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Systemwalker Network Manager 使用手引書

5.1.2 性能監視で提供している機能

5.1.2.1 監視ポリシーによるネットワーク性能監視

Systemwalker Network Managerでは、ポーリングによる状態監視、ネットワーク使用率の監視等を、“監視ポリシー”として定義しています。
各監視ポリシーには、監視対象のインタフェース、監視間隔、監視を行う時間帯などを、きめ細かく定義することができます。
Systemwalker Network Managerは、以下の監視ポリシーを提供します。

可用性

表5.2 監視ポリシー

監視ポリシー名

説明

IP稼動監視
[IPOperationMonitor]

ICMP EchoRequestによるIPの稼働監視を行います。応答が無い場合、イベントを通知します。

[]内は定義に使用する監視ポリシー名を表します。

ネットワーク性能

表5.3 監視ポリシー

監視ポリシー名

説明

RTT監視
[RTTMonitor]

ICMP EchoRequestを指定回数送信し、平均応答時間(以降RTTと称します)を計測します。応答時間が閾値を超えた場合、イベントを通知します。

コリジョン監視
[CollisionMonitor]

SNMPにより、Cisco機器のコリジョン(トラフィック輻輳やパケット衝突など)数を算出し、閾値を超えた場合、イベントを通知します。

ドロップパケット監視
[DropPacketMonitor]

SNMPにより、Cisco機器のドロップパケット数を算出し、閾値を超えたらイベントを通知します。

CRCエラー監視
[CRCErrorMonitor]

SNMPにより、Cisco機器のCRCエラー(送信側で付加した巡回符号と受信側で算出した巡回符号の一致をみるもので、回線品質を把握するのに有用な情報)数を算出し、閾値を超えた場合、イベントを通知します。

ネットワーク使用率監視
[NetworkTraffic32Monitor/NetworkTraffic64Monitor]

SNMPにより、ネットワーク使用率を算出し、閾値を超えた場合、イベントを通知します。
NetworkTraffic64Monitorを使用することを推奨します。ただし、NetworkTraffic64Monitorを使用するには、監視対象装置が、IF-MIB(1573)をサポートしている必要があります。監視対象装置のIF-MIB(1573)のサポート有無については、装置のマニュアル等で確認して下さい。監視対象装置がIF-MIB(1573)をサポートしていない場合は、NetworkTraffic32Monitorを使用して下さい。

ネットワークパケット監視
[NetworkPktsMonitor]

SNMPにより、インタフェースの単位時間あたりのパケット送受信数を算出し、閾値を超えた場合、イベントを通知します。

破棄パケット監視
[NetworkDiscardPktsMonitor]

SNMPにより、MIB取得によりインタフェースの破棄パケット数を算出し、閾値を超えた場合、イベントを通知します。

エラーパケット監視
[NetworkErrorPktsMonitor]

SNMPにより、MIB取得によりインタフェースのエラーパケット数を算出し、閾値を超えた場合、イベントを通知します。

[]内は定義に使用する監視ポリシー名を表します。

ノード性能

表5.4 監視ポリシー

監視ポリシー名

説明

CPU負荷監視
[CPUBusyMonitor]

SNMPにより、Cisco機器のCPU使用率(CPUビジー率の指数減衰型移動平均)を取得し、閾値を超えた場合、イベントを通知します。

[]内は定義に使用する監視ポリシー名を表します。

任意MIB

表5.5 監視ポリシー

監視ポリシー名

説明

任意MIB監視(機器)
[CustomIntNodeMonitor /CustomDoubleNodeMonitor]

SNMPにより、監視対象機器の任意のMIBを参照し、取得した値を使用して計算した結果が閾値を超えた場合、イベントを通知します。計算結果を整数として扱いたい場合は、CustomIntNodeMonitorを、実数として扱いたい場合は、CustomDoubleNodeMonitorを使用します。

任意MIB監視(ポート)
[CustomIntInterfaceMonitor /CustomDoubleInterfaceMonitor]

SNMPにより、監視対象ポート(物理インタフェース)の任意のMIBを参照し、取得した値を使用して計算した結果が閾値を超えた場合、イベントを通知します。計算結果を整数として扱いたい場合は、CustomIntInterfaceMonitorを、実数として扱いたい場合は、CustomDoubleInterfaceMonitorを使用します。

[]内は定義に使用する監視ポリシー名を表します。

注意

  • SNMPを使用する監視ポリシーは、監視対象機器の再起動直後または、約497日連続稼動した場合、監視を行いません(1回分)。また、その間の収集データも作成されません。

5.1.2.2 統計情報作成

監視ポリシーによるネットワーク性能監視の収集データを元に、1日に1回、統計データを作成します。蓄積された統計データは、ipmLogToCsv コマンドによって、CSV形式でエクスポートすることが可能です。また、エクスポートしたデータをグラフ化することにより、ネットワーク性能の遷移を視覚的に判断することが可能になります。
ipmLogToCsv コマンドについては、8.1.16 ipmLogToCsv(収集データログのCSV出力)を、エクスポートされるCSVファイルの詳細は、付録C 収集データログのCSV出力形式を参照して下さい。

注意

  • ネットワークの問題などにより、運用管理サーバ(エージェント)からネットワーク性能監視のデータが収集できなかった場合、復旧後に最大2日前までのデータを収集します。ただし、収集できなかった時間帯のデータは統計処理の対象とならないため、ipmLogToCsv コマンドでエクスポートされる「Week、Month、Year」(統計データ)も、その時間帯のデータを含まない統計処理となります。

5.1.2.3 ノード集約

ノード集約は、複数の監視対象機器で発生した性能監視のイベントを代表のノードに通知し表示させる機能です。例えば、スイッチに接続されている多数のPCを監視したいが、すべてのPCをトポロジマップに表示させ管理するのではマップが見づらい等、運用が煩雑になる場合があります。このような時はPCをマップに登録せず、PCが接続されたスイッチのみをマップに登録して、スイッチをPCの代表ノードにすることが可能です。この時に発生したPCの監視違反イベントは、スイッチに集約されます。代表のノードの登録方法の詳細は、5.1.3 ネットワークの設定を行う操作の流れを参照して下さい。ノード集約の設定方法については、A.1 構成情報定義を参照して下さい。

参考

注意

  • ノード集約を行う場合、性能監視イベントは、集約先ノードに集約されるため、イベント発生元をイベントメッセージで特定する必要があります。デフォルトのメッセージは、発生元ノードを特定する情報が含まれていないため、監視パラメタの定義で、メッセージを変更する必要があります。以下に監視ポリシー単位で発生元ノード/インタフェースを一意に特定するためのキーを示します。本キーをメッセージに追加して下さい。なお、監視パラメタの定義については、5.3.4 監視パラメタの定義を参照して下さい。

監視ポリシー名

キー

IP稼動監視 [IPOperationMonitor]

%node.nodeName%
%interface.hostName%

コリジョン監視 [CollisionMonitor]

ドロップパケット監視 [DropPacketMonitor]

CRCエラー監視 [CRCErrorMonitor]

ネットワーク使用率監視
[NetworkTraffic32Monitor/NetworkTraffic64Monitor]

ネットワークパケット監視 [NetworkPktsMonitor]

破棄パケット監視 [NetworkDiscardPktsMonitor]

エラーパケット監視 [NetworkErrorPktsMonitor]

任意MIB監視
[CustomIntInterfaceMonitor/CustomDoubleInterfaceMonitor]

RTT監視 [RTTMonitor]

%node.nodeName%

CPU負荷監視 [CPUBusyMonitor]

任意MIB監視
[CustomIntNodeMonitor/CustomDoubleNodeMonitor]

例:ネットワーク使用率監視の場合
%node.nodeName%(インタフェース=%interface.hostName%)で、警告レベルのネットワーク使用率監視違反(IN)が発生しました。(しきい値=%THRESHOLD% 実測値=%VALUE%)