サービス提供部門は、サービスの提供や販売に際し、サービス仲介部門やサービス提供代行部門と共同で作業する場合があります。こうした作業を行う際には、パートナーとして契約を結ぶ必要があります。Systemwalker Service Catalog Managerにサービス仲介部門やサービス提供代行部門を登録するのはシステム運用管理部門の作業です。システム運用管理部門との間にも契約を結ぶ必要があります。
以下の節では、さまざまな利用シナリオと、そのシナリオの中でサービス提供部門が実行すべき作業を紹介します。
サービス仲介部門を利用するシナリオ
サービス仲介部門は、サービス提供部門が定義したサービスのプロモーションを行います。この目的を達成するため、サービス仲介部門はサービスポータルでサービスを発行します。サービス利用部門が契約を結んだ場合は、サービス提供部門とサービス利用部門の間で結ばれた契約として扱われます。
サービス仲介部門がサービスポータル上のサービスを提供するには、サービス提供部門が明示的な許可を与えておく必要があります。サービス提供部門が許可を与えるには、以下の条件を満たしている必要があります。
サービス(サービス本体・パラメーター・条件・制限)が定義されている。詳細は2.1 サービスの定義を参照してください。
サービスに対し、料金設定とライセンス規約が定義されている。詳細は第3章 料金設定を参照してください。
サービス仲介部門は、サービス定義・料金設定・ライセンス規約を変更できません。サービス仲介部門はこれらの項目を確認し、適切なサービスをサービスポータル上で公開します。
サービス仲介部門が契約を取り付けたサービス利用部門に対して、請求と支払の方法を準備し、支払を徴収するのは、サービス提供部門の責任です。詳細は第5章 請求と支払を参照してください。
通常、サービス仲介部門が提供したサービスによる収益は、サービス仲介部門にも分配されます。Systemwalker Service Catalog Managerは、サービス仲介部門が自らの収益を確認するための機能を提供しています。サービス提供部門もサービス仲介部門の収益を確認できます。詳細は第5章 請求と支払を参照してください。
サービス提供代行部門を利用するシナリオ
サービス提供代行部門は、サービス提供部門が定義したサービスに独自の利用条件を加えて販売できます。サービス利用部門が契約を結んだ場合は、サービス提供代行部門とサービス利用部門の間で結ばれた契約として扱われます。
サービス提供代行部門がサービスポータル上のサービスを提供するには、サービス提供部門が明示的な許可を与えておく必要があります。サービス提供部門が許可を与えるには、以下の条件を満たしている必要があります。
サービス(サービス本体・パラメーター・条件・制限)が定義されている。詳細は2.1 サービスの定義を参照してください。
サービスに対して料金設定が定義されている。詳細は第3章 料金設定を参照してください。
サービス提供代行部門はサービス定義と料金設定を参照できますが、変更はできません。サービス利用部門がサービス提供代行部門のサービスを購入した場合、サービス提供部門が定義した料金設定がそのまま適用されます。一方、ライセンス規約は、サービス提供代行部門が独自に定義できます。サービス提供部門が定義したライセンス規約をそのまま利用するのか、サービス提供代行部門が独自のライセンス規約を作成するのかは、サービス提供代行部門が自由に選択できます。
サービス提供部門がサービス提供代行部門に許可を与えると、サービス提供代行部門は任意のサービスポータルでそのサービスを発行できます。
購入済サービスはサービス提供代行部門とサービス利用部門の間で結ばれるため、サービス提供部門に請求と支払を管理する責任はありません。サービス利用部門に対する請求と支払の方法を準備し、支払を徴収するのは、サービス提供代行部門の責任です。
サービス利用部門から得た売り上げの一部は、サービス提供代行部門の収益になります。売り上げのすべてがサービス提供代行部門に入るわけではありません。Systemwalker Service Catalog Managerは、サービス提供代行部門が自らの収益を確認するための機能を提供しています。サービス提供部門も、サービス提供代行部門が提供したサービスによる収益を確認できます。詳細は第6章 レポート作成を参照してください。
サービス仲介部門とサービス提供代行部門に対する再提供設定
サービス仲介部門やサービス提供代行部門に再提供設定(販売の許可)を行うには、Systemwalker Service Catalog Managerの管理ポータルの[サービス]メニューの[サービスの公開設定]メニューオプションを使用します。サービス提供部門は、サービス仲介部門とサービス提供代行部門が公開するサービスポータルを指定できません。サービス仲介部門とサービス提供代行部門は、サービスポータル管理者からアクセス許可を得たサービスポータルであれば、どこでにでもサービスを公開できます。
サービスの再提供設定を取り消す場合も、同じメニューオプションを使用します。再提供設定の取り消しは、例えばサービス提供代行部門による関連部門への支払が遅延した場合などに行います。発行済みのサービスの再提供設定を取り消した場合、サービスポータルでの発行も取り消されます。これ以降、サービス利用部門はこのサービスに対する新規申し込みができなくなります。ただし、設定を取り消したサービス仲介部門やサービス提供代行部門を介して契約した既存のサービスには影響ありません。