ACMに異常が発生し、ディスコネクション状態になった場合の運用方法を説明します。
Active DB Guardを使った運用で、以下の操作を行うとき、等価性コピーに異常が発生して、ディスコネクション状態になる場合があります。
オンラインコマンド
RERUNログ抽出コマンド
オフラインコマンド
等価性コピーの異常によるディスコネクション状態から、コネクションの再開による復旧の操作の手順を以下に示します。
参照
RERUNログ抽出実行時に等価性コピーの異常が発生した場合の運用手順については“5.9.10 RERUNログ抽出実行時の等価性コピーの異常”を参照してください。
操作の手順
両システム共通
rdbbcrlpコマンドを実行してRLPのリモートコピー状態を表示します。ディスコネクション状態(Connection:disconnection)で、ディスコネクション原因がACMの異常(DisconnectCause:acm-error)であることを確認します。
$ rdbbcrlp -V -R -p RLP名
$ rdbbcrlp -p rlp001 -V -R RLPname : rlp001 Connection : disconnection DisconnectCause : acm-error Id RECstatus Stat OwnPath OtherPath RLM-S abnormal halt /dev/blockdev1@SRC-SV /dev/blockdev2@TARG-SV RLM-R abnormal halt /dev/blockdev2@SRC-SV /dev/blockdev1@TARG-SV rlc001 abnormal halt /dev/blockdev3@SRC-SV /dev/blockdev3@TARG-SV rlc002 abnormal halt /dev/blockdev4@SRC-SV /dev/blockdev4@TARG-SV rlc003 abnormal halt /dev/blockdev5@SRC-SV /dev/blockdev5@TARG-SV
ACMのswsrpstatコマンドの結果(stat)として以下のいずれかが表示されている場合は、ACMのマニュアルを参照して異常原因の調査とリカバリを行ってください。
halt
failed
????
オンラインコマンドなどの運用操作で等価性コピーの異常が発生した場合は、以下のメッセージが出力されます。ACMのエラーメッセージから異常原因の調査とリカバリを行ってください。
rdb: ERROR: qdg20090u:ストレージ管理製品のコマンドでエラーが発生しました:'ストレージ管理製品コマンドのエラーメッセージ'
ACMレプリケーション管理情報の整合性異常によるエラーの場合は、“A.4 ACMのレプリケーション管理情報の整合性復旧”を参照してください。
退避運用を開始します。
rdbbcrlpコマンドを実行し、RLPの運用情報を表示します。
$ rdbbcrlp -V -O -p RLP名
休止オフライン(Online/Offline:suspend)の場合は、RLPをオンラインにしてください。オンライン状態にした場合、ACMの異常を通知するメッセージが再び出力される場合があります。
$ rdbbconline -p RLP 名 -m capture
$ rdbbconline -p RLP 名 -m reflect
rdbbcrlpコマンドを実行してRLPの等価性コピー状態を表示し、等価性コピーの異常によるディスコネクションであることを確認します。
$ rdbbcrlp -V -R -p RLP名
両システムでrdbbcconコマンドを実行して、コネクション状態にします。
$ rdbbccon -p RLP名
コネクション再開処理完了メッセージが出力されます。
rdb: INFO: qdg20343i:コネクション再開処理が完了しました RLP名='RLP名'
rdbbcrlpコマンドを実行し、等価性コピー異常のリカバリとコネクション状態を確認します。
$ rdbbcrlp -V -R -p RLP名
退避運用を停止します。
注意
rdbbcconコマンドは両システムで実行してください。
rdbbcconコマンドの実行後、コネクション状態の確立を通知する以下のメッセージが出力されていれば、コネクション状態への復旧が完了しています。(一方のシステムでrdbbcconコマンドを実行した状態で、コネクション状態に復旧できる場合があります。)
rdb: INFO: qdg20158i:コネクション状態を確立しました RLP名='RLP名'
両システムでrdbbcconコマンドを実行した後、RLPを構成するボリュームの等価性コピーの状態を確認するため、Vオプション、Rオプション、およびpオプションを指定した rdbbcrlpコマンドを実行し、RLP内の全ボリュームの等価性コピーが復旧されていることを確認してください。
ポイント
両システムでrdbbcconコマンドを実行するときは、複写先システムでのrdbbcextコマンドの実行は一時停止してください。
参照
退避運用については“1.5 退避運用”を参照してください。
利用者業務運用中にディスコネクション状態になった場合で、短時間での解決が見込まれないなどのときに、RLP環境を初期化することで復旧する手順を説明します。
操作の手順
複写元システム
コネクション切断のメッセージでディスコネクション状態を確認します。
rdb: INFO: qdg20154i:ディスコネクション状態になりました RLP名='RLP名'
利用者業務を停止します。
RLP環境の初期化を行うため、終了オフラインを実行します。
$ rdbbcoffline -p RLP名 -m term
RLP環境の初期化で対象としたRLPが以下の場合には、順序番号の確認を行います。
スケーラブルログ運用でない場合
スケーラブルログ運用の場合に、再作成対象のRLPがシステムロググループに作成されているとき
Symfoware Serverのrdbexecsqlコマンドを実行して、順序番号を生成することにより順序番号を確認します。
ACMのswsrpstatコマンドを実行して、RLMとRLCのボリュームの状態を確認します。等価性コピーのセッションが残っている場合は、等価性コピーを解除します。
rdbbcinit コマンドのhオプションを実行し、RLP環境を初期化します。
$ rdbbcinit -p RLP名 -h
rdbbcinit コマンドのcオプションを実行し、相手システムのRLP環境の初期化が完了しているか確認します。
$ rdbbcinit -p RLP名 -c
rdb: INFO: qdg20210i:rdbbcinitが正常終了しました 復帰コード 00
rdbbcmapコマンドを実行して、データベース定義の関連付けを実施します。
$ rdbbcmap -E -p RLP名 資源識別子抽出ファイル名
データベースの整合性合せを実施します。
運用中に作成されたすべてのRLC 退避ファイルを削除します。
RLPのオンラインを行います。
$ rdbbconline -p RLP名 -m capture
利用者業務を再開します。
複写先システム
コネクション切断のメッセージでディスコネクション状態を確認します。
rdb: INFO: qdg20154i:ディスコネクション状態になりました RLP名='RLP名'
RLP環境の初期化を行うため、終了オフラインを実行します。
$ rdbbcoffline -p RLP名 -m term
ACMのswsrpstatコマンドを実行して、RLMとRLCのボリュームの状態を確認します。等価性コピーのセッションが残っている場合は、等価性コピーを解除します。
rdbbcinit コマンドのhオプションを実行し、RLP環境を初期化します。
$ rdbbcinit -p RLP名 -h
rdbbcinit コマンドのcオプションを実行し、相手システムのRLP環境の初期化が完了しているか確認します。
$ rdbbcinit -p RLP名 -c
rdb: INFO: qdg20210i:rdbbcinitが正常終了しました 復帰コード 00
RLP環境の初期化で対象としたRLPが以下の場合には、順序定義の再作成を行います。
スケーラブルログ運用でない場合
スケーラブルログ運用の場合に、再作成対象のRLPがシステムロググループに作成されているとき
Symfoware Serverのrdbddlexコマンドを実行して、順序定義を再作成(削除と定義)します。
rdbbcmapコマンドを実行して、データベース定義の関連付けを実施します。
$ rdbbcmap -R -p RLP名 資源識別子抽出ファイル名
データベースの整合性合せを実施します。
運用中に複写元システムより転送されたRLC 退避ファイルを削除します。
標準運用の場合:OSのコマンドを使用します。
標準セキュリティ運用の場合:Symfoware Serverのrdbclrfコマンドを使用します。
RLPのオンラインを行います。
$ rdbbconline -p RLP名 -m reflect
rdbbcextコマンドおよびrdbbcrefコマンドを実行し、RERUNログの抽出と反映を再開します。
$ rdbbcext -p RLP名
$ rdbbcref -a -p RLP名
注意
格納データを暗号化している場合でも、rdbbcmapコマンドを使用して作成した資源識別子抽出ファイルは暗号化されません。資源識別子抽出ファイルを相手システムに転送するときは、opensslコマンドなどのツールを使用して資源識別子抽出ファイルを暗号化してください。また、資源識別子の登録が完了した時点で、資源識別子抽出ファイルを破棄してください。
ポイント
RLP環境の初期化を行う際は、両システムでRLP環境の初期化を行う必要があります。
参照
Symfoware Serverのrdbexecsqlコマンドおよびrdbddlexコマンドについては“Symfoware Server コマンドリファレンス”を参照してください。
順序番号の確認については“4.7.2.1 順序番号の確認”を参照してください。
等価性コピーの解除の手順については“A.3 等価性コピーの解除”を参照してください。
順序定義の再作成については“4.7.2.2 順序の再作成”を参照してください。
rdbbcinitコマンドの実行により初期化する資源については“5.22.1 複写元システムでの誤操作による終了オフラインからのリカバリ”を参照してください。