて、OSのネットワークを設定します。

    詳細は、「導入ガイド CE」の「7.8 L-Serverのネットワーク冗長化とVLAN設定」を参照してください。

ポイント

L-Server名とVMゲスト名の関連付け

作成したL-ServerにOSを手動でインストールする場合など、サーバ仮想化ソフトウェアの管理画面を利用するときは、オーケストレーションツリーでL-Serverを選択し、[リソース詳細]に表示されるゲストのVMを操作してください。

ゲストは、以下の名前が自動的に付けられます。

L-Server名-番号

番号は、「第21章 リソースフォルダーの操作」の運用で、同じ名前のL-Serverが作られた場合も、サーバ仮想化ソフトウェア上で名前が重複しないように本製品で自動的に設定されます。なお、L-Serverが1000台以上配備された場合、番号は4桁の数値になります。

番号を付けない運用を行う場合、「17.8.1 導入」の「表17.17 定義ファイルの指定項目一覧」のVM名の番号付けを参照してください。ただし、同じ名前のL-Serverは作成できません。L-Serverの名前が重複しないようにしてください。

注意

  • L-Serverを作成する場合、ESCに登録しているETERNUSストレージのETERNUSmgrからログオフしてください。

  • NetAppストレージをクラスタで運用し、何らかの異常により片系稼動で運用されている場合、NetAppストレージの異常を復旧させてクラスタ運用に戻してから操作してください。

  • VMホストと仮想ストレージの状態が"normal"以外のときは、リソースの空き容量が存在しても、L-Serverの配置対象から除外されます。

  • VMホストをクラスタ運用している場合、VMホスト間で共有しているストレージリソースを指定してL-Server作成を行ってください。

    VMホスト間で共有していないストレージリソースを指定してL-Server作成はできません。

  • [構成定義のみ作成]チェックボックスによって、L-Server作成後の電源状態は以下のようになります。

    表16.2 L-Server作成後の電源状態

    チェックを入れた場合

    チェックを入れなかった場合

    物理L-Server

    電源OFF

    電源ON

    仮想L-Server

    電源OFF

    電源OFF

    L-Serverを起動する場合、「17.1.1 起動」を参照してください。

  • 仮想L-Serverを作成する場合、L-Serverテンプレートに設定していない値でも、VM固有情報定義ファイルに設定されていれば、その値が使用されます。
    L-ServerテンプレートとVM固有情報定義ファイルに設定されている値の組合せに矛盾(CPU性能がCPU予約性能より小さいなど)がある場合、L-Serverの作成に失敗します。

    VM固有情報定義ファイルについては、「導入ガイド CE」の「8.1 仮想L-Server作成で共通に利用する定義ファイル」と「付録G 定義ファイル」を参照してください。

【Hyper-V】

  • 動的メモリやメモリ割当て優先度を使用する場合、VMホストは以下のどれかである必要があります。

    • Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 R2 SP1以降

    • Microsoft(R) Windows Server(R) 2012以降

    SCVMMは、対象のVMホストを管理できる以下のどれかである必要があります。

    • System Center Virtual Machine Manager 2008 R2 SP1以降

    • System Center 2012 Virtual Machine Manager以降

    動的メモリが有効、またはメモリ割当て優先度を設定したL-Serverを作成する場合、以上を満たすVMホストとSCVMMが存在しないと、L-Serverの作成は失敗します。