各サーバのリストア方法について説明します。
ここでは、マスタサーバ(プライマリ・セカンダリ)、開発実行環境サーバ、および連携サーバのリストア方法について説明します。
スレーブサーバ以外の各サーバのリストアは、対象のサーバ上で bdpp_restore コマンドを実行することによって行います。
注意
開発実行環境サーバ
bdpp_restore コマンドは、開発実行環境サーバで開発した MapReduce アプリケーションなどのリストアは行いません。
連携サーバ
bdpp_restore コマンドは、連携サーバ上の業務システムや業務データのリストアは行いません。
リストアを行う前の準備
リストアを行う前に、対象のサーバで以下の準備作業を行う必要があります。
リストアの際に使用するバックアップを、リストアを行うサーバの任意のディレクトリに配置します。
バックアップがアーカイブ化されている場合は、展開します。
例
バックアップを tar 形式でアーカイブ化していた場合
/var/backup 配下に配置したバックアップ(FJSVbdpp-backup-master1-20121010.tar)を、tar コマンドを使用して展開する方法を記述します。
# cd /var/backup <Enter> # tar xvf FJSVbdpp-backup-master1-20121010.tar <Enter>
「第5章 システム構築の準備」を参照して、対象のサーバに対して必要な設定を行ってください。
なお、バックアップに含まれている hosts ファイルを使用するため、「5.7 ホスト名の設定」の作業を行う必要はありません。対象のサーバに配置されている hosts ファイルを、バックアップ格納ディレクトリ配下(FJSVbdpp-backup/SYS)にある hosts ファイルと置き換えてください。
例
hosts ファイルの置き換え
/var/backup ディレクトリの配下に配置されているバックアップ格納ディレクトリ配下の hosts ファイルを cp コマンドを使用して対象サーバに配置されている hosts ファイルと置き換える方法を記述します。
# cp -p /var/backup/FJSVbdpp-backup/SYS/hosts /etc <Enter>
「6.5.2.2 hadoop グループおよび mapred ユーザーの登録」を参照して、hadoop グループおよび mapred ユーザーを連携サーバに登録してください。この作業は、連携サーバのリストアを行う場合のみ行ってください。
リストア手順
リストア手順について説明します。なお、事前に「リストアを行う前の準備」を行っておいてください。
リストア対象ではないマスタサーバに root 権限でログインします。
bdpp_stop コマンドを使用して Hadoop を停止します。
注意
マスタサーバが二重化構成の場合は、Hadoop が起動中である可能性があります。Hadoop が起動中である場合は停止してください。
リストアを行うサーバに root 権限でログインします。
バックアップ格納ディレクトリ配下(FJSVbdpp-backup/SYS)にある、構成ファイル bdpp.conf を任意のディレクトリに配置します。
対象のサーバの機能をインストールします。
マスタサーバの場合
「6.1.1.2 マスタサーバ機能のインストール」を参照して、マスタサーバ機能のインストールを行ってください。そのあとリストアを行うマスタサーバに対してのみ、HA クラスタのセットアップを行います。セットアップの手順については、「6.1.2 HA クラスタのセットアップ」を参照してください。
開発実行環境サーバの場合
「6.4.1.2 開発実行環境サーバ機能のインストール」を参照して、開発実行環境サーバ機能のインストールを行ってください。
連携サーバの場合
「6.5.1.2 連携サーバ機能のインストール」を参照して、連携サーバ機能のインストールを行ってください。
対象のサーバで bdpp_restore コマンドを実行します。
例
バックアップ格納ディレクトリが /var/backup ディレクトリの配下に配置されていた場合
# /opt/FJSVbdpp/bin/bdpp_restore -d /var/backup <Enter>
注意
バックアップ格納ディレクトリとその配下の構成は、バックアップ作成時の構成と同一にしてください。
バックアップにクローニングイメージが含まれる場合、マスタサーバ(プライマリ)でリストアを実行するとクローニングイメージが展開(コピー)されます。このとき、クローニングイメージのファイルサイズ × イメージ数に比例して、ファイルのコピー(ディスク I/O)に時間がかかるため、リストア処理が長期化する場合があります。
リストアを行うサーバのディスク容量が不足していないかどうか確認してからリストア処理を実行してください。各サーバに必要なディスク容量については、「表15.3 サーバごとに必要なディスク容量」を参照してください。
「12.1 ジョブ実行ユーザーの追加」の方法でジョブ実行ユーザーの追加を行っていた場合は、リストア対象のサーバに対して、追加したジョブ実行ユーザーの設定を再度行う必要があります。設定方法は「12.1 ジョブ実行ユーザーの追加」を参照してください。
本製品および本製品に含まれるソフトウェアの修正を適用していた場合は、「ソフトウェア修正情報提供統合サイト」である「アップデートサイト」から入手して適用してください。
bdpp_restore コマンドの実行に失敗した場合は、出力されたメッセージの意味や対処方法を参考にして、または、必要に応じてバックアップログ(/var/opt/FJSVbdpp/log/bdpp_restore.log)を参照して、失敗した原因を取り除き、再度コマンドを実施してください。
ここでは、スレーブサーバのリストア方法について説明します。
スレーブサーバのリストアは、クローニング機能を使用します。
ポイント
物理環境のスレーブサーバをリストアする場合
あらかじめ作成しておいたクローニングイメージを使用してクローニングを行います。
仮想環境のスレーブサーバをリストアする場合
導入済みのスレーブサーバ(仮想マシン)からクローニングを行います。
注意
物理環境にスレーブサーバを導入し、かつクローニング機能を利用しない場合は、ご利用のバックアップソフトウェアを使用し、システムイメージをリストアしてください。
リストアを行う前の準備
クローニングを行う前に、以下の準備作業を行う必要があります。
リストアの際に使用するクローニングイメージが、マスタサーバ(プライマリ)のクローニングイメージの格納ディレクトリに配置されていることを確認してください。
使用するクローニングイメージが用意できていない場合は、「6.3.1.4 クローニングイメージの作成」を参照し、導入済みのスレーブサーバからクローニングイメージの作成を行ってください。
クローン元のスレーブサーバには、ネットワークパラメーターおよび iSCSI 名の自動設定の登録が行われている必要があります。そのため、リストア対象のスレーブサーバを追加した際に使用したクローン元のスレーブサーバを確認してください。
クローン元のスレーブサーバが存在しない場合やクローン元のスレーブサーバ自体がリストア対象である場合は、既存のスレーブサーバをクローン元として使用できるように、「6.3.2.2 ネットワークパラメーター・iSCSI 名の自動設定の登録」を実施してください。
リストア手順
クローニング機能を使用してリストア対象のスレーブサーバを再構築します。
物理環境の場合は、「6.3.1.6 クローニング」の手順以降を実施してください。
仮想環境の場合は、「6.3.2.3 クローニング」の手順以降を実施してください。
注意
物理環境のスレーブサーバをリストアする場合
リストアに使用したクローニングイメージが、現在稼働しているスレーブサーバよりも古い構成の際に採取したイメージである場合は、クローニング後に、以下のファイルをマスタサーバ(プライマリ)から取得して、リストア対象のスレーブサーバに配置する必要があります。
DFS ファイルシステム構成情報 client.conf.fsid
スレーブサーバ定義ファイル /etc/opt/FJSVbdpp/conf/slaves
Hadoop 設定パラメーター /etc/hadoop/mapred-site.xml