ここでは、システムがブートできる状態のときに、GDS でミラーリングしているシステムディスクのデータをテープからリストアする方法を説明します。
1) 動作中のアプリケーションプログラムを停止します。高い安全性が求められる場合は、システムディスクのバックアップを事前に採取してください。バックアップ手順については、「7.4.2 バックアップ手順【EFI】」を参照してください。
2) 後でリストア先として使用するディスク以外をグループから切断して、グループに 1 つのディスクのみが接続されている状態にします。
例として、ディスク Root1 とディスク Root2 がグループ Group1 に接続されてミラーリングされていて、リストア先として Root1 を使用するために、Group1 から Root2 を切断する場合のコマンド行を示します。
# sdxdisk -D -c System -g Group1 -d Root2 |
グループ Group1 に接続されているディスク (GROUP フィールドに Group1 と表示されるディスク) が 1 つだけであることを確認します。
# sdxinfo -D -c System |
参考
ディスク Root1 上に INVALID 状態のスライスがある場合は、Root1 の方を切断してください。keep タイプのディスクを切断した場合 (sdxinfo -D コマンドの出力のうち、切断したディスクの TYPE フィールドの値が keep の場合) は、後でグループに接続できるように、タイプ属性を undef に変更してください (または、いったんクラスから削除してから、undef タイプのディスクとして登録しなおしてください)。ディスクのタイプ属性の変更方法は、「8.2.1.2 クラス構成」の「ディスク属性の変更」または「B.1.7 sdxattr - オブジェクトの属性値変更」を参照してください。
例) keep タイプのディスク Root1 を Group1 から切断した場合に、Root1 のタイプ属性を undef に変更する方法
# sdxattr -D -c System -d Root1 -a type=undef |
参照
GDS 運用管理ビューを使用する場合は、「8.2.1.3 グループ構成」を参照してください。
3) サーバ間ミラーリング機能を使用している場合、「7.4.4 リストア前の設定【4.3A40以降】【RHEL6】」 に従って設定を行います。
4) システムをシャットダウンします。
# shutdown -h now |
5) ノードの電源を投入し、OS のインストール CD を CD-ROM ドライブに挿入します。
6) EFI ブートマネージャのブートオプション選択画面に表示されるブートデバイスの中から、CD-ROM 装置を選択し、レスキューモードで起動します。
RHEL-AS4(IPF) の場合、以下の手順で起動します。
詳細は、OS のマニュアルを参照してください。
EFI Boot Manager ver 1.10 Please select a boot option Root1 Root2 DVD/Acpi(PNP0A03,0)/Pci(1D|1)/Usb(0,0)←選択 ... Use ↑ and ↓ to change option(s). Use Enter to select an option |
ELILO boot: と表示されたら、linux rescue と入力します。
Choose a Language 画面では、English を選択します。
Keyboard Type 画面では、jp106 を選択します。ただし、使用するキーボードに応じて、適宜変更してください。
Setup Networking 画面では、ネットワークの設定を行う場合は Yes、行わない場合は No を選択します。Yes を選択した場合、IP アドレスの設定画面に移行します。画面の指定に従って IP アドレスを設定してください。
Rescue 画面では、Skip を選択します。
7) リストア先の物理スライス名を確認します。
リストア先の物理ディスク名を確認します。
RHEL4 または RHEL5 の場合
# ls -l /sys/block/sd*/device | grep 0000:06:02.0 | grep 0:0:0 lrwxrwxrwx 1 root root 0 Jun 1 2005 /sys/block/sda/device ->\ ../../devices/pci0000:02/0000:02:1f.0/0000:06:02.0/host2/target0:0:0/0:0:0:0 |
RHEL6 または RHEL7 の場合
# ls -l /sys/block/sd* | grep 0000:06:02.0 | grep 0:0:0
lrwxrwxrwx 1 root root 0 Jun 1 2011 /sys/block/sda ->\
../devices/pci0000:00/0000:00:09.0/0000:01:00.0/0000:02:00.0/0000:03:00.0/\
0000:04:03.0/0000:06:02.0/host1/port-1:0/end_device-1:0/target1:0:0/1:0:0:0/block/sda |
grep コマンドの引数には、リストア先となるディスク (この例では Root1) の、「6.5.5 物理ディスク情報とスライス番号の確認」で確認した物理ディスク情報を指定します。
この例では、物理ディスク名は、sda です。
物理ディスク名と、「6.5.5 物理ディスク情報とスライス番号の確認」で確認したスライス番号を組み合わせることで、物理スライス名が分かります。
この例では、リストア先の物理スライス名は、下記のとおりです。
用途 | 物理スライス名 |
---|---|
/ | sda1 |
/var | sda2 |
/usr | sda3 |
/boot | sda4 |
/boot/efi | sda5 |
8) テープ媒体に採取されているバックアップデータを用いて、ファイルシステムをリストアします。
以下に、dump(8) コマンドで採取したバックアップデータを用いて、ルートファイルシステムをリストアする場合の例を示します。この例では、ファイルシステムタイプは ext3 です。また、一時的なマウントポイントとして、/work ディレクトリを使用します。
# mkdir /work # mkfs.ext3 /dev/sda1 # mount -t ext3 /dev/sda1 /work # cd /work # restore rf /dev/st0 . # cd / # umount /work |
mkfs.ext3(8) コマンドおよび mount(8) コマンドの引数では、手順 7) で確認した物理スライスを指定します。
注意
システムディスクをミラーリングする前に採取したバックアップデータを用いてリストアしないでください。
参照
リストア方法の詳細については、リストアするファイルシステムや使用するコマンドのマニュアルを参照してください。
9) レスキューモードを終了します。
RHEL-AS4(IPF) の場合、以下のコマンドでレスキューモードを終了します。
詳細は、OS のマニュアルを参照してください。
# exit |
10) 共用クラスまたはローカルクラスを使用している場合、「7.4.7 リストア後の設定」に従って設定を行います。
11) システムをマルチユーザモードで起動します。
12) 手順 2) で切断したディスクをグループに再接続します。
# sdxdisk -C -c System -g Group1 -d Root2 |
ディスク Root2 がグループ Group1 に接続されたこと (Root2 の行の GROUP フィールドに Group1 と表示されること) を確認します。
# sdxinfo -D -c System |
等価性コピーが自動的に行われ、等価性コピーが完了するとミラーリング状態が復旧されます。
参照
GDS 運用管理ビューを使用する場合は、「8.2.1.3 グループ構成」を参照してください。
参考
手順 2) で keep タイプのディスクをグループから切断し、タイプ属性を undef に変更しなかった場合、手順 12) がエラーとなり、エラーメッセージ "keep disk cannot be connected to existing group" が出力されます。この場合、ディスクのタイプ属性を undef に変更してから、手順 12) を再実行してください。
ディスクのタイプ属性の変更方法は、手順 2) の「参考」を参照してください。