Systemwalker Centric Manager V11.0L10/11.0から移行する場合の非互換項目を以下に示します。
本バージョンに移行するには、本節と以下の非互換項目の確認が必要です。順番に確認してください。
環境定義ファイルについての非互換項目
Systemwalker Centric Managerでは、インストール時に、イベント監視の条件定義について標準の定義を提供しています。
Systemwalker Centric Managerの旧バージョンからバージョンアップする場合、すでに利用されている定義を継承するため、新規機能に対する定義が追加されません。必要に応じて以下の定義を追加、または変更してください。
【Windows版】
以下で説明している項目も対象となります。
“V4.0L10/4.0からの移行”の“環境定義ファイルについての非互換項目”を参照してください。
“V4.0L20/4.1からの移行”の“環境定義ファイルについての非互換項目”を参照してください。
“V5.0L10/5.0/V5.0L20/5.1からの移行”の“環境定義ファイルについての非互換項目”を参照してください。
“V10.0L10/10.0/V10.0L20/10.1/V10.0L21からの移行”の“環境定義ファイルについての非互換項目”を参照してください。
[イベント定義] [ホスト名] : [特定しない] [エラー種別] : [特定しない] [ラベル] : AP:MpFwdetect [監視イベント種別] : [ネットワーク] [メッセージテキスト] : [特定しない] [アクション定義]-[メッセージ監視]タブ [上位システムに送信する]: [する] [ログ格納] : [する]
[イベント定義] [ホスト名] : [特定しない] [エラー種別] : [特定しない] [ラベル] : AP:SSC [監視イベント種別] : [Storage] [メッセージテキスト] : [特定しない] [アクション定義]-[メッセージ監視]タブ [上位システムに送信する]: [する] [ログ格納] : [する]
【UNIX版】
[イベント定義] [ホスト名] : [特定しない] [エラー種別] : [特定しない] [ラベル] : ^UX:MpFwdetect$ [監視イベント種別] : [ネットワーク] [メッセージテキスト] : [特定しない] [アクション定義]-[メッセージ監視]タブ [上位システムに送信する]: [する] [ログ格納] : [する]
[イベント定義] [ホスト名] : [特定しない] [エラー種別] : [特定しない] [ラベル] : ^UX:SSC [監視イベント種別] : [Storage] [メッセージテキスト] : [特定しない] [アクション定義]-[メッセージ監視]タブ [上位システムに送信する]: [する] [ログ格納] : [する]
[イベント定義] [ホスト名] : [自システム] [エラー種別] : [特定しない] [ラベル] : ^SWORM [監視イベント種別] : [システム] [メッセージテキスト] : [特定しない] [アクション定義]-[メッセージ監視]タブ [上位システムに送信する]: [する] [ログ格納] : [する]
[イベント定義] [ホスト名] : [自システム] [エラー種別] : [特定しない] [ラベル] : [特定しない] [監視イベント種別] : [システム] [メッセージテキスト] : [特定しない] [メッセージタイプの特定] : [返答要求メッセージ] [アクション定義]-[メッセージ監視]タブ [上位システムに送信する]: [する] [ログ格納] : [する]
イベント監視の条件定義で使用する正規表現文字について【Linux版】
V12.0L10より、イベント監視の条件定義において、以下のような正規表現で記述した場合は、定義更新時、およびイベント監視時にエラーとなります。
旧バージョンより定義を移行した場合、定義内容を見直してください。
“*”文字のみを記述している場合
{文字列} という形式で記述している場合
例) {abcdef}
上記の形式の正規表現は、イベント監視の条件定義では使用できない形式です。別の方法で定義してください。
“*”、“{”、および“}”を一般の文字として使用する場合は文字の前に、“\”を記述してください。
リモート操作についての非互換項目【Windows版】
SystemWalker/CentricMGR V10.0L10 ~ Systemwalker Centric Manager V11.0L10 のリモート操作機能から以降する場合、以下の機能が使用できません。
Windows 95、Windows NT Workstation 4.0 での動作
また、以下サービスのスタートアップ設定が手動起動に変更になります。
リモート操作コネクションマネージャ
「LiveHelp Connection Manager Service」サービス
(注)
本サービスをご利用になる場合は、[コントロール パネル]の[サービス]から、[LiveHelp Connection Manager Service]サービスの[スタートアップの種類]を[自動]に変更してください。
資源配付についての非互換項目
資源配付の以下のメッセージについて、エラーコードと詳細情報に変更があります。
[00202] 受信処理でエラーが発生しました.エラーコード(%s1),詳細情報(%s2). |
エラーコードが(EERR)、詳細情報が(ESAPDU(129.0))の場合
[変更前]
エラーコード(EERR),詳細情報(ESAPDU(129.0))
[変更後]
エラーコード(EERR),詳細情報(ESAPDU(129.0),あて先ノード名)
[00003] drmsの初期化に失敗しました.エラーコード(%s1),詳細情報(%s2). |
エラーコードが(プロセス名 abort)、詳細情報が(893)の場合
[変更前]
エラーコード(プロセス名 abort),詳細情報(893)
[変更後]
エラーコード(ETIMEDOUT),詳細情報(init_timer,プロセス名 abort(追加情報))
資源配付のプロセス名が出力されます。
通信種別がtcp/ipの場合は出力されません。
通信種別がhttpまたはhttpsの場合はhttpまたはhttpsが出力されます。
携帯端末との接続の場合はmobileが出力されます。
エラーコードが(プロセス名 abort)、詳細情報が(5963)の場合
[変更前]
エラーコード(プロセス名 abort),詳細情報(5963)
[変更後]
変更後:エラーコード(EERR),詳細情報(プロセス名 wait(追加情報),エラー情報)、
または
エラーコード(EERR),詳細情報(プロセス名 wait error(追加情報),エラー情報)
資源配付のプロセス名が出力されます。
通信種別がtcp/ipの場合は出力されません。
通信種別がhttpまたはhttpsの場合はhttpまたはhttpsが出力されます。
携帯端末との接続の場合はmobileが出力されます。
内部関数の復帰値が出力されます。
エラーコードが(reboot)、詳細情報が(99)の場合
[変更前]
エラーコード(reboot),詳細情報(99)
[変更後]
エラーコード(EERR),詳細情報(関数名 ,エラー情報)
資源配付で使用しているOSの関数名が出力されます。
関数の復帰値が出力されます。
資源配付コマンドの動作に変更があります。
Systemwalker Centric Manager V11.0L10/11.0以前と比較して資源配付の“drmsdfn -a sys”コマンドと“drmsmdfy -a sys”コマンドの、“-r”オペランドを省略した場合の動作が以下のように変更されています。
オペランド | V11.0L10/11.0以前 | V12.0L10/12.0以降 |
---|---|---|
“-r”を省略 | アドレス解決できるかチェックしない | アドレス解決できるかチェックする |
IPL適用時に適用コマンドおよび削除コマンドを使用すると、管理ファイルに不整合が生じることがあります。IPL適用時に適用コマンドおよび削除コマンドを使用しないでください。
Systemwalker Centric Manager V12.0L10以降では、IPL適用時に適用コマンドおよび削除コマンドを使用すると、以下のメッセージが出力されます。
drms: エラー: [00220]コマンド実行中にエラーが発生しました.エラーコード(NOTACTIVE) ,詳細情報(Please retry コマンド名 command later) . |
性能監視についての非互換項目
性能情報の算出式の変更について
Systemwalker Centric Manager V12.0L10/12.0以降のマネージャで作成したポリシーをエージェントに配付した場合、ネットワーク性能情報、およびサーバ性能情報の計算式が以下のように変更になります。
エラーパケット率
[変更前]
エラーパケット率 =
( ifInErrors + ifOutErrors ) /
( ifInUcastPkts + ifInNUcastPkts + ifOutUcastPkts + ifOutNUcastPkts) × 100
[変更後]
エラーパケット率 =
( ifInErrors + ifOutErrors ) /
( ifInUcastPkts + ifInNUcastPkts + ifOutUcastPkts + fOutNUcastPkts + ifInDiscards + ifInUnknownProtos + ifInErrors) × 100
破棄パケット率
[変更前]
破棄パケット率 =
( ifInDiscards + ifOutDiscards ) /
( ifInUcastPkts + ifInNUcastPkts + ifOutUcastPkts + ifOutNUcastPkts ) × 100
[変更後]
破棄パケット率 =
( ifInDiscards + ifOutDiscards ) /
( ifInUcastPkts + ifInNUcastPkts + ifOutUcastPkts + ifOutNUcastPkts + ifInDiscards + ifInUnknownProtos + ifInErrors) × 100
実メモリ空き容量
Systemwalker Centric Manager V12.0L10/12.0以降のマネージャで作成したポリシーを配付したLinuxエージェントの場合のみ、計算式が変更となります。
[変更前]
実メモリ空き容量 = free [Mem:free]
[変更後]
実メモリ空き容量 = free [Mem:free + Mem:buffers + Mem:cached]
実メモリ使用率
Systemwalker Centric Manager V12.0L10/12.0以降のマネージャで作成したポリシーを配付したLinuxエージェントの場合のみ、計算式が変更となります。
[変更前]
実メモリ使用率 = free [Mem:used] / free [Mem:total] × 100
[変更後]
実メモリ使用率 = ( free [Mem:used - Mem:buffers - Mem:cached] ) / free [Mem:total] × 100
ディスクビジー率【Windows版】
(100%との差を計算した値を「ディスクビジー率」とします。)
[変更前]
パフォーマンスカウンタの以下の値を参照します。
オブジェクト名: PhysicalDisk
カウンタ名 : % Disk Time
[変更後]
パフォーマンスカウンタの以下の値を参照し算出します。
オブジェクト名: PhysicalDisk
カウンタ名 : % Idle Time
性能情報の算出式の変更により、算出される性能値がSystemwalker Centric Manager V11.0L10/11.0以前とは異なってくるため、以下の影響が考えられます。
取得される性能値の変化
計算式の変更に伴い取得される性能値が変化するため、次の画面で表示される値が変わる可能性があります。
ノード中心マップ、ペアノード経路マップ、ノード詳細表示、ヒストリ表示
しきい値の見直し
取得される性能値の変化に伴い、しきい値超えのイベントメッセージが通知されなくなる可能性があります。
必要に応じて、しきい値設定の見直しを行ってください。
システム監視についての非互換項目
イベントの種類が“なし”の場合のイベントの扱いについて
Windowsのイベントログに出力されるメッセージにはイベントの種類が格納されており、イベントの種類によってエラー種別、重要度を設定し付加しています。
Systemwalker Centric Manager V12.0L10/12.0以降では、イベントの種類が“なし”の場合のイベントの扱いについて、以下のように変更を行っています。
V/L | エラー種別 | 重要度 |
---|---|---|
V11.0L10/11.0以前 | エラー | 最重要 |
V12.0L10/12.0以降 | 情報 | 一般 |
この変更によって、旧版で表示されていたイベントが、バージョンアップ後に表示されなくなる場合があります。
なお、イベントの扱いを旧版と同様にしたい場合は、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編”を参照して、設定を変更してください。
イベントに付加される監視イベント種別の初期値について
Systemwalker Centric Manager V12.0L10/12.0以降では、以下のイベントについてイベント発生時に監視イベント種別の初期値を設定してイベントの通知を行っています。(V11.0L10/12.0以前では付加せず通知しています。)
以下のイベントについて、イベント監視の条件定義で監視イベント種別を使用したフィルタリングを行っている場合は注意が必要です。
Systemwalker Operation Managerとの連携イベント
→“バッチ業務”
Systemwalker Centric Managerのスクリプト機能を使用して発生させたイベント
→“その他”
opagtdで始まるメッセージ(メッセージID:47、205)【Solaris版】
→“システム”
MpOpagtで始まるメッセージ(メッセージID:47)
→“アプリケーション”
アプリケーション稼働違反イベント/アプリケーションしきい値違反イベント("^UX:apagt$"、"AP:apagt"の定義)
→“アプリ管理”
インベントリ管理についての非互換項目
インベントリ管理機能で登録するノード情報について
Systemwalker Centric Manager V12.0L10/12.0以降では、インベントリ管理機能で、フレームワークのデータベースにすでに登録されたノード情報を更新するとき、ホスト名および代表インタフェースの情報を上書きしません。
ノードの監視についての非互換項目
ノード検出のポリシーの設定について
ノード検出のポリシーが設定されている状態でV11.0L10/11.0以前から移行を行った場合、ノード検出のポリシーはホスト名を上書きしない設定で引き継がれます。
ノードの監視のリトライ間隔について【Windows版】
Systemwalker Centric Manager V12.0L10以前と比較し、以下のポリシーによる監視を行う機能で、被監視ノードからICMP応答がない場合にリトライを行うまでの時間(秒)が、以下のように異なります。
ノード検出
ノード状態の監視
ノード状態の表示
V/L | リトライを行うまでの時間(秒) |
---|---|
V12.0L10以前 | 指定したタイムアウト時間 × 2 |
V12.0L11以降 | 指定したタイムアウト時間 |
稼働監視についての非互換項目
サービス稼働監視によるHTTPSサービスの監視について
Systemwalker Centric Manager V11.0L10/11.0以前からの移行を行うと、サービス稼働監視によるHTTPSサービスの監視を行うときの、サーバ認証/クライアント認証のための証明書、およびCA証明書が不要となります。
サービス稼働監視によるHTTP/HTTPSサービスの監視について
Systemwalker Centric Manager V11.0L10/11.0以前からの移行を行う場合、サービス稼働監視によるHTTP/HTTPSサービスの監視を行うときの、稼働状態を判定する条件として、監視対象サービスからの応答に含まれるHTTPステータスコードが200の場合に加え、200番台、300番台も稼働状態と判定します。
SNMPトラップ受信時の文字列データの変更について
MIB拡張操作にて、すでに登録済みのMIBの名前が別のオブジェクトIDで定義されている拡張MIBファイルを登録した場合、SNMPトラップ受信時のデータに対する文字列が変更される場合があります。
例)
[前提条件]
MIB拡張操作により、“application”というMIB名に対するオブジェクトIDの定義が以下のように複数存在する。
"1.3.6.1.2.1.27" ・・・(1) "1.3.6.1.4.1.211.4" ・・・(2) |
拡張MIBファイルに"fujitsu"という名前のオブジェクトIDの定義が存在し、上記(2)の上位階層に存在する
"1.3.6.1.4.1.211" |
上記条件a)、b)に該当する場合、"1.3.6.1.4.1.211.4.19.3"というデータが含まれるSNMPトラップを受信したときの文字列が、V11.0L10/11.0以前とV12.0L10/12.0以降で以下のように異なります。
V/L | 文字列 |
---|---|
V11.0L10/11.0以前 | "application.19.3"または"fujitsu.4.19.3"のどちらかに変換される。 |
V12.0L10/12.0以降 | "fujitsu.4.19.3"に統一されて変換される。 |
このように、SNMPトラップのデータに対する文字列を使ってイベント監視の条件を定義している場合は、設定の見直しを行ってください。
また、ネットワーク管理のAPIにおける以下の関数の処理結果が、前述の例と同様に異なる場合があります。
NWsnmpPduDecode
NWsnmpDot2Mib
上記関数を使用してアプリケーションを作成している場合は、運用上の問題がないか見直しを行ってください。
保守情報収集ツールについての非互換項目【Windows版】
診断/保守ツールのトレースファイルサイズ設定について
Systemwalker Centric Manager V12.0L10以降では、診断/保守ツールの操作メニューで設定可能なトレースファイルサイズの最大値が、“9999(KB)”に変更されました。
トレースログファイルについての非互換項目
Systemwalker Centric Manager V11.0L10/11.0以前と比較して、トレースログファイルの最大容量を拡張しています。
【Windows版】
V11.0L10以前と比較して、トレースファイルのサイズが以下のように拡張されました。V11.0L10以前のバージョンから移行する場合は、本ソフトウェアをインストールするドライブに十分な空き容量を確保してください。
V/L | トレースファイル容量 |
---|---|
V11.0L10以前 | 230MB |
V12.0L10以降 | 1.62GB |
【Solaris版/Linux版】
11.0/V11.0以前と比較してトレースログファイルのサイズが、600MB拡張され、最大容量が800MBとなりました。11.0/V11.0以前のバージョンから移行する場合は、/var/opt に十分な空き容量を確保してください。
V/L | トレースファイル容量 |
---|---|
11.0以前 | 200MB |
12.0以降 | 800MB |
クラスタ環境で起動するデーモンの起動抑止方法についての非互換【Linux版】
デーモン起動制御ファイルが以下の定義ファイルに変更になります。
詳細は、“Systemwalker Centric Manager クラスタ適用ガイド UNIX編”を参照してください。
[変更前]
/opt/FJSVftlc/cluster/daemon/oms/startproc.ini |
[変更後]
/etc/opt/FJSVftlc/daemon/custom/rc3.ini |
スクリプトの配付について【Windows版】
スクリプトを配付する、または前スクリプトおよび後スクリプトを組み込む場合、組み込むスクリプトに資源配付の削除コマンドを記述しないでください。
インベントリ情報収集を行った場合についての非互換項目【HP-UX版】
業務サーバに対してインベントリ収集を行っても、CPUクロック数は採取されません。このため、インベントリ情報の表示を行ってもCPUクロック数は表示されません。