Logical Unit(ディスク)単位のバックアップ運用設計について説明します。Symfowareデータベーススペースをバックアップ/リカバリーする場合に追加で必要となる設計項目は、【Symfoware】と記載しています。
Symfoware Serverのマニュアルを参考に設計してください。ただし、データベーススペースの配置は、以下の内容に従って設計してください。
ローデバイス上にデータベーススペースを配置する構成だけをサポートします。ファイルシステム上にデータベーススペースを配置する構成はサポートされません。1つのローデバイス(Logical Unit(ディスク))内には、同一のRDBシステムかつ同一ロググループに属するデータベーススペースだけを配置してください。
ローデバイス上にデータベーススペースを作成する方法は、『Symfoware Server RDB運用ガイド(データベース定義編)』を参照してください。
注意
Logical Unit(ディスク)単位またはロググループ単位のバックアップ/リカバリーは、Logical Unit(ディスク)全体のデータが処理対象となります。データベーススペースファイルとほかのデータを区別したバックアップ/リカバリーが必要な場合は、データベーススペースとほかのデータを異なるLogical Unit(ディスク)に配置してください。
AdvancedCopy Managerでバックアップする場合、RDBシステム名およびロググループ名に、2バイト以上のコード(ひらがな、漢字など)を使用できません。
バックアップ運用を行うサーバを決定します。
バックアップ運用を行うサーバには、次のものがあります。
運用管理サーバ
複数の管理対象サーバを一元管理、集中操作します。
管理対象サーバ
AdvancedCopy Managerの運用を行います。
バックアップ対象となる業務データを決定します。
AdvancedCopy Managerのバックアップ単位はLogical Unit(ディスク)です。AdvancedCopy Managerでは、バックアップ対象となる業務データが格納されているLogical Unit(ディスク)のことを業務ボリュームと呼びます。バックアップ対象となる業務ボリュームは、Logical Unit単位バックアップでサポートするストレージ装置上に配置されている必要があります。
業務ボリュームの設定方法は、「8.6.5.7 バックアップ対象デバイスの設定」を参照してください。
注意
以下のデバイスはバックアップ対象としないでください。
システムが格納されているデバイス
AdvancedCopy Managerがインストールされているデバイス
AdvancedCopy Managerの管理簿が存在するデバイス
LVM(Logical Volume Manager)の論理ボリュームおよびボリュームグループ
Symfowareのデータベーススペースをロググループ単位でバックアップする場合、ロググループに含まれるすべてのデータベーススペースが配置されているLogical Unit(ディスク)を、業務ボリュームとして登録しておく必要があります。1つでも登録から漏れると、AdvancedCopy Managerは登録から漏れたデータベーススペースをバックアップできず、データベースのリカバリー時に表間のリレーションの整合性が保てなくなります。
業務ボリュームまたはSymfowareのロググループに対して設定するバックアップポリシーを決めます。バックアップポリシーには以下の項目があります。
保存世代数は、バックアップしたデータを何世代残しておくかを意味します。
バックアップにより履歴が定義した保存世代数を超える場合は、バックアップ開始前に、最古の世代を世代管理より解放します。そのため、バックアップ起動中にシステムダウンなどの障害が発生した場合は、最古の世代が削除された状態で、バックアップしたデータが必要世代数分存在しない可能性があります。直ちにバックアップを再実行して、必要世代数分のバックアップデータを作成することをお勧めします。
バックアップポリシーの設定方法は、「8.6.5.8 バックアップポリシーの設定」を参照してください。
Symfowareのバックアップ運用では、次のディレクトリの設定が必要です。
リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリ
作業ディレクトリ
リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリは、バックアップ時に作成されるリカバリ制御ファイルの格納先です。
リカバリ制御ファイルに必要な容量は、1業務ボリュームを1世代分バックアップすると約1MBになります。
N個の業務ボリュームをM世代保存する場合に必要な容量は、「N×M (MB)」になります。
バックアップ運用開始時にリカバリ制御ファイル出力先ディレクトリを設定していない場合は、/etc/opt/FJSVswsts/SymfoWARE/Recovery/LUBKディレクトリを使用します。
作業ディレクトリは、リストア時にデータベースのリカバリー作業を行うための作業ディレクトリです。
バックアップ運用開始時に作業ディレクトリを設定していない場合は、/var/opt/FJSVswsts/SymfoWARE/LUBKディレクトリを使用します。