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PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.5
FUJITSU Software

6.4.7 リストア手順

注意

DISABLE状態のディスク

本手順でリストアを行う場合、本手順を実施する前か、または手順8-2)において、DISABLE状態のディスクが存在しないことを確認してください。

DISABLE状態のディスクが存在する場合は、まず「F.1.2 ディスク状態に関する異常」の「(1) ディスクが DISABLE 状態である。」に従って、DISABLE状態のディスクを復旧してから、以下の手順を実施してください。

ただし、「F.1.2 ディスク状態に関する異常」の「(1) ディスクが DISABLE 状態である。」に記載されているクラスを強制的に削除する条件を満たしている場合は、以下の手順ではリストアできません。この場合、「F.1.5 システムディスクに関する異常」の「(4) システムがブートできない (全ブートディスク装置の故障)。」に従って復旧してください。

8) 代替ブート環境への切替え

システムディスクの故障やデータ破損によってシステムがブートできなくなった場合、プロキシボリュ-ムに作成した代替ブート環境に切り替えてシステムを運用します。

8-1) 代替ブート環境でブートします。

OpenBoot 環境で boot コマンドを実行します。boot コマンドでは、手順 5-3) のメッセージで出力された代替ブート環境のブートデバイスのうちの 1 つを指定します。

# shutdown -y -g0 -i0
ok boot /pci@1f,4000/scsi@3/disk@2,0:a

参考

手順 5-3) で出力された代替ブート環境のブートデバイス名の個数が代替ブート環境のブートデバイス数よりも多い場合、boot コマンドが以下のようなエラーになることがあります。

ok boot /pci@1f,4000/scsi@3/disk@2,0:a
Rebooting with command: boot /pci@1f,4000/scsi@3/disk@2,0:a
Boot device: /pci@1f,4000/scsi@3/disk@2,0:a  File and args:
Evaluating: boot /pci@1f,4000/scsi@3/disk@2,0:a
Can't open boot device
ok

この場合は、手順 5-3) で出力された代替ブート環境の他のブートデバイス名を指定して再度 boot コマンドを実行してください。

8-2) 正常にブートできていることを確認します。

mount(1M) コマンドや sdxinfo コマンドを使って、代替ブート環境で正しくブートされていることと、GDS のオブジェクトの状態に異常がないことを確認してください。また、必要に応じて、代替ブート環境のファイルシステムの内容に問題がないこと、アプリケーションが正常に動作できることなどを確認してください。

8-3) 必要に応じて、旧ブート環境を解体します。

旧ブート環境を解体する場合は、以下の手順に従って、マスタとプロキシの関係解除、マスタボリュームの削除、マスタグループのグループとディスクの削除を行います。手順 9) でシステムディスクのリストアを行う場合は、本手順は実施しないでください。

# sdxproxy Break -c System -p Proxy1
# sdxproxy Break -c System -p Proxy2 # sdxvolume -F -c System -v root,usr,home,swap,var,opt # sdxvolume -R -c System -v root
# sdxvolume -R -c System -v usr
# sdxvolume -R -c System -v home # sdxvolume -R -c System -v swap
# sdxvolume -R -c System -v var
# sdxvolume -R -c System -v opt
# sdxgroup -R -c System -g Group1
# sdxgroup -R -c System -g Group2
# sdxdisk -R -c System -d Root1
# sdxdisk -R -c System -d Root2
# sdxdisk -R -c System -d Var1
# sdxdisk -R -c System -d Var2

参照

GDS 運用管理ビューを使用する場合は、「5.5.5 プロキシ解除」、「5.5.1 ボリュームの削除」、「5.5.2 グループの削除」、「5.4.1 クラス構成」を参照してください。


9) システムディスクのリストア

代替ブート環境でシステムをブートした後、バックアップ用ディスクのデータを元のシステムディスクにリストアします。

9-1) マスタとプロキシの関係を解除します。

# sdxproxy Break -c System -p Proxy1
# sdxproxy Break -c System -p Proxy2

参照

GDS 運用管理ビューを使用する場合は、「5.5.5 プロキシ解除」を参照してください。

参考

ETERNUS ディスクアレイの SAN ブート環境

OPC 機能を使用する場合は、マスタとプロキシの関係を解除しないでください。ただし、元のシステムディスクが、ミラー構成ではなく、かつ、交換が必要な場合は、マスタとプロキシの関係を解除してください。

9-2) マスタボリュームを削除します。

# sdxvolume -F -c System -v root,usr,home,swap,var,opt
# sdxvolume -R -c System -v root
# sdxvolume -R -c System -v usr
# sdxvolume -R -c System -v home
# sdxvolume -R -c System -v swap
# sdxvolume -R -c System -v var
# sdxvolume -R -c System -v opt

参照

GDS 運用管理ビューを使用する場合は、「5.5.1 ボリュームの削除」を参照してください。

参考

ETERNUS ディスクアレイの SAN ブート環境

OPC 機能を使用する場合は、マスタボリュームの停止 (sdxvolume -F) のみを実行し、マスタボリュームの削除 (sdxvolume -R) は行わないでください。ただし、元のシステムディスクがミラー構成ではなく、かつ、交換が必要な場合は、マスタボリュームを削除してください。

9-3) 元のシステムディスクが故障している場合は、故障したディスクを交換します。

ここでは、ディスク Root1 (物理ディスク c0t0d0) を交換する手順を示します。

参照

GDS 運用管理ビューを使用する場合は、「5.3.4 ディスク交換」を参照してください。

9-3-1) 交換するディスクを GDS の管理から切り離して交換可能な状態にします。

# sdxswap -O -c System -d Root1

9-3-2) 物理ディスク c0t0d0 を交換します。

9-3-3) 交換したディスクを GDS の管理に組み込みます。

# sdxswap -I -c System -d Root1

9-4) バックアップ用のディスクのグループをマスタグループ、元のシステムディスクのグループをプロキシグループとして、結合します。

# sdxproxy Join -c System -m Proxy1 -p Group1 -a Proot=root:on,Pusr=usr:on,Phome=home:on
# sdxproxy Join -c System -m Proxy2 -p Group2 -a Pswap=swap:on,Pvar=var:on,Popt=opt:on

参照

GDS 運用管理ビューを使用する場合は、「5.2.4.1 プロキシ結合」を参照してください。

参考

ETERNUS ディスクアレイの SAN ブート環境

マスタとプロキシの関係を解除しなかった場合、以下のコマンドを実行することにより、OPC 機能を使用して、プロキシグループ (バックアップ用のディスクのグループ) のデータをマスタグループ (元のシステムディスクのグループ) にリストアできます。GDS 運用管理ビューを使用する場合は、「5.3.3 リストア」の「マスタ復元」を参照してください。マスタ復元の環境設定では、「再結合 - しない」および「瞬間リストア - する」を選択します。

# sdxproxy Restore -c System -p Proxy1,Proxy2 -e instant

9-5) 等価性コピーの完了を確認します。

# sdxinfo -S -c System
OBJ    CLASS   GROUP   DISK    VOLUME  STATUS
------ ------- ------- ------- ------- --------
slice  System  Group1  Root1   root    STOP
slice  System  Group1  Root2   root    STOP
slice  System  Group1  Root1   usr     STOP
slice  System  Group1  Root2   usr     STOP
slice  System  Group1  Root1   home    COPY
slice  System  Group1  Root2   home    COPY
slice  System  Group2  Var1    swap    STOP
slice  System  Group2  Var2    swap    STOP
slice  System  Group2  Var1    var     COPY
slice  System  Group2  Var2    var     COPY
slice  System  Group2  Var1    opt     COPY
slice  System  Group2  Var2    opt     COPY
slice  System  Proxy1  Proot1  Proot   ACTIVE
slice  System  Proxy1  Proot2  Proot   ACTIVE
slice  System  Proxy1  Proot1  Pusr    ACTIVE
slice  System  Proxy1  Proot2  Pusr    ACTIVE
slice  System  Proxy1  Proot1  Phome   ACTIVE
slice  System  Proxy1  Proot2  Phome   ACTIVE
slice  System  Proxy2  Pvar1   Pswap   ACTIVE
slice  System  Proxy2  Pvar2   Pswap   ACTIVE
slice  System  Proxy2  Pvar1   Pvar    ACTIVE
slice  System  Proxy2  Pvar2   Pvar    ACTIVE
slice  System  Proxy2  Pvar1   Popt    ACTIVE
slice  System  Proxy2  Pvar2   Popt    ACTIVE

等価性コピー中は、コピー先プロキシグループのスライスの STATUS フィールドに COPY と表示されます。プロキシグループのスライスの STATUS がすべて STOP になっていれば、等価性コピーは完了しています。

参考

GDS 運用管理ビューのメイン画面では、コピー先のボリュームを構成するスライスの表示は以下のようになります。

  • 等価性コピー中は、copy 状態になり、青色のアイコンが表示される。

  • 等価性コピーが完了すると、stop 状態になり、黒いアイコンが表示される。

注意

ETERNUS ディスクアレイ SAN ブート環境

マスタボリュームのミラーリングの多重度が 2 以上の場合、OPC 機能を使用してリストアを行うと、マスタボリュームのスライスのうち OPC のコピー先になっていないスライスは、データ不当 (INVALID) 状態になります。マスタボリュームのミラー状態を回復するには、マスタボリュームの等価性回復コピーを実行してください。なお、手順 9-6) で元のブート環境に切り替えると、マスタボリュームが起動されて自動的に等価性回復コピーが実行されます。

参考

ETERNUS ディスクアレイの SAN ブート環境

OPC 機能が使用できる場合、等価性コピーの完了を待たずに以降の手順を実施することができます。

9-6) 「6.4.6 バックアップ手順」の手順 4)、5) および本節の手順 8) と同様の手順で、プロキシグループの分離、代替ブート環境の作成、代替ブート環境への切替えを行います。

参考

代替ブート環境におけるシステムディスクのミラーリング解除

手順 8) で代替ブート環境に切り替えた後、システムディスクのミラーリングを解除する場合は、以下の手順を実施します。ここでは、下図の構成にする手順を示します。


10) 旧ブート環境の解体

必要に応じて、旧ブート環境を解体します。以下の手順に従って、マスタとプロキシの関係解除、マスタボリュームの削除、マスタグループのグループとディスクの削除を行います。

# sdxproxy Break -c System -p Proxy1
# sdxproxy Break -c System -p Proxy2
# sdxvolume -F -c System -v root,usr,home,swap,var,opt
# sdxvolume -R -c System -v root
# sdxvolume -R -c System -v usr
# sdxvolume -R -c System -v home
# sdxvolume -R -c System -v swap
# sdxvolume -R -c System -v var
# sdxvolume -R -c System -v opt
# sdxgroup -R -c System -g Group1
# sdxgroup -R -c System -g Group2
# sdxdisk -R -c System -d Root1
# sdxdisk -R -c System -d Root2
# sdxdisk -R -c System -d Var1
# sdxdisk -R -c System -d Var2

参照

GDS 運用管理ビューを使用する場合は、「5.5.5 プロキシ解除」、「5.5.1 ボリュームの削除」、「5.5.2 グループの削除」、「5.4.1 クラス構成」を参照してください。


11) 代替ブート環境のシステムディスクのミラーリング解除

参照

GDS 運用管理ビューを使用する場合は、「5.5.4 システムディスク解除」を参照してください。

11-1) 動作中のアプリケーションプログラムを停止します。

ミラーリングの解除を安全に行うため、動作しているアプリケーションプログラムを停止する必要があります。より安全性が求められる場合は、システムディスクのバックアップを採取してください。

11-2) ミラーリングを解除した後にシステムディスクとして使用するディスク以外を、グループから削除します。

# sdxdisk -D -c System -g Proxy1 -d Proot2
# sdxdisk -D -c System -g Proxy2 -d Pvar2

11-3) ミラーの解除が完了したことを確認します。

# sdxroot -R -c System -d Proot1,Pvar1

11-4) システムをリブートします。

# shutdown -y -g0 -i6

11-5) ミラーリングが解除されていることを確認します。

mount(1M) コマンドや sdxinfo コマンドを使って、システムディスクのミラーリングが正しく解除されていることを確認してください。

11-6) システムディスクの管理を解除します。

# sdxvolume -F -c System -v Proot,Pusr,Phome,Pswap,Pvar,Popt
# sdxvolume -R -c System -v Proot
# sdxvolume -R -c System -v Pusr
# sdxvolume -R -c System -v Phome # sdxvolume -R -c System -v Pswap
# sdxvolume -R -c System -v Pvar # sdxvolume -R -c System -v Popt # sdxgroup -R -c System -g Proxy1 # sdxgroup -R -c System -g Proxy2
# sdxdisk -R -c System -d Proot1 # sdxdisk -R -c System -d Proot2
# sdxdisk -R -c System -d Pvar1 # sdxdisk -R -c System -d Pvar2