プライマリノードでのカスタマイズ手順を説明します。
ETERNUS SF Managerで必要な、プライマリノードのカスタマイズ手順を説明します。
以下の手順で、プライマリノードで使用するクラスタリソースを作成します。
ETERNUS SF Manager用のクラスタアプリケーション(業務)を作成します。
新規に作成するクラスタアプリケーション(業務)にETERNUS SF Managerを作成する場合だけ、実施してください。
既存のクラスタアプリケーション(業務)にETERNUS SF Managerを追加する場合、本手順は不要です。
クラスタアプリケーション(業務)を作成する手順は、使用しているクラスタソフトウェアのマニュアルを参照してください。
クラスタアプリケーション(業務)を停止します。
ETERNUS SF Manager用のクラスタアプリケーション(業務)が起動している場合は、クラスタアプリケーション(業務)を停止してください。
クラスタアプリケーション(業務)を停止する手順は、使用しているクラスタソフトウェアのマニュアルを参照してください。
共有データ用共有ディスクをマウントします。
ETERNUS SF Managerで使用する共有データ用共有ディスクとリポジトリ用共有ディスクを、プライマリノードでマウントしてください。
ETERNUS SF Managerの起動処理が、OSではなく、クラスタソフトウェアに制御されるように設定します。
プライマリノードで、以下のコマンドを実行します。
# ls /etc/rc*.d/*SFmanager* |
上記のコマンドで出力された、すべてのファイルをリネームします。
ファイル名の先頭に“X”を付与して、リネームしてください。
以下は、コマンド実行例です。
# mv /etc/rc2.d/S99startSFmanager /etc/rc2.d/XS99startSFmanager |
プライマリノードのETERNUS SF Managerの動的ディスクのファイルを、ETERNUS SF Manager用の共有ディスクにコピーします。
プライマリノードのローカルディスクにあるファイルを、共有ディスクのディレクトリ配下にコピーします。
ローカルディスク(コピー元) | 共有ディスク(コピー先) |
---|---|
/var/opt/FJSVesfcm | <共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/var/opt/FJSVesfcm |
/etc/opt/FJSVesfcm | <共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/FJSVesfcm |
/var/opt/FJSVesflm | <共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/var/opt/FJSVesflm |
ポイント
ファイルとディレクトリに設定しているオーナーおよびアクセス権を、コピー元とコピー先で同じ設定にしてください。
コピーした以下のディレクトリ名を、任意の名前に変更します。
/var/opt/FJSVesfcm
/etc/opt/FJSVesfcm
/var/opt/FJSVesflm
プライマリノードで、共有データ用共有ディスクのディレクトリへのリンクを設定します。
プライマリノードのローカルディスクにあるディレクトリから、共有ディスクのディレクトリに対するシンボリックリンクを設定してください。
シンボリックリンクの設定は、以下のディレクトリに必要です。
リンク元ディレクトリ(共有ディスク) | リンク先ディレクトリ(シンボリックリンクファイル) |
---|---|
<共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/var/opt/FJSVesfcm | /var/opt/FJSVesfcm |
<共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/FJSVesfcm | /etc/opt/FJSVesfcm |
<共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/var/opt/FJSVesflm | /var/opt/FJSVesflm |
すべてのディレクトリに対し、以下の手順を実行してください。
「5.2.1.1.3 動的ディスクのファイルコピー」でコピーしたディレクトリの、1つ上位のディレクトリに移動します。
以下のコマンドを実行します。
>ln -s <リンク元のディレクトリ> <リンク先のディレクトリ> <RETURN> |
リンク元のディレクトリには、共有ディスクのディレクトリを指定します。
リンク先のディレクトリには、ローカルディスクのファイル名を指定します。
以下の手順で、プライマリノードで使用する汎用スクリプトを準備します。
プライマリノードのETERNUS SF Managerのプログラムディレクトリ配下に、「4.1.1 共通のリソース」で作成した汎用スクリプトファイルを格納します。
ETERNUS SF Manager用のCmdlineリソースを作成します。
Cmdlineリソースに登録する、Startスクリプト、Stopスクリプト、およびCheckスクリプトに、手順1で格納した汎用スクリプトファイルを指定してください。
Cmdlineリソース作成の詳細については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。
以下の手順で、プライマリノードをカスタマイズします。
プライマリノードでクラスタセットアップコマンドを実行します。
共有データ用共有ディスクに他のユーザーがアクセスしないようにして、プライマリノードで次のクラスタセットアップコマンドを実行します。
# /opt/FJSVssmgr/cluster/esc_clsetup -k Primary -m <共有データ用共有ディスクのマウントポイント> -i <運用管理サーバ業務の引継ぎIPアドレス> |
セットアップ対象を確認します。
コマンドで指定した情報が表示されます。
表示された内容を確認し、“y”を入力してください。プライマリノードがセットアップされます。
# /opt/FJSVssmgr/cluster/esc_clsetup -k Primary -m /esfmnt -i 10.10.10.10 ETERNUS SF Storage Cruiser settings are as follows. Cluster system : PRIMECLUSTER Node type : Primary Mount point : /esfmnt IP Address : 10.10.10.10 Manager cluster setup : Are you sure? [y,n,?] |
セットアップを中断する場合は“n”を入力してください。
以下のメッセージが表示されることを確認します。
FJSVrcx:INFO:27700:esc_clsetup:primary node setup completed |
プライマリノードをカスタマイズします。
以下の手順で、プライマリノードで使用する汎用スクリプトを準備します。
プライマリノードのETERNUS SF ManagerまたはAdvancedCopy Manager CCMのプログラムディレクトリ配下に、「4.1.4 AdvancedCopy Manager CCMに必要なリソース」で作成した汎用スクリプトファイルを格納します。
格納した汎用スクリプトファイルのアクセス権を設定します。
root(スーパーユーザー)がアクセスできる権限を設定してください。
プライマリノードをカスタマイズします。
参考
ここでは、以下の値を使用して説明します。
値 | 説明 |
---|---|
$SHARE_MNT | 共有データ用共有ディスクの「マウントポイント」 |
“$SHARE_MNT”のパス名に使用できる文字は、空白を除く半角英数字です。指定できるパスの長さは70文字以下です。
共有データ用共有ディスクにディレクトリを作成します。
プライマリノードで、共有データ用共有ディスクに以下のディレクトリを作成してください。
$SHARE_MNT/etc/opt/FJSVccm
$SHARE_MNT/var/opt/FJSVccm
ポイント
各ディレクトリには以下の設定をしてください。
オーナーにroot(スーパーユーザー)を設定してください。
chmodコマンドの引数に755を指定して実行し、アクセス権を設定してください。
環境設定ファイルを、共有データ用共有ディスクにコピーします。
プライマリノードで、以下のパスのディレクトリ配下を、共有データ用共有ディスクのコピー先ディレクトリにコピーしてください。
コピー元ディレクトリ | コピー先ディレクトリ |
---|---|
/etc/opt/FJSVccm | $SHARE_MNT/etc/opt/FJSVccm |
/var/opt/FJSVccm | $SHARE_MNT/var/opt/FJSVccm |
ポイント
ファイルとディレクトリに設定しているオーナーおよびアクセス権を、コピー元とコピー先で同じ設定にしてください。
AdvancedCopy Manager CCM設定ファイルのバックアップディレクトリを作成します。
プライマリノードで、以下のディレクトリを作成してください。
/opt/FJSVccm/noncluster/bin
/opt/FJSVccm/noncluster/micc/sys
/opt/FJSVccm/noncluster/sys
ポイント
各ディレクトリには以下の設定をしてください。
オーナーにroot(スーパーユーザー)を設定してください。
chmodコマンドの引数に755を指定して実行し、アクセス権を設定してください。
.install.sysファイル、.stxc_install.sysファイル、およびsys.propertiesファイルをコピーします。
プライマリノードで、以下のコピー元ディレクトリのファイルをコピー先へコピーしてください。
コピー元ディレクトリ | コピー先ディレクトリ |
---|---|
/opt/FJSVccm/micc/sys/.install.sys | /opt/FJSVccm/noncluster/micc/sys/.install.sys |
/opt/FJSVccm/bin/.stxc_install.sys | /opt/FJSVccm/noncluster/bin/.stxc_install.sys |
/opt/FJSVccm/sys/sys.properties | /opt/FJSVccm/noncluster/sys/sys.properties |
注意
コピーしたファイルは、「第16章 運用管理サーバ業務のクラスタ環境削除」のときに必要です。
.install.sysファイル、.stxc_install.sysファイル、およびsys.propertiesファイルを編集します。
プライマリノードで、以下のファイルの*1~*5を編集してください。
ファイル名: /opt/FJSVccm/micc/sys/.install.sys
stxs_optdir= (ここの設定は修正しないでください) stxs_etcdir=*1 stxs_vardir=*2 stxs_jredir= (ここの設定は修正しないでください) |
ファイル名: /opt/FJSVccm/bin/.stxc_install.sys
stxc_optdir= (ここの設定は修正しないでください) stxc_etcdir=*3 stxc_jredir= (ここの設定は修正しないでください) |
ファイル名: /opt/FJSVccm/sys/sys.properties
com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.optpath= (ここの設定は修正しないでください) com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.etcpath=*4 com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.varpath=*5 com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.micc.path= (ここの設定は修正しないでください) com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.grapi.path= (ここの設定は修正しないでください) com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.language= (ここの設定は修正しないでください) |
設定項目 | 設定値 | 設定値の例 |
---|---|---|
*1 | $SHARE_MNT/etc/opt/FJSVccm/micc | /esfmnt/etc/opt/FJSVccm/micc |
*2 | $SHARE_MNT/var/opt/FJSVccm/micc | /esfmnt/var/opt/FJSVccm/micc |
*3 | $SHARE_MNT/etc/opt/FJSVccm/accc/etc | /esfmnt/etc/opt/FJSVccm/accc/etc |
*4 | $SHARE_MNT/etc/opt/FJSVccm/ | /esfmnt/etc/opt/FJSVccm/ |
*5 | $SHARE_MNT/var/opt/FJSVccm/ | /esfmnt/var/opt/FJSVccm/ |
設定値の例は、$SHARE_MNTが/esfmntの場合の例です。
以下の手順で、プライマリノードをカスタマイズします。
ポート番号を登録します。
「4.1.3 AdvancedCopy Managerマネージャーに必要なリソース」で準備した業務用通信デーモンのポート番号を、/etc/servicesに以下のサービス名で登録します。OSのviコマンドなどを使用して/etc/servicesに登録してください。
業務用通信デーモン:stgxfws_論理ノード名
プライマリノードでクラスタセットアップコマンドを実行します。
共有データ用共有ディスクおよびAdvancedCopy Managerリポジトリ用の共有ディスクに、他のユーザーがアクセスしないようにして、プライマリノードで次のクラスタセットアップコマンドを実行します。本コマンドを実行すると、クラスタ用セットアップに加え、リポジトリも作成されます。コマンド実行後に指定するデータベース作成先ディレクトリ名は、事前に作成しておく必要があります。詳細は、「4.1.3 AdvancedCopy Managerマネージャーに必要なリソース」を参照してください。
状態遷移プロシジャリソースで運用する場合
入力例)
# /opt/swstorage/bin/stgclset_safe -k Primary -m /esfmnt -n nodeMGR -s manager_service -i 10.10.10.10 -f mgr |
コマンドラインリソースで運用する場合
入力例)
# /opt/swstorage/bin/stgclset_safe -k Primary -m /esfmnt -n nodeMGR -s manager_service -i 10.10.10.10 -f mgr -r cmd |
コマンドの詳細は、「20.2.1 stgclset_safe(Solaris版SafeCLUSTER/PRIMECLUSTER 環境設定コマンド)」を参照してください。
注意
運用管理サーバ(Storage管理サーバ)導入時に指定したロケールで実行してください。
ただし、事前にSymfowareが導入されている場合は、Symfoware導入時のロケールで実行してください。
セットアップ対象を確認します。
# /opt/swstorage/bin/stgclset_safe -k Primary -m /esfmnt -n nodeMGR -s manager_service -i 10.10.10.10 -f mgr AdvancedCopy Manager settings are as follows. Cluster system : SafeCLUSTER or PRIMECLUSTER Node type : Primary IP Address : 10.10.10.10 Mount point : /esfmnt Node name : nodeMGR Service : manager_service Resource : Procedure Function : Management Server Do you want to continue with setting of AdvancedCopy Manager cluster? [default:y] |
クラスタ環境設定処理を中断する場合は“n”、処理を継続する場合は“y”を入力するかそのままEnterキーを押します。
共通環境の構築を開始します。
表示された内容を確認し、“y”を入力してEnterキーを押します。
+----------------------------------------------------------------+ | AdvancedCopy Manager Storage管理サーバ共通環境を作成します。 | | | | [注意] | | 処理を開始する前に以下のディレクトリを用意して下さい。 | | ============================================================== | | | | 1) DBファイル用ディレクトリ | | 2) RDBディクショナリ用ディレクトリ | | 3) RDBログファイル用ディレクトリ | | 4) リポジトリデータ格納DBスペース用ディレクトリ | | | +----------------------------------------------------------------+ 処理を続けますか? [y/n] ==> y |
DB用ディレクトリを設定します。
以下の画面が表示されます。DBファイル用ディレクトリ名を入力後、Enterキーを押します。
-----------------------< DB用デバイス設定 >----------------------- DBファイル用ディレクトリ名を入力してください。 [注意] ディレクトリ名は絶対パスで入力してください。 Enter ==> /ACMMnt/Vol202/DBFile |
同様に、以下のディレクトリ名とデータ容量を入力してください。
RDBディクショナリ用ディレクトリ名
RDBログファイル用ディレクトリ名
リポジトリデータ格納DBスペース用ディレクトリ名
リポジトリデータ容量
ポイント
「4.1.3 AdvancedCopy Managerマネージャーに必要なリソース」で準備した、リポジトリ用共有ディスクのディレクトリ名を入力してください。
DB用ディレクトリの設定を確認します。
設定した4つのディレクトリ名とリポジトリデータ容量が表示されます。表示された内容を確認し、“y”を入力してEnterキーを押します。
==================================================================== DBファイル用ディレクトリ名 ...................../ACMMnt/Vol202/DBFile RDBディクショナリ用ディレクトリ名 ............../ACMMnt/Vol203/DBDic RDBログファイル用ディレクトリ名 ................/ACMMnt/Vol204/DBLog リポジトリデータ格納DBスペース用ディレクトリ名 ./ACMMnt/Vol205/DBSpa リポジトリデータ容量 ...........................65MB ==================================================================== これでよろしいですか? [y/n] ==> y |
処理の継続を確認します。
処理の継続確認の画面が表示されるので、“y”を入力してEnterキーを押します。
+----------------------------------------------------------------+ | AdvancedCopy Manager Storage管理サーバ環境作成を開始します。 | | | | ============================================================== | | | | 処理を開始すると、システム情報の書き換えも行います。 | | 実行可能な環境にあることを十分確認して続行して下さい。 | | | +----------------------------------------------------------------+ 処理を続けますか? [y/n] ==> y |
ポイント
リポジトリアクセスユーザーには、「3.2 Solaris版、Linux版のインストール」で設定したユーザーが設定されます。
リポジトリアクセスユーザーのユーザー名およびパスワードを変更する場合は、クラスタ環境を構築した後、「15.2.4 リポジトリアクセスユーザーに指定したユーザーの削除/パスワードの変更」を参照し、再設定してください。
プライマリノードのクラスタセットアップコマンドを終了します。
クラスタセットアップコマンドの完了画面が表示されます。
swstf8100 プライマリノードのクラスタ設定は正常に終了しました。引き続きセカンダリノードのクラスタ環境を作成してください。 # |
ETERNUS SF Managerで使用する共有データ用共有ディスクとリポジトリ用共有ディスクを、プライマリノードでアンマウントします。