Interstageの各サービスの運用に必要となるシステム資源について説明します。
以下の表を参照し、使用する製品に応じて、以降に示すサービスのチューニングを行ってください。各機能の説明を参照する前に“■システムパラメタについて”を参照してください。表内で使用している略称については、「製品名称の略称について」を参照してください。
なお、システムパラメタを算出するためのExcelファイルがマニュアルパッケージの“ApplicationServer\tuning”配下のサブフォルダに“ISAS-IPCtuning.xlsx”として格納されています。Microsoft(R) Excel 2007もしくは以降のバージョンのMicrosoft(R) Excelをお持ちの場合は“ISAS-IPCtuning.xlsx”を使用してシステムパラメタを算出することが可能です。使用方法などの詳細については、当該Excelファイル内の説明記事を参照してください。
| EE | SJE | WS |
---|---|---|---|
○ | ○ | ○ | |
○ | ○ | ○ | |
○ | ○ | × | |
イベントサービスのシステム資源の設定 (注1) | ○ | ○ | × |
○ | ○ | × | |
○ | ○ | ○ | |
○ | × | × | |
○ | ○ | ○(注2) | |
○ | ○ | × | |
○ | ○ | ○ | |
○ | ○ | ○ | |
○ | ○ | ○(注3) |
○:チューニングを行う必要があります。
×:チューニングを行う必要はありません(該当製品ではサービスが使用できないため)。
注1) Interstage JMSを使用する場合、イベントサービスのシステム環境を設定する必要があります。
注2) Interstage シングル・サインオンの業務サーバのシステム資源だけ設定します。
注3) Webサーバコネクタの故障監視機能のシステム資源を設定する必要はありません。
注意
Interstage HTTP Server 2.2のシステム資源については、「Interstage HTTP Server 2.2 運用ガイド」の「チューニング」を参照してください。
■システムパラメタについて
◆システムパラメタの変更方法
IPC資源のパラメタに値を設定するために、以下のいずれかの方法を選択してください。
/etc/systemファイルの修正
/etc/systemファイルを編集し、必要なパラメタ値を変更します。変更後は、変更した値を反映するためにシステムをリブートしてください。なお、変更方法の詳細については、Solarisのドキュメントを参照してください。
注) Solaris 10以降において、この方法でシステムチューニングする場合、shmmaxおよびshmmniは以下の関係が成り立つような値を設定してください。
project.max-shm-memory = shmmax × shmmni
資源制御(Solaris 10以降)
以下の手順で、パラメタ値を変更してください。
Interstageの停止
Interstageを停止してください。もしInterstage管理コンソールを使用するためのサービスを起動している場合はそれらのサービスも停止してください。
user.rootプロジェクトとsystemプロジェクトのパラメタの変更
projmodコマンドでuser.rootプロジェクトとsystemプロジェクトのパラメタの値を変更してください。以下に例を示します。
projmod -s -K 'project.max-sem-ids=(privileged,155,deny)' user.root projmod -s -K 'project.max-sem-ids=(privileged,155,deny)' system
変更の特権レベルをprivileged、設定したしきい値を超える要求があった場合のアクションをdenyとします。
値の反映
newtaskコマンドで変更した値をシステム反映します。
newtask -p user.root -c $$
Interstageの起動
Interstageを起動してください。必要に応じて、Interstage管理コンソールを使用するためのサービスを起動してください。
資源制御の詳細については、Solarisのドキュメントを参照してください。
「種類」の意味
システムパラメタの表中の「種類」の意味は、以下のとおりです。
設定値
必要数の条件に応じた値に変更してください。
加算値
すでに設定されている値に、必要数を加算してください。
各パラメタの意味
システムパラメタの各パラメタ名と意味は、以下のとおりです。
なお、資源制御によるIPC資源のパラメタ設定は、Solaris 10以降で利用できます。
パラメタ | 資源制御 | 意味 |
---|---|---|
- | project.max-shm-memory | 共用メモリの最大サイズ |
shmmax | - | 共用メモリの最大セグメントサイズ |
shmmni | project.max-shm-ids | 共用メモリIDの最大数 |
パラメタ | 資源制御 | 意味 |
---|---|---|
semmni | project.max-sem-ids | セマフォIDの最大数 |
semmns | - | システム全体のセマフォの最大数 |
semvmx | - | セマフォに設定できる最大数 |
semmsl | process.max-sem-nsems | セマフォIDあたりのセマフォの最大数 |
semopm | process.max-sem-ops | セマフォコールあたりのセマフォ操作の最大数 |
semmnu | - | システム全体のセマフォ操作の取消記録グループ数 |
semume | - | プロセスあたりのセマフォ操作の取消記録の最大数 |
パラメタ | 資源制御 | 意味 |
---|---|---|
msgmax | メッセージの最大サイズ | |
msgmnb | process.max-msg-qbytes | メッセージキュー上のメッセージの最大バイト数 |
msgmni | project.max-msg-ids | メッセージキューIDの最大数 |
msgtql | process.max-msg-messages | メッセージキューにあるメッセージの最大数 |
パラメタ | 資源制御 | 意味 |
---|---|---|
rlim_fd_max | process.max-file-descriptor | ファイルディスクリプタの最大数 |
◆システムパラメタの変更方法
/etc/sysctl.confを編集し、パラメタ値を変更します。変更後は“sysctl -p /etc/sysctl.conf”を実行するか、システムをリブートしてください。
変更方法の詳細については、OSのドキュメントを参照してください。
「種類」の意味
システムパラメタの表中の「種類」の意味は、以下のとおりです。
設定値
必要数の条件に応じた値に変更してください。
加算値
すでに設定されている値に、必要数を加算してください。
各パラメタの意味
システムパラメタの各パラメタ名と意味は、以下のとおりです。
パラメタ | 意味 |
---|---|
kernel.shmall | システム全体の共用メモリの最大サイズ |
kernel.shmmax | 共用メモリの最大サイズ |
kernel.shmmni | 共用メモリセグメントの最大数 |
セマフォの設定値は、各パラメタ値を以下の形式で指定します。
kernel.sem = para1 para2 para3 para4
パラメタ | 意味 |
---|---|
para1 | セマフォIDあたりのセマフォの最大数 |
para2 | システム全体のセマフォの最大数 |
para3 | セマフォコールあたりのセマフォ操作の最大数 |
para4 | セマフォIDの最大数 |
パラメタ | 意味 |
---|---|
kernel.msgmax | メッセージの最大サイズ |
kernel.msgmnb | メッセージキュー上のメッセージの最大バイト数 |
kernel.msgmni | メッセージキューIDの最大数 |
パラメタ | 意味 |
---|---|
fs.file-max | システム全体のファイルディスクリプタの最大数 |
パラメタ | 意味 |
---|---|
kernel.threads-max | システム全体のプロセス・スレッドの最大数 |
◆リソース制限
システムのリソースを制限するには、/etc/security/limits.confファイルを編集し、必要なパラメタ値を変更します。変更後は、変更した値を反映するためにシステムをリブートしてください。
変更方法の詳細については、OSのドキュメントを参照してください。
また、RHEL7の場合は各機能の説明も参照してください。
「種類」の意味
リソース制限の表中の「種類」の意味は、以下のとおりです。
soft
ソフトウェアリミット値を変更してください。
hard
ハードウェアリミット値を変更してください。
各パラメタの意味
リソース制限のパラメタ名と意味は、以下のとおりです。
パラメタ | 意味 |
---|---|
nofile | ユーザにおいてオープン可能なファイルディスクリプタの最大数 |
パラメタ | 意味 |
---|---|
nproc | ユーザにおいて作成可能なプロセス・スレッドの最大数 |