レプリケーション運用の変更の種類には、次のものが考えられます。ここでは、それぞれの場合での変更方法について説明します。
変更の種類 | 変更の内容 |
---|---|
レプリケーション定義の変更 | レプリケーション対象のデータベースの定義変更 |
複写先システムの追加と削除 | 複写先システムの追加、削除 |
ここでは、レプリケーション運用のために定義した、複写元データベース、複写先データベース、抽出定義、DBサービス定義、レプリケーション業務の変更方法について説明します。
以下に示す作業の流れに沿って、変更を行います。
“1.2.1.7 レプリケーション運用の終了”の手順に従って、レプリケーション運用を終了させます。
複写元データベースまたは複写先データベースの定義変更は、それぞれのデータベースの定義変更機能で行います。
なお、レプリケーション運用中に、複写元データベース、複写先データベースに対し、定義を変更することはできません。
抽出定義を行っている複写元データベースに対して定義変更をした場合は、正常動作が保証されません。複写元データベースを変更する場合は、抽出定義を削除してから行ってください。
また、複写先データベースに対して定義変更をした場合も、正常動作が保証されません。複写先データベースを変更する場合は、DBサービス定義を削除してから行ってください。
データベースの定義変更の手順を以下に示します。
複写元データベースだけの定義変更の場合は、1.~4.および10.の手順を行います。
複写先データベースだけの定義変更の場合は、5.~9. および10.の手順を行います。
複写元、および複写先データベースの両方を変更する場合は、1.~10.の手順を行います。
複写元システム | 複写先システム |
---|---|
1. 抽出定義の削除 | - |
2. 複写元データベースの変更 | - |
3. 複写元データベースの創成 | - |
4. 抽出定義の再定義 | - |
- | 5. DBサービス運用の停止 |
- | 6. DBサービス定義の削除 |
- | 7. 複写先データベースの変更 |
- | 8. DBサービス定義の再定義 |
- | 9. DBサービス運用の開始 |
10. 全複写業務または初期複写業務の実行 | 10. 全複写業務または初期複写業務の実行 |
該当する抽出定義を削除します。
複写元データベースの変更を行います。
複写元データベースにデータを格納し創成します。
抽出定義の再定義を行います。
複写元データベースの変更内容が、データベース名やスキーマ名、テーブル名の変更の場合は、抽出定義で定義する内容をそれに合わせます。
DBサービスの運用を開始している場合は、DBサービスの運用を停止します。DBサービスの運用の停止は、DBサービス運用停止コマンド(lxtrmsvコマンド)で行います。詳細は“Linkexpress コマンドリファレンス”を参照してください。
DBサービス定義を削除します。
複写先データベースの変更内容が、DBサービス定義の定義内容に影響のない場合は、削除する必要はありません。
複写先データベースの変更を行います。
6.で削除を行った場合、複写先データベースの変更内容に合わせ、再定義します。6.で削除を行う必要のない場合は、再定義は不要です。
DBサービスの運用を開始します。DBサービスの運用の開始は、DBサービス運用開始コマンド(lxintsvコマンド)で行います。詳細は“Linkexpress コマンドリファレンス”を参照してください。
5.の操作を行っていない場合、本操作は不要です。
全複写業務または初期複写業務を実行し、複写先データベースを創成します。押出し型業務の場合は複写元システムで実行します。取込み型業務の場合は複写先システムで実行します。
差分ログファイルサイズの変更や、差分ログファイルの作成先の変更、警告サイズの変更といった抽出定義の内容を変更する場合について説明します。
抽出定義の変更は、定義した抽出定義を削除し、再定義するという手順で行います。
複写元システム | 複写先システム |
---|---|
1. 抽出定義の削除 | - |
2. 抽出定義内容の変更 | - |
3. 抽出定義の再定義 | - |
4. 抽出定義内容の確認 | - |
該当する抽出定義を削除します。
差分ログファイルのサイズなど、抽出定義内容を変更します。
抽出定義を再定義します。
定義した抽出定義の内容が正しいか確認します。
注意
差分ログファイルが破壊状態(入出力障害など)の場合や容量不足に達した場合の再作成方法は、“1.2.5.1 ログファイルの再作成”を参照してください。
抽出定義名を変更した場合、レプリケーション業務の抽出処理で実行されるシェルスクリプトのlxextdbコマンドの引数を変更内容に合わせる必要があります。また、初期複写業務の業務定義も再作成する必要があります。
DBサービス定義の変更は、定義したDBサービス定義を削除し、再定義するという手順で行います。
DBサービス定義の変更の操作には、以下の方法があります。詳細は、“Linkexpressコマンドリファレンス”または“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。
DBサービス定義の変更手順を以下に示します。
複写元システム | 複写先システム |
---|---|
- | 1. DBサービス運用の停止 |
- | 2. DBサービス定義の削除 |
- | 3. DBサービス定義内容の変更 |
- | 4. DBサービス定義の再定義 |
- | 5. DBサービス運用の開始 |
DBサービスの運用を開始している場合は、DBサービスの運用を停止します。DBサービスの運用の停止は、DBサービス運用停止コマンド(lxtrmsvコマンド)で行います。詳細は“Linkexpress コマンドリファレンス”を参照してください。
DBサービス定義の削除を行います。
DBサービス定義ファイルの内容を変更します。
DBサービス定義の再定義を行います。
DBサービスの運用を開始します。DBサービスの運用の開始は、DBサービス運用開始コマンド(lxintsvコマンド)で行います。詳細は“Linkexpress コマンドリファレンス”を参照してください。
1.の操作を行っていない場合、本操作は不要です。
ここでは、特に業務スケジュールの変更に対する考え方について説明します。
なお、レプリケーション業務の変更方法は、Linkexpressの業務定義の変更方法と同じです。業務定義の変更方法については、“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。
自動スケジュールによる一括差分複写業務の運用方法には、以下に示すものがあります。これらは、Linkexpressクライアントの“業務定義ウィンドウ”の“業務スケジュールの設定”ダイアログボックスで変更することができます。
日次
週次
月次
年次
一定時間間隔繰り返し
なお、レプリケーションの運用中に、以下の現象が発生する場合には、業務スケジュールの間隔が不適切であると考えられます。この場合には、対処方法に従って、スケジュール間隔を見直してください。
現象 | 原因 | 対処方法 |
---|---|---|
業務がすでに実行されている旨のメッセージが頻繁に出力される。 | スケジュールの間隔が短すぎる。または差分データの量が多い。 | スケジュールの間隔を長くしてください。 |
テーブルが0件である旨のメッセージまたは編集結果のデータが0件である旨のメッセージが頻繁に出力される。 | スケジュールの間隔が短すぎる。 | スケジュールの間隔を長くしてください。なお、差分データの件数が0件である運用を想定している場合は、対処は不要です。 |
差分ログファイルの使用サイズが警告サイズを超えた旨の警告メッセージが出力される。 | スケジュールの間隔が長すぎる。 | スケジュールの間隔を短くしてください。 |
業務のスケジュール間隔に関する考慮点については“システム設計ガイド”の“業務のスケジュール間隔”を参照してください。
以下の手順で、レプリケーション運用を開始します。
差分ログの取得開始
レプリケーション運用の開始
差分ログの取得開始については、“1.2.2.4.1 差分ログの取得開始”を参照してください。
レプリケーション運用の開始については、“1.2.1.3 レプリケーション運用の開始”を参照してください。
ここでは、複写先システムを追加または削除する方法について説明します。
以下に示す作業の流れに沿って、変更を行います。
レプリケーション運用の終了とレプリケーション運用の開始については、“1.2.4.1.1 レプリケーション運用の終了”および“1.2.4.1.6 レプリケーション運用の開始”を参照してください。
複写元システムでは、以下の作業を行います。
追加、変更、削除する複写先システムに関するネットワーク定義を行います。
詳細は、“Linkexpress 導入ガイド”および“付録A Linkexpressの環境定義例”を参照してください。
追加、変更する複写先システム用に抽出定義を追加、変更します。なお、同一の抽出定義を使用する場合は、この作業は必要ありません。
複写先システムを削除する場合は、必要に応じて抽出定義を削除してください。
抽出定義の詳細は、“1.1.6 抽出定義”を参照してください。
複写先システムでは、以下の作業を行います。
ここでは、複写先システムのセットアップは、すでに完了しているものとして説明します。セットアップの方法については、“システム設計ガイド”の“レプリケーションシステムの設計”を参照してください。
複写先システムに複写先データベースを定義します。詳細は、“1.1.4.2 複写先データベースの定義”を参照してください。
複写先システムを削除する場合は、必要に応じて複写先データベースを削除してください。データベースの削除は、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのマニュアルを参照してください。
次に、DBサービス定義を行います。
複写先システムを削除する場合は、必要に応じてDBサービス定義を削除してください。
DBサービス定義の詳細は、“1.1.7 DBサービス定義”および“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。
Linkexpressクライアントを制御サーバに接続し、“業務定義ウィンドウ”で、追加する複写先システム用に業務定義を追加します。
複写先システムを削除する場合は、必要に応じて業務定義を削除してください。
業務定義の詳細は、“1.1.8 レプリケーション業務の作成”および“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。
ここでは、Windowsサービスの変更または削除について説明します。
Windowsサービス名の変更
Windowsサービスのユーザアカウントの変更
Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresの接続ユーザの変更
Windowsサービスの削除
Windowsサービス名の変更は、以下の手順で行います。
レプリケーション運用の終了
“1.2.1.7 レプリケーション運用の終了”の手順に従って、レプリケーション運用を終了します。
レプリケーションサービスの停止
“1.2.2.3 レプリケーションサービスの開始と停止”の手順に従って、レプリケーションサービスを停止します。
Windowsサービスの削除
“1.2.4.3.4 Windowsサービスの削除”の手順に従って、Windowsサービスを削除します。
動作環境ファイルの変更
動作環境ファイルのWINSERVICE_NAME_SUFFIXオペランドの値を変更します。
動作環境ファイルおよびWINSERVICE_NAME_SUFFIXオペランドについては、“1.1.2.3.3 動作環境ファイルの作成”を参照してください。
Windowsサービスの登録
“1.1.2.3.4 Windowsサービスの登録”の手順に従って、Windowsサービスを登録します。
レプリケーションサービスの開始
“1.2.2.3 レプリケーションサービスの開始と停止”の手順に従って、レプリケーションサービスを開始します。
レプリケーション運用の開始
“1.2.1.3 レプリケーション運用の開始”の手順に従って、レプリケーション運用を開始します。
Windowsサービスのユーザアカウントの変更には、以下の方法があります。
Windowsサービスの設定による変更
Windowsサービスの再登録による変更
Windowsサービスの設定による変更
Windowsサービスの設定によるユーザアカウントの変更は、以下の手順で行います。
レプリケーション運用の終了
“1.2.1.7 レプリケーション運用の終了”の手順に従って、レプリケーション運用を終了します。
レプリケーションサービスの停止
“1.2.2.3 レプリケーションサービスの開始と停止”の手順に従って、レプリケーションサービスを停止します。
Windowsサービスの設定変更
[スタート]メニューの[管理ツール]で、[サービス]をクリックします。次にWindowsサービス名一覧の中から、対象のレプリケーションサービスを選択してプロパティを表示します。プロパティの[ログオン]タブの[アカウント]、[パスワード]および[パスワードの確認入力]に新しいユーザアカウントとパスワードを入力して[OK]をクリックし、プロパティを閉じます。
レプリケーションサービスの開始
“1.2.2.3 レプリケーションサービスの開始と停止”の手順に従って、レプリケーションサービスを開始します。
レプリケーション運用の開始
“1.2.1.3 レプリケーション運用の開始”の手順に従って、レプリケーション運用を開始します。
Windowsサービスの再登録による変更
Windowsサービスの再登録によるユーザアカウントの変更は、以下の手順で行います。
レプリケーション運用の終了
“1.2.1.7 レプリケーション運用の終了”の手順に従って、レプリケーション運用を終了します。
レプリケーションサービスの停止
“1.2.2.3 レプリケーションサービスの開始と停止”の手順に従って、レプリケーションサービスを停止します。
Windowsサービスの削除
“1.2.4.3.4 Windowsサービスの削除”の手順に従って、Windowsサービスを削除します。
Windowsサービスの登録
“1.1.2.3.4 Windowsサービスの登録”の手順に従って、Windowsサービスを登録します。このときに新しいユーザアカウントおよびパスワードを指定します。
レプリケーションサービスの開始
“1.2.2.3 レプリケーションサービスの開始と停止”の手順に従って、レプリケーションサービスを開始します。
レプリケーション運用の開始
“1.2.1.3 レプリケーション運用の開始”の手順に従って、レプリケーション運用を開始します。
Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresの接続ユーザの変更は、以下の手順で行います。
レプリケーション運用の終了
“1.2.1.7 レプリケーション運用の終了”の手順に従って、レプリケーション運用を終了します。
レプリケーションサービスの停止
“1.2.2.3 レプリケーションサービスの開始と停止”の手順に従って、レプリケーションサービスを停止します。
Windowsサービスの削除
“1.2.4.3.4 Windowsサービスの削除”の手順に従って、Windowsサービスを削除します。
Windowsサービスの登録
“1.1.2.3.4 Windowsサービスの登録”の手順に従って、Windowsサービスを登録します。このときに新しい接続ユーザを指定します。
レプリケーションサービスの開始
“1.2.2.3 レプリケーションサービスの開始と停止”の手順に従って、レプリケーションサービスを開始します。
レプリケーション運用の開始
“1.2.1.3 レプリケーション運用の開始”の手順に従って、レプリケーション運用を開始します。
Windowsサービスの削除は、以下の手順で行います。
レプリケーション運用の終了
レプリケーションが運用中の場合は、“1.2.1.7 レプリケーション運用の終了”の手順に従って、レプリケーション運用を終了します。
レプリケーションサービスの停止
レプリケーションサービスが起動中の場合は、“1.2.2.3 レプリケーションサービスの開始と停止”の手順に従って、レプリケーションサービスを停止します。
Windowsサービスの削除
以下によりWindowsサービスを削除します。
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