ここでは、L-Serverのディスク構成の変更について説明します。
前提条件
物理L-Serverは、SANブートの場合だけディスクの増設と削減ができます。
【Solarisゾーン(Solaris10)】
RORコンソールからディスクの増設と削減はできません。
大域ゾーンからディスクの増設と削減を実行してください。
【Solarisゾーン(Solaris11)】
RORコンソールからディスクの削減はできません。
大域ゾーンからディスクの削減を実行してください。
大域ゾーンからディスクを削減する方法については、「表17.2 変更」を参照してください。
【OVM for SPARC】
ほかのL-Serverと共有しているディスクは削除できません。ゲストドメインに対して、ほかのL-Server(ゲストドメイン)と共有しているディスクをVMホスト上から削除してください。
増設
以下の手順で、L-Serverのディスクを増設します。
オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューで[設定変更]-[ディスク増設]を選択します。
[ディスクの増設]ダイアログが表示されます。
以下の項目を入力します。
増設するサイズは、ギガバイトを単位として、小数第一位までの数値を入力します。"10"が初期表示されます。
L-Serverに割り当てるディスクを指定します。
以下の中から選択します。
自動選択
ストレージプール、仮想ストレージリソース、またはディスクリソースから適切なリソースを選択してL-Serverに割り当てます。初期値は"自動選択"が設定されます。
注意
シン・プロビジョニングの属性が設定されたストレージプールと設定されていないストレージプールが同じ優先度で存在する場合、定義ファイルによって、どちらのストレージプールのリソースを優先するかを決定します。
定義ファイルについては、「導入ガイド CE」の「8.1 仮想L-Server作成で共通に利用する定義ファイル」を参照してください。
仮想ストレージにダイナミックLUNミラーリングが設定されている場合、定義ファイルに指定されたリモートサイトのETERNUSストレージにもボリュームが作成されます。
リモートサイトのETERNUSストレージが本製品で検出されている場合、事前に作成したディスクリソースとして検出されますが、ストレージプールへ登録しないでください。
ストレージプール
ストレージプールから適切なリソースを選択してL-Serverに割り当てます。
仮想ストレージ
RAIDグループ、アグリゲートなどの仮想ストレージリソースが一覧として表示されます。
表示された仮想ストレージリソースから選択します。
指定した仮想ストレージリソースから指定されたサイズのディスクリソースを切り出してL-Serverに割り当てます。
シン・プロビジョニングの属性が設定された仮想ストレージリソースの場合、空き容量を超えるサイズを指定してディスクリソースを切り出すことができます。
ディスク
検索条件を指定した場合、該当する以下のリソースが一覧で表示されます。
- 事前に作成されたLUN
- 仮想ストレージから切り出されたディスクリソース
表示されたディスクリソースから選択します。
指定したディスクリソースがL-Serverに割り当てられます。
【KVM】
自動選択、ストレージプールにおいて、L-Serverのシステムディスクのディスク種別により、選択されるストレージリソースが異なります。
詳細は、「導入ガイド CE」の「8.6.6 L-Server作成」の「選択されるストレージリソースについて」を参照してください。
ディスクリソースの格納先のストレージプールを選択します。
検索するディスクの下限値を、ギガバイトを単位として、小数第一位までの数値で入力します。
L-Serverに対するディスクの割当て状態を指定します。
- 未割当て
ほかのL-Serverに割り当てられていないディスクリソースを選択する場合に指定します。
- 割当て済み
ほかのL-Serverに割り当てられているディスクリソースを選択する場合に指定します。
ディスクリソースを共有するL-Serverを指定します。
検索するディスクの名前を指定します。
- で始まる
名前が指定した文字列で始まるディスクだけを検索する場合に指定します。
- を含む
名前に指定した文字列を含むディスクを検索する場合に指定します。
[OK]ボタンをクリックします。
OSのディスクの増設手順に従い、ディスクを有効にしてください。
コマンドでは、rcxadm lserver attachを実行します。
rcxadm lserver attachコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.6 rcxadm lserver」を参照してください。
参考
増設できるディスク本数の上限値については、「16.3.3 [ディスク]タブ」の「本数」を参照してください。
【VMware】【Hyper-V】
データディスクは、L-ServerにSCSIディスクとして接続されます。IDEディスクとしては接続しません。
【VMware】
仮想ストレージが登録されているストレージプールの属性がシック・プロビジョニングの場合、L-Serverに割り当てるディスクの形式は指定できません。サーバ仮想化ソフトウェア製品のデフォルトの形式に合わせて作成されます。なお、サーバ仮想化ソフトウェア製品上で仮想マシンを作成する際に、リストの先頭に表示される形式がデフォルトの形式となります。
【OVM for x86 2.2】
L-Serverに接続する場合、以下を指定します。
L-Serverの実体がHVM(Hardware Virtualized Machine)の場合
システムボリューム:hda
データディスク1個目~7個目:sda~sdg
L-Serverの実体がPVM(Para-Virtualized Machine)の場合
システムボリューム:xvda
データディスク1個目~59個目:xvdb~xvdbh
注意
L-Serverの電源がONの場合、各OSの手順に従って、増設したディスクを認識させてください。
物理L-Serverの場合、iSCSIブートしているL-Serverに対して、ディスクの増設やネットワークの増設はできません。
Microsoft(R) System Center 2012 Virtual Machine Manager以降を使用している場合に限り、Hyper-Vの仮想L-Serverに対して、仮想ストレージから切り出され保存されたディスクリソースの増設ができます。
Hyper-Vの仮想L-Serverに対して増設できるディスクリソースは、他の仮想L-Serverで使用されていないディスクリソースだけです。
スナップショットが採取されているHyper-Vの仮想L-Serverに対して、保存されたディスクリソースの増設はできません。
Hyper-Vの仮想L-Serverに対してディスクリソースを増設する場合、システムディスクとデータディスクで異なる仮想ストレージまたはストレージプールは指定できません。
参考
エイリアス名の設定
ディスク増設時にETERNUSの仮想ストレージ(RAIDグループなど)から切り出されたディスクを使用する場合、ETERNUSのLUNにディスクリソース名に基づいたエイリアス名を設定可能な場合は設定します。
詳細は、「16.2 個々のパラメーターを指定した物理L-Serverの作成」を参照してください。
iSCSIブートの物理L-Serverのデータディスク
ETERNUSストレージの場合
ストレージ管理製品を利用して、同じAffinityグループにiSCSIブートディスクのLUNとデータディスクのLUNを定義すると、管理対象サーバからデータディスクを利用できます。
NetAppストレージの場合
ストレージ管理製品を利用して、同じigroupにiSCSIブートディスクのLUNとデータディスクのLUNを定義すると、管理対象サーバからデータディスクを利用できます。
削減
以下の手順で、L-Serverに割り当てられたディスクを削減します。
オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューで[設定変更]-[ディスク本数削減]を選択します。
[ディスク本数の削減]ダイアログが表示されます。
以下の項目を選択または入力します。
"ディスクリソース一覧"から削減したいディスクリソースを選択します。選択リストには、システムディスク以外のディスクリソースが表示されます。
[ディスクリソース一覧]で仮想ストレージから切り出したディスクリソースを選択する場合、削減時のディスクリソースについて、以下のラジオボタンで設定します。
削減時にディスクリソースは削除されます。
削減時にディスクリソースは削除されず、切り出した仮想ストレージと同じストレージプールに登録されます。
ディスクを削減する場合、[ディスクリソースを削減する。]チェックボックスにチェックを入れます。
電源ONのままディスクを削減する場合、[電源ONのまま削減する。]チェックボックスにチェックを入れます。
[OK]ボタンをクリックします。
注意
RHEL-KVMの仮想L-Serverの場合、ディスクを削減するためにL-Serverの電源をOFFにする必要があります。
RHEL-KVMの仮想L-Serverに対して、スナップショット採取後に仮想ストレージから自動生成したディスクリソースの削減を実施した場合、採取したスナップショットのリストアに失敗します。
RHEL-KVMの仮想L-Serverにおいて、仮想ストレージから自動生成したディスクリソースを削減した場合、削減したディスクの内容は消去されます。
RHEL-KVMおよびOVM for SPARC以外の仮想L-Serverにおいてディスクリソースを削減した場合、削減したディスクの内容は消去されます。ダイアログに表示される注意事項を確認したあと、[ディスクリソースを削減する。]チェックボックスにチェックを入れてください。
電源がONのときにディスクを削減する場合、事前に削減するディスクを未使用状態にする必要があります。ダイアログに表示される注意事項を確認したあと、[電源ONのまま削減する。]チェックボックスにチェックを入れてください。
ディスクリソースが事前に作成されたLUNまたは仮想L-Server用のディスクリソースの場合、ディスクの削減でディスク内のデータは削除されないため、ディスク内のデータを削除することをお勧めします。ディスク内のデータを削除する方法については、「14.5 ストレージリソース」の注意事項を参照してください。
物理L-Serverの場合、iSCSIブートしているL-Serverに対して、ディスクの削減やネットワークの削減はできません。
[選択したディスクリソースを削除する]で[いいえ]を選択した場合、その指定はディスク削減時のディスクリソースの操作に限って有効です。その指定によってディスクリソースを永続的に保存できません。
ダイナミックLUNミラーリングで作成されたディスクリソースの場合、L-Serverを削除する際、ローカルサイトとリモートサイトにあるディスクリソースが同時に削除されます。
Microsoft(R) System Center 2012 Virtual Machine Manager以降を使用している場合に限り、Hyper-Vの仮想L-Serverで削減したディスクリソースを保存できます。
Hyper-Vの仮想L-Serverでスナップショットが採取されている場合、削減したディスクリソースを保存できません。
コマンドでは、rcxadm lserver detachを実行します。
電源ON状態のL-Serverからディスクを削減する場合、コマンドで-onlineオプションを指定してください。
rcxadm lserver detachコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.6 rcxadm lserver」を参照してください。
【Hyper-V】
1回の構成変更時に指定できるディスク数は、4個までです。
5個以上の追加を行う場合、別途構成変更してください。
【OVM for SPARC】
ディスクの増設と削減を実行した場合は、サービスプロセッサに構成情報を保存する必要があります。
本製品では、ディスクの増設と減設に伴い、構成情報を自動保存します。
本製品における構成情報の自動保存機能を無効にする場合は、構成情報保存の実行可否を設定する定義ファイルに定義を追加してください。
定義ファイルの詳細については、「導入ガイド CE」の「8.8.1 定義ファイルの作成」を参照してください。
参考
ディスク削減時に仮想ストレージから切り出したディスクを削除しなかった場合、事前に切り出したLUNと同じ操作でL-Serverに接続できます。
ディスク削減時に仮想ストレージから切り出したディスクを削除しなかった場合、以下の手順でディスクリソースを削除できます。
ディスクリソースをL-Serverに接続します。
ディスク削減時に[選択したディスクリソースを削除する]で"はい"を選択し、削減します。
または、L-Serverを削除します。
注意
スナップショットをリストアした直後は、L-ServerとVM管理製品が管理するVMゲストの構成に差分が生じる場合があります。
VMゲストの構成の差分は、VM管理製品に対して定期的に問い合わせ、L-Serverの構成に反映されます。
定期的な問い合わせによるL-Serverの構成の反映については、「17.2 変更」を参照してください。
VM管理製品を操作して、仮想マシンのディスク構成を変更した場合、仮想L-Serverへのディスクの増設および削減ができなくなります。
【VMware】
以下のデバイスパス以外を利用するように変更した場合
SCSI:0:0~SCSI:0:6
SCSI:0:8~SCSI:0:14
SCSI:1:0~SCSI:1:6
SCSI:1:8~SCSI:1:14
SCSI:2:0~SCSI:2:6
SCSI:2:8~SCSI:2:14
SCSI:3:0~SCSI:3:6
SCSI:3:8~SCSI:3:14
Raw Device Mappingを使用するように変更した場合
【Hyper-V】
以下のデバイスパス以外を利用するように変更した場合
IDE:0:0
SCSI:0:1~SCSI:0:14
SCSI:1:0~SCSI:1:14
SCSI:2:0~SCSI:2:14
SCSI:3:0~SCSI:3:14
パススルーディスク、差分ディスクを使用するように変更した場合
【OVM for SPARC】
以下のデバイスパスまたは識別情報以外を利用するように変更した場合
0~63
【Citrix Xen】
以下のデバイスパスまたは識別情報以外を利用するように変更した場合
0~1
4~15
【OVM for x86 3.x】
以下のデバイスパスまたは識別情報以外を利用するように変更した場合
HVM(Hardware Virtualized Machine)の場合: 0、2~3
PVM(Para-Virtualized Machine)の場合: 0、2~103
PVHVM(Para-Virtualized Hardware Virtual Machine)の場合: 0、2~106
構築済みの仮想マシンと関連付けを行った仮想L-Serverは、すべてのディスクに対して、ディスクの削減ができるため、注意してください。
システムディスクのデバイスパスを変更した場合、すべてのディスクに対して、ディスクの削減ができるようになるため、注意してください。作成した仮想L-Serverに対して、VM管理製品からシステムディスクのデバイスパスを変更した場合、以下の動作をするため変更しないでください。
RORコンソールの[リソース詳細]タブに表示される[ディスク情報]の[用途]にハイフン("-")が表示されます。
システムディスクが削減できるようになります。
VM管理製品から、同一デバイスパスを使用して異なるディスク種別に変更する場合、以下の手順を行います。
VM管理製品上で仮想マシンからディスクを削除します。
手順1.で削除したディスクが、L-Serverのディスク情報として削除されていることを、RORコンソールで確認します。
VM管理製品上で仮想マシンへディスクを追加します。
なお、異なるディスク種別への変更とは、以下を指します。
仮想ディスクからRaw Device Mapping、パススルーディスク、および差分ディスクへの変更
Raw Device Mapping、パススルーディスク、および差分ディスクから仮想ディスクへの変更
VM管理製品を操作して、仮想マシンに対して仮想ストレージから切り出され保存されたディスクリソースの構成を変更した場合、ストレージプールに登録されていたディスクリソースが、削除される場合があります。
VM管理製品を操作して、仮想マシンに対してスナップショットを採取した場合、L-Serverに対するディスク増設やディスク本数の削減が失敗する場合があります。