ETERNUS SF Storage Cruiser ユーザーズガイド 13.1 - Solaris (TM) Operating System / Microsoft(R) Windows(R) - |
目次 索引 |
ある装置で障害が発生するとリソース管理画面でイベントログ、装置イベントに障害内容が表示され、サポートレベルA,B装置の障害が発生した装置アイコンが[異常](赤色)もしくは[警告](黄色)に変更されます。(赤色、黄色の色分けの基準は装置それぞれの定義によります。)また、本製品内で障害によって影響を受けるアクセスパスが特定できた場合は、そのアクセスパス状態を[アクセスパス異常](赤色)に変更します。
サポートレベルIの装置では、初期状態ではイベントログや装置イベントに障害内容が表示されません。また、装置アイコンの色も変更されません。ただし、以下の条件を全て満たす場合は、イベントログや装置イベントに障害内容を表示させたり、装置アイコンの色を変更させることができます。
対象装置がSNMP Trapをサポートしている。
手動組み込み時に装置IPアドレスを指定している。
SNMP Trap XML定義ファイルを作成している。
SNMP Trap XML定義ファイルの作成方法については、「D.6 SNMP Trap XML定義ファイル説明」を参照してください。
画面の状態に従って以下の順番で対処を行います。
なお、サーバノードのHBA、マルチパス以外のミドルウェアの障害は、イベント報告のみです。ミドルウェアの障害の対処は各ミドルウェアのマニュアルを参照してください。
ストレージ、ライブラリ、ブリッジが[異常]または[警告]状態である場合
GUI画面で対象のストレージ、ライブラリ、ブリッジをダブルクリックして各ビューに移動します。さらに対象装置アイコンを右クリックし、ポップアップメニューより[管理ソフトウェア呼出し]を行います。これによりストレージの保守画面が起動されますので、ここからストレージの故障対象部を特定します。故障部品の交換は必要に応じ当社技術員(CE)までご連絡ください。
なお、CA(チャネルアダプタ)が故障した場合は、最新の情報に更新を実行すると「B.1 リソース管理画面の構成」の「ストレージビュー」でCAが[異常]表示されます(ETERNUS,GRのみ)。ライブラリ装置内のロボットやテープが故障した場合も同様に最新の情報に更新を実行するとロボットやテープが[異常]表示されます(LT270/LT250/LT160のみ)。
ファイバチャネルスイッチ、ハブが[異常]または[警告]である場合
GUI画面でファイバチャネルスイッチまたはハブをダブルクリックしてファイバチャネルスイッチ/ハブビューに移動します。さらに対象ファイバチャネルスイッチ/ハブアイコンを右クリックし、ポップアップメニューより[管理ソフトウェア呼出し] を行います。これにより装置の保守画面が起動されますので、ここからファイバチャネルスイッチの故障対象部を特定します。故障部品の交換は必要に応じ当社技術員(CE)までご連絡ください。
なお、GBICの故障などでポートが異常状態にある場合は、ファイバチャネルスイッチ/ハブビューでポートが[故障]として表示されます。この場合は、影響されるアクセスパスの状態が[アクセスパス異常]と表示されます。当該アクセスパスのプロパティを参照することにより影響する特殊ファイル名(デバイスファイル名)を認識することが可能です。
アクセスパスを本製品のアクセスパス設定で定義している場合は、ファイバチャネルスイッチのゾーニング設定はWWPNゾーニングで定義されているため、ファイバチャネルスイッチポート故障時には他のファイバチャネルスイッチポートにファイバチャネルケーブルを繋ぎ変えてそのまま運用が可能です。
また、「4.2.1.3 対処(FAQ)」の「装置が警告表示(黄色表示)される場合」も参照してください。
サーバノードが[異常]または[警告]状態である場合
「B.1 リソース管理画面の構成」の「サーバノードビュー」より[アクセスパス異常]のアクセスパスの物理経路を確認します。経路上に異常状態の装置が存在していない場合は、途中のファイバチャネルケーブルが切断されていないか確認してください。なお、原因が特定できない場合は当社技術員までご連絡ください。
また、「4.2.1.3 対処(FAQ)」の「装置が警告表示(黄色表示)される場合」も参照してください。
アクセスパスが[アクセスパス異常]の対処
「B.1 リソース管理画面の構成」の「サーバノードビュー」より[アクセスパス異常]となっているアクセスパスのプロパティを参照し影響特殊ファイル名を特定します。Solaris OSの影響特殊ファイル名/dev/rdsk/cXtYd?s?は、X:HBAプロパティのコントローラ番号、Y:アクセスパスのプロパティのターゲットIDから特定できます。
[Solaris OSサーバノード]マルチパスディスク制御(ETMPD,MPLB,MPHD,GRMPD)で構成されているアクセスパスの場合は、マルチパスディスク制御のマニュアル(ETMPDは「ETERNUSマルチパスドライバ ユーザーズガイド」、MPHDは「マルチパスディスク制御説明書」、MPLBは「マルチパスディスク制御ロードバランスオプション(MPLB)説明書」、GRMPDは「GRマルチパスドライバユーザーズガイド」)を参照して、以下の対応をサーバノードで実施してください。なお、HBAを交換する場合は、HBAの交換手順を参照してください。
パスの状態の確保(iompadm info)
現在のパスの構成及び状態を確認してください。マルチパスディスクアクセスがなかった場合はFAILを検出していない場合もあります。
障害発生アクセスパス関連のI/O停止(iompadm change)
ETMPD/MPLB/GRMPDでは故障箇所によって影響を受けるI/Oを自動的に停止させる機能を搭載しています。
故障部品交換(故障部品交換が必要な場合)もしくはエラー対処
故障部品の交換は当社技術員(CE)までご連絡ください。
停止されているアクセスパスのI/O再起動(iompadm restart)
マルチパスディスク制御(ETMPD,MPLB,MPHD,GRMPD)で構成されていないアクセスパスの場合は、対象の特殊ファイルをマウントしている業務が影響します。業務を停止し、故障の対処を行ってください。故障部品の交換は当社技術員(CE)までご連絡ください。なお、HBA交換をする場合は、次項の5.および6. HBA交換手順を参照してください。
[Solaris OSサーバノードの場合]HBA(ホストバスアダプタ)交換手順
活性交換機能をサポートしていないサーバノードでは、HBAの交換はサーバノードの電源を落として行います。なお、この交換手順中に再構成(reconfigure)モードでサーバノードの再起動/shutdownは行わないでください。(reboot -r コマンドやboot -r コマンド等を行うと特殊ファイル名が変更されてしまいます。) また、活性交換機能をサポートしているサーバノードでは、HBAを交換し、「6.3.5 アクセスパスの継承」を実行するのみで、継続運用可能です。活性交換方法は装置のマニュアルを参照してください。
サーバノードシャットダウン
/reconfigureファイルが存在しないことを確認して装置を落とします。
# ls /reconfigure
/reconfigure: No such file or directory
上記のようにファイルがないことを確認してください。"reconfigure"ファイルがあった場合には、いったん削除して、交換作業後にあらためて"reconfigure"ファイルを作成し、サーバノードを立ち上げなおします。
"reconfigure"ファイルを削除するには、以下のコマンドを入力します。
# rm /reconfigure
削除した後に、"reconfigure"ファイルの存在をlsコマンドで再度確認してください。
再構成(reconfigure)を行わずにシャットダウンします。
# /usr/sbin/shutdown -y -i0 -g0
HBAの交換
故障部品の交換は当社技術員(CE)までご連絡ください。
サーバノードの立ち上げ
サーバノードを立ち上げます。
ただし、ここではアクセスパスは復旧しません。これは、ストレージ及びファイバチャネルスイッチに前のHBAの情報を元にしたゾーニングが定義されているためです。
アクセスパスの継承(セキュリティの再設定)
本製品より"アクセスパスの継承"を実行し、新しいHBA情報を元に、前のアクセスパス同等にアクセスできるようなゾーニング設定をストレージ及びファイバチャネルスイッチに定義します。
サーバノードの再立ち上げ
再構成なし(reboot -r/boot -r 等は禁止)で、サーバノードを再立ち上げしてください。
# /usr/sbin/shutdown -i6
ここではアクセスパスが復旧します。従ってマルチパスディスク制御のパスも復旧されます。
[Windows,Linux,HP-UX/その他のサーバノードの場合]HBA(ホストバスアダプタ)交換手順
活性交換機能をサポートしていないサーバノードでは、HBAの交換はサーバノードの電源を落として行います。なお、活性交換機能をサポートしているサーバノードでは、HBAを交換し、"アクセスパス継承"を実行するのみで、継続運用可能です。活性交換方法は装置のマニュアルを参照してください。
サーバノードシャットダウン
HBAの交換
サーバノードの立ち上げ
ただし、ここではアクセスパスは復旧しません。これは、ストレージ及びファイバチャネルスイッチに前のHBAの情報を元にしたゾーニングが定義されているためです。
アクセスパスの継承(セキュリティの再設定)
本製品より"アクセスパスの継承"を実行し、新しいHBA情報を元に、前のアクセスパス同等にアクセスできるようなゾーニング設定をストレージ及びファイバチャネルスイッチに定義します。
サーバノードの再立ち上げ
部品交換後の本製品での対処
メニューの[表示]より[最新の情報に更新]を選択して、現在の装置状態を確保してください。交換により装置状態が復旧した場合は、装置の状態表示が正常状態に戻ります。
ただし、LT120、LT130、LT230、NR1000及び手動組込みウィンドウで編集した装置状態は、手動組込みウィンドウで装置アイコンを右クリックし、ポップアップメニューから[装置情報変更]を選択して、手動で装置状態を正常に戻す必要があります。
ストレージ/ファイバチャネルスイッチの状態が正常状態に移行したがサーバノードが[異常]または[警告]状態の場合
マルチパスディスク制御(ETMPD,GRMPD,MPLB,MPHD)のマニュアル(ETMPDは「ETERNUS マルチパスドライバ ユーザーズガイド」、GRMPDは「GRマルチパスドライバユーザーズガイド」、MPHDは「マルチパスディスク制御説明書」、MPLBは「マルチパスディスク制御ロードバランスオプション(MPLB)説明書」)に従い、故障パスの復旧を行ってください。マルチパスディスク制御のパス復旧が終了後、再度[最新の情報に更新]を選択し、現在の装置の状態を確認してください。
本製品に登録されている監視対象装置はリソース管理画面にて[表示(V)]-[最新の情報に更新(R)]を実行しても新しい装置の情報に更新されません。リソース管理画面にて旧装置のアイコンを一旦削除して、装置検索と追加を再度実行してください。
上記以外で装置種毎に必要となる手順については以降を参照してください。
本製品に登録されているファイバチャネルスイッチ装置(以下スイッチ)を交換するにあたって必要な手順を以下に示します。
なお、既にスイッチの交換を完了している場合、リソース管理画面にて[表示(V)]-[最新の情報に更新(R)]を実行すると、新スイッチは旧スイッチのアイコンと入れ変わり紫色で表示されます。この場合は、「4. 新スイッチの本製品への登録」の「新スイッチの本製品への登録」から行ってください。ただし、旧スイッチに性能監視が設定されていた場合、付加作業が伴いますので富士通技術員(SE)に連絡してください。
交換対象のスイッチに対する性能監視の停止
交換対象のスイッチが性能監視装置である場合、ポップアップメニューの[性能管理設定(S)]-[停止]で性能監視を停止します。ただし、閾値監視設定も行っている場合は、閾値監視を停止したのち性能監視停止を実行してください。性能監視停止が完了しますと、対象装置アイコンの左上に表示されていた「P」マークが消えます。監視対象装置でない場合はこの操作は不要です。
交換対象のスイッチの登録削除
SANビューのメニューバーより[ファイル(F)]-[削除(D)]を選択し、交換対象のスイッチを本製品の装置登録から削除します。装置登録から削除が完了しますとGUI画面より対象装置アイコンが消えます。
新旧スイッチの物理交換
装置の交換作業については、富士通技術員(CE)に連絡し、装置の保守手順書に従って実施してください。
なお、カスケード接続されていないスイッチを交換する場合、そのスイッチの構成情報(configUploadファイル)が保存されていないと、手作業でゾーニングの再設定が必要になります。新スイッチを本製品に登録したあと、後述の手順「5. スイッチゾーニングの設定」を実施してください。スイッチの構成情報(configUploadファイル)については、装置添付マニュアルを参照してください。
新スイッチの本製品への登録
新スイッチを本製品リソースに登録します。
新スイッチの検索
ストレージカテゴリの基本ドメインで[ファイル(F)]-[SAN機器検出]を選択し、新スイッチを検出します。対象装置が検出されるとアイコンが紫色状態で表示されます。(詳細は、「5.2.1 装置の検索」を参照してください。)
新スイッチの本製品への登録
SANカテゴリのSwitchビューで装置を選択し、[ファイル(F)]-[登録(R)]-[SAN機器登録]を選択し、本製品への装置登録を実行します。登録が正常に完了すると、新スイッチは緑色のアイコンで表示されます。(詳細は、「5.2.2 装置の追加(アイコン紫色状態から登録状態ヘ)」を参照してください。)
スイッチゾーニングの設定
交換する旧スイッチがゾーニング設定されている場合、かつ、カスケード接続されていない場合、かつ、その旧スイッチの構成情報(configUploadファイル)が保存されていない場合、手作業でゾーニングを再設定する必要があります。
旧スイッチにゾーニング設定が全くされていない場合や、カスケード接続されているスイッチの場合は、ゾーニングを再設定する必要はありません。
また、構成情報(configUploadファイル)がある場合は、装置の保守手順書に従ってください。
新スイッチには、本製品管理対象であった旧スイッチ内に設定されていたゾーニング情報が存在しないため、交換後にはアクセスパスが黄色で表示されます。
これは本製品においてアクセスパス定義の1つとしているスイッチ内部のゾーニング情報が新スイッチでは存在しないため、定義矛盾のアクセスパスを表示します。以下の設定を行ってください。
HBA-CA間の黄色で表示されているアクセスパスを再設定します。アクセスパス設定の手順に基づいて黄色表示されているアクセスパスの設定を再度行ってください。設定が正常に完了すると、アクセスパスは緑色表示または青色表示になります。
スイッチ内部のゾーニングが、本製品管理上でのHBA-CA間アクセスパス経路以外のゾーニング(HBA-HBA, CA-CA, HBA-UnknownFC, CA-UnknownFC, UnknowFC-UnknownFC間)で設定されていた場合、交換前後に関係無くサイドビューにはそれらのゾーニングのアクセスパスが全く表示されないため、スイッチ交換後も上記HBA-CA間のようなアクセスパス定義矛盾の警告表示がありません。そのため旧スイッチにてHBA-CA間アクセスパス経路以外のゾーニングが設定されていた場合には、再度HBA-HBA, CA-CAでアクセスパス設定を本製品で実行するか、スイッチのWeb Tools、またはスイッチへのtelnetコマンドにてゾーニングを設定してください。
新スイッチに対する性能監視開始設定
スイッチが性能監視対象装置である場合、以下を実行してください。監視対象装置でない場合はこの操作は不要です。
ポップアップメニューの[性能管理設定(S)]-[開始]で性能監視を開始します。性能監視設定が正常に行われて監視が開始されると、アイコンの左上に緑色の「P」マークが表示されます。(詳細は、「第7章 性能管理」を参照してください。)
また、閾値監視設定も行われていた場合、再度閾値監視設定を行ってください。(詳細は、「7.3 閾値監視の流れ」を参照してください。)
手動組み込み装置のアダプタ(CA) やドライブ等の故障部品の交換によってWWPNが変更された場合は、本製品では自動的に交換事象を検出できません。 以下の操作を手動で行うことによってアクセスパスの継承を実施します。
[表示(V)]メニューの[最新の情報に更新(R)]を実行します。
SANビューより交換を実施した装置をダブルクリックし、その装置のビューを表示させます。 以下の図は、左はアダプタ(CA)交換前、右はアダプタ(CA)交換後の例です。 ファイバチャネルスイッチから旧アダプタを認識できなくなっているため、 旧アダプタアイコンは『通信不可』状態となっています。
新アダプタを対象ストレージに組み込みます。 手動組込みウィンドウを起動して新アダプタの[Unknown]アイコンを探し、 このアイコンを装置にドラッグ&ドロップし、組み込みが完了後、手動組込みウィンドウを終了させます。 以下は手動組込みウィンドウの例です。 ファイバチャネルスイッチのポート5に接続されている新アダプタをストレージに組み込みます。
「B.1 リソース管理画面の構成」の「ストレージビュー」で、アイコンを何も選択しない状態で、 メニューの[操作(C)]メニューより[アクセスパス(A)]-[継承(H)]-[モード開始(S)]を選択します。 これにより、『アクセスパス継承操作を実行中です』ダイアログが表示され、 ファイバチャネルスイッチに接続されている本製品が接続装置を認識できないポートを UnknownFCポートとしてファイバチャネルスイッチに接続された四角の白いアイコンで表示されます。 新HBAがこのアイコンに該当する場合、これを新HBAとして次の作業を実施します。
この状態で、新アダプタアイコンを旧アダプタアイコンへドラッグ&ドロップすることによって アクセスパスの継承を確認するダイアログが表示され、<OK>ボタンを選択すると継承が行われます。 本製品は継承処理で旧アダプタ情報で作成していた関連装置内のアクセスパス設定を削除し、 新アダプタ情報で作成したアクセスパス設定を関連装置に追加します。
装置種 |
本製品の設定内容 |
||
---|---|---|---|
Solaris OSサーバノード |
エージェント有 |
PW008FC2A, |
fjpfca.confのTIDとWWPN関連付け設定を新アダプタWWPNに変更 *1 |
LP-9000,9002S,9002L,9802,10000 |
lpfc.confまたはlpfs.confのTID,LUNとWWPN関連付け設定を新アダプタWWPNに変更 |
||
上記以外HBA |
設定なし |
||
エージェント無 |
設定なし |
||
Windowsサーバノード |
エージェント有/無 |
設定なし |
|
Linuxsサーバノード |
エージェント有/無 |
設定なし |
|
HP-UXサーバノード |
エージェント有/無 |
設定なし |
|
他サーバノード |
エージェント無 |
設定なし |
|
ファイバチャネルスイッチ |
ゾーニング設定あり |
旧アダプタWWPNで作成していた1対1WWPNゾーニングを削除し、新アダプタWWPNで作成した1対1WWPNゾーニングに変更(ただしポートゾーニングでアクセスパスが継承不要な場合は設定なし) |
|
ゾーニング設定なし |
設定なし ただし、ファイバチャネルスイッチに対して『WWPNゾーニングを設定する運用』が選択されている場合は、ゾーニング設定をするかどうかを選択するダイアログが表示されます。 |
*1 アクセスパス継承前にPW008FC2A,PW008FC2-G,PW008FC3,GP7B8FC1A,GP7B8FC1-G,GP7B8FC1,SE0X7F11F,SE0X7F12Fのドライバ添付のchgfcctl/clchgfcコマンドを実行している場合は、本製品はfjpfca.confの設定作業を行いません。
『アクセスパス継承操作を実行中です』ダイアログで<終了>ボタンを選択するまで、 ドラッグ&ドロップによるアクセスパス継承を複数アダプタに対して実施可能です。
設定変更後、活性構成変更をサポートしていないサーバノードはサーバノード側の再起動が必要です。
ここでは、本製品に登録されているサポート装置を交換するときに必要な手順について説明します。
作業の前に、メニューの[表示(V)]-[最新の情報に更新(R)]を選択して、アクセスパス設定に関連するファイバチャネルスイッチにカスケードされているすべてのファイバチャネルスイッチが正しく認識されていることを現状の状態より確認してください。一時的にカスケードから外れているファイバチャネルスイッチが存在している状態でアクセスパス変更が実施されると、以前のカスケード接続を簡単に復旧できない状態となります。(万が一このような状態に陥った場合は、一時的にカスケードから外れていたファイバチャネルのゾーニング情報をファイバチャネルスイッチのcfgClearコマンド等にて削除することにより、再度カスケード接続が可能となります。)
FUJITSU PCI Fibre Channelのユーティリティ・コマンド chgfcctl/clchgfcについて
chgfcctl/clchgfc はストレージのアダプタ(CA)やドライブ等の故障部品の交換時に実施します。chgfcctl/clchgfc はファイバチャネル・デバイスの活性交換を指示し、fjpfca.confの編集も行います。ただしchgfcctl/clchgfcはファイバチャネルスイッチのゾーニングの再設定を行いませんので、アクセスパス継承を実施してください。アクセスパス継承前にchgfcctl/clchgfcコマンドを実行している場合、本製品はfjpfca.confの設定作業を行いません。またchgfcctl/clchgfcコマンドを実行せずにアクセスパス継承を実行した場合はサーバノードの再起動や活性構成変更作業を実施する必要があります。 またアクセスパス継承を実行した場合、cfgfcctl/clchgfcを実施する必要がありませんが実行してもswsag0019の警告メッセージが表示されますが問題はありません。 cfgfcctl/clchgfcの詳細についてはFUJITSU PCI Fibre Channelのマニュアルを参照してください。
LinuxでHBAを活性交換した場合、同一スロットで交換を行う場合でもHBA状態は、「アクセスパス継承必要」になりません。「8.3.2 サーバノードのHBA交換でHBA状態が『アクセスパス継承必要』時以外」を参照して設定して下さい。
エージェントが搭載されているサーバノードのHBA(ホストバスアダプタ/サポート種)が交換されると、本製品はHBA交換を自動的に認識し、ホストビューのHBAアイコンを[アクセスパス継承必要](黄色)という状態に変更します。(ホストの同一スロット(物理ポート番号)に異なったWWPNのHBAが搭載されていることで検出します。) この場合のアクセスパス継承方法の流れを以下に示します。
[表示(V)]メニューの[最新の情報に更新(R)]を実行します。
「B.1 リソース管理画面の構成」の「サーバノードビュー」でHBAアイコンを左クリックで選択してメニューの[操作(C)]-[アクセスパス(P)]-[継承(H)]-[継承(H)]を選択します。
以下のダイアログが表示されます。『通常モード』を選択して実行してください。(通常モードとはアクセスパス継承中にエラーが発生した場合、アクセスパス継承を完了させないモードです。エラー発生時でもアクセスパス継承状態をクリアさせたい場合は、強制モードを選択してください。)
本製品は以下の表に基づき旧アダプタ情報で作成していた関連装置内のアクセスパス設定を削除し、新アダプタ情報で作成したアクセスパス設定を関連装置に追加します。
装置種 |
本製品の設定内容 |
|
---|---|---|
ファイバチャネルスイッチ |
ゾーニング設定あり |
旧アダプタWWPNで作成していた1対1WWPNゾーニングを削除し、新アダプタWWPNで作成した1対1WWPNゾーニングに変更(ただしポートゾーニングでアクセスパスが継承不要な場合は設定しません) |
ゾーニング設定なし |
設定なし ただし、ファイバチャネルスイッチに対して『WWPNゾーニングを設定する運用』が選択されている場合は、ゾーニング設定をするかどうかを選択するダイアログが表示されます。 |
|
ETERNUS8000, |
セキュリティ設定 |
HBAの旧WWPNをセキュリティから削除し、新WWPNをセキュリティに設定 |
ホストアフィニティ(ゾーン)設定 |
HBAの旧WWPNをセキュリティから削除し、新WWPNをアフィニティグループ(ゾーン)に設定 |
|
セキュリティ設定なし |
設定なし |
|
その他ストレージ/テープ/ブリッジ |
設定なし |
ストレージがGRの場合、ファームウェア版数によって再起動が必要になります。(GR720,GR730(V11L21より前の版数),GR740,GR820,GR840(V03L52P1939より前の版数)の場合)
サーバノード側でそのまま使用できます。ただし、使用ドライバによってパス使用開始コマンドが必要です。(パス使用開始コマンドが必要なドライバで確認できている物→VxVM:"vxdctl enable"コマンドが必要)
異なる場所のスロットへのHBA交換や、手動組み込み装置のサーバノードのHBA交換や未サポートHBAの交換時は、本製品ではHBAに対して『アクセスパス継承必要』状態を作成できません。
異なる場所のスロットへのHBA交換する場合、新HBAアイコンから旧HBAアイコンへのドラッグ&ドロップで継承を実施します。下記の手順に従ってください。ただし、サーバノード側の設定が必要な装置の場合は、手動でこの設定を実施する必要があります。
手動組み込み装置のサーバノードのHBAや未サポートHBAを交換する場合は、「8.2.2 手動組み込み装置の故障部品の交換ならびに装置交換時」を参照してください。
[表示(V)]メニューの[最新の情報に更新(R)]を実行します。
SANビューより新装置アイコンをダブルクリックし、その装置のビューを表示させます。
アイコンを何も選択しない状態で、メニューの[操作(C)]より[アクセスパス(A)]-[継承(H)]-[モード開始(S)]を選択します。これにより、『アクセスパス継承操作を実行中です』ダイアログが表示されます。
この状態で、新HBAアイコンを旧HBAアイコンへドラッグ&ドロップすることによってアクセスパスの継承を確認するダイアログが表示され、<OK>ボタンを選択すると継承が行われます。本製品は継承処理で、以下の表に基づき旧HBA情報で作成していた関連装置内のアクセスパス設定を削除し、新HBA情報で作成したアクセスパス設定を関連装置に追加します。ただし、サーバノードに対しては何も設定を行いません。サーバノード側のStorageAffinityの設定が必要な場合は、手動でこの設定を追加してください。
装置種 |
本製品の設定内容 |
|
---|---|---|
ファイバチャネルスイッチ |
ゾーニング設定あり |
旧アダプタWWPNで作成していた1対1WWPNゾーニングを削除し、新アダプタWWPNで作成した1対1WWPNゾーニングに変更(ただしポートゾーニングでアクセスパスが継承不要な場合は設定なし) |
ゾーニング設定なし |
設定なし ただし、ファイバチャネルスイッチに対して『WWPNゾーニングを設定する運用』が選択されている場合は、ゾーニング設定をするかどうかを選択するダイアログが表示されます。 |
|
ETERNUS8000, |
セキュリティ設定 |
HBAの旧WWPNをセキュリティから削除し、新WWPNをセキュリティに設定 |
ホストアフィニティ(ゾーン)設定 |
HBAの旧WWPNをセキュリティから削除し、新WWPNをアフィニティグループ(ゾーン)に設定 |
|
セキュリティ設定なし |
設定なし |
|
その他ストレージ/テープ/ブリッジ |
設定なし |
『アクセスパス継承操作を実行中です』ダイアログで[終了]を選択するまで、ドラッグ&ドロップによるアクセスパス継承を複数アダプタに対して実施可能です。
ストレージがGRの場合、ファームウェア版数によって再起動が必要になります。(GR720,GR730(V11L21より前の版数),GR740,GR820,GR840(V03L52P1939より前の版数)の場合)
エージェントインストール済みのSolaris OSサーバノードを装置ごと交換する場合は、本製品で新サーバノードを検出する前に旧サーバノードのアクセスパスを全て削除して、新たに新サーバノードのアクセスパスを設定してください。
エージェントインストール済みのWindows、Linux、HP-UXサーバノード装置を装置ごと交換する場合、以下の手順でアクセスパスを継承してください。
新サーバノードを旧サーバノードと異なるIPアドレスで設定し、エージェントをインストールします。なお、新サーバノードを旧サーバノードと異なるIPアドレスで設定できない場合は、本製品で新サーバノードを検出する前に旧サーバノードのアクセスパスを全て削除して、新たに新サーバノードのアクセスパスを設定してください。
[表示(V)]メニューの[最新の情報に更新(R)]を実行します。
SANビューより新装置アイコンをダブルクリックし、その装置のビューを表示させます。
メニューの[操作(C)]より[表示装置]-[追加]にて旧サーバノードを表示させます。
アイコンを何も選択しない状態で、メニューの[操作(C)]より[アクセスパス(A)]-[継承(H)]-[モード開始(S)]を選択します。これにより、『アクセスパス継承操作を実行中です』ダイアログが表示されます。
この状態で、新HBAアイコンを旧HBAアイコンへドラッグ&ドロップすることによってアクセスパスの継承を確認するダイアログが表示され、<OK>ボタンを選択すると継承が行われます。本製品は継承処理で旧HBA情報で作成していた関連装置内のアクセスパス設定を削除し、新HBA情報で作成したアクセスパス設定を関連装置に追加します。ただし、サーバノード側のStorageAffinityの設定が必要な装置の場合は、手動でこの設定を実施する必要があります。
装置種 |
本製品の設定内容 |
|
---|---|---|
ファイバチャネルスイッチ |
ゾーニング設定あり |
旧アダプタWWPNで作成していた1対1WWPNゾーニングを削除し、新アダプタWWPNで作成した1対1WWPNゾーニングに変更(ただしポートゾーニングでアクセスパスが継承不要な場合は設定なし) |
ゾーニング設定なし |
設定なし ただし、ファイバチャネルスイッチに対して『WWPNゾーニングを設定する運用』が選択されている場合は、ゾーニング設定をするかどうかを選択するダイアログが表示されます。 |
|
ETERNUS8000, |
セキュリティ設定 |
HBAの旧WWPNをセキュリティから削除し、新WWPNをセキュリティに設定 |
ホストアフィニティ(ゾーン)設定 |
HBAの旧WWPNをセキュリティから削除し、新WWPNをアフィニティグループ(ゾーン)に設定 |
|
セキュリティ設定なし |
設定なし |
|
その他ストレージ/テープ/ブリッジ |
設定なし |
『アクセスパス継承操作を実行中です』ダイアログで[終了]を選択するまで、ドラッグ&ドロップによるアクセスパス継承を複数アダプタに対して実施可能です。
ストレージがGRの場合、ファームウェア版数によって再起動が必要になります。(GR720,730(V11L21より前の版数),GR740,GR820,GR840(V03L52P1939より前の版数)の場合)
ETERNUSやGR、LT270、LT250はアダプタ(CA) 等の故障部品の交換によりWWPNが変更されないため、アクセスパス継承の作業の必要性はありません。
LT160はアダプタ(CA) やドライブ等の故障部品の交換によりWWPNが変更されるため、 下記の手順で作業を行ってください。
[表示(V)]メニューの[最新の情報に更新(R)]を実行します。
SANビューより交換を実施した装置をダブルクリックし、その装置のビューを表示させます。 旧アダプタ(CA)やモジュールが『通信不可』状態となり、新アダプタやモジュールが新しく表示されます。
「B.1 リソース管理画面の構成」の「ストレージビュー」で、アイコンを何も選択しない状態で、 メニューの[操作(C)]より[アクセスパス(A)]-[継承(H)]-[モード開始(S)]を選択します。 これにより、『アクセスパス継承操作を実行中です』ダイアログが表示されます。 この状態で、新アダプタアイコンを旧アダプタアイコンへドラッグ&ドロップすることによって アクセスパスの継承を確認するダイアログが表示され、<OK>ボタンを選択すると継承が行われます。
本製品は継承処理で旧アダプタ情報で作成していた関連装置内のアクセスパス設定を削除し、 新アダプタ情報で作成したアクセスパス設定を関連装置に追加します。
装置種 |
本製品の設定内容 |
||
---|---|---|---|
Solaris OSサーバノード |
エージェント有 |
PW008FC2A, |
fjpfca.confのTIDとWWPN関連付け設定を新アダプタWWPNに変更 *1 |
LP-9000,9002S,9002L,9802,10000 |
lpfc.confまたはlpfs.confのTID,LUNとWWPN関連付け設定を新アダプタWWPNに変更 |
||
上記以外HBA |
設定なし |
||
エージェント無 |
設定なし |
||
Windowsサーバノード |
エージェント有/無 |
設定なし |
|
Linuxサーバノード |
エージェント有/無 |
設定なし |
|
HP-UXサーバノード |
エージェント有/無 |
設定なし |
|
他サーバノード |
エージェント無 |
設定なし |
|
ファイバチャネルスイッチ |
ゾーニング設定あり |
旧アダプタWWPNで作成していた1対1WWPNゾーニングを削除し、新アダプタWWPNで作成した1対1WWPNゾーニングに変更(ただしポートゾーニングでアクセスパスが継承不要な場合は設定なし) |
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ゾーニング設定なし |
設定なし ただし、ファイバチャネルスイッチに対して『WWPNゾーニングを設定する運用』が選択されている場合は、ゾーニング設定をするかどうかを選択するダイアログが表示されます。 |
*1 アクセスパス継承前にPW008FC2A,PW008FC2-G,PW008FC3,GP7B8FC1A,GP7B8FC1-G,GP7B8FC1,SE0X7F11F,SE0X7F12Fのドライバ添付のchgfcctl/clchgfcコマンドを実行している場合は本製品はfjpfca.confの設定作業を行いません。
『アクセスパス継承操作を実行中です』ダイアログで[終了]を選択するまで、 ドラッグ&ドロップによるアクセスパス継承を複数アダプタに対して実施可能です。
設定変更後、活性構成変更をサポートしていないサーバノードはサーバノード側の再起動が必要です。
ETERNUS8000、ETERNUS6000、ETERNUS4000、ETERNUS3000、GR、LT160、LT250、LT270、Crossroadsを装置ごと交換する場合、以下の手順でアクセスパスを継承してください。
新装置のハードウェア構成定義を旧装置と同等に設定してください。
新装置を旧装置と異なるIPアドレスで設定し、本製品に登録します。なお、新装置を旧装置と異なるIPアドレスで設定できない場合は、本製品で新装置を検出する前に旧装置のアクセスパスを全て削除して、新たに新装置のアクセスパスを設定してください。
[表示(V)]メニューの[最新の情報に更新(R)]を実行します。
SANビューより新装置アイコンをダブルクリックし、その装置のビューを表示させます。
メニューの[操作(C)]より[表示装置]-[追加]にて旧装置を表示させます。
アイコンを何も選択しない状態で、メニューの[操作(C)]より[アクセスパス(P)]-[継承(H)]-[モード開始(S)]を選択します。これにより、『アクセスパス継承操作を実行中です』ダイアログが表示されます。
この状態で、新アダプタアイコンを旧アダプタアイコンへドラッグ&ドロップすることによってアクセスパスの継承を確認するダイアログが表示され、<OK>ボタンを選択すると継承が行われます。継承処理では旧アダプタ情報で作成していた関連装置内のアクセスパス設定を削除し、新アダプタ情報で作成したアクセスパス設定を関連装置に追加します。
装置種 |
本製品の設定内容 |
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---|---|---|---|
Solaris OSサーバノード |
エージェント有 |
PW008FC2A, |
fjpfca.confのTIDとWWPN関連付け設定を新アダプタWWPNに変更 |
LP-9000,9002S,9002L,9802,10000 |
lpfc.confまたはlpfs.confのTID,LUNとWWPN関連付け設定を新アダプタWWPNに変更 |
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上記以外HBA |
設定なし |
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エージェント無 |
設定なし |
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Windowsサーバノード |
エージェント有,無 |
設定なし |
|
Linuxsサーバノード |
エージェント有,無 |
設定なし |
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HP-UXサーバノード |
エージェント有,無 |
設定なし |
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他サーバノード |
エージェント無 |
設定なし |
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ファイバチャネルスイッチ |
ゾーニング設定あり |
旧アダプタWWPNで作成していた1対1WWPNゾーニングを削除し、新アダプタWWPNで作成した1対1WWPNゾーニングに変更(ただしポートゾーニングでアクセスパスが継承不要な場合は設定なし) |
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ゾーニング設定なし |
設定なし ただし、ファイバチャネルスイッチに対して『WWPNゾーニングを設定する運用』が選択されている場合は、ゾーニング設定をするかどうかを選択するダイアログが表示されます。 |
『アクセスパス継承操作を実行中です』ダイアログで[終了]を選択するまで、ドラッグ&ドロップによるアクセスパス継承を複数アダプタに対して実施可能です。
設定変更後、活性構成変更をサポートしていないサーバノードはサーバノード側の再起動が必要です。
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