リストア手順は、NASバックアップボリューム故障、運用側装置故障によって異なります。以下に、各故障からの復旧手順について説明します。
NASバックアップボリュームの故障からの復旧
NASバックアップボリュームの故障からの復旧手順は、以下のとおりです。この手順を実施したあと、必要に応じてNASボリュームへのリストアを実施してください。
ファイルシステム障害時
NASバックアップボリュームをマウントしている場合は、Webコンソールを使用してNASバックアップボリュームをアンマウントします。
参照
アンマウント手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「バックアップ先のマウント/アンマウント」を参照してください。
運用側装置で、NASボリュームからNASバックアップボリュームへのQuickOPCを停止(物理コピーとトラッキング処理の停止)します。
RECをサスペンドし、RECの反転(バックアップ側装置→運用側装置)を実施します。
バックアップ側装置のバックアップボリュームからREC先ボリュームへのリストアを実施します。
参照
リストア手順は、「3.2.1.4 QuickOPC利用環境でのリストア」を参照してください。
ポイント
リストアによるコピーを実施したあとは、物理コピーの終了を待ち合わせる必要があります。物理コピーの進捗状況を確認するには、-rオプションと-progressオプションを付けてacopc queryコマンドを実行してください。
バックアップ側装置のREC先ボリュームから運用側装置のNASバックアップボリュームへRECを再開します。
RECが等価状態になってからRECをサスペンドします。
RECを反転(運用側装置→バックアップ側装置)し、RECを再開します。
ポイント
RECによる運用側装置のNASバックアップボリュームへのコピーを実施したあとは、等価性維持状態になっていることを確認する必要があります。詳細は、「3.2.2.4 RECによるリストア」を参照してください。
RAID故障時
NASバックアップボリュームをマウントしている場合は、Webコンソールを使用してNASバックアップボリュームをアンマウントします。
参照
アンマウント手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「バックアップ先のマウント/アンマウント」を参照してください。
運用側装置で、NASボリュームからNASバックアップボリュームへのQuickOPCを停止(物理コピーとトラッキング処理の停止)します。
RECを停止します。
運用側装置のNASバックアップボリュームを復旧します。
「3.10.6.2 NASバックアップボリュームのデータ復旧手順」の手順1から手順3を実施してください。
NASバックアップボリュームの復旧作業において、NASバックアップボリュームを一旦削除したあとに再作成した場合は、NASバックアップボリュームとREC先ボリュームのコピーグループを再作成します。
バックアップ側装置のバックアップボリュームからREC先ボリュームへのリストアを実施します。
参照
リストア手順は、「3.2.1.4 QuickOPC利用環境でのリストア」を参照してください。
ポイント
リストアによるコピーを実施したあとは、物理コピーの終了を待ち合わせる必要があります。物理コピーの進捗状況を確認するには、-rオプションと-progressオプションを付けてacopc queryコマンドを実行してください。
バックアップ側装置のREC先ボリュームから運用側装置のNASバックアップボリュームへ逆方向のRECを実施します。
RECが等価状態になってから、RECをサスペンドします。
RECを反転(運用側装置→バックアップ側装置)し、RECを再開します。
ポイント
RECによる運用側装置のNASバックアップボリュームへのコピーを実施したあとは、等価性維持状態になっていることを確認する必要があります。詳細は、「3.2.2.4 RECによるリストア」を参照してください。
運用側装置の故障
運用側で業務継続する場合(装置交換)
RECを停止します。
装置を交換します。
NAS管理を導入するために、事前設定を行います。
参照
事前設定の手順は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「ETERNUS ディスクアレイに対する事前設定」および「運用管理サーバに対する事前設定」を参照してください。
NASボリュームおよびNASバックアップボリュームを作成します。
NASボリュームを作成するために、一時的に共有フォルダを作成します。
作成するNASボリュームには、故障発生前と同じボリューム名、ボリューム容量、ボリューム番号を指定してください。
NASバックアップボリュームは、[バックアップ先ボリューム]項目で「新規」ラジオボタンをチェックして作成します。
参照
共有フォルダの作成手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「共有フォルダの作成」を参照してください。
交換した装置のNASボリュームに対して、Webコンソールまたはacnas backupコマンドからNASボリュームをバックアップします。
Webコンソールによるバックアップは「3.10.1.2 バックアップの実行方法」を、acnas backupコマンドによるバックアップは「3.10.2.2 バックアップコマンドの実行方法」を参照してください。
NASボリュームからNASバックアップボリュームへのQuickOPCを停止(物理コピーとトラッキング処理の停止)します。
バックアップ側装置のバックアップボリュームからREC先ボリュームへのリストアを実施します。
参照
リストア手順は、「3.2.1.4 QuickOPC利用環境でのリストア」を参照してください。
ポイント
リストアによるコピーを実施したあとは、物理コピーの終了を待ち合わせる必要があります。物理コピーの進捗状況を確認するには、-rオプションと-progressオプションを付けてacopc queryコマンドを実行してください。
バックアップ側装置のバックアップボリュームから交換した装置のNASバックアップボリュームへRECを実施するため、RECのコピーグループを作成してRECを実施し、等価状態を確認したあと、RECをサスペンドします。
ポイント
RECによる運用側装置のNASバックアップボリュームへのコピーを実施したあとは、等価性維持状態になっていることを確認する必要があります。詳細は、「3.2.2.4 RECによるリストア」を参照してください。
運用側装置において、以下のどちらかの方法でNASボリュームのデータを復旧します。
NASバックアップボリュームからNASボリュームへのリストア
NASボリュームへのリストアは、Webコンソールまたはacnas restoreコマンドで実行できます。Webコンソールによるリストア方法は「3.10.1.3 リストアの実行方法」を、acnas restoreコマンドによるリストア方法は「3.10.2.3 リストアコマンドの実行方法」を参照してください。
NASバックアップボリュームをマウントし、NASバックアップボリュームのファイルをNASボリュームへ手動でコピー
NASバックアップボリュームのマウント方法は、「3.10.3.1 マウント/アンマウント手順」を参照してください。
RECを反転(運用側装置→バックアップ側装置)し、RECを再開します。
注意
運用側の装置故障により、交換した装置にリストアを行った場合は、再度、共有フォルダへのアクセスを可能とする必要があります。
共有フォルダへのアクセス方法は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』または『ETERNUS SF Express 運用ガイド』の「NAS管理」にある「運用方法」を参照してください。