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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.2.0 NSオプション 説明書
FUJITSU Software

4.2.17 管理LANネットワークの変更

ここでは、管理LANネットワークの変更について説明します。

管理LANネットワークの変更対象リソースと変更可否の対応を以下に示します。

表4.3 管理LANネットワークの変更可否一覧

項目

NSアプライアンス専用サーバ

NSアプライアンス

NSアプライアンス用物理L-Server
(SANストレージ環境)

NSアプライアンス用物理サーバ
(サーバ内蔵ディスク環境)

管理IPアドレス

×

○ (注1)

○ (注2)

サブネットマスク

×

○ (注1)

○ (注2)

ゲートウェイアドレス

×

○ (注1)

○ (注2)

○: 変更可能。
×: 変更不可(再作成が必要)。

注1) rcxnetworkservice modifyコマンドで変更します。
注2) NSアプライアンスにログインし、NSアプライアンスの構成定義を変更後、rcxnetworkservice modifyコマンドを実行することで変更できます。


なお、NSアプライアンス専用サーバとNSアプライアンスの管理LANネットワークを変更する場合、以下の手順で変更します。

  1. すべてのNSアプライアンスの管理LANネットワークを変更します。

    NSアプライアンスの管理LANネットワークの変更については、「4.2.17.1 管理LANネットワークの変更(NSアプライアンス)」を参照してください。

  2. すべてのNSアプライアンスを停止します。

    NSアプライアンスの停止については、「4.2.2 停止」を参照してください。

  3. NSアプライアンス専用サーバの管理LANネットワークを変更します。

    NSアプライアンス専用サーバの管理LANネットワークを変更については、「4.2.17.2 管理LANネットワークの変更(NSアプライアンス専用サーバ)」を参照してください。

注意

変更後の管理IPアドレスを誤って設定した場合、NSアプライアンス専用サーバやNSアプライアンスの操作ができなくなります。管理IPアドレスを変更する場合は、十分に確認してから変更してください。

4.2.17.1 管理LANネットワークの変更(NSアプライアンス)

ここでは、NSアプライアンスの管理LANネットワークの変更操作について説明します。

なお、NSアプライアンスの管理LANネットワークの変更は、変更対象のNSアプライアンスがネットワークプールに登録されていないことが前提となります。

  1. 変更対象のNSアプライアンスを保守モードに設定します。

    詳細については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「22.1 保守モードの切替え」を参照してください。

  2. 変更対象のNSアプライアンスの環境定義情報を退避します。

    詳細については、「5.4.4 環境定義情報の採取」を参照してください。

  3. NSアプライアンスにログインし、構成定義を操作するモードに遷移します。

    以下のコマンドを投入します。

    admin
    Password: 管理者パスワード
    configure terminal
    load running-config
    管理者パスワード

    NSアプライアンス導入時に作成した「2.2.3.3 ネットワーク構成情報ファイル」で指定した管理者パスワードを入力します。

  4. 管理LANインターフェース定義を変更します。

    • 管理LANインターフェースでVLANを使用していない場合

      NSアプライアンス導入時に作成した「2.2.3.3 ネットワーク構成情報ファイル」で管理LANのVLAN IDを指定せずにNSアプライアンスを作成した場合が該当します。

      以下のコマンドを投入します。

      interface lan0.3
      ip address変更後の管理IPアドレス/マスク長
      !
      変更後の管理IPアドレス/マスク長

      変更後の管理IPアドレスとマスク長を指定します。

    • 管理LANインターフェースでVLANを使用している場合

      NSアプライアンス導入時に作成した「2.2.3.3 ネットワーク構成情報ファイル」で管理LANのVLAN IDを指定してNSアプライアンスを作成した場合が該当します。

      以下のコマンドを投入します。

      interface vlanID
      ip address変更後の管理IPアドレス/マスク長
      !
      ID

      NSアプライアンス導入時に作成した「2.2.3.3 ネットワーク構成情報ファイル」で指定した管理LANのVLAN IDを入力します。

      変更後の管理IPアドレス/マスク長

      変更後の管理IPアドレスとマスク長を指定します。

  5. フィルター条件の定義を変更します。

    ユーザーカスタマイズモードにおいて、ルールセットを作成しているときに定義変更が必要となる場合があります。
    ユーザーカスタマイズモードにおいて、製品が提供しているサンプルスクリプトをそのまま利用している場合、または簡単設定モードを利用して、NSアプライアンスの自動設定を行っている場合、本変更作業は不要です。


    以下のコマンドを投入し、フィルター条件に変更前の管理LANサブネットのネットワークアドレスまたは、管理IPアドレスの情報が登録されているか確認します。

    show class-map

    フィルター条件が登録されている場合、以下の形式で表示されます。なお、複数行表示される場合があります。

    class-map match-any フィルター条件名
      match address ipv4 ネットワークアドレス/マスク長または管理IPアドレス
      match destination-address ipv4 ネットワークアドレス/マスク長または管理IPアドレス
      match source-address ipv4 ネットワークアドレス/マスク長または管理IPアドレス
    !

    変更前の管理LANサブネットのネットワークアドレスまたは、管理IPアドレスの情報がフィルター条件に登録されている場合、以下のコマンドを投入し変更前の情報を削除後、変更後の情報で再登録します。

    class-map match-any フィルター条件名
      no match address ipv4 変更前のネットワークアドレス/マスク長または管理IPアドレス
      no match destination-address ipv4 変更前のネットワークアドレス/マスク長または管理IPアドレス
      no match source-address ipv4 変更前のネットワークアドレス/マスク長または管理IPアドレス
      match address ipv4 変更後のネットワークアドレス/マスク長または管理IPアドレス
      match destination-address ipv4 変更後のネットワークアドレス/マスク長または管理IPアドレス
      match source-address ipv4 変更後のネットワークアドレス/マスク長または管理IPアドレス
    !
    フィルター条件名

    show class-mapで確認した際に、表示されたフィルター条件名と同じ文字列を指定します。

    変更前のネットワークアドレス/マスク長または管理IPアドレス

    変更前のNSアプライアンスの管理LANサブネットのネットワークアドレスとマスク長または、管理IPアドレスを入力します。

    変更後のネットワークアドレス/マスク長または管理IPアドレス

    変更後のNSアプライアンスの管理LANサブネットのネットワークアドレスとマスク長または、管理IPアドレスを入力します。

  6. 経路情報(ルーティング)の定義を変更します。

    NSアプライアンスの管理IPアドレスの変更前と変更後でネットワークが異なる場合に経路情報を変更します。
    以下のコマンドを投入し、管理サーバと通信を行うための経路情報が登録されているか確認します。

    show ip route

    経路情報が登録されている場合、以下の形式で表示されます。なお、複数行表示される場合があります。

    ip route ネットワークアドレス/マスク長 ゲートウェイアドレス

    表示された登録情報で、管理サーバの管理LANサブネットと同じネットワークアドレスが登録されているか確認します。登録されている場合、以下のコマンドを投入し、経路情報を削除します。

    no ip route 管理サーバの管理LANサブネットのネットワークアドレス/マスク長 ゲートウェイアドレス
    管理サーバの管理LANサブネットのネットワークアドレス/マスク長

    管理サーバの管理LANサブネットのネットワークアドレスとマスク長を入力します。

    ゲートウェイアドレス

    管理サーバの管理LANサブネットにアクセス可能な、ゲートウェイアドレスを入力します。


    NSアプライアンスの管理IPアドレスの変更後のネットワークと、管理サーバの管理LANサブネットのネットワークが異なる場合に以下のコマンドを投入し経路情報を登録します。

    ip route 管理サーバの管理LANサブネットのネットワークアドレス/マスク長 ゲートウェイアドレス
    管理サーバの管理LANサブネットのネットワークアドレス/マスク長

    管理サーバの管理LANサブネットのネットワークアドレスとマスク長を入力します。

    ゲートウェイアドレス

    管理サーバの管理LANサブネットにアクセス可能な、ゲートウェイアドレスを入力します。

  7. 構成定義をNSアプライアンスに保存します。

    以下のコマンドを投入します。

    save startup-config

    コマンド投入後は、以下のメッセージが表示されますので、"y"を入力してください。

    Do you overwrite "startup-config" by the current configuration? (y|[n]):y
  8. NSアプライアンスを停止します。

    以下のコマンドを投入します。

    poweroff

    コマンド投入後は、以下のメッセージが表示されますので、"y"を入力してください。

    A power off of the system disconnects all communications. Are you sure?(y|[n]):y
  9. rcxnetworkservice listコマンドを実行し、NSアプライアンスが停止したことを確認します。

    コマンドの詳細については、「A.1 rcxnetworkservice」を参照してください。
    なお、rcxnetworkservice modifyによるNSアプライアンスの管理情報の更新前は、rcxnetworkservice listコマンドで表示されるIPアドレスは、変更前のIPアドレスとなります。

  10. rcxnetworkservice modifyコマンドを実行し、NSアプライアンスの管理情報の更新を行います。

    コマンドの詳細については、「A.1 rcxnetworkservice」を参照してください。

  11. ネットワークデバイスの情報を変更します。

    変更後のNSアプライアンスの管理IPアドレスをネットワークデバイスの情報に反映します。
    変更には、NSアプライアンス導入時に作成したネットワーク構成情報ファイルを使用してください。
    管理IPアドレスの変更は、複数のネットワークデバイスを一括して変更することができません。個別に変更してください。
    ネットワークデバイスの情報の変更方法についての詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「7.6 ネットワークデバイスの変更」を参照してください。

  12. 変更対象のNSアプライアンスを起動します。

    NSアプライアンスの起動については、「4.2.1 起動」を参照してください。

  13. 変更対象のNSアプライアンスの保守モードを解除します。

    保守モードの解除の詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「22.1 保守モードの切替え」を参照してください。

4.2.17.2 管理LANネットワークの変更(NSアプライアンス専用サーバ)

ここでは、NSアプライアンス用物理サーバ(サーバ内蔵ディスク環境)の管理LANネットワークの変更操作について説明します。

  1. 保守作業を行うことをアナウンスします。

    変更対象のNSアプライアンス用物理サーバで動作しているNSアプライアンスを確認し、対象のNSアプライアンスがL-Platformで使用されている場合、対象のL-Platformを使用しているテナント管理者およびテナント利用者へ保守作業の開始をアナウンスします。
    詳細については、「操作ガイド インフラ管理者編 CE」の「3.2 ホームのお知らせの編集」を参照してください。

  2. 変更対象のNSアプライアンス用物理サーバで動作している、すべてのNSアプライアンスを保守モードに設定します。

    詳細については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「22.1 保守モードの切替え」を参照してください。

  3. 変更対象のNSアプライアンス用物理サーバで動作している、すべてのNSアプライアンスの環境定義情報を退避します。

    詳細については、「5.4.4 環境定義情報の採取」を参照してください。

  4. 変更対象のNSアプライアンス用物理サーバ上で動作している、すべてのNSアプライアンスを停止します。

    NSアプライアンスの停止については、「4.2.2 停止」を参照してください。

  5. rcxnetworkservice modifyコマンドを実行し、NSアプライアンス用物理サーバの管理IPアドレスを変更します。

    rcxnetworkservice modifyコマンドの実行により、NSアプライアンス用物理サーバの再起動が行われます。
    コマンドの詳細については、「A.1 rcxnetworkservice」を参照してください。

  6. RORコンソールのサーバリソースツリーで、対象のNSアプライアンス用物理サーバを右クリックし、表示されたメニューで[設定変更]-[基本情報]を選択します。

    [サーバの設定変更]ダイアログが表示されます。

  7. [管理LAN(IPアドレス)]を変更します。

    5で指定した変更後の管理IPアドレスを入力します。

  8. <OK>ボタンをクリックします。

    管理対象サーバの管理IPアドレスが変更されます。

  9. 変更対象のNSアプライアンス用物理サーバで動作している、すべてのNSアプライアンスの保守モードを解除します。

    保守モードの解除については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「22.1 保守モードの切替え」を参照してください。

  10. 保守作業が終了したことをアナウンスします。

    変更対象のNSアプライアンス用物理サーバで動作しているNSアプライアンスを確認し、対象のNSアプライアンスがL-Platformで使用されている場合、対象のL-Platformを使用しているテナント管理者およびテナント利用者へ保守作業の終了をアナウンスします。
    詳細については、「操作ガイド インフラ管理者編 CE」の「3.2 ホームのお知らせの編集」を参照してください。

参考

  • 管理サーバの管理LANサブネットと異なる管理LANサブネットのIPアドレスへ変更する場合は、事前に変更後のIPアドレスの管理LANサブネットの登録が必要です。
    詳細については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「5.11 管理LANサブネットの登録」を参照してください。

  • NSアプライアンス導入時に作成したネットワーク構成情報ファイルに管理ホストのIPアドレス(ManagementHost)を指定し、リソース登録している場合でも、管理ホストのIPアドレス(ManagementHost)の変更は不要です。
    NSアプライアンス用物理サーバの管理IPアドレスの変更に連動して反映されます。

    なお、ネットワーク構成情報ファイルでNSアプライアンスのリソース登録時の情報を管理している場合、ネットワーク構成情報ファイル内の管理ホストのIPアドレス(ManagementHost)は変更してください。