リストア手順は、NASボリューム故障、NASバックアップボリューム故障、運用側装置故障により異なります。さらにボリューム故障は、ファイルシステム障害、RAID故障によって異なります。
以下に、各故障による復旧手順について説明します。
NASボリュームの故障からの復旧
ファイルシステム障害時
「3.10.1.3 リストアの実行方法」を参照してください。
RAID故障時
「3.10.6 NASボリュームまたはNASバックアップボリュームが故障した場合の復旧手順について」を参照してください。
NASバックアップボリュームの故障からの復旧
NASバックアップボリュームの故障からの復旧手順は、以下のとおりです。この手順の実施後、必要に応じてNASボリュームへのリストアを実施してください。
ファイルシステム障害時
運用側装置で、NASボリュームからNASバックアップボリュームへのQuickOPCを停止(物理コピーとトラッキング処理の停止)します。
RECの停止を実施し、RECの反転(待機側/バックアップ側装置→運用側装置)を実施します。
待機側/バックアップ側装置のバックアップボリュームからREC先ボリュームへの逆方向のQuickOPCを開始します。
ポイント
QuickOPCによるコピー実施後、物理コピー終了を待ち合わせる必要があります。物理コピー終了は、acopc queryコマンドを実行し、コピーフェーズがTracking状態になることで確認します。
待機側/バックアップ側装置のREC先ボリュームから運用装置のNASバックアップボリュームへRECを再開します。
RECが等価状態になってからRECをサスペンドします。
RECを反転(運用側装置→待機側/バックアップ側装置)し、RECを再開します。
ポイント
RECによる運用装置のNASバックアップボリュームへのコピー実施後、等価性維持状態になっていることを確認する必要があります。詳細は、「3.2.2.4 RECによるリストア」を参照してください。
RAID故障時
待機側/バックアップ側装置のNASボリュームからNASバックアップボリュームへのQuickOPCを停止(物理コピーとトラッキング処理の停止)します。
RECを停止します。
運用側装置のNASバックアップボリュームを再作成します。再作成手順は、「3.10.6 NASボリュームまたはNASバックアップボリュームが故障した場合の復旧手順について」の手順1および手順2を参照してください。
待機側/バックアップ側装置のバックアップボリュームからREC先ボリュームへの逆方向のQuickOPCを開始します。
ポイント
QuickOPCによるコピー実施後、物理コピー終了を待ち合わせる必要があります。物理コピー終了は、acopc queryコマンドを実行し、コピーフェーズがTracking状態になることで確認します。
待機側/バックアップ側装置のREC先ボリュームから運用装置のNASバックアップボリュームへ逆方向のRECを実施します。
RECが等価状態になってからRECをサスペンドします。
NASボリュームのリストアを実施します。NASボリュームのリストアは、「3.10.1.3 リストアの実行方法」を参照してください。
RECを反転(運用側装置→待機側/バックアップ側装置)し、RECを再開します。
ポイント
RECによる運用装置のNASバックアップボリュームへのコピー実施後、等価性維持状態になっていることを確認する必要があります。詳細は、「3.2.2.4 RECによるリストア」を参照してください。
運用側装置の故障
待機側装置で業務継続する場合
待機側装置のREC先ボリュームからNASバックアップボリュームへのQuickOPCを停止(物理コピーとトラッキング処理の停止)します。
待機側装置でNASボリュームのリストア、またはNASバックアップボリュームをマウントします。NASボリュームのリストアは「3.10.1.3 リストアの実行方法」を、NASバックアップボリュームのマウントは「3.10.3.1 マウント/アンマウント手順」を参照してください。
運用側で業務継続する場合(装置交換)
RECを停止します。
装置を交換します。
交換した装置にて、NASボリュームおよびNASバックアップボリュームを再作成します。作成するNASボリュームの論理ボリューム番号は、故障発生前の論理ボリューム番号と同じにする必要があります。再作成手順は、「3.10.6 NASボリュームまたはNASバックアップボリュームが故障した場合の復旧手順について」の手順1および手順2を参照してください。
交換した装置のNASボリュームに対して、Webコンソールまたはacnas backupコマンドからNASボリュームをバックアップします。Webコンソールによるバックアップは「3.10.1.2 バックアップの実行方法」を、acnas backupコマンドによるバックアップは「3.10.2.2 バックアップコマンドの実行方法」を参照してください。
NASボリュームからNASバックアップボリュームへのQuickOPCを停止(物理コピーとトラッキング処理の停止)します。
待機側/バックアップ側装置のバックアップボリュームから交換した装置のNASバックアップボリュームへRECを実施するため、RECのコピーグループを作成してRECを実施し、等価状態を確認後、RECを停止します。
ポイント
RECによる運用側装置のNASバックアップボリュームへのコピー実施後、等価性維持状態になっていることを確認する必要があります。詳細は、「3.2.2.4 RECによるリストア」を参照してください。
NASボリュームをリストア、またはNASバックアップボリュームをマウントします。NASボリュームのリストアは「3.10.1.3 リストアの実行方法」を、NASバックアップボリュームのマウントは「3.10.3.1 マウント/アンマウント手順」を参照してください。
注意
運用側の装置故障により、待機側装置や交換した装置にリストアを行った場合は、再度、共有フォルダへのアクセスを可能とする必要があります。
共有フォルダへのアクセス方法は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』または『ETERNUS SF Express 運用ガイド』の「NAS管理」にある「運用方法」を参照してください。