本項では、バックアップ運用に必要な事前準備について説明します。
なお、Symfowareデータベーススペースをバックアップ/リカバリーする場合に追加で必要となる事前準備は、【Symfoware】と記載しています。
バックアップ運用を行うには、運用管理サーバおよび管理対象サーバで、AdvancedCopy Managerのデーモンが起動されている必要があります。デーモンは、通常、システム起動時に自動的に起動します。
起動に失敗していた場合および一度デーモンを停止した場合は、「第2章 デーモンの起動と停止」を参照して、デーモンを手動で起動してください。運用管理サーバについては、各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「デーモンの起動と停止」または「サービスの起動と停止」を参照してください。
ライセンスの登録が必要なストレージ装置を利用する場合は、運用管理サーバで、利用するストレージ装置のライセンスを登録します。
ライセンスは、コマンドで登録してください。ライセンスの登録手順は、『ETERNUS SF 導入ガイド』の「ライセンスの登録」を参照してください。
運用管理サーバで、管理する管理対象サーバを登録します。
この作業は、「stgxfwcmaddsrv(サーバ情報追加コマンド)」またはWebコンソールで実施できます。
コマンドの詳細は運用管理サーバのOSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「stgxfwcmaddsrv(サーバ情報追加コマンド)」を参照してください。
管理対象サーバでバックアップ対象とするボリュームが存在するストレージ装置へ接続するための情報を設定します。
設定項目 | 説明 |
---|---|
IPアドレス | ETERNUS VX700 seriesのGUIの管理IPアドレス |
ユーザーID | ETERNUS VX700 seriesのGUIにアクセスするユーザーアカウント名 |
パスワード | ETERNUS VX700 seriesのGUIにアクセスするユーザーアカウントのパスワード |
シリアル番号 | ETERNUS VX700 seriesのシリアル番号 |
この作業は、vxaddonconfigコマンドで実施します。vxaddonconfigコマンドの詳細は、「10.6 ETERNUS VX700 series との接続情報設定」を参照してください。
注意
ETERNUS VX700 seriesのGUIにアクセスするユーザーアカウントには、Software権限が必要です。
この作業は「stgxfwcmsetdev(デバイス情報取得/反映コマンド)」で実施します。
Logical Unit単位バックアップでサポートするストレージ装置上のデバイス情報を取得して、AdvancedCopy Managerの管理情報に反映します。
デバイス情報は、Logical Unit(ディスク)とパーティションの両方の情報が取得されます。AdvancedCopy Manager には、バックアップ対象のLogical Unit(ディスク)とその配下のパーティションをすべて登録してください。
Symfowareデータベーススペースのバックアップ/リカバリーを行う場合は、「stgxfwcmdispdev(デバイス情報表示コマンド)」の表示結果に、該当するデバイスにSymfoware情報が表示されていることを確認してください。
なお、「stgxfwcmsetdev(デバイス情報取得/反映コマンド)」でも確認できます。
各コマンドの詳細は、運用管理サーバのOSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』を参照してください。
注意
デバイス情報の取込みでLogical Unit(ディスク)のデバイス名が取り込まれていれば、Logical Unit単位バックアップの対象とすることができます。ただし、Logical Unit単位のバックアップでSymfowareと連携したバックアップを行うためには、パーティションのデバイス名も同時に取り込む必要があります。Symfowareと関連付けられているパーティションのデバイス名が取り込まれていない場合は、Symfowareと連携せずにバックアップを行います。そのため、Symfowareのデータベースを配置したパーティションが存在する場合は、必ずLogical Unit(ディスク)とその配下のパーティションのデバイス名をすべて取り込んでください。
Symfowareのデータベースの構成情報を取得するため、管理対象サーバ配下のデバイス情報を取り込む前に、Symfowareのデータベースを起動してください。
複数の管理対象サーバ配下のデバイス情報を取り込む場合、リポジトリ更新時に必要な領域が不足することがあります。そのため、デバイス情報を取り込む前に、リポジトリ更新時に必要な領域が不足していないか確認してください。不足している場合は、必要な領域を確保したあとに、デバイス情報を取り込んでください。必要な領域の確認方法は、運用管理サーバのOSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「リポジトリへのアクセス失敗時の対処方法」の手順2を参照してください。
Symfoware情報を取得するには、事前にSymfoware Server Advanced Backup Controllerが動作している必要があります。デバイス情報取得後にSymfoware Server Advanced Backup Controllerをインストールした場合は、デバイス取得を再実施してください。なお、インストール先のシステム環境により、ソフトウェアのバージョンレベルは異なります。詳細は、関連するソフトウェアのマニュアルなどを参照してください。
この操作は、選択した管理対象サーバに定義されているデバイスの総数に比例した時間がかかります。デバイス数が多い場合はCPU負荷やI/O負荷の低い状態で実施してください。目安として、負荷のない状態で、1デバイス(パーティション)あたり約0.5秒かかりますので、参考としてください。
リストア中の管理対象サーバに対し、「stgxfwcmsetdev(デバイス情報取得/反映コマンド)」を実行しないでください。リストア中の管理対象サーバに対して「stgxfwcmsetdev(デバイス情報取得/反映コマンド)」を実行した場合、デバイス情報が正しく取得できない場合があります。
この作業は、「10.2.1.1 swstsvrset(管理対象サーバ構成情報設定コマンド)」で実施できます。
Symfowareデータベーススペースを含まない業務ボリュームのバックアップ運用を行う場合
# /opt/FJSVswsts/bin/swstsvrset swstsvrset completed #
Symfowareデータベーススペースを含む業務ボリュームのバックアップ運用を行う場合
# /opt/FJSVswsts/bin/swstsvrset -c /etc/work/SymfoWARE/Recovery -w /var/work/SymfoWARE swstsvrset completed #
管理対象サーバに接続されているデバイスに対して、バックアップしたいLogical Unit(ディスク)を、業務ボリュームとして定義します。
この作業は、「10.5.1 swstluinfo set(Logical Unit情報設定コマンド)」で実施できます。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstluinfo set /dev/mapper/mpathb swstluinfo completed #
Symfowareのデータベーススペースをロググループ単位にバックアップ/リカバリーする場合、ロググループに含まれるデータベーススペースが配置されているすべてのLogical Unit(ディスク)を、業務ボリュームとして登録する必要があります。1つでも登録から漏れるとAdvancedCopy Managerは登録から漏れたデータベーススペースをバックアップできず、データベースのリカバリー時に表間のリレーションの整合性が保てなくなります。
Symfowareのデータベーススペースが設定されていないデバイスは、Symfoware用の業務ボリュームとして設定できません。
注意
1つのLogical Unit(ディスク)内に異なるRDBシステム・ロググループに属するデータベーススペースが配置されている場合は、業務ボリュームとして設定できません。
業務ボリュームとして登録したLogical Unit(ディスク)内のパーティション(スライス)の構成などを変更する場合、またはSymfoware用の業務ボリュームに割り当てられたRDBシステム名やデータベーススペース名、ロググループ名などを変更した場合は、以下の手順で業務ボリュームとして再登録してください。
登録済みの業務ボリュームのすべてのバックアップ履歴情報を、履歴情報削除コマンドで削除します。
登録済みの業務ボリュームのすべてのバックアップポリシーを削除します。
デバイス情報設定コマンドで、業務ボリュームとしての登録を削除します。
再度、「8.6.5.5 管理対象サーバ配下のデバイス情報の取込み」を行います。
デバイス情報設定コマンドで、業務ボリュームとして再登録します。
以下のデバイスは業務ボリュームとして登録しないでください。
システムが格納されているデバイス
AdvancedCopy Managerがインストールされているデバイス
AdvancedCopy Managerの管理簿が存在するデバイス
LVM(Logical Volume Manager)の論理ボリュームおよびボリュームグループ
ポイント
登録した内容は「10.5.2 swstluinfo disp(Logical Unit情報表示コマンド)」で確認できます。
「10.5.4 swstlubkpol set(バックアップポリシー設定コマンド)」で、業務ボリュームまたはロググループにバックアップポリシーを設定します。
保存世代数
バックアップしたデータを何世代残しておくかを意味します。
バックアップポリシーをSymfowareのロググループに対して設定すると、そのロググループに含まれるすべての業務ボリュームに同じバックアップポリシーが設定されます。
バックアップポリシーの詳細は、「8.6.3.4 バックアップポリシーの決定」を参照してください。
業務ボリュームにバックアップポリシーを設定する場合
# /opt/FJSVswsts/bin/swstlubkpol set -s 3 /dev/mapper/mpathb /dev/mapper/mpathb swstlubkpol completed #
Symfowareのロググループにバックアップポリシーを設定する場合
# /opt/FJSVswsts/bin/swstlubkpol set -n -s 3 LOG01/RDB1 /dev/mapper/mpathb swstlubkpol completed /dev/mapper/mpathc swstlubkpol completed ・・・ LOG01/RDB1 swstlubkpol completed #
注意
指定可能な保存世代数は1~30です。
ポイント
登録した内容は「10.5.5 swstlubkpol disp(バックアップポリシー表示コマンド)」で確認できます。