単語辞書に単語を登録する機能をコマンド形式で呼び出す方法について説明します。
単語を登録する機能の詳細は、“5.3.1 単語登録”または“5.3.4 ツール”を参照してください。
注意
コマンドプロンプトから呼び出す場合は、必ずコマンド“start /wait”を指定して下さい。
コマンドの実行結果は、復帰コードで判断してください。
旧バージョンで作成したファイルも、“単語ファイルの形式”に互換性のある範囲で入力対象とすることができます。
コマンド
呼出し形式
F5ATWWIO.exe /R /GY "業務名" /WR "よみ" /WE "表現" /WC "品詞" /WP "表示位置"
F5ATWWIO.exe /R /GY "業務名" [/EF "単語辞書コマンドエラー情報ファイル名"] [/TA] [/KP] "単語ファイル名"
パラメタの説明
単語登録機能を実行する場合に指定します。
対象となる業務名を指定します。
業務名は、ダブルクォーテーション(")で囲んで指定してください。
登録したい単語のよみを指定します。よみはダブルクォーテーション(")で囲んで指定してください。
全角30文字以内の文字列を指定します。
登録したい単語の表現を指定します。表現はダブルクォーテーション(")で囲んで指定してください。
表現にダブルクォーテーション(")を含む場合は、""とします。
60文字以内の文字列を指定します。なお、シフトJISで表現できない文字は、制御記号‘$’と入力用マスタコードの文字コード"****"を用いて"$****"と指定します。文字‘$’を指定する場合は、"$$"とします。入力用マスタコード系がUnicode(2004MS)の場合、UCS4で記載します。
登録したい単語の品詞を指定します。品詞はダブルクォーテーション(")で囲んで指定してください。
指定できる品詞名については、“表E.2 品詞名一覧”を参照してください。
登録したい単語のかな漢字変換の変換候補リストでの表示位置を指定します。単語辞書の指定された表示位置に登録します。同じ単語がすでに登録されている場合には、指定した位置に再度登録します。
表示位置は最大4桁の10進数で示し、ダブルクォーテーション(")で囲んで指定してください。なお、"1"で先頭、"0"で最後尾の位置を示します。
単語辞書コマンドエラー情報ファイル名を指定します。単語辞書コマンドエラー情報ファイルは、本コマンドでエラーが発生した場合に、詳細情報を出力するファイルです。形式については、“単語辞書コマンドエラー情報ファイルの形式”を参照してください。
本パラメタは省略可能です。省略した場合、エラーは出力されません。
ファイル名は、ダブルクォーテーション(")で囲んで指定してください。
存在しないファイル名を指定してください。既存ファイルを指定した場合はエラーとなります。
単語辞書に単語を登録する際に、よみのシフトJISのコード順に登録されます。本パラメタは、同じよみの単語があった場合に、同じよみの後ろに登録するかどうかを指定します。本パラメタが指定された場合、同じよみの後ろに登録されます。省略された場合、同じよみの前に登録されます。
同一の単語が単語辞書に登録されている場合は、かな漢字変換の変換候補リストでの表示位置を変更しないことを示します。
本パラメタは省略可能です。省略された場合、同一の単語が登録されている場合に、/TAパラメタでの指定に従って、表示位置を変更します。
入力となる単語ファイル名を指定します。単語ファイルは、インポートしたい単語辞書を指定したファイルです。形式については、“単語ファイルの形式”を参照してください。
ファイル名は、ダブルクォーテーション(")で囲んで指定してください。
本パラメタは、必ず最後のパラメタとして指定してください。
単語ファイルはシフトJISコードのテキストファイルで以下の形式となります。
先頭が”;”で始まる行は、コメント行とします。
先頭4行はヘッダ情報とし、それ以降に単語情報を1行に1文字定義します。
以下のような構成となります。
行 | 設定内容 | 意味 |
---|---|---|
1行目 | ;Charset Manager 単語情報 | ファイルの作成システム情報 固定値を指定します。 |
2行目 | ;VL=2.0 | ファイル形式情報 固定値を指定します。 |
3行目 | ;文字コード=xxxx | 入力用マスタコード情報 入力用マスタコード系を指定します。以下の文字列から指定します。
|
4行目 | 改行 |
単語情報は、タブ(0x09)で区切られるTSV形式とします。
なお、カラム位置は行の先頭から何番目のカラムかを示しています。
カラム位置 | 単語情報 | 設定内容 |
---|---|---|
1 | よみ | 全角30文字以内の文字列を指定します。 |
2 | 表現 | 60文字以内の表現文字列を指定します。シフトJISで表現できない文字は、制御記号‘$’と入力用マスタコードの文字コード"****"を用いて"$****"と指定します。文字‘$’を指定する場合は、"$$"とします。入力用マスタコード系がUnicode(2004MS)の場合、UCS4で記載します。 |
3 | 品詞 | 指定できる品詞名については、“表E.2 品詞名一覧”を参照してください。 |
例
単語ファイルの例
;Charset Manager 単語情報 ;VL=2.0 ;文字コード=Unicode おうがい<TAB>$9dd7外<TAB>名 ふじつう<TAB>富士通<TAB>未分類
注)<TAB>は区切り文字のタブを示しています。
未分類 | 役職名 | 動物 | 擬態語 |
姓 | 人物 | 接続なし | 接頭語 |
名 | 文書 | 形容動詞 | 接尾語 |
一般名詞 | 建築物 | 副詞 | 単位 |
サ変名詞 | 乗り物 | 接続詞 | 数詞 |
地名 | 飲食物 | 連体詞 | |
地名(市町村つき) | 衣料・装飾品 | 感動詞 | |
組織名 | 植物 | 冠数詞 |
単語辞書コマンドエラー情報ファイルは、シフトJISテキストファイルです。
2行で1単語分のエラー情報を出力します。各行の意味は以下のとおりです。
エラーとなった単語ファイルの行の内容
先頭が";"で始まるエラーの内容。出力される内容は以下のとおりです。
エラー内容 | 対処 |
---|---|
よみがありません。 | それぞれエラー内容にある指定を見直してください。 |
よみの指定に誤りがあります。 | |
表現がありません。 | |
表現の指定に誤りがあります。 | |
品詞がありません。 | |
品詞の指定に誤りがあります。 | |
登録されていない単語です。 | |
指定に誤りがあります。 | 本項の“単語ファイルの形式”を参照して、行の形式が正しいかどうか確認してください。 |
例
単語辞書コマンドエラー情報ファイルの出力例
<TAB>$9dd7外<TAB>名 ;よみがありません。
注)<TAB>は区切り文字のタブを示しています。
コマンド実行例
例
以下の条件で単語辞書に単語を登録する場合
業務名が「総務」
よみが「ふじつう」
表現が「富士通」
品詞が「一般名詞」
表示位置は先頭にする
"C:\Program Files\CharMGR\JPMAN\F5ATWWIO.exe" /R /GY "総務" /WR "ふじつう" /WE "富士通" /WC "一般名詞" /WP "1"
以下の条件で単語辞書に単語を一括で登録する場合
業務名が「総務」
単語辞書コマンドエラー情報ファイルは、c:\temp\err.txt
単語ファイルは、c:\wwio.txt
同じよみがあったら後ろに登録し、表示位置は変更しない
"C:\Program Files\CharMGR\JPMAN\F5ATWWIO.exe" /R /GY "総務" /EF "c:\temp\err.txt" /TA /KP "c:\wwio.txt"
復帰コード
正常終了すると、0が返却されます。それ以外の値はエラーです。
エラーの内容と対処法については、“E.5.2 復帰コード”の“表E.5 辞書関連のコマンドで返却される復帰コード”を参照してください。