ここでは、以下について説明します。
メッセージブローカの起動
JMSクライアントアプリケーションが物理格納先にメッセージを送受信する場合、物理格納先を管理しているメッセージブローカを事前に起動する必要があります。メッセージブローカは、Interstage Java EE 7 DASサービスと連携して起動するため、Interstage Java EE 7 DASサービスを起動してください。詳細については、「10.1.6.1 start-domainサブコマンド」を参照してください。
C:\Interstage\F3FMisje7\glassfish\bin\asadmin start-domain
/opt/FJSVisje7/glassfish/bin/asadmin start-domain
メッセージブローカを起動するホストは、hostsファイルの内容/DNSの設定により、名前解決(IPアドレス解決)を可能にしておく必要があります。
ネットワーク環境をDNSで運用している場合は、DNSを設定してください。DNSで運用していない場合は、以下に格納されているhostsファイルの内容を確認して、必要に応じて追加/修正してください。
hostsファイルの記載方法については、「使用上の注意」の「注意事項」-「Interstage共通の注意事項」-「hostsファイルの記載について」を参照してください。
(Windows(R)のインストールフォルダ)\system32\drivers\etc\hosts
/etc/hosts
メッセージブローカの停止
asadminコマンドを使用して、メッセージブローカを停止します。メッセージブローカは、Interstage Java EE 7 DASサービスと連携して停止するため、Interstage Java EE 7 DASサービスを停止してください。コマンドの詳細については、「10.1.6.3 stop-domainサブコマンド」を参照してください。
C:\Interstage\F3FMisje7\glassfish\bin\asadmin stop-domain
/opt/FJSVisje7/glassfish/bin/asadmin stop-domain
管理ユーザパスワードの変更
imqcmdコマンドを使用する場合は、メッセージブローカの管理ユーザとパスワードが必要です。管理ユーザとパスワードについては、「5.9.1 ユーザとグループ」を参照してください。
メッセージブローカには、管理ユーザ「admin」が、デフォルトで作成されています。セキュリティの観点から、管理ユーザ「admin」のパスワードは必ず変更してください。
パスワードは、imqusermgr updateサブコマンドを使用して変更します。コマンドの詳細については、「10.8.3 updateサブコマンド」を参照してください。
Interstage Java EE 7 DASサービスを起動します。
imqusermgr updateサブコマンドを使用して管理ユーザ「admin」のパスワードを変更します。
Interstage Java EE 7 DASサービスを再起動します。
注意
管理ユーザ「admin」の管理ユーザパスワードを変更する前にパスワードファイルを作成している場合は、管理ユーザパスワードを変更したあと、imqusermgr encodeサブコマンドを使用してパスワードファイルを再作成してください。コマンドの詳細については、「10.8.5 encodeサブコマンド」を参照してください。
imqusermgr updateサブコマンド実行時に、B3137のメッセージが出力される場合は、imqbrokerdコマンドに-initオプションを指定して、メッセージブローカの資材を作成してください。
ポート番号の変更
JMSクライアントアプリケーションおよびメッセージブローカ管理コマンドは、メッセージブローカと通信します。通信に使用するデフォルトのポート番号は「17686」です。
デフォルトのポート番号を変更したい場合は、asadmin setサブコマンドを使用して、JMSサービスに関する定義項目、およびシステムプロパティを変更します。
コマンドの詳細については、「10.1.4.2 setサブコマンド」を参照してください。また、定義項目の詳細については、「8.8.10 JMSサービスの定義項目」、および「8.8.1 定義時に利用できるプロパティ」を参照してください。
注意
ポート番号には、システム上のアプリケーションを含むすべてのサービスにおいて、それぞれ異なるポート番号を設定する必要があります。以下の値を設定しないでください。
システム内の他のサービス、システム上のアプリケーションが使用するポート番号
システムが動的に割り当てる領域のポート番号(エフェメラルポート)
ポート番号の設定については、「付録D ポート番号」を参照してください。
Interstage Java EE 7 DASサービスを起動します。
asadmin setサブコマンドを使用してポート番号を変更します。
Interstage Java EE 7 DASサービスを再起動します。
server-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port
server-config.system-property.JMS_PROVIDER_PORT.value
例
デフォルトのポート番号を「17687」に変更します。
C:\Interstage\F3FMisje7\glassfish\bin\asadmin set server-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port=${JMS_PROVIDER_PORT} server-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port=${JMS_PROVIDER_PORT} Command set executed successfully. C:\Interstage\F3FMisje7\glassfish\bin\asadmin set server-config.system-property.JMS_PROVIDER_PORT.value=17687 server-config.system-property.JMS_PROVIDER_PORT.value=17687 Command set executed successfully.
/opt/FJSVisje7/glassfish/bin/asadmin set server-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port=\$\{JMS_PROVIDER_PORT\} server-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port=${JMS_PROVIDER_PORT} Command set executed successfully. /opt/FJSVisje7/glassfish/bin/asadmin set server-config.system-property.JMS_PROVIDER_PORT.value=17687 server-config.system-property.JMS_PROVIDER_PORT.value=17687 Command set executed successfully.
現在設定されているメッセージブローカのポート番号を確認するには、asadmin getサブコマンドを使用します。コマンドの詳細については、「10.1.4.1 getサブコマンド」を参照してください。
例
メッセージブローカのポート番号の確認
C:\Interstage\F3FMisje7\glassfish\bin\asadmin get server-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port server-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port=${JMS_PROVIDER_PORT} Command get executed successfully. C:\Interstage\F3FMisje7\glassfish\bin\asadmin get server-config.system-property.JMS_PROVIDER_PORT.value server-config.system-property.JMS_PROVIDER_PORT.value=17686 Command get executed successfully.
/opt/FJSVisje7/glassfish/bin/asadmin get server-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port server-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port=${JMS_PROVIDER_PORT} Command get executed successfully. /opt/FJSVisje7/glassfish/bin/asadmin get server-config.system-property.JMS_PROVIDER_PORT.value server-config.system-property.JMS_PROVIDER_PORT.value=17686 Command get executed successfully.
また、Interstage Java EE 7 DASサービスが起動できないなどの理由で、asadmin setサブコマンドが使用できない場合は、以下の手順でdomain.xmlを修正してください。
Interstage Java EE 7 DASサービスを停止します。
domain.xmlに設定されている<jms-host>のport、および<system-property>のvalueを編集します。
Interstage Java EE 7 DASサービスを起動します。
[Java EE 7共通ディレクトリ]\domains\domain1\config\domain.xml
[Java EE 7共通ディレクトリ]/domains/domain1/config/domain.xml
<configs> <config name="server-config"> <system-property name="JMS_PROVIDER_PORT" description="Port Number that JMS Service will listen for remote clients connection." value="17686"></system-property> ~省略~ <jms-service default-jms-host="default_JMS_host" type="EMBEDDED"> <jms-host port="${JMS_PROVIDER_PORT}" host="localhost" name="default_JMS_host"></jms-host> </jms-service> ~省略~ </config> <config name="default-config"> ~省略~ </config> </configs>
<config name="server-config">配下の<jms-service>に記載されている<jms-host>部分において、portの値を、${JMS_PROVIDER_PORT}に書き換えてください。portの記述がない場合は、「port=」の部分から追加してください。また、<config name="server-config">配下の、nameの値がJMS_PROVIDER_PORTとなっている<system-property>において、valueの値を変更したいポート番号に書き換えてください。
例
デフォルトのポート番号を「17687」に変更します。
<system-property name="JMS_PROVIDER_PORT" description="Port Number that JMS Service will listen for remote clients connection." value="17687"></system-property> <jms-service default-jms-host="default_JMS_host" type="EMBEDDED"> <jms-host port="${JMS_PROVIDER_PORT}" host="localhost" name="default_JMS_host"></jms-host> </jms-service>
メモリ使用量
EMBEDDED運用を行う場合、メッセージブローカの起動で、およそ150メガバイトのメモリを消費します。
以下のようにメモリ使用量を見積もってください。
メモリ使用量(MB)= 150+(物理格納先に蓄積するメッセージの最大数×1件あたりのメッセージ最大サイズ)
また、必要に応じて、上記メモリ使用量からInterstage Java EE 7 DASサービスのJava VMのヒープ領域サイズをチューニングしてください。チューニングの詳細については、「6.1.2 Java VMのヒープ領域サイズ/メタスペースサイズ」を参照してください。