NumberInputは、整数および実数の入力フィールドを表示する部品です。
ポイント
検証を実行するValidationHelper、入力制限を行うLimiterなどの機能付加部品を利用することができます。
表示例
本部品では、Ctrlキー + z が使用できます。詳細は、「5.1.7 テキスト入力部品でのCtrlキー+zによるやり直し」を参照してください。
記述形式
<div rcf:type="NumberInput" ... ></div>
または
<span rcf:type="NumberInput" ... ></span>
注意
子要素は指定できません。詳細は、「5.1.4 子要素を持たない部品に子要素を記述した場合の動作」を参照してください。
ポイント
本部品は以下のように表示されます。
<div>タグの場合:前後に改行コードが挿入されます。
<span>タグの場合:前後に改行コードは挿入されません。
プロパティ
表の項目の意味は、「Text」の「プロパティ」を参照してください。
名前 | データ型 | 説明 | 省略 | 省略値 | 属性指定 | 更新 | 部分更新 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
number | Number | 数値データを指定します。 | 可 | NaN | 値、バインド | 可 | 不可 |
converter | format関数とparse関数を持つObject | 以下の関数を持つオブジェクトを指定します。
format関数またはparse関数を持たないオブジェクトを指定した場合は、エラーになります。詳細は、「converterプロパティの指定方法」を参照してください。
| 可 | デフォルトの変換を実行するObject | 値 | 不可 | 不可 |
refocus | Boolean | 入力フィールドからフォーカスが外れて、numberオブジェクトへの変換に失敗した場合、フォーカスを再度戻すかどうかを指定します。
Internet Explorerでだけ指定可能です。 | 可 | false | 値 | 可 | 不可 |
TextInputのプロパティも指定できます。ここで説明を省略しているプロパティの詳細は、「2.1.2 TextInput」の「プロパティ」を参照してください。
部品共通のプロパティも指定できます。詳細は、「2.8.1 画面部品共通プロパティ」を参照してください。
注意
titleプロパティに長い文字列を指定すると、自動的に改行または省略されることがあります。
また、発生位置はブラウザにより異なります。
なお、空文字列を指定した場合は、表示されません。
入力テキストがJavaScriptのnumberオブジェクトに変換されるのは、入力フィールドからフォーカスが外れ、前の値から変更された場合だけです。入力中にnumberプロパティの値を参照すると、前回の入力テキストが変換された結果になることがあります。
ポイント
有効桁数は、JavaScriptおよびブラウザと同じ値になります。
valueプロパティとnumberプロパティは、どちらもテキストを入力できるプロパティです。両者の違いについて以下に示します。
画面表示時
入力フィールドの初期値は、numberプロパティで指定します。numberプロパティが指定されていない場合、入力フィールドの初期値は空になります。
valueプロパティの値は、numberプロパティを文字列にした値に初期化されます。
入力時
入力フィールドに値を入力しているとき、valueプロパティはその値と同期します。numberプロパティは入力中のデータとは同期せずに、そのままの値が保持されます。
入力確定時(フォーカスが外れたとき)
numberプロパティは入力テキストをnumberに変換した値に更新されます。変換に失敗した場合は、numberプロパティはNaNとなります。
図2.5 valueプロパティとnumberプロパティ
注) 変換に失敗した場合は、valueプロパティとnumberプロパティは同期しません。以下のようになります。
valueプロパティ:入力文字列
numberプロパティ:NaN
valueプロパティ(入力テキスト)とnumberプロパティが同期しているかどうかは、isSyncメソッドで確認できます。詳細は、「JavaScript API」を参照してください。
画面の初期化時に、valueプロパティの値が表示されるときの処理順序を以下に示します。
converterプロパティに基づいて、numberプロパティの値が文字列に変換され、valueプロパティに設定されます。
文字列が大文字に変換されます。(uppercaseプロパティがtrueの場合)
フォーマッタ処理が実行されます。(labelProviderプロパティが指定されている場合)
入力確定時の処理順序を以下に示します。
文字列が大文字に変換されます。(uppercaseプロパティがtrueの場合)
converterプロパティで指定したフォーマッタに従って、numberから文字列に変換されます。
成功した場合:numberプロパティに変換した値を設定し、numberparsesuccessイベントを送出
失敗した場合:numberプロパティにNaNを設定し、numberparseerrorイベントを送出
変換に失敗した場合の処理について、以下に示します。
onNumberParseErrorイベントリスナでエラー処理を記述することができます。
例えば、アラートを表示する場合、以下のように記述します。
<span rcf:type="NumberInput" ... rcf:onNumberParseError="alert('入力が間違っています')"></span>
Internet Explorerの場合
Internet Explorerでrefocusプロパティにtrueが設定されていると、numberparseerrorが発生した場合、そのNumberInputにフォーカスを戻すことができます。
なお、numberparsesuccessまたはnumberparseerrorイベントが発生する前に、プロパティに値が設定されるため、以前の値から変更した場合は、numberchangeイベントが先に発生します。
converterプロパティは、numberと文字列の変換を行うオブジェクトを指定します。これにより、入力テキストとnumberの変換方法を変更することができます。
文字列からnumberへの変換およびnumberから文字列の変換は、可逆である必要があります。
指定するオブジェクトは、numberを文字列に変換するformat、および入力テキストからnumberを生成するparseを実装したオブジェクトである必要があります。
converterプロパティで指定されたformat関数とparse関数は、以下のように呼び出されます。
図2.6 format関数とparse関数の呼出し
正の実数を小数点以下3桁表示するフィールドに入力されたテキストと、JavaScriptのnumberオブジェクトを変換する場合の記述例を以下に示します。
【処理概要】
converterプロパティに、format関数とparse関数を持つオブジェクトを指定します。例では「nf1」を指定します。
format関数は、引数としてnumberを受け取り、戻り値として文字列を返します。
parse関数は、引数として入力文字列を受け取り、戻り値としてnumberを返します。
<script type="text/javascript"> //<![CDATA[ // 正の実数を小数点以下3桁で表示する。 var nf1 = { format: function(num) { if (isNaN(num)) return ""; var val = num * 1000; val = Math.floor(val); val = val / 1000; return val.toString(10); }, parse: function(value) { var reg1 = new RegExp("^\\s*([0-9]+(.[0-9]{1,3})?)[0-9]*\\s*$"); var v = value.match(reg1); if (v) { return parseFloat(v[0]); } throw "invalid value"; } }; //]]> </script> ... <div rcf:id="numberInput1" rcf:type="NumberInput" rcf:converter ="nf1"></div>
labelProviderプロパティは、フォーカスが当たっていないときに入力フィールドに表示する文字列を変更する場合に指定します。以下に例を示します。
<script type="text/javascript"> //<![CDATA[ var lp1 = { getLabel: function(value, number, sync) { if (!sync) { return "正しい値を入力してください"; } return value; } }; //]]> </script> ... <div rcf:id="numberInput1" rcf:type="NumberInput" rcf:labelProvider="lp1"></div>
フォーマットを行うオブジェクトには、getLabel関数を用意する必要があります。getLabel関数のインターフェースは以下のとおりです。
メソッド | getLabel(value, number, sync) | |
引数 | value | valueプロパティの値 |
number | numberプロパティの値 | |
sync | valueとnumberの同期状態 | |
戻り値 | 表示する文字列 |
NumberInput部品のlabelProviderプロパティは、getLabel関数を持つオブジェクトを指定します。上記の例では、lp1を指定しています。
lp1のgetLabel関数は、同期している場合は入力値を返し、同期していない場合は「正しい値を入力してください」という文字列を返すようになっています。
このように指定すると、上記の例では、以下のようにnumberに変換できない値が入力された場合、「正しい値を入力してください」という文字が表示されるようになります。
注意
converterとlabelProviderの違い
converterは、入力テキストとnumberの変換方法を指定することができます。これにより、デフォルトの変換方法を変更することができます。
一方、labelProviderは、フォーカスがない場合に表示する文字列を変更するときに指定します。これにより、実際の入力テキストとフォーカスがない場合の表示を変えることができます。
refocusプロパティに関する注意事項
refocusプロパティは、入力テキストからNumberオブジェクトへの変換に失敗したときに、フォーカスをNumberInputに戻す機能です。ただし、以下の場合はフォーカスが戻らないことがあります。
ブラウザのアドレスバーやツールバーなど、ページ表示域以外にフォーカスを移動した場合
例えば、アドレスバーをクリックしたり、アドレスバーのドロップダウンリストを表示したりすると、フォーカスがNumberInputから外れることがあります。
スタイルプロパティ
本部品のスタイルプロパティは、TextInputと同じです。詳細は、「2.1.2 TextInput」の「スタイルプロパティ」を参照してください。ただし、クラス名は「rcf-NumberInput」となります。
詳細は、「2.9 スタイルプロパティ」を参照してください。
イベントリスナ
名前 | 説明 | イベントオブジェクト |
---|---|---|
onNumberChange | numberプロパティの値が変更されたときに呼ばれます。 | |
onNumberParseSuccess | 入力テキストからnumberへの変換が成功したときに呼ばれます。 | |
onNumberParseError | 入力テキストからnumberオブジェクトへの変換に失敗したときに呼ばれます。 |
TextInputのイベントリスナもあります。詳細は、「2.1.2 TextInput」の「イベントリスナ」を参照してください。
部品共通のイベントリスナもあります。詳細は、「2.8.2 画面部品共通イベントリスナ」を参照してください。
converterプロパティを設定していないデフォルトの変換の場合、変換に失敗した場合に呼ばれるonNumberParseErrorに渡されるNumberParseEventのerrorプロパティには、以下のメッセージが含まれたErrorオブジェクトが設定されます。
メッセージ番号はErrorオブジェクトのrcf.messageIDプロパティ、エラーメッセージはErrorオブジェクトのmessageプロパティから取得できます。メッセージの詳細は、「ユーザーズガイド」の「付録J エラーメッセージ」を参照してください。
RCF13000
なお、converterを指定した場合、NumberParseEventのerrorプロパティには、そのconverterのparse関数で発生したエラーが設定されます。
JavaScript API
メソッド | isSync() | |
引数 | なし | |
戻り値 | [Boolean] | true:同期している場合 |
例外 | なし | |
説明 | valueプロパティ(入力テキスト)とnumberプロパティの値の同期状態を返します。 |
メソッド | parse() | |
引数 | なし | |
戻り値 | [Boolean] | true:プロパティの設定に成功しました。 |
例外 | なし | |
説明 | 入力テキストをnumberに変換し、numberプロパティに設定します。 |
メソッド | clear() |
引数 | なし |
戻り値 | なし |
例外 | なし |
説明 | numberプロパティおよびvalueプロパティを省略値に戻し、入力テキストを空にします。 |
部品共通のJavaScript APIもあります。部品共通のJavaScript APIは、「2.8.3 画面部品共通JavaScript API」を参照してください。
補足事項
NumberInputのデフォルトのconverterでは、JavaScriptのparseFloat()を利用しているため、入力値によっては誤差が生じる場合があります。詳細は、「5.2.7 Number型のデータに関する注意事項」を参照してください。