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ServerView Resource Orchestrator V2.3.0 ユーザーズガイド

G.1.8 オーバーコミット

ここでは、L-Serverのオーバーコミットについて説明します。


オーバーコミット

本製品では、VMwareのCPUやメモリのオーバーコミットを利用できます。

VMwareのCPUやメモリのオーバーコミットとは、サーバに実装されているCPUやメモリのリソース量よりも、多くのリソースをゲストOSに対して仮想的に割り当てられる機能のことです。

本製品では、L-Serverを作成する際に、VMwareのCPUやメモリのオーバーコミットを利用するため以下の機能を提供します。

前提条件

管理サーバ

本製品とVMwareとCPUおよびメモリのオーバーコミットとの連携機能を利用する場合、管理サーバのOSは、Windowsだけサポートします。


導入手順

ここでは、オーバーコミットを導入する手順について説明します。

  1. オーバーコミット用のVMプールの作成

    オーバーコミット用のVMプールを作成します。VMプールの作成方法は、「付録A リソースプール」を参照してください。

    注意

    オーバーコミットのVMプールには、VMwareのVMホストだけを登録してください。VMware以外のVMホストが登録されている場合、そのVMホストを、ほかのVMプールへ移動してください。
    オーバーコミットのVMプールに登録されているVMware以外のVMホストに対して、以下の操作はできません。

    • L-Serverの作成

    • 構築済み仮想マシンのL-Serverへの関連付け

  2. VMプールに対するオーバーコミット設定ファイルの作成

    手順1.で作成したVMプールに、オーバーコミットの設定およびオーバーコミットで使用するVMプールに対する空き容量を計算し、予約値または上限値を指定します。

    オーバーコミット設定ファイルを作成します。

    オーバーコミット設定ファイルの格納場所

    【Windows】
    インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data

    オーバーコミット設定ファイルの名前

    pool.rcxprop

    オーバーコミット設定ファイルの書式

    over_commit=pool1,pool2,...
    over_commit_calculate_by_reserve_value=true|false

    over_commit

    VMプール名は、複数指定できます。複数指定する場合、カンマ(",")区切りで指定してください。

    階層化されたVMプール名は、絶対パスで指定してください。

    オーケストレーションツリー直下のVMプールは、VMプール名だけ指定してください。

    over_commit=VMPool,/folder1/VMPool

    ポイント

    オーバーコミットを使用するL-Serverと使用しないL-Serverを作成する場合、オーバーコミットを使用するVMプールと使用しないVMプールの両方を作成する必要があります。

    over_commit_calculate_by_reserve_value

    オーバーコミットで使用するVMプールに対する空き容量の計算方法を指定します。

    "true"または"false"を指定できます。

    予約値で換算する場合、"true"を指定します。上限値で換算する場合、"false"を指定します。

    以下の場合、"false"が指定されます。

    - over_commit_calculate_by_reserve_valueの指定を省略した場合

    - 無効な値を指定した場合

    over_commit_calculate_by_reserve_value=true

  3. L-Serverテンプレートのエクスポート

    L-Serverテンプレートをエクスポートします。L-Serverテンプレートのエクスポートは、「5.4.1 エクスポート」を参照してください。

  4. L-Serverテンプレートの編集

    L-Serverテンプレートにオーバーコミットを設定します。

    L-ServerテンプレートのXML定義については、「1.2.4 L-Serverテンプレート」に従って編集してください。

    参考

    L-Serverテンプレート名を編集しないでインポートすると、既存のL-Serverテンプレートの内容が上書きされます。エクスポートした際のL-Serverテンプレートと異なる名前に変更してインポートすると、L-Serverテンプレートが追加されます。

  5. L-Serverテンプレートのインポート

    L-Serverテンプレートをインポートします。

    L-Serverテンプレートのインポートは、「5.4.3 インポート」を参照してください。

  6. L-Serverの作成

    手順4.で作成したL-Serverテンプレートを利用してL-Serverを作成します。

    詳細は、「6.1 L-Serverテンプレートを利用しての作成」を参照してください。

    L-Serverテンプレートを利用しない場合、コマンドを利用してL-Serverを作成します。「第6章 L-Server」に従ってL-ServerのXMLを編集したあと、rcxadm lserver createコマンドを実行します。

    詳細は、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.3.1 rcxadm lserver」を参照してください。

  7. L-Serverに対するオーバーコミットの設定確認

    L-Serverに対するオーバーコミットの設定を確認するには、rcxadm lserver showコマンドを実行します。

    コマンドの出力結果に、OverCommitで始まる行が含まれているか確認してください。

    rcxadm lserverコマンドの詳細は、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.3.1 rcxadm lserver」を参照してください。

    注意

    L-Serverの起動に失敗した場合は、L-Serverの設定により手順が異なります。以下の手順を実行してください。

    • L-Serverの設定で、"運用位置"が"起動毎に変更"の場合

      L-Serverの起動を再実行してください。リソースに空き領域があるVMホストがあれば、何回か起動を行うと空き領域のあるVMホストで起動できます。

    • L-Serverの設定で、"運用位置"が"固定"の場合

      VMホストを自動選択しないため、L-Serverの運用位置を変更して起動するか、同じVMホスト上のほかのL-Serverを移動または停止させたあとに起動してください。

      運用位置の変更は「D.2.2 [サーバ種別]で"VM"を選択」、移動については、「6.8 サーバ間の移動(マイグレーション)」を参照してください。


L-Serverの仕様変更

ここでは、L-Serverの仕様変更について説明します。

L-Serverの仕様変更は、rcxadm lserver modifyコマンドを実行します。

詳細は、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.3.1 rcxadm lserver」を参照してください。

注意

L-Serverの仕様を変更する場合、VMホストの稼働している物理サーバのリソース(CPU数、CPU周波数、メモリ容量)がCPU予約性能、メモリ予約容量よりも小さい場合、L-Serverの仕様変更は失敗します。