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ServerView Resource Orchestrator V2.3.0 ユーザーズガイド

1.2.1 リソースプール

リソースプールとは、物理サーバ、VMホスト、ストレージ、ネットワーク、イメージなど同じ種類のリソースをまとめたものです。

リソースプールを導入することで、以下のメリットがあります。

これまでは、新規業務や業務拡張に伴い、その都度サーバ、ストレージ、ネットワークなどのリソースを購入する必要があったため、稟議や手配、購入後の環境構築などで時間も手間もかかっていました。本製品を導入すると、必要なリソースをリソースプールから切りだすだけでサーバを構築できるため、システムごとに必要であった稟議や手配、環境構築などの時間と手間は不要になり、計画的なインフラ環境の構築と運用が実現できます。

リソースプール管理は、リソースを無駄なく有効に活用するための機能です。リソースプール種別は、「表1.2 リソースプール種別」のとおりです。詳細については、「付録A リソースプール」を参照してください。

本製品で制御するリソースを事前にリソースプールに登録しておくことで、利用者の要求に応じて適切なリソースをリソースプールから切り出し、迅速にサーバ(ストレージ、ネットワークを含む)を構築できます。サーバが不要になった場合は、リソースを解放して再利用に備えます。

リソースプールは運用要件(ハードウェア種別、セキュリティ、リソース管理単位など)に応じて複数作成できます。リソースプール内のリソースが不足した場合は、新しいリソースを追加するか、ほかのリソースプールからリソースを移動して補います。

表1.2 リソースプール種別

リソースプール種別

概要

VM

新たなサーバ(VM)を作成する際に利用するVMホストを格納するリソースプールです。
異なるサーバ仮想化ソフトウェア製品のVMホストを格納できます。
また、サーバ仮想化ソフトウェア製品が混在したVMプールでは、L-Server作成時にVM種別を指定することで、適切なVMホストが選択され、L-Serverが作成されます。
複数のクラスタグループが同一のVMプールに登録されている環境で、L-Serverの移動(マイグレーション)を行った場合、同一のクラスタに所属しているVMホスト間だけ移動できます。

サーバ

新たなサーバを作成する際に利用する物理サーバを格納するリソースプールです。

ストレージ

本製品では、仮想ストレージリソースおよびディスクリソースを管理します。
仮想ストレージリソースとは、ストレージ管理製品が制御するRAIDグループなどの、VM管理製品が制御するVMゲスト用のファイルシステムのことです。これらを仮想ストレージリソースとして共通の操作で管理できます。
ディスクリソースとは、サーバに割り当てるディスクのことです。

  • ETERNUSストレージおよびEMC CLARiXの場合

    LUN

  • NetAppストレージの場合

    FlexVol

  • EMC Symmetrix DMXの場合

    デバイス

  • VMゲストの場合

    仮想ディスク

本製品では、以下の方法でL-Serverにディスクリソースを割り当てます。

  • 仮想ストレージリソースから必要なサイズのディスクリソースを切り出して、L-Serverに割り当てる。

  • ストレージ管理製品で事前に作成したディスクを、L-Serverに割り当てる。

ストレージプールには、以下の仮想ストレージリソースが格納されます。

  • VM用

    VMwareのVMFS(データストア)やHyper-Vのクラスタ共有ボリュームやOracle VMのストレージリポジトリなどの、VMと仮想ディスクを作成するためのファイルシステム

  • 物理サーバ用
    ETERNUSのRAIDグループ、NetAppのアグリゲートなど、ストレージ装置上でLUNを作成する元になるリソース

ストレージプールには、以下のディスクリソースが格納されます。

  • 物理サーバ用
    ETERNUSおよびEMC CLARiXのLUN、NetAppのFlexVol、EMC Symmetrix DMXのデバイスなど、サーバに割り当てるディスクに相当するリソース

ネットワーク

サーバを接続するネットワークを定義したネットワークリソースを格納するリソースプールです。
ネットワークリソースの詳細については、「1.2.6 ネットワーク設定の簡易化」を参照してください。

アドレス

以下のリソースが格納されます。

  • MACアドレス

  • WWN

イメージ

以下のリソースが格納されます。

  • クローニングマスタ