監視メッセージの定義をするための前提知識として、メッセージ監視のしくみについて説明します。
監視可能なメッセージ
Systemwalker Centric Manager GEEでは、3つの経路を使って、以下に示すメッセージを監視することができます。
図2.2 監視メッセージと通知経路
利用者は、これらのメッセージ の中から監視対象とするメッセージを定義します。さらに、監視対象のメッセージについて、以下の監視属性を定義し監視します。
メッセージの重要度です。監視対象のメッセージのうち、トラブルとしての条件を満たすものが、監視イベント一覧に表示されます。重要度レベルは、メッセージをトラブルとして扱うかどうかの一つの要因となります。
Systemwalker Centric Manager GEEでは、メッセージを監視イベント種別に分類して監視します。
メッセージを識別するための属性です。運用方法に基づく一定の指針に基づいて、メッセージに通報番号を設定しておき、この通報番号をキーとしてトラブルを特定し、分類して管理することができます。
監視対象のメッセージは、[メッセージ一覧]ウィンドウに表示されます。その場合の表示色(背景色および文字色)です。
メッセージ監視のしくみ
Systemwalker Centric Manager GEEは、これらの定義に従ってメッセージを監視画面に表示します。監視対象として定義したメッセージが、どのようなしくみで監視画面に表示されるかを以下に示します。
図2.3 メッセージ監視のしくみ
監視対象メッセージの定義
監視対象メッセージについては、以下の事項を定義します。ここで示す英字および数字は“メッセージ監視のしくみ”の図中のものと対応しています。
a) 監視メッセージの選択&監視属性の定義 (MC/FSOCKET)
システムで発生したメッセージのうち、どのメッセージをSystemwalker Centric Manager GEEに送信するかをMC/FSOCKETに定義します。
MSPまたはXSPの場合は、さらに、メッセージの監視属性として重要度レベルおよび[メッセージ一覧]ウィンドウでの表示色を定義します。また、SVPMを導入している場合は、代替監視パスを使ってメッセージを送信するかどうかを指定します。
詳細は、“補助メッセージリストの登録”、“環境定義体の設定”、および、それぞれの被監視システムのMC/FSOCKETのマニュアルを参照してください。
b) 監視イベント種別(トラブル種別)の登録
a)で定義したメッセージを、どの監視イベント種別に分類して監視するかを検討して、監視イベント種別名の一覧を登録します。a)で定義したメッセージの監視イベント種別(トラブル種別)には、監視イベント種別番号(トラブル種別番号)を登録します。
詳細は、“サーバ環境定義”を参照してください。
c)トラブル種別の定義(MC/FSOCKET)
被監視システムがMSPまたはXSPの場合は、a)で定義したメッセージについて、それぞれをどの監視イベント種別(トラブル種別)で監視するかを、b)で定義した監視イベント種別番号(トラブル種別番号)を使って定義します。
詳細は、“[監視イベント種別番号]の定義”、および、それぞれの被監視システムのMC/FSOCKETのマニュアルを参照してください。
d) イベント監視の条件定義
主監視パスまたは代替監視パスによって送られるメッセージについて、その監視方法を定義します。
詳細は、“監視メッセージの定義”を参照してください。
【主監視パスによって送られるメッセージ】
MSPおよびXSPについては、a)で定義したメッセージが主監視パスによって通知されます。イベント監視の条件定義の使用方法を場合に分けて説明します。
MSPまたはXSPの場合:
これらのメッセージの監視方法は、すでに a)および c)で定義されています。その内容をSystemwalker Centric Manager GEE側で変更したい場合にこのテーブルを使用します。以下の定義ができます。
a)でMC/FSOCKETで送信定義したもののうち、監視する必要のないメッセージがある場合は、ここで監視対象から外すことができます。
a)および c)で設定された監視属性(重要度レベル、トラブル種別、および[メッセージ一覧]ウィンドウでの表示色)を変更したい場合は、ここで定義し直します。
【代替監視パスによって送られるメッセージ】
SVPMと連携した場合、代替監視パスによってAVM/EXおよびハードウェア異常の情報が送信されます。また、被監視システムがMSPまたはXSPの場合は、主監視パスで監視できない以下の情報が、代替監視パスによって送信されます。
システムダンプ(SADUMPまたはSYSDUMP)のメッセージ
NIPメッセージ
主監視パス接続前の高輝度メッセージおよび返答要求メッセージ(MSPの場合)
主監視パス接続前のシステム異常メッセージ(XSPの場合)
これらのメッセージは、“代替監視パスによって送信されるメッセージの監視属性”に示す監視属性で送信されます。イベント監視の条件定義では、監視対象から外したいメッセージがある場合、または監視属性の設定を変更したい場合に定義します。
メッセージ | 重要度 | 監視イベント | [メッセージ一覧]ウィンドウでの表示色(注2) | |
---|---|---|---|---|
MSP | 主監視パス接続前の高輝度 | 重要 | 1 | 文字色:色番号1(白) |
NIPメッセージ | 重要 | 9 | 文字色:色番号1(白) | |
NIPメッセージ | 一般 | 9 | 文字色:色番号0(黒) | |
システムダンプのメッセージ | 一般 | 9 | 文字色:色番号0(黒) | |
AVM/EXのメッセージ | 一般 | 8 | 文字色:色番号0(黒) | |
ハードウェア異常のメッセージ | 重要 | 10 | 文字色:色番号0(黒) |
監視イベント種別(トラブル種別)は監視イベント種別番号(トラブル種別番号)で管理されています。
色は色番号で管理されています。( )には、標準に定義されている対応色を示します。色番号と色の対応の詳細については、下記を参照してください。
メッセージの表示色と色番号
メッセージの表示色と色番号との対応を以下に示します。
MC/FSOCKETでメッセージ行の色を指定する場合は、以下の色番号と色の対応表を参考にしてください。
色番号 | 表示色(Windows) | 表示色(UNIX) | 色(MC/FSOCKETの場合) |
---|---|---|---|
00 | 黒 | 黒 | 黒 |
01 | 白 | 白 | 白 |
02 | 赤 | 赤 | 赤 |
03 | 緑 | 緑 | 緑 |
04 | 深緑 | 青 | 深緑 |
05 | 黄 | 黄 | 黄 |
06 | 青 | うすい青 | 青 |
07 | 紫 | 紫 | 紫 |
08 | 濃灰色 | くらい灰色 | 濃灰色 |
09 | 黄緑 | オレンジ色 | 黄緑 |
0A | 水色 | 空色 | 水色 |
0B | ピンク | ピンク | ピンク |
0C | 青緑 | 青紫 | 青緑 |
0D | 茶色 | 茶色 | 茶 |
0E | 淡灰色 | 灰色 | 淡灰色 |
0F | 黄土色 | クリーム色 | 黄土色 |
FF | デフォルト色 | デフォルト色 |
|
メッセージ処理の流れ
Systemwalker Centric Manager GEEが行うメッセージ処理を説明します。ここでは、代替監視パスを使用している場合を前提にして説明します。なお、順序を示す英字および数字は、“メッセージ監視のしくみ”の図中のものと対応しています。
被監視システムがMSPまたはXSPの場合の処理です。
被監視システムでMC/FSOCKETが起動する前については、代替監視パスによって高輝度メッセージおよび返答要求メッセージが送られます。また、NIPメッセージも代替監視パスによって送られます。さらにXSPの場合には、高輝度のWTOメッセージおよびシステム重要メッセージが送られます。
MC/FSOCKETが起動されてから主監視パスが接続するまでの間は、a)で監視対象として定義されたメッセージのうち、代替監視パスで送信するように定義したメッセージが送られます。このとき、a)およびc)で設定された監視属性の情報も同時に送られます。
主監視パス接続後は、MSPおよびXSPの情報が、主監視パスによって送られます。a)で監視対象として定義されたメッセージが送られ、同時に、a)およびc)で設定された監視属性の情報も送られます。
被監視システムがMSPまたはXSPの場合の処理です。
MSPまたはXSPの場合は、一度主監視パスが接続された後で主監視パスによって通信が切断された場合でも、代替監視パスによって通信が継続され、a)およびc)で定義したメッセージは同様に処理されます。
MC/FSOCKETが起動されると、a)およびc)の定義情報はシステムに記憶されるため、MC/FSOCKETが停止した場合でもこの定義が有効となり、定義された情報が代替監視パスで継続送信されます。この定義は、次にMC/FSOCKETが起動されたときに更新されます。
システムダンプのメッセージが発生した場合も、代替監視パスによって通知されます。
AVM/EXのメッセージおよびハードウェア異常メッセージは、代替監視パスによって送られます。
被監視システムのMC/FSOCKETからはメッセージに監視イベント種別番号(トラブル種別番号)が付けられて送られます。b)で登録された監視イベント種別番号(トラブル種別番号)と監視イベント種別名(トラブル種別名)をもとに、対応する監視イベント種別(トラブル種別)に変換されて通知されます。
Systemwalker Centric Manager GEEは、メッセージを受け取ると、イベント監視の条件定義で監視属性が定義されている場合は、その内容を反映して、メッセージログファイルに格納します。イベント監視の条件定義で監視対象から外されているメッセージは、メッセージログファイルには格納しません。
メッセージログファイルに格納されたメッセージは、[メッセージ一覧]ウィンドウに表示されます。メッセージは、監視属性で設定された色で表示します。
メッセージログファイルのメッセージのうち、以下の条件を満たすものは、トラブルとして扱われ、監視イベントログファイルに格納されます。同時にSystemwalkerコンソールの監視イベント一覧に表示されます。
監視イベント種別が登録されている
重要度レベルが通知、警告、重要または最重要である
複数のSystemwalker Centric Manager GEEによる監視について
一つの被監視システムに対して、複数のSystemwalker Centric Manager GEEによる監視が可能です。このような運用でMSPおよびXSPの監視をした場合、主監視パス接続と代替監視パス接続をしているSystemwalker Centric Manager GEEが混在することがあります。
主監視パスで接続しているSystemwalker Centric Manager GEEは、被監視システムの監視メッセージ、動的状態情報などを監視・操作します。
代替監視パスで接続しているSystemwalker Centric Manager GEEは、被監視システムのコンソールメッセージを監視します。
なお、代替監視パスで接続しているSystemwalker Centric Manager GEEには、動的状態情報は送信されません。