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Linkexpress Replication optionV5.0L20 導入運用ガイド
FUJITSU Software

1.1.2 レプリケーション運用のためのセットアップ

レプリケーションの運用にあたっては、複写元システムと複写先システムで以下の手順によるセットアップが必要です。

  1. Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのセットアップ

  2. Linkexpressのセットアップ

  3. Linkexpress Replication optionのセットアップ

1.1.2.1 Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのセットアップ

レプリケーション運用におけるセットアップで考慮すべき点について説明します。

同時接続する最大数

Linkexpress Replication optionのコマンドは、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのデータベースに接続して処理を行うものがあります。そのため、Symfoware抽出レプリケーションのコマンドを多重実行する場合、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのパラメタファイルに指定する、データベースサーバに同時接続する最大数(max_connectionsパラメタ)に、多重実行するコマンド数を追加する必要があります。

追加する値(基礎値)は、Symfoware抽出レプリケーションの1つのコマンドに対し、1です。

環境変数の設定

SolarisSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresのインスタンスを起動する際の環境変数LD_LIBRARY_PATH_64について、“/usr/ucblib/sparcv9”を追加してください。

参照

データベースサーバに同時接続する最大数の詳細は、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのマニュアルを参照してください。

1.1.2.2 Linkexpressのセットアップ

ここでは、Linkexpressのセットアップの方法について説明します。

Linkexpressのセットアップは以下の手順で行います。

  1. インストール

  2. TCP/IPの環境定義

  3. Linkexpressの環境定義

  4. DB連携機能の環境定義

1.1.2.2.1 インストール

Linkexpressのインストールの方法については、“Linkexpressのソフトウェア説明書”を参照してください。

1.1.2.2.2 TCP/IPの環境定義

オープンサーバ間でのレプリケーション運用では、通信プロトコルにTCP/IPのFTP+プロトコルを使用します。

TCP/IPの環境定義の方法については、“Linkexpress 導入ガイド”を参照してください。

1.1.2.2.3 Linkexpressの環境定義

Linkexpressの環境定義は以下の手順で行います。

  1. 動作環境定義

  2. ネットワーク定義

  3. サーバグループ定義

Linkexpressの環境定義については、“付録A Linkexpressの環境定義例”も併せて参照してください。

動作環境定義

動作環境定義は、Linkexpressの基礎的な動作規定に関する情報を定義します。動作環境定義の方法については、“Linkexpress 導入ガイド”を参照してください。

ネットワーク定義

ネットワーク定義は、データ通信を行うための情報を定義します。

ネットワーク定義の方法については、“Linkexpress 導入ガイド”を参照してください。

サーバグループ定義

サーバグループ定義は、サーバ間の運用情報のやり取りで使用されるセキュリティ情報を定義します。サーバグループ定義の方法については、“Linkexpress 導入ガイド”を参照してください。

1.1.2.2.4 DB連携機能の環境定義

LinkexpressのDB連携機能は、あるシステムのデータを他のシステム上のデータベースに展開(格納)する機能を提供します。Linkexpress Replication optionではLinkexpress のDB連携機能を使用してレプリケーション運用を行います。

DB連携機能の環境定義は以下の手順で行います。

  1. 環境変数の設定

  2. DB動作環境定義の作成

環境変数の設定

環境変数の設定方法については、“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。

DB動作環境定義の作成

DB動作環境定義の作成方法については、“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。

DB動作環境定義については、以下の場所にサンプルを提供しています。セットアップ時の参考として使用してください。

参考

Linkexpress Replication optionでは、抽出処理時にも内部的にDB連携機能が動作します。このため、サンプルは、格納処理時と抽出処理時の2種類を提供しています。

複写先システムのDB動作環境定義

DIFFERENCE_APPLY_ERROR
[意味]

差分ログデータと複写先データベースのデータの不整合発生時のlxstrdbコマンドの動作を指定します。

[指定値]

EXIT:異常終了します(省略値)。

CONTINUE:代替レコード操作を行い、処理を継続します。

[推奨値]

複写元システムでレプリケーションサービスの強制停止、または、オペレーティングシステムのダウンが発生した場合、レプリケーションで重複した差分ログが抽出される場合があります。このため、本オペランドには“CONTINUE”を指定してください。また、初期複写業務を利用する場合には、必ず本オペランドに“CONTINUE”を指定してください。

[前提になるキーワードと指定値]

なし。

[関連するコマンド]

lxstrdbコマンド

TABLE_KEYCHK
[意味]

PRIMARY KEYで構成された複写先データベースに対して抽出データを格納する場合、lxstrdbコマンドの動作を指定します。

[指定値]

YES:異常終了します(省略値)。

NO :処理を継続します。

[推奨値]

複写先データベースのPRIMARY KEYで構成される表に対してレプリケーションを行う場合は、“NO”を指定してください。

[前提になるキーワードと指定値]

なし。

[関連するコマンド]

lxstrdbコマンド

[備考]

本オペランドは、複写先データベースがSymfoware Server(Postgres)またはEnterprise Postgresの場合に指定できます。

PGS_VERSION
[意味]

複写先データベースであるSymfoware ServerまたはEnterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンを指定します。

[指定値]

95:Enterprise Postgres 9.5またはSymfoware Server(Postgres) V12.3の場合に指定します。

96:Enterprise Postgres 9.6の場合に指定します。

本オペランドを省略した場合の意味は、DBサービス定義ファイルの出力データ形式に従います。詳細は、“Linkexpress運用ガイド”を参照してください。

複写先データベース

DBサービス定義の
出力データ形式

PGS_VERSIONの指定

Symfoware Server(Openインタフェース)

symfoware/pgs

指定できません

Symfoware Server(Postgres)
または
Enterprise Postgres 9.5

symfoware/pgs

指定できません(注)

enterprise/pgs

95を指定します

Enterprise Postgres 9.6

enterprise/pgs

96を指定します

注)従来互換であり、NATIONAL CHARACTER VARYING型へのレプリケーションは制限です。

[前提になるキーワードと指定値]

なし。

[関連するコマンド]

lxstrdbコマンド

複写元システムのDB動作環境定義

MESSAGE_LEVEL
[意味]

出力するメッセージの種類を指定します。

[指定値]

i: 情報、警告およびエラーメッセージを出力します(省略値)。

w: 警告およびエラーメッセージを出力します。

e: エラーメッセージだけ出力します。

[前提になるキーワードと指定値]

なし。

[関連するコマンド]

lxextdbコマンド、lxcmtdbコマンド

CHARACTER_OVERFLOW
[意味]

文字属性データの文字あふれ発生時の動作を指定します。

[指定値]

EXIT : 異常終了します(省略値)。

CONTINUE : あふれた文字列を切り捨て、処理を継続します。

[前提になるキーワードと指定値]

なし。

[関連するコマンド]

lxextdbコマンド

CHARACTER_CONVERT_ERROR
[意味]

文字属性データのコード変換エラー発生時の動作を指定します。

[指定値]

EXIT : 異常終了します(省略値)。

CONTINUE : ALTERNATE_CHARACTER1キーワードまたはUNICODE_ALTERNATE_CHARACTER1キーワードの指定値を代替値として採用し、処理を継続します。

[前提になるキーワードと指定値]

なし。

[関連するコマンド]

lxextdbコマンド

1.1.2.3 Linkexpress Replication optionのセットアップ

ここでは、Linkexpress Replication optionのセットアップの方法について説明します。

セットアップの手順は、複写元システムと複写先システムで異なります。

セットアップの手順を以下に示します。

複写元システム

複写先システム

1. インストール

1. インストール

2. 動作環境ファイルの作成

3. Windowsサービスの登録

1.1.2.3.1 インストール

Linkexpress Replication optionのインストールの方法については、 “インストールガイド”を参照してください。

1.1.2.3.2 環境変数の設定

Linkexpress Replication optionのSymfoware抽出レプリケーションを使用する場合には、複写元システムで以下の環境変数を設定してください。

  

注意

  • Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresを運用するために必要な環境変数については、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのマニュアルを参照してください。

  • さらにLinkexpressを運用するための環境変数が必要です。Linkexpressの運用で必要な環境変数については、“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。

  • 環境変数LANGには、Linkexpress Replication optionのインストール時のOSのデフォルトロケールを設定します。

1.1.2.3.3 動作環境ファイルの作成

Linkexpress Replication optionの動作環境ファイルには、Linkexpress Replication optionの動作条件や、Linkexpress Replication optionが管理するファイルの配置先などを指定します。

Linkexpress Replication optionをインストールすると、動作環境ファイルの雛形が作成されます。

備考:「#」で始まる行はコメント行です。

動作環境ファイルは、上記の雛形を編集して作成します。なお、動作環境ファイルはレプリケーションサービスごとに作成してください。作成するときのファイル名は、任意です。

動作環境ファイルのオペランド

ここでは、動作環境ファイルに指定するオペランドについて説明します。

DBミラーリングシステム連携の動作環境ファイルのオペランド

以下のオペランドは、DBミラーリングシステム連携の場合に指定方法が異なります。

詳細は、DBミラーリングシステム連携導入運用ガイドを参照してください。

動作環境ファイルの更新について

レプリケーション運用中に以下のファイルの更新は行わないでください。

Windows1.1.2.3.4 Windowsサービスの登録

Windowsの場合、レプリケーションサービスのWindowsサービスを登録する必要があります。Windowsサービスの登録は、lxrepwinsrvコマンドより行います。Windowsサービス名は以下のようになります。

Linkexpress Replication option Service x (注)

注) xには動作環境ファイルのWINSERVICE_NAME_SUFFIXに指定した値が設定されます。WINSERVICE_NAME_SUFFIXの指定を省略した場合は“Linkexpress Replication option Service”となります。

lxrepwinsrvコマンド実行時にオプションでWindowsサービスの開始方法を指定します。Windowsシステム起動時にレプリケーションサービスを自動で開始する場合は「自動」を指定してください。手動で開始する場合、または、クラスタシステムで動作させる場合は、「手動」を設定してください。

コマンドを実行するとWindowsサービスを開始するためのユーザアカウント情報および、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresへの接続情報の入力が促されるため、表示に従って入力します。

以下の指定内容でWindowsサービスを登録する場合の例を示します。

Windowsサービスの登録確認

Windowsサービスの登録確認は、以下の手順で行ないます。

  1. [サービス]ウインドウを表示する
    [スタート]メニューの[管理ツール]で、[サービス]をクリックします。

  2. Windowsサービスを確認する
    Windowsサービス名一覧の中から、対象のレプリケーションサービスが登録されているか確認します。

入力情報の確認

登録後は以下の手順でレプリケーションサービスを開始して、入力情報が正しいことを確認してください。

  1. Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresの起動

  2. レプリケーションサービスの開始
    1.1.3 レプリケーションサービスの開始”を参照してください。

レプリケーションサービス開始の確認

レプリケーションサービスが開始したことの確認は、以下の手順で行ないます。

  1. [サービス]ウインドウを表示する
    [スタート]メニューの[管理ツール]で、[サービス]をクリックします。

  2. Windowsサービスの状態を確認する
    Windowsサービス名一覧の中の、対象のレプリケーションサービスの状態が “開始”になっていることを確認します。

注意

  • レプリケーションサービスを開始するためには事前にSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresを起動しておく必要があります。このため、レプリケーションサービスを自動で開始する場合は、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresも自動で開始するよう設定してください。
    また、レプリケーションサービスを自動で開始する場合は、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresの起動を待ち合わせるために、Windowsサービスの[回復]タブの[サービスが失敗した場合のコンピュータの応答]に次の内容が設定されます。

    最初のエラー

    サービスを再起動する

    次のエラー

    サービスを再起動する

    その後のエラー

    何もしない

    エラーカウントのリセット

    1日後

    サービスの再起動

    2分後に行う

    レプリケーションサービスを手動で開始する場合は、上記の設定は行いません。
    なお、上記の設定は変更することもできます。Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresの起動にかかる時間に合わせて、サービスの再起動の時間を調整してください。

  • レプリケーションサービスの登録は、Administrator権限のあるユーザ(Administratorsグループに属するユーザ)が行ってください。

  • Windowsサービスを開始するユーザは、“Administrators”グループに属している必要があります。また、サービスとしてログオンする権利を割り当てる必要があります。

  • Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2、Windows Server 2012またはWindows Server 2016において、Administrator権限が必要なコマンドは、“管理者: コマンドプロンプト”から実行する必要があります。[コマンドプロンプト]を右クリックして表示されるメニューから[管理者として実行]を選択し、“管理者: コマンドプロンプト”を起動してください。

  • lxrepwinsrvコマンドについては、“コマンドリファレンス”を参照してください。