Dynamic Reconfiguration ユーザーズガイド 2.6 |
目次
![]() ![]() |
第2章 DRのシステム構成と運用管理 | > 2.1 DRシステム構成 | > 2.1.3 メモリ |
メモリの削除は、カーネルメモリボードの削除をサポートしているか、していないかで処理が異なります。
【PRIMEPOWER900/1500/2500の場合】
PRIMEPOWER900/1500/2500の場合は、カーネルメモリボードを削除することができます。カーネルメモリボードを削除する場合は、削除するシステムボード上のカーネルメモリを他のシステムボードのメモリにコピーする必要があります。この処理を行うためにシステムは一時停止(サスペンド)状態になるため、カーネルメモリボードの削除にはある程度の時間を要します。
削除するシステムボードに、カーネルメモリが存在する場合、オペレーティングシステムは、カーネルメモリを他のシステムボードにコピーします。コピー先は、オペレーティングシステムが選択します。
カーネルメモリボードの削除が失敗するのは、カーネルメモリをコピーできるシステムボードが見つからない場合です。例えば、他のシステムボードのメモリ容量がカーネルメモリボードよりも少ない場合や、他のシステムボードのメモリ構成(メモリの実装位置)がカーネルメモリボードと異なる場合です。カーネルメモリボードの削除が失敗することを防ぐために、各システムボードに実装するメモリは、実装位置を含めて同一のものを使用することを推奨します。
【GP7000Fモデル1000/2000, PRIMEPOWER800/1000/2000の場合】
GP7000Fモデル1000/2000, PRIMEPOWER800/1000/2000の場合は、ユーザメモリ(カーネルで使用していないメモリ)の削除しか行えません。そのため、カーネルケージメモリと呼ばれるSolaris OSの機能により、カーネルメモリが存在する削除不可なシステムボードの数を最小限に抑えています。この機能をできるだけ有効にするために、もっともメモリ容量が大きいシステムボードをブートに使用されるシステムボード(通常ボード番号が一番小さいシステムボード)として、システムを構成することを推奨します。
ユーザメモリ(カーネルで使用されていないメモリ)を削除するために、削除されるユーザメモリ上のすべてのデータは、スワップ領域へ保存される必要があります。この処理は場合によってある程度時間を要しますが、バックグラウンドで処理されるので、その間も引き続きシステムを運用し続けることができます。
ロックされているページやIntimate Shared Memory*(以降ISMと省略します)ページは、スワップアウトできないメモリですが、システムが自動的にこれらのページを他のシステムボードのメモリ上へ移動することで、この問題を回避することができます。移動先に十分なメモリが無い場合は、ユーザメモリ削除の処理は失敗します。
ユーザメモリの削除が失敗する条件は、以下のとおりです。
drcstat -systemコマンドを直接実行することによって、カーネルメモリが指定したシステムボードに存在するか確認することができます。連携スクリプト内では、DRサービスコマンドのdr_infoコマンドで確認できます。詳細については、“3.2 drcstat(1M)”あるいは“3.5.3 dr_info”を参照してください。システムは、カーネルメモリを含むシステムボードの数を最小限に押さえる機能を持っています。詳細については“2.3.1 DRの有効化とカーネルケージメモリ”を参照してください。
目次
![]() ![]() |