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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.3 運用ガイド
ETERNUS

8.6.6 運用

8.6.6.1 バックアップの実行

  1. 業務の停止【Symfoware以外】

    バックアップデータの整合性を確保するため、業務ボリュームを使用しているアプリケーションを停止します。
    業務ボリュームのパーティションをファイルシステムとして使用している場合は、すべてアンマウントします。

  2. スナップショットの作成

    この作業は、「10.5.7 swstlubackup(バックアップ実行コマンド)」で実施できます。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstlubackup /dev/mapper/mpathb
    /dev/mapper/mpathb swstlubackup completed
    #
  3. 業務の再開【Symfoware以外】

    手順1でファイルシステムをアンマウントした場合は、再度マウントします。
    手順1で停止したアプリケーションを再開します。

Symfowareのバックアップは、業務ボリュームまたはロググループを指定して、「10.5.7 swstlubackup(バックアップ実行コマンド)」を使用して行います。ロググループ指定でのバックアップでは、そのロググループに含まれるすべての業務ボリュームを一度にバックアップします。

以下に示す方法でバックアップできます。

バックアップ方法

説明

通常ダンプ

アーカイブログ運用中(通常運用中)のデータベースをバックアップします。

参照ダンプ

長期保存などの目的のためにアーカイブログ運用から切り離されたデータベースをバックアップします。

# /opt/FJSVswsts/bin/swstlubackup -n LOG01/RDB1
LOG01/RDB1 swstlubackup completed
#

注意

  • ファイルシステムが存在するボリュームは、バックアップ前にすべてアンマウントしてください。データの整合性が維持できない可能性があります。

  • 業務ボリューム指定でバックアップする場合、マルチデータベーススペース(1つの実表やインデックスを、複数のデータベーススペースに割り付けた物理構造)を含む業務ボリュームの参照ダンプは指定できません。

  • 参照ダンプでバックアップする場合、Symfowareのrdbrtrコマンドを用いて、バックアップする業務ボリューム内の全DSI(実表に対してその格納構造を表現するもの)に更新抑止を設定(データ書込み不可状態)する必要があります。

8.6.6.2 リストアの実行

バックアップしたボリューム/データの復元方法について説明します。

Symfowareデータベースを含まない業務ボリュームのリストア

Symfowareデータベースを含む業務ボリュームのリカバリー

Symfowareのリカバリーは、業務ボリュームまたはロググループを指定して、「10.5.7 swstlubackup(バックアップ実行コマンド)」でバックアップされた履歴管理されているスナップショットから、「10.5.8 swstlurestore(リストア実行コマンド)」を使用して行います。

注意

  • ロググループを指定してリカバリーする場合、ロググループに含まれる業務ボリュームを一度にリカバリーします。

  • データベーススペースを配置するパーティションが、リカバリー対象の業務ボリュームに存在しない場合は、パーティションを作成した後にリカバリーを実施してください。

-bundleオプションを使用して同一ロググループの複数の業務ボリュームを一括してリカバリーすることも可能です。これを、バンドル・リカバリーと呼びます。RAIDグループ内に複数のデータベーススペースが配置されている場合、これらのデータベーススペースを一括してリカバリーすることにより、ログ適用にかかる時間が短縮され、リカバリー時間が短縮されます。
リカバリーは、以下の方法で実行できます。

リカバリーするデータのバックアップ方法(通常ダンプ/参照ダンプ)によって、指定できるリカバリー方法が異なります。以下の組合せで指定できます。

表8.2 バックアップ方法とリカバリー方法の組合せ

バックアップ方法

リカバリー方法

最新の状態への復旧

リカバリ終了点を指定した特定時点への復旧()

バックアップ時点への復旧

通常ダンプ

参照ダンプ

×

○:可能、×:不可能

注:リカバリポイントの詳細は、Symfoware Serverのマニュアルを参照してください。リカバリポイントはデータベースのリカバリー時まで覚えておく必要があります。

# /opt/FJSVswsts/bin/swstlurestore -n -g 2 LOG01/RDB1
LOG01/RDB1 swstlurestore completed
#

注意

  • すべての方法において、リカバリー対象となるデータベーススペースがアクセス禁止状態になっている必要があります。アクセス禁止状態にするには、Symfowareが提供するrdbexspcコマンドで行います。コマンドの詳細は、『SymfowareServer RDB運用ガイド』を参照してください。

  • ロググループに含まれる業務ボリュームを個別にリカバリーする場合は、ロググループ内の表間のリレーションはデータベース管理者の責任で整合させる必要があります。

  • “最新状態への復旧”または“特定時点への復旧”を行う場合、アーカイブログファイルが外部媒体に保管されていれば、リカバリー時に必要なアーカイブログ退避ファイル名を列挙したファイルを、リカバリーを行う業務ボリュームが存在する管理対象サーバに作成しておき、リカバリー時に指定する必要があります。このファイルの記述方法は、『Symfoware Server RDB運用ガイド』を参照してください。

  • “リカバリー終了点を指定した特定時点への復旧”または“バックアップ時点への復旧”を行う場合、Symfowareの管理情報を復旧する処理が行われます。この処理はリカバリーの実行処理の一部として実施されるため、コマンドの処理に時間がかかります。

  • リカバリーしたデータのバックアップ方法(通常ダンプまたは参照ダンプ)がロググループ内に混在する場合は、ロググループ単位ではリカバリーできません。「10.5.8 swstlurestore(リストア実行コマンド)」に-bundleオプションを指定して、同一ロググループの複数の業務ボリュームを一括でリカバリーしてください。

  • Logical Unit(ディスク)単位にバックアップを実施した場合、ロググループ単位リカバリーまたはバンドル・リカバリーでは、世代指定に相対世代番号を指定してください。これは、Logical Unit(ディスク)単位にバックアップを実施した場合、特定の業務ボリューム(データベーススペース)の履歴が更新され、相対世代番号に対する絶対世代番号がそろわない状態が発生するためです。

ポイント

バンドル・リカバリーを実行するには、あらかじめ、一括してリカバリーしたい業務ボリュームを列挙した「デバイスリストファイル」を作成しておく必要があります。デバイスリストファイルの詳細は、「デバイスリストファイルの記述方法」を参照してください。

デバイスリストファイルの記述方法

デバイスリストファイルは、リカバリーを行う管理対象サーバの任意の場所に作成します。このファイルをリカバリー実行時に指定することで、複数の業務ボリュームを一括でリカバリーできます。

デバイスリストファイルの記述例を以下に示します。

# コメント行は「#」ではじめます。
# LOG01/GRP1
/dev/mapper/mpathb # この部分にもコメントを記述できます。
/dev/mapper/mpathc
/dev/mapper/mpathae
/dev/mapper/mpathaf
:
:

デバイスリストファイルの記述規則は、以下のとおりです。

  • 1行に業務ボリューム名を1つ記述します。行頭から業務ボリューム名の間、および、業務ボリューム名のうしろから行末(改行記号)の間には1個以上の「半角空白またはタブ文字」が含まれていても構いません。

  • 空白行(「半角空白またはタブ文字」)がファイルに含まれていても構いません。

  • 記号「#」から行末までは、コメントとみなされます。

注意

リストア実行コマンドで-bundleオプションが指定された場合、デバイスリストファイルに記述されたすべての業務ボリュームがリストアの対象となります。以下の場合、リストア処理はエラーとなります。

  • 業務ボリュームに関する記述が1件もなかったとき。

  • 業務ボリュームに関する記述は存在するが、記述形式に誤りがあったとき。

  • 業務ボリュームがSymfowareのボリュームでなかったとき。

  • 業務ボリュームが複数のロググループにまたがっていたとき。

  • 業務ボリュームに関する記述行以外に不正行が存在したとき。

  • 以下の例のように、1つの業務ボリュームを複数指定したとき。

    # 1業務ボリュームが複数ある例
    /dev/mapper/mpathb
    /dev/mapper/mpathb
    :

8.6.6.3 バックアップ履歴の管理

バックアップした履歴を参照・削除できます。
バックアップ履歴情報は、業務ボリュームに対して世代管理しているバックアップデータのスナップショット名、バックアップ日時、Symfowareなどの情報を保存しています。

バックアップポリシーで設定した保存世代を超えたバックアップ履歴は、自動的に削除されます。
バックアップ履歴を手動で削除する場合は以下の手順で実施します。

  1. バックアップ履歴の表示

    この作業は、「10.5.9 swstluhistory disp(履歴情報表示コマンド)」で実施できます。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstluhistory disp /dev/mapper/mpathd
    [Logical Unit]
    Device=/dev/mapper/mpathd
    Data-Type=FileSystem(ext3)
    Generation Version Backup-Date      Backup-Disk
    1          1       2000/11/12 22:00 00000000001:volume-003-snap-001
    
    [Partition]
    Device=/dev/mapper/mpathd
    Partition=/dev/mapper/mpathdp1 
    Data-Type=FileSystem(ext3)
    Data-Detail=/mnt/Tran1
    Generation Version Backup-Date      Backup-Disk
    1          1       2000/11/12 22:00 00000000001:volume-003-snap-001
    #
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstluhistory disp -n LOG1/RDB1
    [Logical Unit]
    Device=/dev/mapper/mpathb
    Data-Type=SymfoWARE(LOG01/RDB1)
    Generation Version Backup-Date      Backup-Disk
    1          10      2000/11/12 22:00 00000000001:volume-001-snap-010
    2          9       2000/11/11 22:00 00000000001:volume-001-snap-009
    
    [Partition]
    Device=/dev/mapper/mpathb
    Partition=/dev/mapper/mpathbp1
    Data-Type=SymfoWARE(LOG01/RDB1)
    Data-Detail=DB1.DBSP1
    Generation Version Backup-Date      Backup-Disk                     ArcSerial
    1          10      2000/11/12 22:00 00000000001:volume-001-snap-010 5
    2          9       2000/11/11 22:00 00000000001:volume-001-snap-009 4
    
    Device=/dev/mapper/mpathb
    Partition=/dev/mapper/mpathbp1
    Data-Type=SymfoWARE(LOG01/RDB1)
    Data-Detail=DB1.DBSP2
    Generation Version Backup-Date      Backup-Disk                     ArcSerial
    1          10      2000/11/12 22:00 00000000001:volume-001-snap-010 5
    2          9       2000/11/11 22:00 00000000001:volume-001-snap-009 3
    #
  2. バックアップ履歴の削除

    この作業は、「10.5.10 swstluhistory delete(履歴情報削除コマンド)」で実施できます。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstluhistory delete -v 1 /dev/mapper/mpathd
    /dev/mapper/mpathd swstluhistory completed
    #
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstluhistory delete -n -v 9 LOG01/RDB1
    /dev/mapper/mpathb swstluhistory completed
    LOG01/RDB1 swstluhistory completed
    #