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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 14.1 運用手引書

9.2.5 リストア

9.2.5.1 リストア前の作業

リストアを行う前に以下の作業を行う必要があります。

9.2.5.1.1 復元時のデータベース上書きを許可

Exchange 管理コンソールを使用して、リストア対象ストレージグループ内のすべてのストアに対して、[復元時はこのデータベースを上書きする]オプションを指定します。

9.2.5.1.2 ストレージグループのディスマウント

Exchange システムマネージャ/Exchange 管理コンソールを使用して、リストア対象ストレージグループ内のすべてのストアをディスマウントします。ディスマウント後はExchange システムマネージャ/Exchange 管理コンソールを閉じてください。

9.2.5.1.3 物理ディスクに対するリソース監視の停止(WSFC運用時のみ)

ExchangeサーバをWSFC運用している場合、リストア時はWSFCの共用ボリュームにLUN単位コピーを行う事になるため、リソース監視を停止する必要があります。

注意

リソース監視の停止対象ディスクはリストア方式により異なります。詳細については、「9.2.5.2 リストアの実行」を参照してください。

  • Point-in-Timeリストアを行う場合はストレージグループ(*.edb、*.log、*.chk)が配置されている全ての物理ディスクリソースが対象となります。

  • ロールフォワードリストアを行う場合はデータベースファイル(*.edb)が配置されている物理ディスクリソースのみが対象となります。この場合にストレージグループが配置されている全ての物理ディスクリソースに対してリソース監視の停止を行っても問題はありません。

リソース監視の停止はclusterコマンドでリソースを保守モードに変更することにより行います。

[実行例(物理ディスクリソース「Disk J:」を保守モードに変更する場合)]

C:\>cluster ExampleCluster res "Disk J:" /maint:on

リソース 'Disk J:' のために保守モードを設定しています。
リソース             グループ             ノード          状態
-------------------- -------------------- --------------- ------
Disk J:              GRP1                 NODE1           オンライン(保守)

C:\>
9.2.5.1.4 QuickOPCセッションの停止(差分スナップショット型バックアップの場合のみ)

差分スナップショット型バックアップの場合、リストアを実行する前に業務ディスクに設定されているQuickOPCセッションを全て12.5.6 swsrpshadowadm_exchange(Exchange VSSシャドウコピー管理コマンド)で解除する必要があります。業務ディスクに設定されているQuickOPCセッションは、12.5.6 swsrpshadowadm_exchange(Exchange VSSシャドウコピー管理コマンド)で確認することができます。

注意

  • 業務ディスクに、QuickOPC中のバックアップディスクが存在する場合は、リストアを実行することはできません。

  • 物理コピー実行中のQuickOPCを解除する場合は、事前にシャドウコピーを削除しておく必要があります。

9.2.5.2 リストアの実行

リストアはExchangeサーバ上で12.5.5 swsrpvssrestore_exchange(Exchange VSSリストア実行コマンド)を使用して、ストレージグループ単位で行います。このとき、ストレージグループ内のすべてのデータベース(ストア)はディスマウントされます。リストアはアドバンスト・コピー(OPC)を使用して実施されます。

リストアには以下の方法があります。

9.2.5.2.1 Point-in-Timeリストア(バックアップ時点へのリストア)

Point-in-Timeリストアは、ストレージグループ内のすべてのデータベースをバックアップ時点の状態へリストアします。Point-in-Timeリストアは、12.5.5 swsrpvssrestore_exchange(Exchange VSSリストア実行コマンド)にpointオプションを指定して実行します。pointオプションが指定された場合、本コマンドはバックアップボリュームからストレージグループを構成する全ファイル(*.edb、*.log、*.chk)をリストアすることによって、ストレージグループをバックアップ時点へリストアします。

図9.49 Point-in-Timeリストア

[実行例]

C:\>set SWSTGNODE=nodeAGT
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpvssrestore_exchange -evs VSVR -point -sgname FirstStorageGroup
swsrpvssrestore_exchange successfully completed
C:\>
9.2.5.2.2 ロールフォワードリストア(最新時点へのリストア)

ロールフォワードリストアは、ストレージグループ内のすべてのデータベースを最新時点へリストアします。

ロールフォワードリストアは、12.5.5 swsrpvssrestore_exchange(Exchange VSSリストア実行コマンド)にrollオプションを指定して実行します。rollオプションが指定された場合、本コマンドは以下の動作を行います。

  1. データベースファイル(*.edb)だけをリストアします。

  2. 業務ボリューム上に存在するログファイルを使用してログ適用を行います。

  3. データベースを最新時点へリストアします。

図9.50 ロールフォワードリストア

[実行例]

C:\>set SWSTGNODE=nodeAGT
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpvssrestore_exchange -evs VSVR -roll -sgname FirstStorageGroup
swsrpvssrestore_exchange successfully completed
C:\>

注意

ロールフォワードリストアを実行するためには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 最新の完全バックアップが実行された時間より後に作成されたすべてのトランザクションログがある。

  • 現存しているログファイルについて、その世代番号(E0nXXXXX.logの“XXXXX”の部分)が連続している。

  • データベースのパスを変更した直後に新しいバックアップが作成されている。

  • ESEUTIL /p(破損または損傷しているデータベースの修復)、ESEUTIL /d(データベースのデフラグ/圧縮)を実行した直後に新しいバックアップが作成されている。

  • ストレージグループにデータベースを追加または削除した直後に、ストレージグループに存在するすべてのデータベースのバックアップが作成されている。

9.2.5.3 リストアの確認

リストアコピーの実施状況は、「12.5.7 swsrpstat_exchange(Exchange運用状況表示コマンド)」で確認できます。

[実行例(OPCでリストアを行った場合)]

C:\> C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstat_exchange -sgname FirstStorageGroup
Server    Original-Volume  Replica-Volume   Direction Status  Execute
EXCHG-SVR g1d1p1@EXCHG-SVR g1d11p1@BKUP-SVR reverse   snap     80%
EXCHG-SVR g1d2p1@EXCHG-SVR g1d12p1@BKUP-SVR reverse   snap     63%
EXCHG-SVR g1d1p1@EXCHG-SVR g1d13p1@BKUP-SVR ----      ----     ----
EXCHG-SVR g1d2p1@EXCHG-SVR g1d14p1@BKUP-SVR ----      ----     ----
C:\>

9.2.5.4 リストア後の作業

リストアを行った後に以下の作業を行う必要があります。

9.2.5.4.1 物理ディスクに対するリソース監視の再開

リソース監視を停止している物理ディスクに対して、保守モードを解除してリソース監視を再開します。

[実行例(物理ディスクリソース「Disk J:」の保守モードを解除する場合)]

C:\> cluster ExampleCluster res "Disk J:" /maint:off

リソース 'Disk J:' のために保守モードをクリアしています。
リソース             グループ             ノード          状態
-------------------- -------------------- --------------- ------
Disk J:              GRP1                 NODE1           オンライン

C:\>
9.2.5.4.2 ストレージグループのマウント

Point-in-Timeリストアの場合、Exchange システムマネージャを使用してディスマウント状態となっているすべてのストアをマウントします。ロールフォワードリストアの場合は、以下の手順でストアのマウントを行います。

  1. ロールフォワードリストアの場合はCHKファイル(EXX.chk)を削除またはリネームしてください(Point-in-Timeリストアの場合は、本手順は実施しないようにしてください)。

  2. Exchange 管理コンソールからディスマウント状態となっているすべてのストアをマウントします。

9.2.5.5 テープにバックアップされているデータからのリストア

テープバックアップからリストアを行う場合は、テープ媒体上のバックアップデータをバックアップサーバにリストアした後、12.5.5 swsrpvssrestore_exchange(Exchange VSSリストア実行コマンド)を投入する必要があります。

また、バックアップボリュームがシャドウコピーとして使用されている場合はシャドウコピーを削除した後にテープバックアップデータをリストアする必要があります。リストア作業の流れを以下に示します。

図9.51 スナップショット型リストア(OPCによるリストア)を行う場合