Webコンソールで作成したNASボリュームは、コマンドでバックアップ/リストアすることもできます。
コマンドは、NASボリュームのバックアップを自動スケジュールする場合などに利用します。
事前に、WebコンソールでNASバックアップ設定を行ってください。
コマンドでNASボリュームをバックアップ/リストアするには、NASバックアップ設定のコピーグループ名が必要です。WebコンソールでNASバックアップ設定のコピーグループ名を確認してください。
運用管理サーバでacnas backupコマンドを実行します。-gオプションには、事前に確認したNASバックアップ設定のコピーグループ名を指定します。
[実行例]
acnas backup -g NAS_QuickOPC_NAS_Vol_0_0
参考
NASバックアップボリュームのマウントを実行した場合、NASバックアップボリューム内の共有フォルダの設定値(共有状態やアクセス設定など)は、バックアップ実施時点のNASボリュームの設定値になります。
注意
ファームウェア版数がV10L53より前のETERNUS DX100 S3/DX200 S3, DX500 S3/DX600 S3では、装置内にあるすべてのCMおよびNAS Engineが正常な状態のときだけ、NASボリュームをバックアップできます。
バックアップ実施時点において、FTPから公開する共有フォルダとして設定していても、共有フォルダのFTP設定はバックアップされません。
運用管理サーバでacnas restoreコマンドを実行します。-gオプションには、事前に確認したNASバックアップ設定のコピーグループ名を指定します。
[実行例]
acnas restore -g NAS_QuickOPC_NAS_Vol_0_0
参考
NASボリュームのリストアを実行する場合は、バックアップを実施済みである必要があります。バックアップを実施済みかは、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「共有フォルダの表示」または「バックアップ情報の表示」で確認してください。
注意
リストア対象のNASボリュームの共有フォルダおよびクォータ設定は、リストアによってバックアップ時の設定情報を基に再構築されます。共有フォルダおよびクォータ設定に対する操作は、リストア操作が完了したことを確認後、実施してください。
NASボリュームへのリストア中に、そのNASボリュームに関連する共有フォルダおよびクォータ設定に対する操作を実施した場合、エラーとなることがあります。エラーとなった場合は、メッセージを確認し、操作を再実施してください。
リストアが失敗した場合、NASボリュームにデータ破壊が発生している可能性があります。失敗した原因を取り除いてからリストアを再実行してください。
共有フォルダ名はETERNUS ディスクアレイ内で一意であることが必要です。
リストアによって共有フォルダ名が重複する場合は、共有フォルダ名の先頭に"$"を付加してリストアします。"$"を付加しても共有フォルダ名が重複する場合は、共有フォルダ名の先頭にさらに"$"を付加してリストアします。
なお、ホームディレクトリ用の共有フォルダ"homes"には、特に注意が必要です。リストアによって"homes"の先頭に"$"が付加された場合、リストアされた共有フォルダ"$homes"は、「ホームディレクトリ用の共有フォルダ」でなく「ファイル共有用の共有フォルダ」として扱われます。
"$homes"配下にある過去のホームディレクトリにアクセスする際は、アドレスバーまたはネットワークドライブ割当て時に以下の形式で入力してください。
認証サーバとしてActive Directoryを設定している場合
\\<NASインターフェースのIPアドレス>\$homes\<ドメイン名>@\<ユーザー名>\
認証サーバを設定していない場合
\\<NASインターフェースのIPアドレス>\$homes\<ユーザー名>\
リストアされた共有フォルダ"$homes"には、「所有者」および「グループ」に設定されたユーザーでアクセスできます。
リストア後のNASファイルシステムのブロックサイズは、バックアップ実施時のNASボリュームに設定されていた値になります。
バックアップ実施時点において、FTPから公開する共有フォルダとして設定していても、共有フォルダのFTP設定はバックアップされません。リストア後のFTPの設定は、リストア前に設定されていた値になります。必要に応じて、FTPから公開する共有フォルダを再設定してください。FTPの設定方法は、ETERNUS ディスクアレイ付属のマニュアルを参照してください。
ETERNUS ディスクアレイ内にあるすべてのCMおよびNAS Engineが正常な状態のときだけ、NASボリュームをリストアできます。
NASボリュームのアドバンスト・コピーの状況確認や停止は、以下のコマンドで行うことができます。
バックアップ/リストアの状況確認
NASボリュームからNASバックアップボリュームへのコピー状況は、acopc queryコマンドで確認できます。
[実行例]
acopc query -g NAS_QuickOPC_NAS_Vol_0_0
NASバックアップボリュームからNASボリュームへのコピー状況は、acopc queryコマンドに-rオプションを指定して確認できます。
[実行例]
acopc query -g NAS_QuickOPC_NAS_Vol_0_0 -r
注意
acopc queryコマンドで確認できるコピー状況と、NASボリュームのバックアップ/リストア成否は、一致しないことがあります。バックアップ/リストアの成否は、各コマンドの結果から判断してください。
バックアップ/リストア停止
NASボリュームからNASバックアップボリュームへのバックアップを停止する場合は、acopc cancelコマンドを実行します。
[実行例]
acopc cancel -g NAS_QuickOPC_NAS_Vol_0_0
NASバックアップボリュームからNASボリュームへのリストアを停止する場合は、acopc cancelコマンドに-rオプションを指定して実行します。
[実行例]
acopc cancel -g NAS_QuickOPC_NAS_Vol_0_0 -r
注意
NASボリュームからNASバックアップボリュームへのコピー停止は、NASボリュームの2次バックアップを行う手順で実施します。
物理コピー中にコピーを停止した場合、acnas backupコマンドが正常終了していても、バックアップデータは保証されません。