Systemwalker Service Quality Coordinator ユーザーズガイド - Microsoft(R) Windows(R) 2000/Microsoft(R) Windows Server(TM) 2003/Solaris(TM) オペレーティングシステム/Linux - 13.2
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第4部 導入(応用編)> 第13章 Webトランザクション量を管理する

13.1 トランザクションログ定義

Webトランザクション量を管理するには、まず、トランザクションログ定義ファイルが必要です。本定義ファイルは、トランザクションログ分析機能のログ解析条件を記述したファイルです。

定義作業を行う場合は、以下に提供するサンプルファイルを元にして、定義作業を実施してください。

<インストールディレクトリ>\sample\tlawatch.ini

/opt/FJSVssqc/sample/tlawatch.ini

13.1.1 定義場所 

トランザクションログ定義ファイルは、テキストファイルです。ファイルの作成と編集は、メモ帳などのテキストエディタを使用してください。ファイルのパスは、以下のとおりです。

<可変ファイル格納ディレクトリ>\control\tlawatch.ini

/etc/opt/FJSVssqc/atlawatch.ini

なお、テキストの文字コードは、以下のとおりです。

シフトJIS

日本語EUC

13.1.2 定義形式

トランザクションログ定義ファイルは、以下の形式で記述します。

■形式

[RequestLog]

Service=service-name

Type=web | proxy

Path=log-path

Format=format-symbol | "format"

TimeZone=timezone

Inclusion=inclusive-record

■説明

[RequestLog]

定義ブロックの開始を表します。また、前の定義ブロックの終了を意味します。

定義可能な定義ブロック数は最大20です。

Service=service-name

分析対象ログの識別名を定義します。

service-nameには、識別名を、半角文字を使って64文字以内で指定します。以下は使用できません。

\ : < > " $ ' [ ] = & / * ? | ,

他の定義ブロックと同じservice-nameを指定することはできません。

Type=web | proxy

分析対象サーバの種別の定義です。選択肢の意味は以下のとおりです。

選択肢

意味

web

Webサーバ

proxy

プロキシサーバ

デフォルトは、以下のとおりです。デフォルトの場合、行自体を省略できます。

Type=web

Path=log-path

分析対象ログファイルのパスを定義します。

log-path に分析対象ログファイルの絶対パスを指定します。ログファイルが同一ディレクトリ配下に複数作成される場合には、ファイル名にワイルドカード('*') を使用して、複数のファイルすべてを包含したかたちで指定します。パスに空白が含まれる場合は、全体をダブルクォーテーション('"')で囲んでください。

ワイルドカードは、日時やファイルローテーションによって複数のログファイルが作成される場合のファイル名指定を行うために用意されています。任意の文字列に対して指定することは出来ません。

分析対象ログファイル

log-path

"C:\WINNT\system32\LogFiles\W3SVC3"配下で以下の形式で作成されるログファイル:

ex041002.log、ex041003.log、...

C:\WINNT\system32\LogFiles\W3SVC3\ex*.log

"/var/www/logs"配下で以下の形式で作成されるログファイル:

accesslog01、accesslog02、...

/var/www/logs/accesslog*

Format=format-symbol | "format"

分析対象ログファイル内の記録形式を定義します。

format-symbolは、定型の記録形式に対応したシンボルです。指定できるシンボルを後述の一覧表に示します。"format" は、記録形式をトークンと区切り文字で指定します。分析対象ログファイル内の記録形式が、定型の記録形式のどれにも該当しない場合は、"format" で指定してください。トークンの種類と意味は、以下のとおりです。

トークン

意味

s-time{time-format}

サーバがリクエストの処理を完了した時刻

c-request

クライアントがサーバへ送信した最初のリクエスト

s-method

クライアントがサーバへリクエストしたメソッド(c-requestの一部)

s-url

クライアントがサーバへリクエストしたURL(c-requestの一部)

s-host

クライアントがサーバへリクエストしたホスト名または、IPアドレス(s-urの一部)

s-path

クライアントがサーバへリクエストしたファイルパス(s-urlの一部)

s-status

サーバがクライアントへ送信したステータスコード

r-status

リモートサーバがサーバへ送信したステータスコード

s-bytes

サーバがクライアントへ転送したバイト数

s-elapse{elapse-format}

サーバがリクエストの処理に要した時間

*

上記以外の可変要素

\

エスケープ文字( " \ を指定する場合は \" \\ のようにエスケープ文字を付けます)

c-request、s-method、s-url、s-host、s-pathの関係を以下に記述します。

time-format には、分析対象ログに記録された時刻のログ形式をトークンと区切り文字で指定します。トークンは、以下のとおりです。

トークン

意味

yyyy

西暦年(2005〜2038)

yy

西暦年(00〜99)

mm

月(01 〜 12)

mon

月(Jan、 Feb、 Mar、 Apr、 May、 Jun、 Jul、 Aug、 Sep、 Oct、 Nov、Dec)

month

月(January、 February、 March、 April、 May、 June、 July、 August、 September、 October、 November、 December)

dd

日(01〜31)

HH

時(00〜23)

MM

分(00〜59)

SS

秒(00〜59)

seconds

通算秒

elapse-format には、経過時間の単位を示すトークンを記述します。トークンは、以下のどちらかです。

トークン

意味

s

単位は、秒

ms

単位は、ミリ秒

formatで、ログの記録形式を指定する場合は、操作画面の分析で必要となるトークンが指定されていることを確認してください。

分析(操作画面)

必要トークン

URL別の各種分析(ドリルダウン・レポート)

s-url(または、c-request、s-path)

format-symbolに指定可能なシンボルの種類と意味は、以下のとおりです。

Webサーバのログファイルを分析する場合

シンボル

対応するログ

対応する"format"

Common

W3Cの Common Logfile Format。以下のログに対応。

W3C httpd (CERN httpd)のCommonログ形式

Apache httpdのCommonログ形式、Customログ形式

Microsoft Internet Information ServerのCommonログ形式(NCSA共通ログファイル形式)、W3C Extendedログ形式(W3C 拡張ログ ファイル形式)

Netscape Enterprise ServerのCommonログ形式、Flexibleログ形式、Customログ形式

Fujitsu InfoProvider ProのCommonログ形式、Extendedログ形式 ....など

"* * * [s-time{dd/mon/yyyy:HH:MM:SS} *] \"c-request\" s-status s-bytes"

Microsoft-MS50

Microsoft Internet Information Server独自の形式。以下のログに対応。

Microsoft Internet Information Server 5.0のMicrosoft Log Format形式

Microsoft Internet Information Server 5.0のインストール後、デフォルトの場合のみに有効。

"s-time{yyyy-mm-dd HH:MM:SS} * * * * s-method s-path * s-status *"

Microsoft-MS60

Microsoft Internet Information Server独自の形式。以下のログに対応。

Microsoft Internet Information Server 6.0のMicrosoft Log Format形式

Microsoft Internet Information Server 6.0のインストール後、デフォルトの場合のみに有効。

"s-time{yyyy-mm-dd HH:MM:SS} * * * s-method s-path * s-status * *"

◆プロキシサーバのログファイルを分析する場合

シンボル

対応するログ

対応する"format"

Common

W3Cの Common Logfile Format。以下のログに対応。

Netscape Proxy ServerのCommonログ形式、Extendedログ形式、Extended2ログ形式、Flexibleログ形式、Customログ形式

SquidのCommonログ形式

DeleGateのCommonログ形式、Customログ形式

Apache httpdのCommonログ形式、Customログ形式

W3C httpd (CERN httpd)のCommonログ形式

Fujitsu InfoProxyのCommonログ形式 ....など

"* * * [s-time{dd/mon/yyyy:HH:MM:SS} *] \"c-request\" s-status s-bytes"

Common+Ts

Commonに処理時間(秒)を追加したもの。以下のログまたはそのカスタマイズした形式に適合可能。

Netscape Proxy ServerのFlexibleログ形式、Customログ形式

DeleGateのCustomログ形式

Apache httpdのCustomログ形式

"* * * [s-time{dd/mon/yyyy:HH:MM:SS} *] \"c-request\" s-status s-bytes s-elapse{s}"

Common+Tms

Commonに処理時間(ミリ秒)を追加したもの。以下のログまたはそのカスタマイズした形式に適合可能。

Netscape Proxy ServerのFlexibleログ形式、Customログ形式

DeleGateのCustomログ形式

Fujitsu InfoProxyのExtendログ形式

"* * * [s-time{dd/mon/yyyy:HH:MM:SS} *] \"c-request\" s-status s-bytes s-elapse{ms}"

Netscape-Extend

Netscape Proxy Server独自の形式。以下のログに対応。

Netscape Proxy ServerのExtendedログ形式、Extended2ログ形式

"* * * [s-time{dd/mon/yyyy:HH:MM:SS} *] \"c-request\" s-status s-bytes r-status * * * * * * * s-elapse{s}"

Squid-Native11

Squid独自の形式。以下のログに対応。

SquidのNativeログ形式 (バージョン1.1形式)

"s-time{seconds} s-elapse{ms} * */s-status s-bytes s-method s-url * */* *"

Microsoft-Native

Microsoft Proxy Server独自の形式。以下のログに対応。

Microsoft Proxy ServerのWebProxyログ形式

"*, *, *, *, time{yy/mm/dd, HH:MM:SS}, *, *, *, *, *, *, s-elapse{ms}, s-bytes, *, *, *, s-method, s-url, *, *, s-status, *"

DeleGate-Default

DeleGate独自の形式。以下のログに対応。

DeleGateのHTTPのdefaultログ形式

"* * * [s-time{dd/mon/yyyy:HH:MM:SS} *] \"c-request\" s-status s-bytes s-elapse{ms}:*"

InfoProxy-Extend

Fujitsu InfoProxy独自の形式。以下のログに対応。

Fujitsu InfoProxyのExtendログ形式

"* * * [s-time{dd/mon/yyyy:HH:MM:SS} *] \"c-request\" s-status s-bytes s-elapse{ms} r-status * * * * * * * * * * * * * *"

TimeZone=timezone

分析対象ログファイルに記録されている時刻データのタイムゾーンを定義します。timezoneには、UTC(協定世界時)からの時差を指定します。形式は、以下のとおりです。

形式

説明

[+|-]HHMM

+:進んでいることを表す。

-:遅れていることを表す。

HH:時(00〜13)

MM:分(00〜59)

デフォルトは、以下のとおりです。デフォルトの場合、行自体を省略できます。

TimeZone=+0000

または

TimeZone=0000

分析対象ログファイルで利用されている地域時刻は、各サーバのマニュアルで確認してください。

Inclusion=inclusive-record

分析対象となるURLを定義します。

ドリルダウンまたはレポートにおける分析で、特定のURLに絞った監視・分析を行いたい場合に指定します。inclusive-recordには、分析対象とするURL(パラメタを除く)について、Webコンテンツのサーバ名部分を除いたパス名を二重引用符(")で括って指定します。使用可能文字数は、最大1023です。以下は使用できません。

^ | [ ] { } < > ( ) & $ # " ' * , ? = : \

定義可能なInclusion文数は最大20です。

なお、URL末尾がスラッシュ(/)の場合、指定されたURL配下の全コンテンツ(サブディレクトリを含む)をひとつのURLとして集計、監視します。ただし、以下の場合は、ファイル名として扱われます。配下のコンテンツは集計、監視の対象となりません。

Inclusion="/"

Inclusion文の定義例は以下のとおりです。

Inclusion="/SSQC/eg.htm"

Inclusion="/cgi-bin/query.cgi"

Inclusion="/tool/program"

Inclusion="/segment01/"


以下のURLは全てURL名"/SSQC/eg.htm"として監視されます。

定義例は、以下のとおりです。

[RequestLog]

Service=www1

Path="C:\WINNT\system32\LogFiles\W3SVC1\ex*.log"

Format="s-time{yyyy-mm-dd HH:MM:SS} * s-method s-url s-status s-bytes"


[RequestLog]

Service=www2

Type=web

Path=/usr/local/apache/logs/access_log

Format=Common

TimeZone=+0900

Inclusion="/cgi-bin/query.cgi"

13.1.3 定義内容の確認 

トランザクションログ監視エンジンには、トランザクションログ定義ファイルに設定された内容の定義形式を確認するためのオプションが用意されています。確認方法は、以下のとおりです。

Administrator権限をもつアカウントでログインし、-cオプションを指定して、トランザクションログ監視エンジンを実行します。

<インストールディレクトリ>\bin\tlawatch -c

スーパ・ユーザでログインし、-cオプションを指定して、トランザクションログ監視エンジンを実行します。

/opt/FJSVssqc/bin/tlawatch -c

定義形式に問題がある場合、標準エラー出力にメッセージが出力されます。定義内容に問題が発見されない場合、メッセージは出力されません。


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