本節では、PRIMECLUSTERのクラスタシステムにETERNUS SF Disk Space Monitorを導入する方法について説明します。項番にそって導入・設定してください。
注意
本節では、PRIMECLUSTERのクラスタ環境にETERNUS SF Disk Space Monitorの環境を構築する手順について説明しており、PRIMECLUSTERの設定を含んでいます。本節を読むにあたり、PRIMECLUSTERの基本的な理解と、実務知識が必要です。
本節の設定は、システム管理者権限でログインして行ってください。
本節で説明する作業を行う前に、PRIMECLUSTERのインストールおよび環境設定を行っておく必要があります。
参照
PRIMECLUSTERをインストールし、新しくクラスタ環境を構築する場合の手順については、必要に応じて「PRIMECLUSTER導入運用手引書」を参照してください。
共有ディスクの設定
現用系ノードと待機系ノードのETERNUS SF Disk Space Monitorが共有するファイルを格納する共有ディスクを設定します。
参照
共用ディスク装置の設定の詳細については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。
IPアドレスとホスト名の割当て
注意
以下の条件の場合、IPアドレスおよびホスト名を新規に割り当てる必要はありません。
Systemwalker Centric Managerとの連携を行っている場合
クラスタシステムを構成するノードでは、それぞれ複数のIPアドレスおよびホスト名を管理します。
ETERNUS SF Disk Space Monitor用グループのIPアドレス(以降:論理IPアドレス)
クラスタシステムで運用する時に、使用するネットワーク上でユニークなIPアドレスを新規に割り当てます。
ETERNUS SF Disk Space Monitor用のホスト名(以降:論理ホスト名)
論理IPアドレスが解決できる名前です。
DNSなどのネームサービスに登録することで、有効になります。
参照
IPアドレスとホスト名の設定の詳細については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。
現用系サーバでETERNUS SF Disk Space Monitorをインストールする
注意
共用ディスクにはインストールしないでください。
参照
インストールの方法については、「4.1.1.1 インストール」を参照してください。
現用系サーバでクラスタアプリケーションを停止する
クラスタアプリケーションを停止します。
注意
以下の条件の場合は、Systemwalker Centric Managerのサービスも停止してください。
Systemwalker Centric Managerとの連携を行っている場合
現用系サーバから共用ディスク装置にアクセスできるようにする
現用系サーバ側で共用ディスク装置にアクセスできるようにしてください。
現用系サーバでクラスタセットアップコマンドを実行する
現用系サーバでクラスタセットアップコマンドsqcsetupclpを実行します。コマンドの実行形式は以下です。
/opt/FJSVssqc/bin/sqcsetupclp -m <共用ディスク装置のマウントポイント> -h <論理ホスト名> |
参照
クラスタセットアップコマンドの詳細については、「4.4.3 クラスタセットアップコマンド」を参照してください。
待機系サーバでETERNUS SF Disk Space Monitorをインストールします。
参照
インストールの方法については「4.1.1.1 インストール」を参照してください。
注意
ETERNUS SF Disk Space Monitor環境は、現用系サーバ、待機系サーバとも同一環境(同じデバイス名、共用ディスク装置、かつ同じインストールパス)で作成してください。
なお、共用ディスク装置にはインストールしないでください。
待機系サーバでクラスタアプリケーションを停止する
クラスタアプリケーションを停止します。
待機系サーバから共用ディスク装置にアクセスできるようにする
待機系サーバ側で共用ディスク装置にアクセスできるようにしてください。
待機系サーバでクラスタセットアップコマンドを実行
待機系サーバでクラスタセットアップコマンドsqcsetupclsを実行します。コマンドの実行形式は以下です。
/opt/FJSVssqc/bin/sqcsetupcls -m <共用ディスク装置のマウントポイント> |
参照
クラスタセットアップコマンドの詳細については、「4.4.3 クラスタセットアップコマンド」を参照してください。
ETERNUS SF Disk Space MonitorのデーモンをPRIMECLUSTERのリソースとして登録します。
ここでは、現用系サーバでのリソースの登録方法について、以下に順に説明します。
全体の手順は以下のとおりです。
ETERNUS SF Disk Space Monitorのクラスタセットアップコマンドで作成されたリソースを、ETERNUS SF Disk Space Monitorのデーモンとして登録します。
注意
以下の条件の場合は、ETERNUS SF Disk Space Monitorのデーモンをアプリケーションリソースとして「CentricMGR Group」に登録してください。
Systemwalker Centric Managerとの連携を行っている場合
リソースの登録方法は、プラットフォームにより異なります。
ご使用のプラットフォームに合った登録方法を参照してください。
プラットフォーム | 参照箇所 |
---|---|
Solaris | |
Linux |
【Solaris版】
リソースの作成
PRIMECLUSTERのuserApplication Configuration Wizardから、[Resourceの作成]を選択し、以下のResourceタイプを設定します。詳細は、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。
Fsystem :
共有資源用パーティションを選択します。
Ipaddress :
ネットワーク種別にIP Address Takeoverを選択し、IPアドレス/ホスト名には、クラスタセットアップコマンドのオプションで指定したものを設定します。
Procedure :
プロシジャクラスにApplicationを選択し、プロシジャリソースをDiskSpaceMonitorとしてリソースを作成します。
クラスタアプリケーションの作成
PRIMECLUSTERのuserApplication Configuration Wizardのトップメニューから、[userApplicationの作成]を選択し、アプリケーションを作成します。詳細は、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。
[userApplication名と運用形態の設定]画面では、運用形態にStandbyを選択してください。
[属性の設定]画面では、userApplicationの属性を設定してください。設定するオプションの例(推奨値)を以下に示します。
属性(Attribute) | 値(Value) | 概要 |
---|---|---|
AutoStartUp | Yes | RMSが開始されるときに、userApplicationも自動的に開始されます。 |
AutoSwitchOver | HostFailure ResourceFailure | ホストおよびリソースで障害が発生した場合に自動的に切り替えられるようにします。 |
PersistentFault | 1 | userApplicationのFaultedの状態は、RMSの再起動後も維持されます。 |
ShutdownPriority | NONE(省略値) | userApplicationに重み係数(優先度)を割り当てません。 |
StandbyTransitions | StartUp SwitchRequest | RMSが起動するときおよび別のノードへ状態遷移したときにStandby状態遷移が実行されます。 |
OnlinePriority | 0(省略値) | RMSの再起動後は、優先度の最も高いノードでuserApplicationがOnlineになります。優先度は、userApplicationの作成時の「SysNodeの設定」で設定したノードの設定順序により決定されます。 |
HaltFlag | No(省略値) | Fault処理中にさらに故障が発生(二重故障)したような場合に、ノードの強制的な停止が行われません。そのため、userApplication は、フェールオーバしません。 |
Resourceの選択には、リソースの作成で作成した各リソースをすべて選択し、アプリケーションの作成を行ってください。
【Linux版】
PRIMECLUSTERのRMS Wizardを使用して、アプリケーションを作成する場合の説明をします。
事前設定
共有ディスク、および論理IPアドレスを使用するため、事前に設定を行ってください。
設定方法については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。
クラスタアプリケーションの作成
RMS Wizardを起動しApplicationのResourceとして、DiskSpaceMonitorを登録してください。
また、LocalFileSystemに共有ディスクのマウントポイント、IpAddressに論理IPアドレスを指定して登録してください。
クラスタシステムからETERNUS SF Disk Space Monitorをアンインストールする場合は、以下の手順に従ってください。
クラスタアプリケーションの停止
PRIMECLUSTERのCluster Admin GUIを使用し、ETERNUS SF Disk Space Monitorサービスを停止します。
参照
停止方法については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。
注意
以下の条件の場合は、Systemwalker Centric Managerのサービスも停止してください。
Systemwalker Centric Managerとの連携を行っている場合
アプリケーションとリソースの削除
「4.4.1.1.6 リソース登録」でクラスタシステムに登録したETERNUS SF Disk Space Monitorのアプリケーションとリソースを削除してください。
待機系サーバでクラスタアンセットアップコマンド実行
共用ディスクをオンラインにし、待機系サーバでクラスタアンセットアップコマンドsqcunsetclを実行します。コマンドの実行形式は以下です。
/opt/FJSVssqc/bin/sqcunsetcl |
現用系サーバでクラスタアンセットアップコマンド実行
現用系サーバでクラスタアンセットアップコマンドsqcunsetclを実行します。コマンドの実行形式は以下です。
/opt/FJSVssqc/bin/sqcunsetcl |
アンインストール
現用系サーバと待機系サーバで、それぞれのETERNUS SF Disk Space Monitorをアンインストールします。
参照
アンインストールの方法については、「4.1.4 アンインストールについて」を参照してください。
共用ディスク装置の不要なディレクトリの削除
共用ディスク装置内の不要なディレクトリを削除します。
クラスタアプリケーションからETERNUS SF Disk Space Monitor用の共用ディスク装置の削除
「共有ディスクの設定」で登録した以下の共用ディスク装置を削除します。
ETERNUS SF Disk Space MonitorのクラスタアプリケーションからETERNUS SF Disk Space Monitorがクラスタ運用に使用する共用ディスクを削除します。
注意
以下の条件の場合は、「CentricMGR Group」からETERNUS SF Disk Space Monitorがクラスタ運用に使用する共用ディスクを削除します。
Systemwalker Centric Managerとの連携を行っている場合
ETERNUS SF Disk Space Monitor用のクラスタアプリケーションの削除
ETERNUS SF Disk Space Monitor用のクラスタアプリケーションを削除します。
注意
以下の条件の場合は、クラスタアプリケーションの削除は必要ありません。
Systemwalker Centric Managerとの連携を行っている場合
手順 1. で停止したSystemwalker Centric Managerのクラスタアプリケーションを起動してください。