レプリケーションの運用にあたっては、複写元システムと複写先システムで以下の手順によるセットアップが必要です。
Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのセットアップ
Linkexpressのセットアップ
Linkexpress Replication optionのセットアップ
レプリケーション運用におけるセットアップで考慮すべき点について説明します。
Linkexpress Replication optionのコマンドは、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのデータベースに接続して処理を行うものがあります。そのため、Symfoware抽出レプリケーションのコマンドを多重実行する場合、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのパラメタファイルに指定する、データベースサーバに同時接続する最大数(max_connectionsパラメタ)に、多重実行するコマンド数を追加する必要があります。
追加する値(基礎値)は、Symfoware抽出レプリケーションの1つのコマンドに対し、1です。
環境変数の設定
Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのインスタンスを起動する際の環境変数LD_LIBRARY_PATH_64について、“/usr/ucblib/sparcv9”を追加してください。
参照
データベースサーバに同時接続する最大数の詳細は、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのマニュアルを参照してください。
ここでは、Linkexpressのセットアップの方法について説明します。
Linkexpressのセットアップは以下の手順で行います。
インストール
TCP/IPの環境定義
Linkexpressの環境定義
DB連携機能の環境定義
Linkexpressのインストールの方法については、“Linkexpressのソフトウェア説明書”を参照してください。
Linkexpressの環境定義は以下の手順で行います。
動作環境定義
ネットワーク定義
サーバグループ定義
Linkexpressの環境定義については、“付録A Linkexpressの環境定義例”も併せて参照してください。
動作環境定義は、Linkexpressの基礎的な動作規定に関する情報を定義します。動作環境定義の方法については、“Linkexpress 導入ガイド”を参照してください。
ネットワーク定義は、データ通信を行うための情報を定義します。
ネットワーク定義の方法については、“Linkexpress 導入ガイド”を参照してください。
サーバグループ定義は、サーバ間の運用情報のやり取りで使用されるセキュリティ情報を定義します。サーバグループ定義の方法については、“Linkexpress 導入ガイド”を参照してください。
LinkexpressのDB連携機能は、あるシステムのデータを他のシステム上のデータベースに展開(格納)する機能を提供します。Linkexpress Replication optionではLinkexpress のDB連携機能を使用してレプリケーション運用を行います。
DB連携機能の環境定義は以下の手順で行います。
環境変数の設定方法については、“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。
DB動作環境定義の作成方法については、“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。
DB動作環境定義については、以下の場所にサンプルを提供しています。セットアップ時の参考として使用してください。
Windowsの場合
格納先ディレクトリ
インストールディレクトリ(注)\SAMPLE\DBENV
注)Linkexpress Replication optionのインストールディレクトリです。
ファイル名
LX_STRDB.ENV(格納処理時のDB動作環境定義のサンプル)
LX_EXTDB.ENV(抽出処理時のDB動作環境定義のサンプル)
Solarisの場合
格納先ディレクトリ
/opt/FSUNlnkre/SAMPLE/DBENV
ファイル名
LX_STRDB.ENV(格納処理時のDB動作環境定義のサンプル)
LX_EXTDB.ENV(抽出処理時のDB動作環境定義のサンプル)
Linuxの場合
格納先ディレクトリ
/opt/FJSVlnkre/SAMPLE/DBENV
ファイル名
LX_STRDB.ENV(格納処理時のDB動作環境定義のサンプル)
LX_EXTDB.ENV(抽出処理時のDB動作環境定義のサンプル)
参考
Linkexpress Replication optionでは、抽出処理時にも内部的にDB連携機能が動作します。このため、サンプルは、格納処理時と抽出処理時の2種類を提供しています。
差分ログデータと複写先データベースのデータの不整合発生時のlxstrdbコマンドの動作を指定します。
EXIT:異常終了します(省略値)。
CONTINUE:代替レコード操作を行い、処理を継続します。
複写元システムでレプリケーションサービスの強制停止、または、オペレーティングシステムのダウンが発生した場合、レプリケーションで重複した差分ログが抽出される場合があります。このため、本オペランドには“CONTINUE”を指定してください。また、初期複写業務を利用する場合には、必ず本オペランドに“CONTINUE”を指定してください。
なし。
lxstrdbコマンド
PRIMARY KEYで構成された複写先データベースに対して抽出データを格納する場合、lxstrdbコマンドの動作を指定します。
YES:異常終了します(省略値)。
NO :処理を継続します。
複写先データベースのPRIMARY KEYで構成される表に対してレプリケーションを行う場合は、“NO”を指定してください。
なし。
lxstrdbコマンド
本オペランドは、複写先データベースがSymfoware Server(Postgres)またはEnterprise Postgresの場合に指定できます。
複写先データベースであるSymfoware ServerまたはEnterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンを指定します。
95:Enterprise Postgres 9.5またはSymfoware Server(Postgres) V12.3の場合に指定します。
96:Enterprise Postgres 9.6の場合に指定します。
本オペランドを省略した場合の意味は、DBサービス定義ファイルの出力データ形式に従います。詳細は、“Linkexpress運用ガイド”を参照してください。
複写先データベース | DBサービス定義の | PGS_VERSIONの指定 |
---|---|---|
Symfoware Server(Openインタフェース) | symfoware/pgs | 指定できません |
Symfoware Server(Postgres) | symfoware/pgs | 指定できません(注) |
enterprise/pgs | 95を指定します | |
Enterprise Postgres 9.6 | enterprise/pgs | 96を指定します |
注)従来互換であり、NATIONAL CHARACTER VARYING型へのレプリケーションは制限です。
なし。
lxstrdbコマンド
出力するメッセージの種類を指定します。
i: 情報、警告およびエラーメッセージを出力します(省略値)。
w: 警告およびエラーメッセージを出力します。
e: エラーメッセージだけ出力します。
なし。
lxextdbコマンド、lxcmtdbコマンド
ここでは、Linkexpress Replication optionのセットアップの方法について説明します。
セットアップの手順は、複写元システムと複写先システムで異なります。
セットアップの手順を以下に示します。
複写元システム | 複写先システム |
---|---|
1. インストール | 1. インストール |
2. 動作環境ファイルの作成 | - |
3. Windowsサービスの登録 | - |
Linkexpress Replication optionのインストールの方法については、 “インストールガイド”を参照してください。
Linkexpress Replication optionのSymfoware抽出レプリケーションを使用する場合には、複写元システムで以下の環境変数を設定してください。
Linuxの場合
環境変数名 | 指定内容 | 備考 |
---|---|---|
/opt/FJSVlnkre/bin |
| |
/opt/FJSVlnkre/lib |
| |
Symfoware Server ClientまたはEnterprise Postgres Clientのインストール先/lib | Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのクライアントインタフェースを使用しているため、指定が必要です。(注) | |
LXREPCONFIG | 動作環境ファイルの絶対パス名 | 動作環境ファイルについては"1.1.2.3.3 動作環境ファイルの作成"で作成します。 |
LANG | ja_JP.UTF-8または |
|
注) Linkexpress Replication option が32bit製品の場合には、
Symfoware Server クライアントパッケージ (32bit製品)またはEnterprise Postgresクライアントパッケージ (32bit製品) のインストール先を指定してください。
Linkexpress Replication option が64bit製品の場合には、
Symfoware Server クライアントパッケージ (64bit製品) またはEnterprise Postgresクライアントパッケージ (64bit製品) のインストール先を指定してください。
また、業務定義内の各イベントで実行されるシェルスクリプトにも同じインストール先を指定してください。
Windowsの場合
環境変数名 | 指定内容 | 備考 |
---|---|---|
Symfoware Server ClientまたはEnterprise Postgres Clientのインストール先\lib | Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのクライアントインタフェースを使用しているため、指定が必要です(注1) 。 レプリケーションサービスを開始するユーザ名に対し、ユーザ環境変数PATHに指定値を追加してください。 | |
Symfoware Server ClientまたはEnterprise Postgres Clientのインストール先\bin | ||
動作環境ファイルの絶対パス名 | 動作環境ファイルについては“1.1.2.3.3 動作環境ファイルの作成”で作成します。 |
注1) Linkexpress Replication option が32bit製品の場合には、
Symfoware Server クライアントパッケージ (32bit製品) またはEnterprise Postgresクライアントパッケージ (32bit製品)のインストール先を指定してください。
Linkexpress Replication option が64bit製品の場合には、
Symfoware Server クライアントパッケージ (64bit製品) またはEnterprise Postgresクライアントパッケージ (64bit製品) のインストール先を指定してください。
また、業務定義内の各イベントで実行されるバッチファイルにも同じインストール先を指定してください。
注2)ユーザ環境変数を編集するには、レプリケーションサービスを開始するユーザ名でWindowsにログオンします。Windowsのコントロールパネルから[システム]をクリックし、[システムの詳細設定]をクリックします。[システムのプロパティ]が表示されますので、[詳細設定]のタブを選択後、[環境変数]のボタンをクリックしてください。
注3) システム環境変数に設定すると、データベースの運用に不具合が発生する場合がありますので、ユーザ環境変数に設定することを強く推奨します。
Solarisの場合
環境変数名 | 指定内容 | 備考 |
---|---|---|
/opt/FSUNlnkre/bin |
| |
/opt/FSUNlnkre/lib |
| |
Symfoware Server ClientまたはEnterprise Postgres Clientのインストール先/lib | Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのクライアントインタフェースを使用しているため、指定が必要です。(注) | |
LXREPCONFIG | 動作環境ファイルの絶対パス名 | 動作環境ファイルについては"1.1.2.3.3 動作環境ファイルの作成"で作成します。 |
LANG | ja、 | jaは、Solaris 10の場合のみ設定可能です。 |
注) Symfoware Server クライアントパッケージ (32bit製品) またはEnterprise Postgresクライアントパッケージ (32bit製品) のインストール先を指定してください。
業務定義内の各イベントで実行されるシェルスクリプトにも同じインストール先を指定してください。
注意
Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresを運用するために必要な環境変数については、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのマニュアルを参照してください。
さらにLinkexpressを運用するための環境変数が必要です。Linkexpressの運用で必要な環境変数については、“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。
環境変数LANGには、Linkexpress Replication optionのインストール時のOSのデフォルトロケールを設定します。
Linkexpress Replication optionの動作環境ファイルには、Linkexpress Replication optionの動作条件や、Linkexpress Replication optionが管理するファイルの配置先などを指定します。
Linkexpress Replication optionをインストールすると、動作環境ファイルの雛形が作成されます。
Linuxの場合
格納先ディレクトリ:/opt/FJSVlnkre/SAMPLE/SYMFOPGS
ファイル名:lnkrep.cfg
インストール直後の動作環境ファイルの内容は以下のとおりです。
# Linkexpress Replication option configuration parameter file (for SYMFOPGS) PGPORT = 27500 COLLECTION_NAPTIME = 10 DEFMNGPATH = /home/rep/defmng CORE_PATH = /home/rep/core MAX_EXECUTE_COMMAND = 100 PROJECT_CODE = 0xde SYSTEM_ID = 1 OBJECT_NAME_PREFIX = linkexpress_replication_option PGS_VERSION = 905 # MSG_LABEL_PREFIX =
備考:「#」で始まる行はコメント行です。
Windowsの場合
格納先ディレクトリ:インストールディレクトリ(注)\SAMPLE\SYMFOPGS
ファイル名:lnkrep.cfg
注)Linkexpress Replication optionのインストールディレクトリです。
インストール直後の動作環境ファイルの内容は以下のとおりです。
# Linkexpress Replication option configuration parameter file (for SYMFOPGS) PGPORT = 27500 COLLECTION_NAPTIME = 10 DEFMNGPATH = c:\rep\defmng MAX_EXECUTE_COMMAND = 100 PROJECT_CODE = 0xde SYSTEM_ID = 1 OBJECT_NAME_PREFIX = linkexpress_replication_option PGS_VERSION = 905 # MSG_LABEL_PREFIX = # WINSERVICE_NAME_SUFFIX =
備考:「#」で始まる行はコメント行です。
Solarisの場合
格納先ディレクトリ:/opt/FSUNlnkre/SAMPLE/SYMFOPGS
ファイル名:lnkrep.cfg
インストール直後の動作環境ファイルの内容は以下のとおりです。
# Linkexpress Replication option configuration parameter file (for SYMFOPGS) PGPORT = 27500 COLLECTION_NAPTIME = 10 DEFMNGPATH = /home/rep/defmng CORE_PATH = /home/rep/core MAX_EXECUTE_COMMAND = 100 PROJECT_CODE = 0xde SYSTEM_ID = 1 OBJECT_NAME_PREFIX = linkexpress_replication_option PGS_VERSION = 905 # MSG_LABEL_PREFIX =
備考:「#」で始まる行はコメント行です。
動作環境ファイルは、上記の雛形を編集して作成します。なお、動作環境ファイルはレプリケーションサービスごとに作成してください。作成するときのファイル名は、任意です。
ここでは、動作環境ファイルに指定するオペランドについて説明します。
PGPORT (Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのポート番号)
PGPORT = Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのポート番号
レプリケーションの環境を構築するSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresのポート番号を指定します。
Linkexpress Replication optionのコマンドおよびレプリケーションプロセスが本ポート番号を使用してSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresに接続します。
指定値は0から65535までの符号なし整数が指定可能です。本オペランドは省略不可です。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には26500が指定されていますので、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのパラメタファイル(postgresql.conf)に設定されたportパラメタの値を指定してください。
DBミラーリングシステム連携の場合、指定形式が異なります。“DBミラーリングシステム連携の動作環境ファイルのオペランド”のPGPORTの説明を参照してください。
WINSERVICE_NAME_SUFFIX = レプリケーションサービスを登録するWindowsサービス名の接尾文字
レプリケーションサービスを登録するWindowsサービス名の接尾文字を指定します。
英字から始まる128文字までの英数字を指定します。複数のレプリケーションサービスの環境を構築する場合には、省略できません。レプリケーションサービスごとに違う文字列を設定してください。レプリケーションサービスが1つの場合には省略可能です。
Windowsサービス名は以下のようになります。
Linkexpress Replication option Service x (注)
注) xにはWINSERVICE_NAME_SUFFIXに指定した値が設定されます。省略時のサービス名は“Linkexpress Replication option Service”となります。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形ではコメントとして記述されています。サービス名に接尾文字を付ける場合、または複数のレプリケーションサービスの環境を構築する場合に行頭のコメントを外し、指定してください。
COLLECTION_NAPTIME = 差分ログ収集間隔
トランザクションログテーブルから差分ログを収集する間隔を指定します。本オペランドに指定された間隔でトランザクションログテーブルから差分ログの収集を行い、差分ログファイルに出力します。この間隔を差分ログ収集スケジュールと呼びます。なお、差分ログ収集の開始、終了タイミングについては、“1.1.3.4 差分ログ収集について”を参照してください。
指定単位は秒です。指定値は10から3600(1時間)までの符号なし整数が指定可能です。本オペランドは省略不可です。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には10が指定されていますので、実際に運用に合った差分ログ収集間隔に変更してください。
本指定値は、レプリケーション業務の業務スケジュールより小さい値を指定してください。
DEFMNGPATH (抽出定義管理ファイルの配置パス指定)
DEFMNGPATH = 抽出定義管理ファイルの格納ディレクトリパス名
抽出定義管理ファイルを管理するディレクトリパス名を指定します。
任意のパス名を160バイト以内の絶対パス名で指定します。ディレクトリパス名に空白を含むことはできません。本オペランドを省略することはできません。
Windowsの場合は、格納ディレクトリにはNTFSを指定してください。
SolarisまたはLinuxの場合は、格納ディレクトリにはUNIXファイルシステムを指定してください。
指定するパス名には、すでに存在するディレクトリパスを指定してください。
複数のレプリケーションサービスの環境を構築する場合は、環境ごとに異なる配置ディレクトリパス名を指定してください。
このディレクトリには、レプリケーションを構築するデータベースの管理者および表の作成者に対して、ディレクトリやファイルを作成および削除できるOSの権限が付与されている必要があります。
ポイント
Windowsの場合、ディレクトリにデータベースの管理者および表の作成者のユーザ名に対し、ディレクトリやファイルを作成および削除できるOSの権限を付与するには、次の操作を実施します。
AdministratorユーザでWindowsにログインした後、ディレクトリのプロパティを開き、[セキュリティ]タブ内の[編集]ボタンを押します。データベースの管理者および表の作成者のユーザ名、または[Users]のグループを選択します。[アクセス許可]欄の[変更]の[許可]にチェックを入れて、[OK]ボタンを押します。
CORE_PATH = コアファイルの出力先ディレクトリパス名
レプリケーションプロセスが出力するコアファイルの出力先ディレクトリパス名を指定します。
任意のパス名を255バイト以内の絶対パス名で指定します。ディレクトリパス名に空白を含むことはできません。本オペランドを省略することはできません。
指定するパス名には、すでに存在するディレクトリパスを指定してください。
指定したディレクトリパスは、レプリケーションサービスの開始以降で使用されます。
複数のレプリケーションサービスの環境を構築する場合は、環境ごとに異なる配置ディレクトリパス名を指定してください。
MAX_EXECUTE_COMMAND (レプリケーションのコマンド多重度)
MAX_EXECUTE_COMMAND = レプリケーションのコマンド多重度
以下のレプリケーションコマンドの多重度を指定してください。
抽出定義コマンド
抽出定義の削除コマンド
差分ログの取得開始コマンド
差分ログの取得終了コマンド
差分ログの追出しコマンド
レプリケーションサービスの開始コマンド
レプリケーションサービスの停止コマンド
レプリケーションコマンドの多重度を指定します。多重度は1から1000までの符号なし整数が指定可能です。本パラメタの値を超える多重度でコマンドを実行するとコマンドが異常終了します。本オペランドを省略すると“100”が指定されたものとみなされます。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には100が指定されていますので、実際に運用に合ったレプリケーションコマンドの多重度を変更する場合に指定してください。
PROJECT_CODE = レプリケーションが使用するIPCキーの最上位1バイトの値
レプリケーションが使用するIPCキーの最上位1バイトの値を16進表記で指定します。デフォルトは0xdeです。デフォルトの名前で運用上支障がない場合は、なるべくデフォルト値で運用してください。本オペランドは省略可能です。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には0xdeが指定されていますので、IPC資源を使用する他のソフトウェア製品とキーが重複する場合には、一意になるように指定してください。
PROJECT_CODE = 名前付きオブジェクトを一意にする値
レプリケーションが使用する名前付きオブジェクトを一意にする値を指定します。
レプリケーションは、名前付きオブジェクトを使用します。パラメタPROJECT_CODEは“0x”で始まる0x00から0xffまでの16進数を指定し、名前付きオブジェクトの重複を避けるために使用します。
本オペランドの省略時には、プロジェクトコードとして0xdeが指定されたものとみなします。デフォルトの名前で運用上支障がない場合は、なるべくデフォルト値で運用してください。
SYSTEM_ID = レプリケーションに与えるシステムID
レプリケーションサービス単位に、一意なIDを指定してください。
レプリケーションに対して与えるシステムIDを1から31までの10進数で指定します。複数のレプリケーションサービスの環境を構築する場合には、省略できません。レプリケーションサービスごとに違う値を設定してください。レプリケーションサービスが1つの場合には省略可能です。省略した場合には1が指定されたものとみなされます。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には1が指定されていますので、同一サーバに複数のレプリケーションサービスの環境を構築する場合には、他と重複しないように指定してください。
OBJECT_NAME_PREFIX (データベースオブジェクトとして作成する資源名の接頭文字)
OBJECT_NAME_PREFIX = データベースオブジェクトとして作成する資源名の接頭文字
Linkexpress Replication optionがSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresのデータベースオブジェクトとして作成する資源名の接頭文字を指定します。
以下のデータベースオブジェクトの名前の接頭文字を36文字以内の英数字で指定します。
- レプリケーションオブジェクトスキーマのスキーマ名
- ログ取得トリガのトリガ名
指定値はSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresの識別子の命名規則に従ってください。半角の英字の大文字と小文字は区別されます。小文字を指定するために“"”で括る必要はありません。
本オペランドを省略すると“linkexpress_replication_option”が指定されたものとみなされます。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には“linkexpress_replication_option”が指定されていますので、同じSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresのデータベースクラスタに複数のレプリケーションサービスの環境を構築する場合に指定してください。
MSG_LABEL_PREFIX (メッセージのラベルの接頭文字)
MSG_LABEL_PREFIX = メッセージのラベルの接頭文字
Linkexpress Replication optionが出力するメッセージのラベルの接頭文字を指定します。
以下が出力するメッセージのラベルの接頭文字を12文字以内の英数字で指定します。
- Linkexpress Replication optionのコマンド (注)
- レプリケーションプロセス
注) lxextdbコマンド、lxcmtdbコマンドを除く
本オペランドに指定した場合には、メッセージのラベルが“接頭文字/FJSVlnkexp”となります。
本オペランドを省略するとメッセージのラベルは“FJSVlnkexp”となります。
本オペランドに指定した場合には、メッセージのラベルが“接頭文字/F3EALNKEXP”となります。
本オペランドを省略するとメッセージのラベルは“F3EALNKEXP”となります。
本オペランドに指定した場合には、メッセージのラベルが“接頭文字/FSUNlnkexp”となります。
本オペランドを省略するとメッセージのラベルは“FSUNlnkexp”となります。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形ではコメントとして記述されています。同じサーバに複数のレプリケーションサービスの環境を構築する場合に行頭のコメントを外し、指定してください。
PGS_VERSION(Symfoware ServerまたはEnterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョン)
PGS_VERSION = Symfoware ServerまたはEnterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョン
複写元データベースであるSymfoware ServerまたはEnterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンを指定します。
Symfoware ServerまたはEnterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンを“.”を省略して指定します。
本オペランドを省略すると902が指定されたものとみなします。
902:Symfoware ServerがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンが9.2の場合に指定します。
905:Symfoware ServerまたはEnterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンが9.5の場合に指定します。
906: Enterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンが9.6の場合に指定します。
Symfoware ServerまたはEnterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのバージョンは、“Symfoware Server 導入ガイド(サーバ編)”または“Enterprise Postgres 導入ガイド(サーバ編)”を参照してください。
CONNECT_TIMEOUT = 接続用の最大待機時間
レプリケーションからSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresに接続する際の最大待機時間を指定します。
指定単位は秒で、0から2147483647までの符号なし整数が指定可能です。本オペランドは省略可能です。1を指定した場合は、2が指定されたものとして扱います。省略した場合、および0を指定した場合は無制限です。
レプリケーションがSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresに接続する際の異常を速やかに検出するためにも、実際の運用に合わせて0以外の適切な値を本オペランドに設定することを推奨します。
DBミラーリングシステム連携の場合は、必ず0以外の値を本オペランドに指定してください。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には記述されていません。レプリケーション環境からSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresへの接続を試みる際に待機する最大の時間(秒)を、実際の運用に合わせて設定してください。
DBミラーリングシステム連携ではない場合、タイムアウトが発生するとレプリケーションサービスは異常終了します。
DBミラーリングシステム連携の場合、タイムアウトが発生するとレプリケーションサービスは再度接続を試みます。構成しているすべてのデータベースクラスタに対して接続を試みるため、多重化されているデータベースクラスタの両方がダウンしている場合、タイムアウトまで指定値の2倍の時間がかかります。
86400(秒)を超える値を指定すると、レプリケーションサービスの起動において以下のメッセージが出力され、処理が異常終了する場合があります。この場合は、0~86400(秒)の範囲の値を指定してください。
RP05103:Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresとの接続に失敗しました データベース名='データベース名' 'could not connect to database "データベース名"
KEEPALIVES_IDLE (キープアライブメッセージの送信を開始するまでの時間)
KEEPALIVES_IDLE = キープアライブメッセージの送信を開始するまでの時間
レプリケーションからSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresに接続後、通信が行われていない場合にキープアライブメッセージの送信を開始するまでの時間を指定します。
指定単位は秒で1~32767までの符号なし整数を指定可能です。
省略した場合はシステムのデフォルト値を使用します。
指定単位は秒で1~2147483647までの符号なし整数を指定可能です。
省略した場合は7200が指定されたものとして扱います。
指定できません。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には記述されていません。レプリケーションからSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresに接続後、通信が行われていない場合に、キープアライブメッセージの送信を開始するまでの時間(秒)を、実際の運用に合わせて設定してください。
KEEPALIVES_INTERVAL (キープアライブメッセージの応答がない場合に、再送するまでの時間)
KEEPALIVES_INTERVAL = キープアライブメッセージの応答がない場合に、再送するまでの時間
レプリケーションからSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresにキープアライブメッセージの送信をしたが応答がない場合に、キープアライブメッセージを再送するまでの時間を指定します。
指定単位は秒で1~32767までの符号なし整数を指定可能です。
省略した場合、システムのデフォルト値を使用します。
指定単位は秒で1~2147483647までの符号なし整数を指定可能です。
省略した場合、1が指定されたものとして扱います。
指定できません。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には記述されていません。レプリケーション環境からSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresにキープアライブメッセージの送信をしたが応答がない場合に、キープアライブメッセージを再送するまでの時間(秒)を、実際の運用に合わせて設定してください。
KEEPALIVES_COUNT (キープアライブメッセージの再送回数)
KEEPALIVES_COUNT= キープアライブメッセージの再送回数
レプリケーションからSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresにキープアライブメッセージを再送する際の、回数を指定します。
指定単位は秒で1~127までの符号なし整数を指定可能です。
省略した場合はシステムのデフォルト値を使用します。
指定できません。
指定できません。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には記述されていません。レプリケーション環境からSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresにキープアライブメッセージを再送する場合の回数を、実際の運用に合わせて設定してください。
SSLMODE= 通信データの暗号化設定
レプリケーションがSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresに接続する際の通信データを暗号化する場合に設定します。本オペランドを省略した場合、レプリケーションはSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresの暗号化の設定に従って接続します。
disable:非SSLで接続します。
allow:非SSLで接続し、失敗したらSSLで接続します。
prefer:SSLで接続し、失敗したら非SSLで接続します。
require:必ずSSLで接続します。
verify-ca:SSLで接続し、信頼できるCAから発行された証明書を使用します。
verify-full:SSLで接続し、信頼できるCAから発行された証明書を使用してサーバのホスト名が証明書と一致するかを検証します。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には記述されていません。Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresの通信データの暗号化設定に合わせてください。
データベースへの接続に関する詳細については、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのマニュアルを参照してください。
以下のオペランドは、DBミラーリングシステム連携の場合に指定方法が異なります。
詳細は、DBミラーリングシステム連携導入運用ガイドを参照してください。
PGPORT (Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのポート番号)
PGPORT = Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのポート番号1,Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのポート番号2
DBミラーリングシステム連携の場合、複写元システムのSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresにおけるプライマリサーバとスタンバイサーバのポート番号をカンマ区切りで指定します。
Linkexpress Replication optionのコマンドおよびレプリケーションプロセスが本ポート番号を使用してSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresに接続します。
指定値は0から65535までの符号なし整数が指定可能です。本オペランドは省略不可です。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には26500が指定されていますので、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのパラメタファイル(postgresql.conf)に設定されたportパラメタの値を指定してください。
PGHOSTオペランドのn番目に指定したサーバのポート番号は、PGPORTオペランドのn番目に指定してください。
PGHOSTオペランドとPGPORTオペランドで指定した値の数が異なる場合、エラーとなります。
DBミラーリングシステム連携ではない場合、指定形式が異なります。“動作環境ファイルのオペランド”のPGPORTの項を参照してください。
PGHOST (Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのホスト名)
PGHOST = Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのホスト名1,Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのホスト名2
DBミラーリングシステム連携の場合、複写元システムのSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresにおけるプライマリサーバとスタンバイサーバのホスト名をカンマ区切りで指定します。
Linkexpress Replication optionのコマンドおよびレプリケーションプロセスが本ホスト名を使用してSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresに接続します。
ホスト名管理ファイルに設定した255バイト以内のホスト名を指定します。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には記述されていません。複写元システムのDBミラーリングシステムの環境に合わせて設定してください。
PGHOSTオペランドのn番目に指定したサーバのポート番号は、PGPORTオペランドのn番目に指定してください。
PGHOSTとPGPORTで指定した値の数が異なる場合、エラーとなります。
複写元システムがDBミラーリングシステムではない場合、本オペランドは指定しないでください。
AUTO_CONNECT_RETRY (レプリケーションサービスのSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresへの自動再接続)
AUTO_CONNECT_RETRY = { YES|NO }
レプリケーションサービスからSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresへの接続が切断された場合の動作を指定します。
YES:Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresへの接続が切断された場合、リトライします。
NO:Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresへの接続が切断された場合、レプリケーションサービスが停止します。
本オペランドを省略した場合、“NO”が採用されます。
本オペランド指定時は、PGHOSTオペランドを指定する必要があります。
複写元システムがDBミラーリングシステムの場合、本オペランドに必ずYESを指定してください。
本オペランドは、レプリケーションサービス起動後に、トランザクションログテーブルから差分ログを収集する処理に対して機能します。
本オペランドに“YES”を指定してSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresに接続できなかった場合、COLLECTION_NAPTIME (差分ログ収集間隔)に指定した間隔で再接続します。
SSLSERVERCERTCN (SSL認証を行う場合の共通証明書のCN名)
SSLSERVERCERTCN = CN名
レプリケーションが複写元システムのDBミラーリングシステムに対して、証明書を使用してSSL接続を行う場合、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresサーバ群の共通証明書のCN名を指定します。
サーバ群の共通証明書のCN名を64バイト以内で指定します。
本オペランドは省略可能です。
本オペランドを指定する場合は、SSLMODEオペランドに“verify-full”を指定する必要があります。
レプリケーション運用中に以下のファイルの更新は行わないでください。
Linkexpress Replication optionの動作環境ファイル
Windowsの場合、レプリケーションサービスのWindowsサービスを登録する必要があります。Windowsサービスの登録は、lxrepwinsrvコマンドより行います。Windowsサービス名は以下のようになります。
Linkexpress Replication option Service x (注)
注) xには動作環境ファイルのWINSERVICE_NAME_SUFFIXに指定した値が設定されます。WINSERVICE_NAME_SUFFIXの指定を省略した場合は“Linkexpress Replication option Service”となります。
lxrepwinsrvコマンド実行時にオプションでWindowsサービスの開始方法を指定します。Windowsシステム起動時にレプリケーションサービスを自動で開始する場合は「自動」を指定してください。手動で開始する場合、または、クラスタシステムで動作させる場合は、「手動」を設定してください。
コマンドを実行するとWindowsサービスを開始するためのユーザアカウント情報および、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresへの接続情報の入力が促されるため、表示に従って入力します。
以下の指定内容でWindowsサービスを登録する場合の例を示します。
Windowsシステム起動時にレプリケーションサービスを自動で開始
Windowsサービスを開始するユーザ名およびSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresへの接続ユーザ名は“postgres”
>lxrepwinsrv -R Username and Password to start Windows Service Username (default: SYSTEM ) : postgres<Enter> Password : ****** <Enter> Re-enter Password : ****** <Enter> Username for connecting to Symfoware Server Username (default: postgres) : <Enter>
Windowsサービスの登録確認
Windowsサービスの登録確認は、以下の手順で行ないます。
[サービス]ウインドウを表示する
[スタート]メニューの[管理ツール]で、[サービス]をクリックします。
Windowsサービスを確認する
Windowsサービス名一覧の中から、対象のレプリケーションサービスが登録されているか確認します。
入力情報の確認
登録後は以下の手順でレプリケーションサービスを開始して、入力情報が正しいことを確認してください。
Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresの起動
レプリケーションサービスの開始
“1.1.3 レプリケーションサービスの開始”を参照してください。
レプリケーションサービス開始の確認
レプリケーションサービスが開始したことの確認は、以下の手順で行ないます。
[サービス]ウインドウを表示する
[スタート]メニューの[管理ツール]で、[サービス]をクリックします。
Windowsサービスの状態を確認する
Windowsサービス名一覧の中の、対象のレプリケーションサービスの状態が “開始”になっていることを確認します。
注意
レプリケーションサービスを開始するためには事前にSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresを起動しておく必要があります。このため、レプリケーションサービスを自動で開始する場合は、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresも自動で開始するよう設定してください。
また、レプリケーションサービスを自動で開始する場合は、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresの起動を待ち合わせるために、Windowsサービスの[回復]タブの[サービスが失敗した場合のコンピュータの応答]に次の内容が設定されます。
最初のエラー | サービスを再起動する |
次のエラー | サービスを再起動する |
その後のエラー | 何もしない |
エラーカウントのリセット | 1日後 |
サービスの再起動 | 2分後に行う |
レプリケーションサービスを手動で開始する場合は、上記の設定は行いません。
なお、上記の設定は変更することもできます。Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresの起動にかかる時間に合わせて、サービスの再起動の時間を調整してください。
レプリケーションサービスの登録は、Administrator権限のあるユーザ(Administratorsグループに属するユーザ)が行ってください。
Windowsサービスを開始するユーザは、“Administrators”グループに属している必要があります。また、サービスとしてログオンする権利を割り当てる必要があります。
Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2、Windows Server 2012またはWindows Server 2016において、Administrator権限が必要なコマンドは、“管理者: コマンドプロンプト”から実行する必要があります。[コマンドプロンプト]を右クリックして表示されるメニューから[管理者として実行]を選択し、“管理者: コマンドプロンプト”を起動してください。
lxrepwinsrvコマンドについては、“コマンドリファレンス”を参照してください。