各監視ポリシーに、閾値や、閾値超えに通知するイベントメッセージ等、監視のポリシーを定義します。監視パラメタは、監視ポリシー名をキーに操作します。以下に監視ポリシーと監視ポリシー名の対応を示します。
監視ポリシー | 監視ポリシー名 | |
---|---|---|
IP稼動監視 | IPOperationMonitor | |
RTT監視 | RTTMonitor | |
コリジョン監視 | CollisionMonitor | |
ドロップパケット監視 | DropPacketMonitor | |
CRCエラー監視 | CRCErrorMonitor | |
ネットワーク使用率監視 | NetworkTraffic32Monitor/NetworkTraffic64Monitor | |
ネットワークパケット監視 | NetworkPktsMonitor | |
破棄パケット監視 | NetworkDiscardPktsMonitor | |
エラーパケット監視 | NetworkErrorPktsMonitor | |
CPU負荷監視 | CPUBusyMonitor | |
任意MIB監視 | CustomIntInterfaceMonitor/CustomIntNodeMonitor |
監視パラメタは、導入時に、あらかじめデフォルト定義されています。内容を変更する場合は、現在のデフォルト定義をダウンロードして、その内容を変更して下さい。
各監視ポリシーに定義されている閾値のデフォルト値は以下の通りです。任意MIB監視のポリシーの閾値はデフォルト値がないため、必ず定義する必要があります。
監視ポリシー | 警告レベル閾値 | 重要レベル閾値 |
---|---|---|
RTT監視 | 2000 | 3000 |
コリジョン監視 | 5 | 10 |
ドロップパケット監視 | 5 | 10 |
CRCエラー監視 | 1 | 5 |
ネットワーク使用率監視 | 28 | 38 |
ネットワークパケット監視 | 5 | 10 |
破棄パケット監視 | 5 | 10 |
エラーパケット監視 | 5 | 10 |
CPU負荷監視 | 75 | 85 |
ネットワークパケット監視は、インタフェースの単位時間あたりの正常なパケット送受信数を監視しているため、定常運用時のパケット数を考慮して閾値を設定して下さい。
閾値の設定については、例えば以下のような手段で決定できます。
1. ipmLogToCsv(収集データログのCSV出力)コマンドを実行して、ネットワークパケット監視の収集データログを採取します。
2. 上記で採取したログファイルから定常運用時の入力パケット数および出力パケット数の最大値を抽出し、復旧閾値に設定します。
3. 復旧閾値の2~3割増しを監視する閾値として設定します。
監視パラメタのダウンロードには、ipmDownloadCustom コマンドを使用します。コマンドの詳細については、8.1.6 ipmDownloadCustom(監視ポリシーパラメタのダウンロード)を参照して下さい。
ダウンロードした定義には、各パラメタの説明文が含まれています。変更内容の編集後、ipmUploadCustomコマンドを使用して、監視パラメタのアップロードを行って下さい。コマンド詳細については、8.1.18 ipmUploadCustom(監視ポリシーでのパラメタのアップロード)を参照して下さい。
注意
監視パラメタファイルの文字コードはSJISです。
監視パラメタファイルの詳細については、付録B 監視ポリシーのパラメタファイルを参照して下さい。
監視パラメタのアップロード内容を有効にするためには、ipmApplyPolコマンドでポリシーの適用を行う必要があります。コマンドの詳細については8.1.1 ipmApplyPol(ポリシーの適用)を参照して下さい。
NetworkTraffic64Monitor/NetworkTraffic32Monitorについては、5.1.2.1 監視ポリシーによるネットワーク性能監視を参照して下さい。
複数の運用ルールで、任意の監視ポリシーを動作させたい場合、監視ポリシーの複製を行います。複製ポリシーを使用することにより、顧客Aのネットワーク使用率は、閾値20%で監視し、顧客Bのネットワーク使用率は、閾値30%で監視するといった、閾値や監視周期などを監視対象ごとに変更する運用が可能になります。
複製された監視ポリシーには「複製ポリシー名」が付与され、監視ポリシー名と同様に、扱うことができます。
監視ポリシーの複製には、ipmDupPolコマンドを使用します。コマンドの詳細については、8.1.7 ipmDupPol(監視ポリシーの複製作成と削除)を参照して下さい。
監視ポリシーを複製した場合、以下の手順で複製ポリシーの設定を有効にして下さい。
1. 複製した元監視ポリシーの監視パラメタをベースに、監視パラメタをアップロード。 (8.1.18 ipmUploadCustom(監視ポリシーでのパラメタのアップロード)参照)
2. 監視動作ポリシー定義の監視対象条件に複製した監視ポリシーを追加して、適用。(8.1.14 ipmImptPol(監視動作ポリシー定義のインポート)参照)
3. SLMサーバ定義に複製した監視ポリシーを追加して適用。(8.1.15 ipmImptSrv(SLMサーバ定義のインポート)参照)
ネットワーク機器の任意のMIBを監視したい場合、任意MIB監視ポリシーのカスタマイズを行います。監視ポリシーをカスタマイズすることにより、機器固有の情報や運用に関連する情報を独自に監視するといった、よりきめ細かく、精度の高い性能監視を行うことが可能になります。
監視ポリシーのカスタマイズは、以下の手順で行います。
1. カスタマイズする任意MIB監視ポリシーを複製。 (8.1.7 ipmDupPol(監視ポリシーの複製作成と削除)参照)
複製する監視ポリシーは、用途に合わせて、「5.1.2.1 監視ポリシーによるネットワーク性能監視」の任意MIBの監視ポリシー名(CustomIntInterfaceMonitor / CustomIntNodeMonitor / CustomDoubleInterfaceMonitor / CustomDoubleNodeMonitor)から選択します。
2. 「1.」で複製した任意MIB監視ポリシーの監視パラメタをダウンロード。(8.1.6 ipmDownloadCustom(監視ポリシーパラメタのダウンロード)参照)
3. 監視パラメタをカスタマイズ。
ダウンロードした監視パラメタを編集して、監視したいMIBや取得した値の計算式を定義します。(B.1 パラメタファイルのカスタマイズ参照)
4. 「1.」で複製した任意MIB監視ポリシーに対して、カスタマイズした監視パラメタをアップロード。(8.1.18 ipmUploadCustom(監視ポリシーでのパラメタのアップロード)参照)
5. 監視動作ポリシー定義の監視対象条件にカスタマイズした任意MIB監視ポリシーを追加して、適用。(8.1.14 ipmImptPol(監視動作ポリシー定義のインポート)参照)
6. SLMサーバ定義にカスタマイズした任意MIB監視ポリシーを追加して適用。(8.1.15 ipmImptSrv(SLMサーバ定義のインポート)参照)
注意
監視パラメタのカスタマイズ内容が妥当かどうかを、運用に入る前に確認することをお奨めします。取得したMIBの値の計算式の書式に誤りがある場合は、syslogにエラーメッセージが出力されます。計算式の書式の詳細についてはB.1 パラメタファイルのカスタマイズを参照して下さい。