名前
swsrpvssbackup_exchange - ストレージグループまたはデータベースのバックアップ
形式
プログラムディレクトリ\bin\swsrpvssbackup_exchange [-evs Virtual-Server-Name] [-skipchk] -sgname Storage-Group-Name [-copygrp Copyset-Group-Name]
プログラムディレクトリ¥bin¥swsrpvssbackup_exchange [-skipchk] -dbname Database-Name
機能説明
VSSと連携してストレージグループまたはデータベースのオンラインバックアップを行います。
本コマンドでは、以下の処理を行っています。
VSSと連携してアドバンスト・コピーを使用することで、ストレージグループまたはデータベースのバックアップデータをバックアップサーバ上に作成します。
スナップショット型バックアップの場合はOPC/QuickOPCを起動してシャドウコピーを作成します。
同期型バックアップの場合は等価性維持状態のEC/RECをサスペンドしてシャドウコピーを作成します。
ドライブ文字マップファイルに従ってドライブ文字をバックアップボリュームに割り当てます。バックアップボリュームは、読取り専用ボリュームとしてアクセスできます。
バックアップデータに対してESEUTILを実行し、データ整合性を検証します。データ整合性に問題がない場合は、Exchangeにより不要ログが削除されます。
リストア時に必要となるメタデータドキュメントをバックアップサーバの以下の場所に保存します。
ファイル | 出力先 |
---|---|
ライタメタデータ |
|
バックアップ |
|
オプション
ストレージグループ名を指定します。
スペースを含むストレージグループ名は、二重引用符(" ")をつける必要があります。
データベース名を指定します。
スペースを含むデータベース名は、二重引用符(" ")をつける必要があります。
クラスタ運用を行っている場合、Exchange仮想サーバ(EVS)の名前を指定します。
クラスタ運用を行っていない場合は、指定の必要はありません。
ESEUTILによるデータ整合性検証を行わない場合に指定します。
コピーセットグループ名を指定します。
本オプションを省略した場合、コピーセットグループ名はデフォルトのコピーセットグループ:“BkupGroup”になります。
本オプションは、Windows Server 2008以降では未サポートです。
終了ステータス
=0 : 正常終了
>0 : 異常終了
使用例
MSCSを使用したクラスタ運用のExchangeサーバ:VSVR上のストレージグループ:FirstStorageGroupをバックアップします。
C:\>set SWSTGNODE=nodeAGT C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpvssbackup_exchange -evs VSVR -sgname FirstStorageGroup -copygrp BK1 swsrpvssbackup_exchange successfully completed C:\>
WSFCを使用したクラスタ運用のExchangeサーバ:VSVR上のストレージグループ:FirstStorageGroupのバックアップを実行します。
C:\>set SWSTGNODE=nodeAGT C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpvssbackup_exchange -evs VSVR -sgname FirstStorageGroup swsrpvssbackup_exchange successfully completed C:\>
データベースMailbox1をバックアップします。
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpvssbackup_exchange -dbname Mailbox1 swsrpvssbackup_exchange successfully completed C:¥>
注意事項
次のような場合は、バックアップを実行できません。
指定したストレージグループまたはデータベースのデータベース情報がswsrpdbinfo_ex2k3/swsrpdbinfo_exchange(Exchangeデータベース情報登録コマンド)で登録されていなかったとき。
指定したストレージグループまたはデータベースのデータベース構成が変更されているとき。
コピーセット情報の取得に失敗したとき。
バックアップサーバとの通信に失敗したとき。
ストアがディスマウントされているとき。
指定したストレージグループまたはデータベースの中に、コピー種別の異なるコピーセットが存在するとき。
指定したストレージグループまたはデータベースの中に、対象のExchange Serverでは使用できないコピー種別のコピーセットが存在するとき。
同期型バックアップの場合、ストレージグループのすべてのコピーセット同期処理が等価性維持状態になっていないとき。
ハードウェアプロバイダの処理で何らかのエラーが発生したとき。
ハードウェアプロバイダコマンドで何らかのエラーが発生したとき。
バックアップLUNのボリューム(パーティション)を削除できなかったとき。
バックアップLUNにシャドウコピーが存在する場合、シャドウコピーを削除できなかったとき。
バックアップデータの整合性検証で異常が検出されたとき。
ライタメタデータドキュメント、バックアップコンポーネントドキュメントの保存に失敗したとき。
バックアップボリュームのドライブ文字の割当てに失敗したとき。
-skipchkオプションを指定した場合
-skipchkオプションを使用してデータ整合性の検証を省略した場合、本コマンド終了後に手動でデータ整合性を検証してください。データ整合性の検証方法は、以下の「サポート技術情報」(Microsoft Knowledge Base)を参照してください。
[Exchange Server 2003 のデータ バックアップとボリューム シャドウ コピー サービス(スナップショットの整合性チェックの方法)](注)
http://support.microsoft.com/kb/822896
(注)Exchange Server 2007、Exchange Server 2010、またはExchange Server 2013の場合、“*.stm”ファイルの検証は不要です。
コマンドを強制終了した場合
本コマンドをタスクマネージャ、Ctrl-Cなどで強制終了させた場合、Exchangeライタがバックアップ処理中のままになってしまうことがあります。このような場合、本コマンドを再実行すると以下のようなエラーが出力され、バックアップを実行できません。
「swsrp4648 VSS処理でエラーが発生しました。処理フェーズ=[BACKUP] Creation of Shadow Copy Set、検出API=StartSnapshotSet、エラーコード=0x80042316」
この状態を復旧するには、Microsoft Exchange Information Storeサービスを再起動して、Exchangeライタを初期化する必要があります。
なお、Microsoft Exchange Information Storeサービスを再起動すると、Exchange Serverに接続しているクライアントが予期しない終了や接続の終了を起こす可能性があります。サービスを再起動する場合は、Exchangeの管理者と協議して、再起動の契機を考慮して実施してください。
次のコマンドが動作中のときは、本コマンドを実行できません。
複数コピーセット構成のストレージグループまたはデータベースを処理している間にエラーが発生した場合は、本コマンドはその時点で処理を中断します。同期型バックアップを行っていた場合は、サスペンドされた同期処理はswsrpvsssync_exchange start(Exchange VSS同期処理コマンド)で再開する必要があります。