Systemwalker Service Quality Coordinator ユーザーズガイド - Microsoft(R) Windows(R) 2000/Microsoft(R) Windows Server(TM) 2003/Solaris(TM) オペレーティングシステム/Linux - 13.2
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第2部 導入(基本編)> 第4章 インストールとセットアップ

4.5 Managerの二階層運用モデル(Enterprise Editionのみ)

本製品の構成モデルは、通常はManagerとAgent/Proxy Managerの二階層構成です。ただし、大規模なシステムにおいて、各部門単位に設置されたManagerの上位サーバとしてEnterprise Managerを設置して、システム全体を一元管理することができます。

本機能は、Systemwalker Service Quality Coordinator Enterprise Editionで提供される機能です。Enterprise Managerを用意すると共に、ManagerがEnterprise Editionである必要があります。Agentは、Standard EditionまたはEnterprise Editionのどちらでもかまいません。

Enterprise Managerを導入する手順を、新規にSystemwalker Service Quality Coordinatorの環境を構築する場合を例に説明します。

各手順の詳細な内容については、参照箇所欄を参照してください。

参照箇所欄で節が示されている場合は、指定の節(子の節があればそれを含む)のみ実行し、次の節には進まないでください。

すでにManagerの一階層構成で運用を実施している環境から、Managerの二階層運用に移行する場合には、以下の手順のみ行ってください。

項番

作業場所

手順

作業内容

参照箇所

1

Enterprise Manager

1-1

Enterprise Managerを導入します。

4.5.1節

2

Manager

2-1

インストールします。

4.1.1.1節

2-2

Managerの二階層運用セットアップコマンドを実行します。

4.5.2節

2-3

(Manager上でエンドユーザレスポンス管理またはサービス稼動管理を行う場合のみ)

エンドユーザレスポンス管理の設定および、サービス稼動管理の設定を行います。

第18章

2-4

(Manager上でエンドユーザレスポンス管理またはサービス稼動管理を行う場合のみ)

ポリシーの作成を行います。

16.2節

2-5

(Manager上でエンドユーザレスポンス管理またはサービス稼動管理を行う場合のみ)

ポリシーの適用を行います。

16.3節

2-6

常駐プロセスを起動します。

5.1節

2-7

(Manager上でエンドユーザレスポンス管理を行う場合のみ)

Browser Agentの収集サーバの設定を行います。

11.2節

3

(Proxy Manager上でエンドユーザレスポンス管理またはサービス稼動管理を行う場合のみ)

Proxy Manager

3-1

インストールします。

4.1.2.1節

3-2

エンドユーザレスポンス管理の設定および、サービス稼動管理の設定を行います。

第18章

3-3

ポリシーの作成を行います。

16.2節

3-4

ポリシーの適用を行います。

16.3節

3-5

常駐プロセスを起動します。

5.2節

3-6

(Proxy Manager上でエンドユーザレスポンス管理を行う場合のみ)

Browser Agentの収集サーバの設定を行います。

11.2節

4

Agent

4-1

インストールします。

4.1.2.1節

4-2

(ミドルウェアの性能管理を行う場合のみ)

連携するミドルウェアによっては、ミドルウェア側での準備/確認が必要なものがあります。

ミドルウェア側での準備/確認を行ってください。

第6章

4-3

(Agent for BusinessでWebトランザクション量管理を行う場合)

Webトランザクション量管理の定義を行ってください。

13.1節

4-4

ポリシーの作成を行います。

16.1節

4-5

ポリシーの適用を行います。

16.3節

4-6

常駐プロセスを起動します。

5.2節

5

運用管理クライアント

5-1

運用管理クライアントを導入します。

4.1.3節

5-2

環境設定の、Managerの登録の際、Enterprise ManagerをManagerとして登録します。

4.1.3.4節

6

(エンドユーザレスポンス管理を行う場合のみ)

Browser Agent

6-1

Browser Agentの導入を行います。

11.3節

本節では、Enterprise Managerの導入/設定方法およびManagerの二階層運用セットアップコマンドについて説明します。

Managerの二階層運用を解除する場合は、Managerの手順のみを適宜読みかえて設定してください。

4.5.1 Enterprise Managerの導入

Enterprise Managerを導入するサーバにおける作業手順は以下のとおりです。

本節では手順どおりに説明していますので、本節の項番にそって導入・設定してください。

4.5.1.1 インストール 

4.5.1.1.1 インストール条件 

インストール条件については、「第3章 インストール条件と資源の見積もり」を参照してください。

4.5.1.1.2 インストール開始前の準備 

インストーラを起動すると、以下の項目について問合せがあります。インストール開始前に決定または確認をしてください。

No.

問合せ項目

説明

1

インストールディレクトリ

実行モジュールなど、固定の資源をインストールするディレクトリのパスです。

2

可変ファイル格納ディレクトリ

動作中に変更するファイルを格納するためのディレクトリのパスです。

No.

問合せ項目

説明

1

インストールディレクトリ

実行モジュールなど、固定の資源をインストールするディレクトリのパスです。

2

定義ファイル格納ディレクトリ

動作中に参照する定義ファイルを格納するディレクトリです。

3

可変ファイル格納ディレクトリ

動作中に変更するファイルを格納するためのディレクトリのパスです。

No.

問合せ項目

説明

1

インストールディレクトリ

実行モジュールなど、固定の資源をインストールするディレクトリのパスです。

2

定義ファイル格納ディレクトリ

動作中に参照する定義ファイルを格納するディレクトリです。

3

可変ファイル格納ディレクトリ

動作中に変更するファイルを格納するためのディレクトリのパスです。

4.5.1.1.3 インストール手順 

インストールの手順を、以下に示します。

  1. Windowsマシンに Administrator権限をもつアカウントでログインします。
  2. CD-ROM装置に本製品のCD-ROMをセットします。
  3. インストーラが起動します。

    インストールするマシンの設定によっては、自動的にインストーラが起動しないことがあります。その場合は、以下の操作を行い、手動でインストーラを起動してください。

  4. インストーラ画面の[Enterprise Managerのインストール]ボタンを押下します。
  5. インストールが開始され、前項で説明した問い合わせが行われます。

  1. Solarisマシンにスーパ・ユーザでログインします。
  2. CD-ROMをマウントします。
  3. インストール用のシェルスクリプトを起動します。実行例は、以下のとおりです。この例では、CD-ROM装置のマウントポイントを /cdrom/cdrom0 としています。

    # cd /cdrom/cdrom0/FJSVssqc/enterprise/packages

    # ./install.sh

  4. インストールが開始され、前項で説明した問い合わせが行われます。

  1. Linuxマシンにスーパ・ユーザでログインします。
  2. CD-ROMをマウントします。
  3. インストール用のシェルスクリプトを起動します。実行例は、以下のとおりです。この例では、CD-ROM装置のマウントポイントを /mnt/cdrom としています。

    # cd /mnt/cdrom/FJSVssqc/enterprise/packages

    # ./install.sh

  4. インストールが開始され、前項で説明した問い合わせが行われます。

4.5.1.2 通信環境の設定 

ホスト名を使ってManagerと通信できない場合(Managerが別サブネットに存在する場合など)、管理対象となるManagerのホスト名とIPアドレスをhostsファイルに設定してください。

4.5.1.3 起動方法と確認方法 

第5章 常駐プロセス、起動と停止」 を参照して、起動してください。また、常駐プロセスが正しく起動しているか確認してください。

4.5.2 Managerの二階層運用セットアップ

Enterprise Managerでシステム全体の一元管理を行うためには、Managerをインストール後、各ManagerにてManagerの二階層運用セットアップコマンドを実行する必要があります。

以下、Managerの二階層運用セットアップコマンドsqcEmSetupの仕様について説明します。

【名前】

sqcEmSetup −Managerの二階層運用環境セットアップ

【形式】

<インストールディレクトリ>\bin\sqcEmSetup.exe -h <host name> [-s on|off]

<インストールディレクトリ>\bin\sqcEmSetup.exe -u

<インストールディレクトリ>\bin\sqcEmSetup.exe -d

本コマンドを実行する際は、ス−パ・ユーザでログインしてください。

/opt/FJSVssqc/bin/sqcEmSetup.sh -h <host name> [-s on|off]

/opt/FJSVssqc/bin/sqcEmSetup.sh -u

/opt/FJSVssqc/bin/sqcEmSetup.sh -d

【機能説明】

Enterprise Managerを導入したManagerの二階層運用の環境を構築、または削除します。

本コマンドを実行する際には、本製品のDCMサービスが停止していることを確認してください。DCMサービスの停止方法については、「第5章 常駐プロセス、起動と停止」を参照してください。

【オプション】

オプション

意味

-h <host name>

Enterprise Managerのホスト名またはIPアドレスを指定します。本オプションは、-u および -dオプションと同時に指定することはできません。

[-s on|off]

-hオプションを指定した場合に、Managerに運用管理クライアントを接続して、各部門単位の管理を実施するかどうかを設定します。本オプションを指定しない場合は、offに設定されます。

  • on : Managerに運用管理クライアントを接続します。
  • off : Managerに運用管理クライアントは接続しません。

本オプションでonを設定した場合は、Enterprise Managerではシステム全体の管理を、Managerでは各部門単位の管理を行うことができます。

-u

Managerの二階層運用の解除を行います。本オプションは、-h および -dオプションと同時に指定することはできません。

-d

現在設定されているEnterprise Managerを表示します。本オプションは、-h および -uオプションと同時に指定することはできません。

【終了ステータス】

正常終了 0

異常終了 1

正常終了した場合には、以下のメッセージを出力します。

異常終了した場合には、以下のメッセージを出力します。

【使用例】

Managerの二階層運用環境をセットアップする場合は、以下のように実行します。

C:\>cd C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin

C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin>sqcEmSetup.exe -h hostname

Command Succeeded.

C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin>

# cd /opt/FJSVssqc/bin/

# ./sqcEmSetup.sh -h hostname

Command Succeeded.

#

Managerに運用管理クライアントを接続し、各部門単位での管理を行う場合は、以下のように実行します。

C:\>cd C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin

C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin>sqcEmSetup.exe -h hostname -s on

Command succeeded.

C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin>

# cd /opt/FJSVssqc/bin/

# ./sqcEmSetup.sh -h hostname -s on

Command succeeded.

#

Managerの二階層運用を解除する場合は、以下のように実行します。

C:\>cd C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin

C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin>sqcEmSetup.exe -u

Command succeeded.

C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin>

# cd /opt/FJSVssqc/bin/

# ./sqcEmSetup.sh -u

Command succeeded.

#

設定されているEnterprise Managerを表示する場合は、以下のように実行します。

C:\>cd C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin

C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin>sqcEmSetup.exe -d

Enterprise manager host name : XXXX

C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin>

# cd /opt/FJSVssqc/bin/

# ./sqcEmSetup.sh -d

Enterprise Manager host name : XXXX

#

XXXXは、現在Enterprise Managerとして設定されているホスト名またはIPアドレスです。Managerの二階層運用を実施しておらず、Enterprise Managerが存在しない場合は、ホスト名(「XXXX」の部分)が空白で表示されます。

オプションを何も指定せずに本コマンドを実行したり、本コマンドの使用方法が誤っていたりした場合は、コマンドヘルプが表示されます。

C:\>cd C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin

C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin>sqcEmSetup.exe

Usage:sqcEmSetup.exe -h hostname [ -s on|off ]

    sqcEmSetup.exe -u

    sqcEmSetup.exe -d

C:\Program Files\SystemwalkerSQC\bin>

# cd /opt/FJSVssqc/bin/

# ./sqcEmSetup.sh

Usage:sqcEmSetup.exe -h hostname [ -s on|off ]

    sqcEmSetup.exe -u

    sqcEmSetup.exe -d

#

【ファイル】

本コマンドが成功すると、以下のファイルが編集されます。

<可変ファイル格納ディレクトリ>\control\DSAconfiguration.txt

/etc/opt/FJSVssqc/DSAconfiguration.txt

【注意事項】

特にありません。

4.5.3 アンインストーについて 

Enterprise Managerのアンインストールは、以下の方法で行います。

  1. アンインストール対象マシンにAdministrator権限でログインします。
  2. コントロールパネルで [アプリケーションの追加と削除] または [プログラムの追加と削除] をダブルクリックします。
  3. アプリケーションの一覧から以下を選択し、[追加と削除] または [変更と削除]ボタンをクリックします。
  4. アンインストールが開始されますので、指示に従ってアンインストールします。

インストール後に追加されたファイルも削除されますので、必要に応じてバックアップを取ってください。

  1. システム上でスーパ・ユーザになります。

    # su <RETURN>

  2. pkgrmコマンドを実行します。

    # pkgrm FJSVsqcmm <RETURN>

インストール後に追加されたファイルも削除されますので、必要に応じてバックアップを取ってください。

  1. システム上でスーパ・ユーザになります。

    # su <RETURN>

  2. rpmコマンドを実行します。

    # rpm -e FJSVsqcmm <RETURN>

4.5.4 アップグレードインストーについて 

Enterprise Managerのアップグレード作業は、Managerのアップグレード手順と同様です。

4.1.5.1 Managerの作業」を参照してください。


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